2019年5月17日 (金)

旅猫リポート

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劇場:京都シネマ
監督:三木康一郎
脚本:有川浩、平松恵美子
原作:有川浩「旅猫リポート」
製作:田渕みのり、宇高武志、河野美里
製作総指揮:大角正、吉田繁暁、津嶋敬介
音楽:コトリンゴ
出演:福士蒼汰、高畑充希、トム(猫)、広瀬アリス、大野拓朗、山本涼介、前野朋哉、田口翔大、二宮慶多、中村靖日、戸田菜穂、沢城みゆき(モモの声)、前野智昭(虎丸の声)、橋本じゅん、木村多江、田中壮太郎、笛木優子、竹内結子 他

 

 

  〈動物好きなら泣ける〉

 

 

 『図書館戦争』など数々の映像化作品で知られるベストセラー作家・有川浩の同名小説を、福士蒼汰主演で映画化したハートフルな物語。

 

 

 元野良猫のナナ(声:高畑充希)は、交通事故にあったところを心優しい猫好きの青年・悟(福士蒼汰)に助けられた。それから5年間、ナナは飼い猫として幸せに暮らしてきたが、悟はとある事情でナナを手放さなくてはならなくなる。悟はナナと一緒に新しい飼い主を探すため、銀色のワゴンに乗って旅に出る。悟の小学校時代の親友(山本涼介)、高校時代の友人夫婦(広瀬アリス、大野拓朗)、幼少のころから世話になっている叔母(竹内結子)など、悟がこれまでの人生で出会った大切な人たちを訪ねていき、それは図らずも悟の人生を振り返る旅となっていた。そして、旅の終わりに明かされる悟の秘密とは…。

 

 

 猫に限らずペットを飼っている(又は、いた)人なら絶対に泣ける映画。親族やかつての友人を通じて人生という旅のレポートを振り返る内容だが、あまりに辛すぎる主人公の境遇には閉口。途中で結末がほぼ読めてしまうのだが、やっぱり飼い主が先に逝っちゃダメでしょ。決して上手な作りではないが、心に残る映画ではある。

 

 

私の評価…☆☆☆

 

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2019年5月 8日 (水)

ダンボ(2019)

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ティム・バートン
脚本:アーレン・クルーガー
原作:「ダンボ」(1941年/アメリカのアニメ映画/邦題「空飛ぶゾウ ダンボ」:日本公開1954年)
製作:ジャスティン・スプリンガー 他
製作総指揮:ティム・バートン、ナイジェル・ゴステロウ
音楽:ダニー・エルフマン
主題歌:アーケイド・ファイヤ「Baby Mine」
日本公開版エンディング・テーマ:竹内まりや「ベイビー・マイン」(上記主題歌のカバー)
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):エド・オズモンド[ダンボのモーション・キャプチャー・アクター]、コリン・ファレル(西島秀俊)、ニコ・パーカー(遠藤璃菜)、フィンリー・ホビンス(岡部息吹)、マイケル・キートン(井上和彦)、ダニー・デヴィート(浦山迅)、エヴァ・グリーン(沢城みゆき)、シャロン・ルーニー(大塚千弘)、デオビア・オパレイ(乃村健次)、ジョセフ・ギャット(阪口周平)、ダグラス・リース(巻島康一)、フィル・ジマーマン(竹田雅則)、デレクマイケル・バッファー(銀河万丈)、ロシャン・セス(たかお鷹)、アラン・アーキン(糸博)、ミゲル・ムニョス・セグラ(河本邦弘)、ゼナイダ・アルキャルディ(岸本百恵)、フランク・バーク(佐々木睦)、ラース・アイディンガー(佐々木啓夫)、サンディ・マーティン(宮沢きよこ) 他

 

 

 〈動物側ではなく人間側寄りの話に〉

 

 

 大きな耳で空を飛ぶ子ゾウの活躍を描いた、ディズニー・アニメーションの傑作を、鬼才ティム・バートン監督が実写映画化したファンタジー。空を飛ぶ力を悪用しようとする人々によって母親と引き離されてしまったダンボと、心やさしきサーカス団の人々が繰り広げる物語が描かれる。

 

 

 とあるサーカスに“大きすぎる耳”を持った子象が誕生する。子象は“ダンボ”と呼ばれ、ショーに出演しても観客の笑いものになる。ある日、ダンボの世話を任されたホルト(コリン・ファレル)の子どもたちが悲しむダンボを元気づけようと遊んでいると、ダンボがその“大きな耳”で飛べることを発見する。“空を飛ぶ子象”の噂は瞬く間に広がり、ダンボで金儲けを企む者に目をつけられ、ダンボは愛する母象ジャンボと引き離される。母を想うダンボに心を動かされたホルト一家とサーカス団の仲間は協力し、ダンボの捕らわれた母を救出しようと動き出す。

 

 

 1941年製作(日本公開は1954年/1983年にリバイバル公開)のアニメ版の上映時間が64分だったのにたいして、本作は112分と大ボリュームに。話自体は大筋で違いはないものの、実写でやると不自然に写るのであろう、喋る動物キャラを無くした分、増やした人間キャラにその役割を持たせて人間ドラマを増幅。特に後半はアニメ版には無い続編的な展開になっている。

 

 

 中でも一番の違いは、サーカス団の中で乗馬を得意とするファリア一家という、人間側の主人公を置いたことであろう。子供であるミリーとジョーの姉弟には親がいるのだが、母はインフルエンザの悪化で亡くなり、父は戦争に駆り出された挙げ句に隻腕となって帰ってくる。この、象と人間のどちらにも異形の者を配置するという設定変更で、ダンボとその母ジャンボ、そして人間側の親子、それぞれの絆が描かれる。代表作「シザーハンズ」(1990年)等でも分かるように、ティム・バートン監督は異形の者の悲哀を描くのが上手い。

 

 

 アニメ版で多くの人がトラウマになっている(?)、ピンクエレファントは、今ではたとえ象であれ子供が酒を飲む場面は描けないので、そのままでは出てこないが、ダンボも喜ぶファンタスティックな場面で登場するので、こちらはお楽しみに。

 

 

私の評価…☆☆☆★

 

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2019年5月 3日 (金)

バンブルビー

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督:トラヴィス・ナイト
脚本:クリスティーナ・ハドソン
原作:タカラトミー・ハズブロ「トランスフォーマー」
製作:スティーヴン・スピルバーグ、ブライアン・ゴールドナー、マーク・ヴァーラディアン、クリス・ブリガム
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ヘイリー・スタインフェルド(土屋太鳳)、ジョン・シナ(楠大典)、ジョージ・レンデボーグ・Jr(志尊淳)、ジョン・オーティス(後藤敦)、ジョン・オーティス(藤原夏海)、パメラ・アドロン(津田真澄)、スティーヴン・シュナイダー(河本邦弘)、グリン・ターマン(玉野井直樹)、レン・キャリオー(宝亀克寿)、グレイシー・ドジーニー(渡辺広子)、リカルド・ホヨス(土屋神葉) 他

 

オートボット(吹替版声優):バンブルビー…ディラン・オブライエン(木村良平)、オプティマス・プライム…ピーター・カレン(玄田哲章)、クリフジャンパー…アンドリュー・モルガド(中村和正)、ラチェット…デニス・シグレタリー(阿部竜一)、アーシー…グレイ・デリスル、ホイルジャック…スティーヴン・ブルー(綿貫竜之介)、ブローン…カーク・ベイリ 他

 

ディセプティコン(吹替版声優):ブリッツウィング…デイビット・ソボロブ(山岸治雄)、シャッター…アンジェラ・バセット(悠木碧)、ドロップキック…ジャスティン・セロー(濱野大輝)、ショックウェーブ…ジョン・ベイリー(拝真之介)、サウンドウェーブ…ジョン・ベイリー(大泊貴揮)、ラヴィッジ…ジョン・ベイリー 他

 

 

 〈どこか懐かしい青春映画テイスト〉

 

 

 地球に襲来した金属生命体と人類との戦いを描く、人気SFアクション「トランスフォーマー」シリーズの初のスピンオフ作。黄色いボディで人気のキャラクター、バンブルビーと18歳の少女との交流を軸に、彼がなぜ地球へやってきたのかが明らかになる。

 

 

 1987年、海辺の田舎町。思春期の少女チャーリー(ヘイリー・スタインフェルド)は、父親を亡くした哀しみから立ち直れずにいた。18歳の誕生日、海沿いの小さな町の廃品置き場で廃車寸前の黄色い車を見つけた彼女は、自宅に乗って帰る。ところがその車が突然、トランスフォームする。驚くチャーリーに対し、逃げ惑う黄色い生命体。お互いに危害を加えないことを理解すると、似た者同士のふたりは急速に距離を縮める。記憶と声を失い“何か”に怯える黄色い生命体に“バンブルビー(黄色い蜂)”と名付けたチャーリーは、バンブルビーを匿うことにする。ボロボロに傷ついたバンブルビーと心に傷を抱えたチャーリーの間に思いがけない友情が芽生えるが、予測不能の事態に巻き込まれていく…。

 

 

 「トランスフォーマー」のスピンオフであり、プリクエル(前日譚)… と思っていたが、実は第1作よりも前の時代を描く「新シリーズ」であり、過去作とは直接関係のない「リブート作品」らしい。

 

 

 なので、前作までを観ていない人でも一応楽しめるし、ヒロイン役ヘイリー・スタインフェルドも、「ピッチ・パーフェクト2&3」の時のような、背伸びした役ではなく、実年齢と同じ等身大の役を熱演している。これまでの5作を監督したマイケル・ベイの色を薄め、製作を担当しているスピルバーグ風にテイストを変えたのも良い。舞台となる1980年代はスピルバーグ映画の全盛期だし、オマージュもたっぷり。また、この時代に人気だったジョン・ヒューズ監督の一連の青春映画のような趣もあり、マンネリ化しかけたシリーズに新風を吹き込んでいる。

 

 

 気になるのは週末の興行収入が、初登場4位と、いくら上にこの時期鉄板の「ドラえもん」がいるとはいえ、人気の凋落が目に見えてきたこと。アメリカでもその傾向はあるようで、今はまだ中国などで稼げているものの、先行きに不安を残る興行成績になってしまった。

 

 

 ただ、一応本作は世界的にヒットしているので、この「バンブルビー」もシリーズ化が検討されていて、次の「トランスフォーマー」シリーズも、このバンブルビーの設定を反映した新作が予定されているらしいのだが、果たしてどうなるのか、気になるところである。

 

 

私の評価…☆☆☆☆

 

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2019年4月28日 (日)

ビリーブ 未来への大逆転

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ミミ・レダー
脚本:ダニエル・スティープルマン
製作:ジョナサン・キング、ロバート・W・コート
製作総指揮:カレン・ループ
音楽:マイケル・ダナ
出演:フェリシティ・ジョーンズ、アーミー・ハマー、ジャスティン・セロー、キャシー・ベイツ、サム・ウォーターストン、ケイリー・スピーニー、カラム・ショーニカー、ジャック・レイナー、スティーヴン・ルート、ルース・ベイダー・ギンズバーグ 他

 

 

 〈先例を変えることの難しさ〉

 

 

 1970年代のアメリカで、当時100%勝ち目がないといわれた男女平等裁判に挑んだ女性弁護士、ルース・ギンズバーグの実話を描く人間ドラマ。

 

 

 アメリカの貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は、すべてに疑問を持てという亡き母の言葉を胸に努力を重ね、名門ハーバード法科大学院に入学。だが1956年当時、500人の学生のうち女性は9人、女子トイレすらそこにはなかった。家事も育児も分担する夫マーティ(アーミー・ハマー)の協力のもと、大学を首席で卒業したルースだったが、法律事務所で働くことは叶わなかった。当時は女性が職に就くのが難しく、自分の名前でクレジットカードさえ作れなかった時代。やむなく大学教授になったルースは、70年代になってさらに男女平等の講義に力を入れ始めるのだった。そんなある日、弁護士の夢を捨てきれないルースに、マーティがある訴訟の記録を見せる。ルースはその訴訟が、歴史を変える裁判になることを信じ、自ら弁護を買って出るのだが…。

 

 

 これはのちにアメリカ合衆国最高裁判事となったルース・ベイダー・ギンズバーグ(80歳を超えた今でも在職中)が弁護士時代に史上初の男女平等裁判に挑んだ実話をもとに描いている。

 

 

 100年も前から変えることのできなかった、性差別の法律の数々。この“男女差別”を解消するには、過去に焦点を当てるのではなく、未来に焦点を当てて、「100%、負ける」という裁判を逆転して、勝たなければならないということである。本作では主人公を通してこの“男女差別”が描かれ、大逆転していく様が描かれる。アメリカの法律と、時代背景を理解していないと、少々難解な映画かもしれないが、先例を変えることの難しさを痛烈に描く映画である。

 

 

 主人公がクライマックスで言う、

 

「国が変われとは言わない 勝手に変わっていくものだから。でも、国が変わろうとする権利は認めて欲しい」

 

というセリフも何か、考えされられる。「博士と彼女のセオリー」のフェリシティー・ジョーンズがこのヒロインを熱演。彼女はこういう真の強い女性役がハマっている。

 

 

 ラストシーンでルース・ベイダー・ギンズバーグ本人が登場するが、その本人のドキュメンタリー「RBG 最強の85歳」が、5月10日の関東地区での封切りを皮切りに全国で順次公開されるので、興味のある方は、そちらもどうぞ。

 

 

私の評価…☆☆☆☆

 

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2019年4月24日 (水)

キャプテン・マーベル

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督:アンナ・ボーデン、ライアン・フレック
脚本:メグ・レフォーヴ 他
原作:ロイ・トーマス、ジーン・コラン「キャロル・ダンヴァース」
製作:ケヴィン・ファイギ
音楽:パイナー・トプラク
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ブリー・ラーソン(水樹奈々)、サミュエル・L・ジャクソン(竹中直人)、ベン・メンデルソーン(関俊彦)、ジュード・ロウ(森川智之)、ジャイモン・フンスー(乃村健次)、リー・ペイス(白熊寛嗣)、ラシャーナ・リンチ(花藤蓮)、アキラ・アクバル(須藤風花)、ジェンマ・チャン(日笠陽子)、アネット・ベニング(榊原良子)、クラーク・グレッグ(村治学)、マッケナ・グレイス(佐々木りお)、スタン・リー(高桑満)、クリス・エヴァンス(中村悠一)、マーク・ラファロ(宮内敦士)、スカーレット・ヨハンソン(米倉涼子)、ドン・チードル(目黒光祐) 他

 

 

 〈マーベル最強女戦士の誕生! さぁ、早く助けに行って!!〉

 

 

 アベンジャーズ誕生のカギを握る女性ヒーロー、キャプテン・マーベルの失われた過去や隠された秘密が明らかになっていく。

 

 

 1995年、ロサンゼルス。空からビデオショップに降ってきた謎の女性、キャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)は驚異的なチカラを持ち、身に覚えのない記憶のフラッシュバックに悩まされていた。その過去に隠された“秘密”を狙い、自在に姿を変える正体不明の敵が彼女を狙う。キャプテン・マーベルは、後に最強ヒーローチーム“アベンジャーズ”を結成することとなる若き日のニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)とともに、自らの記憶をめぐる戦いに立ち向かう。彼女の記憶に隠された秘密が明らかになるとき、衝撃の真実が現れる…。

 

 

 「アベンジャーズ エンドゲーム」の前哨戦としては最良の出来かも。最初のシークエンスから「インフィニティ・ウォー」とは何ぞやということが簡潔に述べられ、エンドロール前には「エンドゲーム」へと完璧に繋がっていく。

 

 

 まず最初のマーベルロゴから、ファンは胸アツになること間違いなし(もう次からあの人が出ることは無いのね、合掌)。本作は、記憶を失った女戦士による、宇宙スケールの自分探し。でもそれは、自分が信じていた世界が変わっていくことだった。その試練を受け入れ、彼女はマーベル・シネマティック・ユニバースで最初のヒーローに覚醒していくのである。

 

 

 ヒロイン役のブリー・ラーソンがとにかくカッコいい。ある意味、DCの「ワンダーウーマン」とはまた違った“強い女性像”である。そして、今まで欠けていた物が、パズルのピースのように次々とハマっていく快感が半端ない。ポスターデザインで気付いた人もいるかもしれないが、猫のグースも予想以上の活躍で楽しませてくれる。それにしてもニック・フューリーの隻眼の理由がアレとはね(笑)。

 

 

 とにかく、これで「エンドゲーム」が凄く楽しみになってきた! 辻褄を合わせるために「エンドゲーム」公開前日には本作のロードショー上映が終了するみたいだが、後で観ても損はない映画だ。

 

 

私の評価…☆☆☆★

 

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2019年4月21日 (日)

シンプル・フェイバー

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督・製作:ポール・フェイグ
脚本:ジェシカ・シャーザー
原作:ダーシー・ベル「ささやかな頼み」
共同製作:ジェシー・ヘンダーソン
製作総指揮:マイク・ドレイク、ジェイソン・クロース
音楽:セオドア・シャピロ
出演:アナ・ケンドリック、ブレイク・ライヴリー、ヘンリー・ゴールディング、アンドルー・レイノルズ、イアン・ホー、ジョシュア・サティーン、リンダ・カーデリーニ、ルパート・フレンド、ジーン・スマート、エリック・ジョンソン、グレンダ・ブラガンザ、ケリー・マコーマック、アパルナ・ナンチェーラ、ダスティン・ミリガン、ダニエル・ブルゴン、ジーア・サンデュ、ポール・ジュールウィッツ、サラ・ベイカー、バシール・サラディン 他

 

 

 〈女性同士の戦い。女って、怖い〉

 

 

 全米で話題となったダーシー・ベルの小説を、リブート版の「ゴーストバスターズ」など、女性を主人公にしたコミカルな作品で定評のあるポール・フェイグ監督が映画化したミステリー。

 

 

 ニューヨーク郊外に住むシングルマザーのステファニー(アナ・ケンドリック)はある日、息子の同級生の母エミリー(ブレイク・ライブリー)に誘われ、豪華な邸宅を訪れる。事故で夫を失い、保険金を切り崩しながら子供を育てる気立てのいいステファニー。これに対してエミリーは、スランプに陥った作家の夫ショーン(ヘンリー・ゴールディング)と愛し合い、華やかなファッション業界で働きながらも、どこかミステリアスな雰囲気を漂わせていた。対照的な2人だったが、次第に互いの秘密を打ち明けあうほど親密な関係になっていく。そんなある日、ステファニーは“息子を学校に迎えに行ってほしい”とエミリーから頼まれる。だが、その後エミリーは息子を引き取りには現れず、そのまま失踪。ステファニーはその行方を捜し始める。やがて、ミシガン州でエミリーの目撃情報が入るが…。

 

 

 原作は、出版前に映画化権が買われて話題となったダーシー・ベルの小説。メインとなる2人の女性とブレイク・ライヴリー扮するエミリーの夫役ヘンリー・ゴールディングによる3人の騙しあいが、ハプニングの連鎖を呼び、結末のドンデン返しへと繋がっていく。

 

 

 劇中のセリフで、騙し映画の傑作「悪魔のような女」(1955年・フランス/アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督/シモーヌ・シニョレ主演)が引き合いに出されるのだが、人物設定を変えれば、なるほど確かによく似ていて面白い。BGMが殆どフランスの曲なのも、意識しているのかと思わせる。ROTTEN TOMATOサイトでtomatometer86%と高評価なのも納得。面白かった!

 

 

 それにしても、本作の前に観た「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」といい、これといい、女って怖いなぁ。

 

 

私の評価…☆☆☆☆

 

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2019年4月14日 (日)

ふたりの女王 メアリーとエリザベス

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ジョージー・ルーク
脚本:ボー・ウィリモン
原作:ジョン・ガイ「Queen of Scots: The True Life of Mary Stuart」
製作:ティム・ビーヴァン 他
製作総指揮:アメリア・グレンジャー 他
音楽:マックス・リヒター
出演:シアーシャ・ローナン、マーゴット・ロビー、ジャック・ロウデン、ジョー・アルウィン、デヴィッド・テナント、ガイ・ピアース、ジェンマ・チャン、マーティン・コムストン、イスマエル・クルス・コルドバ、ブレンダン・コイル、イアン・ハート、エイドリアン・レスター、ジェームズ・マクアードル、マリア=ヴィクトリア・ドラクシ、アイリーン・オヒギンス、アレックス・ベケット 他

 

 

 〈2人の若手女優の演技が見事〉

 

 

 スコットランドとイングランド。激動の16世紀に生きた2人の女王の運命が交錯していくさまを描く歴史ドラマ。

 

 

 スコットランド女王メアリー・スチュアート(シアーシャ・ローナン)は16歳でフランス王妃となり、18歳で未亡人になると、スコットランドで再び王位につく。しかし、当時のスコットランドを支配していたのは、従姉でもあるイングランド女王エリザベス1世(マーゴット・ロビー)だった。メアリーは自身のイングランド王位継承権を主張し、エリザベスの権力を脅かす。恋愛や結婚を経験し、気高く美しいメアリーに、エリザベスは複雑な感情を抱く。それぞれの宮廷内部で起こる裏切りや反乱、陰謀が2人の王位を危険に晒し、歴史の流れを変えていく…。

 

 

 邦題ではふたりの女王の名が同列に扱われているが、原題は「Mary, Queen of Scots」なので、スコットランド女王であるメアリー・スチュアートに焦点を当てて描いている。実際この2人は手紙のやり取りはあったらしいが、直接面会した記録はないようで、直接会うような場面がある本作におけるエリザベスの役割は、どうやら狂言回しということのようである。

 

 

 世界史を描くような映画というと、それだけで苦手な人には難しく感じるかも知れないが、本作はスコットランドとイギリスの関係、特に対立の歴史を少し調べて分かっていれば、あまり深い知識がなくても楽しめるかも。何せ、主演の2人がまだ20代にしてアカデミー賞ノミネート経験が既にある、シアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーという、今最も勢いのある若手女優の演技が見事であり、女王としての孤独を共有する2人の対比が時に切なく、且つ魅力的に描かれているのである。

 

 

 英国王室ものの映画は、1つのジャンルとして確立しているほどの人気があり、本作は特に題材になりやすい時代をテーマにした作品だが、今以上に保守的な女性観の中で、社会の圧力に翻弄された女性の話でもあり、そういった意味では現在でも通じるような所がたくさんある映画である。本作の監督は女性であり、史実を若干変えているところもあるようだが、退屈せずに観られる映画であり、面白かった。

 

 

私の評価…☆☆☆☆

 

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2019年4月 7日 (日)

サムライマラソン

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劇場:MOVIX京都
監督・脚本:バーナード・ローズ
共同脚本:斉藤ひろし、山岸きくみ
原作:土橋章宏「幕末まらそん侍」
製作:ジェレミー・トーマス、中沢敏明(共に企画・プロデュース) 他
音楽:フィリップ・グラス
出演:佐藤健、小松菜奈、森山未來、染谷将太、青木崇高、木幡竜、小関裕太、深水元基、カトウシンスケ、岩永ジョーイ、若林瑠海、竹中直人、筒井真理子、門脇麦、阿部純子、奈緒、関口まなと、奥野瑛太、福崎那由他、内田勝正、中川大志、ダニー・ヒューストン、豊川悦司、長谷川博己 他

 

 

  〈悪くはないんだけどなぁ… 〉

 

 

 1855年に安中藩主の提案で行われた“日本初のマラソン大会”安政遠足(あんせいとおあし)をモチーフにした歴史ドラマ。

 

 

 260年間の鎖国が終わりを迎えようとしていた1855年、幕末。幕府大老の五百鬼祐虎(豊川悦司)は、黒船でアメリカからやって来た海軍総督ペリー(ダニー・ヒューストン)と面談、和親条約という名の開国を迫られる。そんななか、安中藩主・板倉勝明(長谷川博己)は迫る外国の脅威に備え、国と藩を守るため、藩士たちの心と体を鍛錬しようと、十五里の山道を走らせる遠足の開催を宣言。優勝者はどんな願いも叶えられると聞いて、藩士たちが色めき立つなか、勝明の娘・雪姫(小松菜奈)が城を脱走。芸術的才能に恵まれた雪姫は、江戸へ出て絵画を勉強し、いずれは異国へも渡りたいと願っていたが、父からは厳しく反対されていた。重臣の息子で傲慢な辻村平九郎(森山未來)を婿にとって藩を治めるよう命じられ、強い決意のもと逃げ出したのだ。一方、城下の人々の間では、さっそく誰が一着になるかという賭けが始まった。藩でいちばん足が速いのは、足軽の上杉広之進(染谷将太)であった。上杉は両替商の留吉に茶屋で奢られ、一着にならなければ十両渡すと八百長を持ちかけられる。妻子の待つあばら屋へ帰った上杉は、一着と金とどちらをとるか頭を悩ませる。その夜、江戸城では、以前から勝明を警戒していた五百鬼が、安中藩の遠足を“謀反の動き”と見て、アメリカの最新式の拳銃を携えた刺客を放つ。だが翌朝、安中藩に仕える勘定方・唐沢甚内(佐藤健)が五百鬼の企みに気付く。実は甚内は、幕府の命令で藩を監視する“忍び”。藩の上司の植木義邦(青木崇高)にはもちろん、妻・結衣(門脇麦)にさえ打ち明けてはならない秘密であった。やがて、出発点に集結する参加者たち。虚栄心から不正をしてでも一着を取ろうと気合を入れる辻村。だが、その背後には遠足に乗じて江戸まで行こうと計画する男装に身を隠した雪姫がいた。守衛番を解雇された栗田又衛門(竹中直人)は、最後にひと花咲かそうと亡き親友の幼い息子と出場。太鼓の音が響き、開始の掛け声で一斉に飛び出す藩士たち。だが、ほどなく刺客たちが関所を襲撃。甚内は、一刻も早く城へ戻ろうと全力で走り始めるのだった…。

 

 

 上記の通り、安中藩が藩士の鍛錬のために行った「安政遠足(あんせいとおあし)」の史実をベースに、虚実混交して描いているのだが、ディテールは荒いわ、殺陣の見せ方も下手。まぁ、外国人監督なので仕方ない面もあるかもしれないけど、もう少し細かい部分で拘ってみてもよかったのではないかと思ってしまう。

 

 

 スタートからゴールまでは距離的に30kmそこそこなのだが、高低差が1,050mある難コースで、しかも当時は整備されてもいないだろうから、果たして1日で往復なんかできたのか? などという疑問も湧いてくる。映画では皆、ズルしているのだが(笑)。アドリブ演技がかなり多いとはいえ、竹中直人の暴走演技は誰も止められなかったのか(笑)。

 

 

 ただ、外国人監督らしい、日本人とのセンスの違いも垣間見ることができるので、日本人以外の人が日本の時代劇に興味を持って作ってくれるのは嬉しいことである。今回は2020東京五輪参画プログラムが絡んでいるので、本編のあとに金栗四三ら、オリンピックのマラソンに関係する人たちの写真が強引に入ったりするなど、どうもそのPR企画臭いのだが、こういう交流はこれからもやってほしいな。

 

 

 私の評価…☆☆☆

 

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サスペリア(2018年版)

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劇場:大津アレックスシネマ
監督:ルカ・グァダニーノ
脚本:デヴィッド・カイガニック
原作:ダリオ・アルジェント(オリジナル脚本)、ダリア・ニコロディ(オリジナル脚本)
製作:マルコ・モラビート 他
製作総指揮:キンバリー・スチュワード 他
音楽:トム・ヨーク
主題歌:トム・ヨーク「Suspirium」
出演:ダコタ・ジョンソン、ティルダ・スウィントン、クロエ・グレース・モレッツ、ミア・ゴス、ルッツ・エバースドルフ、ジェシカ・ハーパー、エレナ・フォキナ、アンゲラ・ヴィンクラー、イングリット・カーフェン、シルヴィー・テステュー、レネ・ソーテンダイク、ファブリツィア・サッキ、アレック・ウェック、ブリジット・キュベリエ、レネ・ソーテンダイク、クリスティン・ルブット、マジョライン・ウスコッティ、マイケル・オルソン、フレッド・クレメン 他

 

 

  〈これはホラーなのか、芸術なのか?〉

 

 

 イタリアン・ホラーの名手ダリオ・アルジェント監督の傑作を、「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督が大胆にリメイク。70年代のベルリンを舞台に、世界的に有名な舞踊団に入団した少女が体験する恐怖を描く。

 

 

 1977年秋、ベルリンではドイツ赤軍のテロが頻発し、それに触発された学生たちのデモも各地で発生して街は不安と恐怖に覆われていた。スージー・バニヨン(ダコタ・ジョンソン)はベルリンを拠点とする舞踊団マルコス・ダンス・グループのオーディションを受けるため、アメリカからやってきた。専門的なダンスの教育は受けていないスージーだったが、舞踊団のアメリカ公演を見て憧れ、オーディションの機会を得たのだ。彼女はオーディションで天才的な才能を披露し、舞踊団を率いるカリスマ振付師マダム・ブラン(ティルダ・スウィントン)から入団を許可される。数日前、舞踊団では主要ダンサーの一人パトリシア(クロエ・グレース・モレッツ)が姿を消していた。彼女は失踪の直前、舞踊団が悪の巣窟であると心理療法士のヨーゼフ・クレンペラー博士(ルッツ・エバースドルフ)に訴えたが、クレンペラーはパトリシアの妄想だと分析していた。一方、クレンペラーは第二次大戦末期の混乱で生き別れになった妻アンケ(ジェシカ・ハーパー)のことで思い悩み、かつて妻と暮らした別荘に戻っては彼女との思い出に浸っていた。マダム・ブランは団員にスージーを紹介すると同時に、直近に迫った次回公演のリード・ダンサーに抜擢する。リードの座を奪われたオルガはマダム・ブランに罵声を浴びせスタジオを飛び出し、パトリシアのようにそのまま失踪する。公演が近づくなかマダム・ブランの個別指導を受けるスージーは、ダンスを踊ることで得体の知れないものと共鳴しているかのような不思議な力を感じ始め、次第にマダム・ブランと舞踊団の長老たちが意図を持ってスージーを操ろうとしていることが分かってくる。公演当日、舞踊団のスタジオにクレンペラーをはじめ多くの観客が招かれる。ほぼ全裸に赤いロープだけの衣装を身につけ、不気味なメイクをしたダンサーたちは、激しく、官能的でセンセーショナルな演目『民族』を披露する。それは、あるおぞましい儀式の始まりだった…。

 

 

 僕はオリジナル版は未見であるが、そのオリジナル版には“ホロコースト”や“ベルリンの壁”“ドイツ赤軍”がテーマとして描かれていたらしい。本作にもそういったテーマはあるが、今回は時代背景そのものをそれに沿って描いているので、多少なりともそういった世界史の知識は必要であり、そういった意味ではやや難解な映画になっている。約2時間半という上映時間も長過ぎて退屈だ。

 

 

 主演はメラニー・グリフィスの娘ダコタ・ジョンソン。2年もの特訓を積んだというダンスは見物で、独特なエログロの世界を醸し出している。映像は美しいが、それほど怖さはなく、ホラー映画としては残念なものになってしまった。

 

 

私の評価…☆☆

 

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2019年3月31日 (日)

アリータ:バトルエンジェル

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ロバート・ロドリゲス
脚本:ジェームズ・キャメロン、レータ・カログリディス
原作:本城ゆきと「銃夢」
製作:ジェームズ・キャメロン、ジョン・ランドー
製作総指揮:デヴィッド・ヴァルデス
音楽:トム・ホルケンボルフ
主題歌:デュア・リパ「Swan Song」
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ローサ・サラザール[アリータのモーション・キャプチャー・アクトレス](上白石萌音)、クリストフ・ヴァルツ(森川智之)、ジェニファー・コネリー(山像かおり)、マハーシャラ・アリ(鶴岡聡)、エド・スクライン(神谷浩史)、ジャッキー・アール・ヘイリー(木村雅史)、キーアン・ジョンソン(島﨑信長)、ジョージ・レンデボーグ・Jr(榎木淳弥)、ラナ・コンドル(村中知)、アイダラ・ヴィクター(中村千絵)、ジェフ・フェイヒー(魚建)、エイザ・ゴンザレス(志田有彩)、デレク・ミアーズ(佐藤せつじ)、レナード・ウー(櫻井トオル)、リック・ユーン(藤翔平)、ジェフ・ボトムズ(古舘伊知郎) 他

 

[カメオ出演]エドワード・ノートン、ミシェル・ロドリゲス(本田貴子)、 ジェイ・コートニー(星野貴紀)

 

 

 〈新たなる“戦う天使”の誕生〉

 

 

 斬新な映像表現で数々のヒット作を送り出してきたジェームズ・キャメロンが製作と脚本を担当し、木城ゆきとのコミック「銃夢」を映画化したSFアクション。兵器であるという自身の運命に直面し苦悩するサイボーグの少女アリータの戦いが描かれる。

 

 

 天空に浮かぶ都市と、そこから排出された廃棄物が堆積する荒廃した町という2つに分断された世界。地上で暮らすサイバー医師のイド(クリストフ・ヴァルツ)はある日、クズ鉄の山からサイボーグの少女の頭部を発見する。新しい機械の身体とアリータ(ローサ・サラザール)という名を与えられた少女は、襲ってきた敵からイドを守ろうとした時、自らに備わっていた戦闘能力に気付いてしまう。

 

 

 これ、むっちゃ面白い! とにかく、CGキャラのガリィ(原作でのヒロインの呼称 英語で“gully”は男性の名前に用いられることが多いため海外版では「アリータ(又はアリタ)」に変更されている)改めアリータの造形が素晴らしい。まさか、史上最強の“萌え”キャラになっているとは思わなかったが(笑)。アップショット時の質感なんか、本当にCGなのかと思ったし。架空の競技=モーターボールの場面も楽しい。それでいて話の細かい部分はロバート・ロドリゲス監督らしいグロさとかもあるのだが、全体的に見ればやっぱり不思議とジェームス・キャメロンらしい映画になるのである。

 

 

 集英社版だけでも9巻ある原作を無理に詰め込まず、前半4巻分程で一先ずまとめたのも良。これは早く製作費を回収してもらって続きを作ってほしい。

 

 

私の評価…☆☆☆☆★

 

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