2020年9月23日 (水)

グッドバイ 〜嘘からはじまる人生喜劇〜

Img_23092020_170609_338_x_480_

Img_23092020_170642_338_x_480_

劇場:MOVIX京都
監督:成島出
脚本:奥寺佐渡子
原作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ(太宰治「グッド・バイ」より)
製作:武部由美子、池田史嗣
製作総指揮:木下直哉
音楽:安川午朗
出演:大泉洋、小池栄子、水川あさみ、橋本愛、緒川たまき、木村多江、皆川猿時、田中要次、池谷のぶえ、犬山イヌコ、水澤紳吾、戸田恵子、濱田岳、松重豊 他

 

 

  〈"映画"と"舞台"の見せ方の違いを考慮すべき〉

 

 

 「ソロモンの偽証」の成島出監督が、太宰治の未完の遺作をもとに作られた舞台を映画化した人生喜劇。戦後・昭和の日本を舞台に、“ニセ夫婦”の企みを描く。

 

 

 戦後の混乱から復興へ向かう昭和のニッポン。文芸雑誌の編集長の田島周二(大泉洋)は、気がつけば何人もの愛人を抱える始末。このままではいけないと愛人たちと別れる決心をしたものの、優柔不断な田島は、彼女たちを前にすると別れを切り出すことができない。困り果てた田島は、金にがめつい担ぎ屋・キヌ子(小池栄子)に、女房を演じてくれと頼み込む。そう、キヌ子は泥だらけの顔を洗うと誰もが振り返る女だったのだ。男は、女と別れるため、女は、金のため…。こうして、二人の“嘘夫婦”の企みが始まった…。

 

 

 文豪・太宰治の未完の遺作をアレンジした、ケラリーノ・サンドロヴィッチの戯曲で、2015年に上演された「グッドバイ」を映画化したものである。

 

 

 舞台版では仲村トオルが演じた主役の田島周二役は、映画版では大泉洋に変わったが、ヒロイン=キヌ子役は舞台版と同じ小池栄子で、この2人のコンビネーションはピッタリとハマっている。小池栄子は舞台版が評価されて読売演劇大賞女優賞を受賞し、当たり役となった。ただ、映画版は舞台版をそのままやろうとしたのか、映画としては演出がやや誇張しすぎている感がある。勿論、コメディなので笑わせるところはテンションMaxにしてもいいのだが、演出の仕方にも問題ありで、これ舞台だったらもっと笑えただろうなと思える場面がいくつもあった。やはり映画は映画。舞台と同じことをやっても、向き不向きというものがあるんだネ。

 

 

私の評価…☆☆☆

 

ポチッとよろしく!

| | コメント (0)

2020年9月16日 (水)

ヲタクに恋は難しい

Img_16092020_155054_338_x_480_


Img_16092020_155110_338_x_480_


劇場:MOVIX京都
監督・脚本:福田雄一
原作:ふじた「ヲタクに恋は難しい」
製作:石原隆、野内雅宏、堀義貴、市川南
プロデューサー:若松央樹
音楽:鷺巣詩郎(ミュージカル作曲編曲)、瀬川英史(劇伴音楽)、日向萌(劇伴音楽)、酒井麻由佳(劇伴音楽)
出演:高畑充希、山﨑賢人、菜々緒、賀来賢人、今田美桜、若月佑美、ムロツヨシ、佐藤二朗、斎藤工、内田真礼 他


 


 


  〈何でミュージカルなの?〉


 


 


 オタクカップルの恋の行方を描いた人気コミックを、高畑充希&山﨑賢人の共演で映画化。監督は実写映画版「銀魂」シリーズの福田雄一。


 


 


 26歳のOL、桃瀬成海(高畑充希)は、転職先の会社で幼馴染の二藤宏嵩(山﨑賢人)と再会する。ルックスも良く、仕事もできる宏嵩は重度のゲームヲタク。そういう成海もまた、BLを好む隠れ腐女子だった。だが、周囲の人間にヲタクとバレる“ヲタバレ”を何よりも恐れ、家族はおろか親しい友人にもヲタクであることを隠し続けていた。そんな成海が本当の自分を曝け出すことができるのは、宏嵩だけ。会社帰り、居酒屋で呑みながらヲタ話に花を咲かせる2人。実は成海は、“ヲタバレ”して付き合っていた彼氏にフラれたばかり。“次の彼氏には死んでもヲタクを隠し通す”と息巻く成海に対して、宏嵩はヲタク同士で付き合うメリットを説き、交際を提案。2人の交際が正式にスタートし、お互いに充実したヲタクカップル生活が始まったはずだった。ところが、2人の行く手には数々の試練や困難が待ち受けていた…。


 


 


 元々はWeb漫画が原作で、深夜アニメにもなっているのだが、この実写版は福田雄一監督なので、原作はほぼ無視(笑)。アニヲタではなく、映画ヲタ向きのものになっていた。


 


 


 それにしても何でミュージカル仕立てにしたのか?まぁ、高畑充希はミュージカル経験豊富(8代目「ピーターパン」や、ブロウドウェイ・ミュージカルの日本人キャスト版「スウィニー・トッド」など)だからいいのだが。ダンスも前半は「ラ・ラ・ランド」風、後半はフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのコンビを彷彿とさせる(?)ステップ… って、こういうネタは映画ファンだと分かりやすいんだろうが、メインターゲットである10~20代の男女だと、元ネタ知らないで観ている人も多いと思う(ネットで酷評書いている人は多分、そう)。ほぼ前編にわたる「エヴァンゲリオン」ネタも、知らない人は置いてけぼりを食らうだろう。ミュージカル部分の作曲は鷺巣詩郎… もろ、エヴァがらみやん! エンドロール前の曲は明らかに狙ったな(笑)! 


 


 


 尚、アニメ版との繋がりはないが、人気声優の内田真礼が本人役で出演し、自身の持ち歌とオリジナル曲をライブで歌っているので、ファンは観るべし。


 


 


私の評価…☆☆☆


 


ポチッとよろしく!

| | コメント (0)

2020年9月11日 (金)

ハスラーズ

Img_11092020_183342_338_x_480_

劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:ローリーン・スカファリア
原作:ジェシカ・プレスラー「The Hustlers at Scores」
製作:ジェシカ・エルバウム、ウィル・フェレル、エレイン・ゴールドスミス=トーマス、アダム・マッケイ、ジェニファー・ロペス、ベニー・メディナ
製作総指揮:アレックス・ブラウン、ミーガン・エリソン、アダム・フォーゲルソン、ロバート・シモンズ、パメラ・サー
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):コンスタンス・ウー(小島幸子)、ジェニファー・ロペス(藤本喜久子)、ジュリア・スタイルズ(根本圭子)、キキ・パーマー(廣田悠美)、リリ・ラインハート(市川ひかる)、リゾ(根本圭子)、カーディ・B(三日尻望)、マーセデス・ルール、ワイ・チン・ホー、マデリーン・ブルーワー、トレイス・リセット、メッテ・トーリー、フランク・ホエーリー、ポール・ニールセン、ブランドン・キーナー、スティーヴン・ボイヤー、ジョン・グレイザー、ジェラルド・アール・ギラム、デヴィン・ラトレイ、リス・コイロ、ストーミー・マヤ、ビッグ・ジェイ・オーカーソン、アッシャー 他

 

 

  〈ジェニファー・ロペスが圧巻! 他は大したことない〉

 

 

 ニューヨーク・マガジンに掲載された記事を原案に、ウォール街を震撼させた驚愕の実話を映画化。

 

 

 幼少の頃、母に捨てられ、祖母に育てられたデスティニー(コンスタンス・ウー)は祖母の介護のため、ストリップクラブで働き始める。だが、夜通し働いても手元に残る金は僅かばかり。そんななか、クラブでひときわ輝くラモーナ(ジェニファー・ロペス)や、ベテランのダイヤモンド(カーディー・B)からストリッパーとしての稼ぎ方を学び、デスティニーは安定した生活ができるようになっていく、だが2008年、リーマン・ショックの影響で世界経済は冷え込み、ストリップクラブで働く彼女たちにも不況の波が押し寄せる。「真面目に働いても生活が苦しいのに、経済危機を引き起こした張本人であるウォール街の金融マンたちはなぜ相変わらず豊かな暮らしをしているのか」と不満を募らせるラモーナ。やがて、ラモーナはデスティニーやクラブの仲間たちと共に、世界最高峰の金融地区ウォール街の裕福なクライアントたちから大金を騙し取る計画を企てる…。

 

 

 リーマンショック後のニューヨークを舞台に、ストリップクラブで働く女性たちがウォール街の裕福なサラリーマンたちから大金を奪ったという事件を映画化したもの。謂わば“バブルと寝た女たち” in NY、といったところだが、女たちのやってることが犯罪なのは分かってても、観てる方にはどこか痛快で、カッコいい。だが、だんだん調子こいてハメてはいけない相手を狙ってしまい、復讐のつもりが仇となる。ラストがまた何とも皮肉なものになっているのだが、大して盛上がることなく終わってしまうのは残念。ジェニファー・ロペスの御年51歳には見えない身体に、思わず見とれてしまった。

 

 

私の評価…☆☆★

 

ポチッとよろしく!

| | コメント (0)

2020年9月 4日 (金)

AI崩壊

Img_04092020_165530_338_x_480_

Img_04092020_165655_338_x_239_

劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:入江悠
製作:北島直明(企画・プロデューサー)
製作総指揮:伊藤響、松橋真三
音楽:横山克
主題歌:AI「僕らを待つ場所」
出演:大沢たかお、賀来賢人、広瀬アリス、岩田剛典、髙嶋政宏、芦名星、玉城ティナ、中野剛、余貴美子、酒向芳、田牧そら、 松嶋菜々子、三浦友和、野間口徹、マギー、黒田大輔、 毎熊克哉 他

 

 

  〈タイトルはベタだが中身はそこそこ面白い〉

 

 

 「22年目の告白―私が殺人犯です―」の入江悠監督が、AIを題材に完全オリジナルの脚本で描く近未来サスペンス。

 

 

 2030年。人々の生活を支える医療AI「のぞみ」の開発者である桐生浩介(大沢たかお)は、その功績が認められ娘と共に久々に日本に帰国する。英雄のような扱いを受ける桐生だったが、突如のぞみが暴走を開始――人間の生きる価値を合理的に選別し、殺戮を始める。警察庁の天才捜査官・桜庭(岩田剛典)は、AIを暴走させたテロリストを開発者である桐生と断定。日本中に張り巡らされたAI監視網で、逃亡者・桐生を追い詰める。桐生が開発したAIを管理していたのは、桐生の亡き妻でありAI共同開発者の望(松嶋菜々子)の弟、西村(賀来賢人)。事件の鍵を握る西村も奔走する一方で、所轄のベテラン刑事・合田(三浦友和)と捜査一課の新米刑事・奥瀬(広瀬アリス)は足を使った捜査で桐生に迫る。日本中がパニックに陥る中、桐生の決死の逃亡の果てに待っているものとは?一体、なぜAIは暴走したのか…?

 

 

 タイトルからしてベタだし、そういう展開を予測してしまうが、結構面白かった。話の構造としては、巻き込まれ型のミステリーで、結構昔から描かれてきた、ありがちな物だが、この手の物にありがちな、所謂突飛な発想がなく、限りなくリアルな世界観になっている。

 

 

 勿論、逃亡劇の途中で、限りある上映時間に収めるための強引な展開があったり、いろいろツッコミどころはあるのだが、話のテンポも良く、かなりスピーディーなものになっており、飽きさせない。

 

 

 入江悠監督作品は、自分は今までに「ジョーカー・ゲーム」と、「22年目の告白 -私が殺人犯です-」を観ているが、どれもツッコミどころは多々あれど、そこそこ面白くて、そういった意味では結構安定感がある監督だなという印象。もうちょっと上手く作れないかなあ、という感じはあるが、まぁ、今時の邦画の中では比較的安心して観られるかな、という感じである。

 

 

私の評価…☆☆☆

 

ポチッとよろしく!

| | コメント (0)

2020年9月 2日 (水)

キャッツ

Img_02092020_152353_338_x_480_

Img_02092020_152425_338_x_480_

劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本・製作:トム・フーパー
原作:アンドルー・ロイド・ウェバー「キャッツ」、T・S・エリオット「キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法」
共同製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、デブラ・ヘイワード
製作総指揮:ジョー・バーン、アンドルー・ロイド・ウェバー、アンジェラ・モリソン、スティーヴン・スピルバーグ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ジェームズ・コーデン(秋山竜次〈ロバート〉)、ジュディ・デンチ(大竹しのぶ)、ジェイソン・デルーロ(藤原聡〈Official髭男dism〉)、イドリス・エルバ(山寺宏一)、ジェニファー・ハドソン(高橋あず美)、イアン・マッケラン(宝田明)、テイラー・スウィフト(RIRI)、レベル・ウィルソン(浦嶋りんこ)、フランチェスカ・ヘイワード(葵わかな)、ローリー・デヴィッドソン(森崎ウィン〈PRIZMAX〉)、ロビー・フェアチャイルド(山崎育三郎)、メット・トーレイ(朴璐美)、スティーヴン・マックレー(大貫勇輔)、ダニー・コリンズ(宮野真守)、ナオイム・モーガン(沢城みゆき)、レイ・ウィンストン(山路和弘)、ラリー・ブルジョア(木村昴)、ロラン・ブルジョア(奈良徹)、ジェイ・バトート(濱野大輝)、ジョナデット・カルピオ(きそひろこ)、ダニエラ・ノーマン(清水理沙)、ブルーイー・ロビンソン(武内駿輔)、フレヤ・ローリー(伽藍琳)、イダ・サキ、ジジ・ストラレン(メロディー・チューバック)、エリック・アンダーウッド、メリッサ・マッデン・グレー(寺依沙織) 他

 

 

  〈この手の物は実写映画にするのは難しい〉

 

 

 1981年にロンドンで初演され、全世界累計観客動員数が8100万人を突破したミュージカルの金字塔「キャッツ」を、『レ・ミゼラブル』のトム・フーパー監督が映画化。英国ロイヤルバレエ団でプリンシパルを務めるフランチェスカ・ヘイワードが映画初出演にして主演を飾るほか、『ドリームガールズ』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたジェニファー・ハドソンら豪華キャストが共演する。

 

 

 満月が輝く夜。若く臆病な白猫ヴィクトリア(フランチェスカ・ヘイワード)が迷い込んだのはロンドンの片隅のゴミ捨て場。そこで出会ったのは個性豊かな 〝ジェリクルキャッツ〞 たち。ぐうたらな猫、 ワイルドな猫、お金持ちでグルメな猫、勇敢な兄貴肌の猫、不思議な力を持つ長老猫…様々な出会いの中でヴィクトリアも自分らしい生き方を見つけていく。そして今宵は新しい人生を生きることを許される、たった一匹の猫が選ばれる特別な夜。一生に一度、 一夜だけの特別な舞踏会の幕が開く…。

 

 

 いやぁ、散々な評価を知りつつ観たんだが、こりゃアカンでしょ(笑)。若手女性キャスト以外の"猫人間"は、リアルに描くならCGで、というのは分かるが、変にリアル過ぎて気持ち悪い。1人、レベル・ウィルソンだけ着ぐるみ設定なのが笑えるが(日本でいう渡辺直美みたいなコメディエンヌだから着ぐるみのほうが似合うのかも)。

 

 

 勿論、俳優たちはジェニファー・ハドソンやテイラー・スウィフトを始め、素晴らしいキャスティングだし、楽曲も良いのだが、物語があまりにも平坦過ぎて、何を観させられているのかよく分からないのである。元々の舞台版は群像劇形式だったと思うが、映画版では主役でも何でもないヴィクトリアを軸に描いているということからして、違和感がある。要は、舞台版から根本的に描きかたを変えてしまったがために、舞台版のファンからもミュージカル映画ファンからも総スカンを食らってしまったのだろう。

 

 

 因みに、舞台版の映画化はかなり前から構想はあったらしく、1990年代にアニメ映画が計画されていたようなのだが、そのアニメーション・スタジオの閉鎖によって白紙になっていた。実写で描くよりは、やはりこの手の物はアニメで描く方が、まだ形として物になったとおもうのだが。

 

 

私の評価…☆☆

 

ポチッとよろしく!

| | コメント (0)

2020年8月26日 (水)

記憶屋 あなたを忘れない

Img_26082020_135837_338_x_239_

劇場:アースシネマズ姫路
監督・脚本:平川雄一朗
共同脚本:鹿目けい子
原作:織守きょうや「記憶屋」
製作:石塚慶生(企画・プロデューサー)、内山雅博(企画・プロデューサー)、西麻美、市山竜次
製作総指揮:吉田繁暁
出演:山田涼介、芳根京子、泉里香、櫻井淳子、戸田菜穂、ブラザー・トム、濱田龍臣、佐生雪、須藤理彩、杉本哲太、佐々木すみ江、田中泯、蓮佛美沙子、佐々木蔵之介 他

 

 

  〈ストーリーに起伏がなく、つまらない〉

 

 

 「第22回日本ホラー小説大賞」で読者賞を受賞した織守きょうやの小説を、「Hey! Say! JUMP」の山田涼介主演で映画化したヒューマンドラマ。

 

 

 大学生の遼一(山田涼介)は年上の恋人・杏子(蓮佛美沙子)にプロポーズするが、その翌日から彼女と連絡が取れなくなってしまう。数日後に再会した彼女は、遼一の記憶だけを失っていた。信じられない遼一は、人の記憶を消せるという都市伝説的な存在「記憶屋」のことを知り、大学の先輩で弁護士の高原(佐々木蔵之介)に相談して杏子の記憶喪失の原因を探り始める。幼なじみの真希(芳根京子)や高原の助手・七海(泉里香)らと調査を進めるうちに、遼一は人々の中にある忘れたい記憶やその奥にある思いや愛に触れていくことに…。

 

 

 一応、ジャンルとしてはホラー映画らしいが、全然怖くもないし、ホラーじゃないやん、これ。

 

 

 原作は未読だが、ストーリー展開も最初から最後までほぼ平坦だし、同じ監督で似たような話の「ツナグ」(松坂桃李主演 2012年)と比べても、大分見劣りしてしまう。折角役者は良いのに、これでは感動も何も無く残念な出来。

 

 

私の評価…☆☆

 

ポチッとよろしく!

| | コメント (0)

2020年8月13日 (木)

ラストレター

Img_13082020_182725_338_x_480_

劇場:アースシネマズ姫路
監督・脚本・原作:岩井俊二「ラストレター」
製作:川村元気(企画・プロデュース)、水野昌、臼井真之介
製作総指揮:山内章弘
出演:松たか子、広瀬すず、庵野秀明、森七菜、降谷凪、小室等、水越けいこ、木内みどり、鈴木慶一、豊川悦司、中山美穂、神木隆之介、福山雅治 他

 

 

  〈岩井俊二らしいノスタルジックな映画〉

 

 

 「Love Letter」や「スワロウテイル」などの岩井俊二監督が、自身の出身地である宮城を舞台に、手紙の行き違いから始まった2つの世代の男女の恋愛模様と、それぞれの心の再生と成長を描く。

 

 

 裕里(松たか子)の姉の未咲が、亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会することに。勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎(回想・神木隆之介)と未咲(回想・広瀬すず)、そして裕里(回想・森七菜)の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていく…。

 

 

 これは、またなんとも岩井俊二らしい、ロマンチックでどこかノスタルジックな映画である。タイトルや序盤の展開からして「Love Letter」のアンサー的な内容なのだが、終盤にあの2人を登場させるあたりは、やはりそうなのかと思わせる。

 

 

 役者もまた素晴らしく、松たか子や広瀬すずは勿論だが、本作での注目はやはり森七菜だろう。彼女は松たか子演じる裕里の少女時代と、彼女の娘を二役で演じ分けるのだが、既にイメージが定着しつつある広瀬すずに対し、まだまだ成長途上で可憐さを残す森七菜は存在感も光っていて、暫くはこの手の映画に引っ張りだこになりそうな感じがある。

 

 

 ところでこの原作は、本作が作られる前の2018年に、先に中国で映画化されている。そして、その中国版も「チィファの手紙」(原題「你好,之华」)の邦題で9月11日から日本でも公開される。松たか子が演じた裕里に当たるチィファを、中国四大女優の1人ジョウ・シュン(周迅 「ふたりの人魚」(2000年)他)が演じ、森七菜が演じた二役を、「唐山大地震」(2010年)で天才子役として一躍脚光を浴びたチャン・ツイフォン(张子枫)が演じる。日本版では季節は夏の設定だったが、中国版では冬。細かいところで設定を変えているようだが、こちらのほうも是非観てみたい。

 

 

私の評価…☆☆☆☆

 

ポチッとよろしく!

| | コメント (0)

ジョジョ・ラビット

Img_13082020_145319_338_x_480_

劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本・製作:タイカ・ワイティティ
原作:クリスティン・ルーネンズ「Caging Skies」
共同製作:カーシュー・ニール、チェルシー・ウィンスタンリー
製作総指揮:ケヴァン・ヴァン・トンプソン
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ローマン・グリフィン・デイヴィス(山崎智史)、トーマシン・マッケンジー(清水理沙)、スカーレット・ヨハンソン(浅野まゆみ)、タイカ・ワイティティ(間宮康弘)、サム・ロックウェル(桐本拓哉)、レベル・ウィルソン(斉藤貴美子)、アルフィー・アレン(美斉津恵友)、スティーブン・マーチャント(佐々木睦)、アーチー・イェーツ(櫻井優輝) 他

 

 

  〈今までにない、斬新な切り口でナチスを描いた傑作〉

 

 

 「マイティ・ソー バトルロイヤル」のタイカ・ワイティティ監督がメガホンをとり、第44回トロント国際映画祭にて最高賞である観客賞を受賞した人間ドラマ。第二次世界大戦中のドイツを舞台に、戦時下に生きる人々の姿をユーモアたっぷりに描く。

 

 

 第二次世界大戦下のドイツ。心優しい10歳の少年ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)は、空想上の友だちのアドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)の助けを借りながら、青少年集団ヒトラーユーゲントで立派な兵士になろうと奮闘していた。
しかし、ジョジョは訓練でウサギを殺すことができず、教官から”ジョジョ・ラビット”という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかわれてしまう。そんなある日、母親(スカーレット・ヨハンソン)とふたりで暮らしていたジョジョは、家の片隅に隠された小さな部屋で、ユダヤ人の少女(トーマサイン・マッケンジー)がこっそりと匿われていることに気付く。ジョジョの頼りとなるのは、ちょっぴり皮肉屋で口うるさいアドルフだけ…。臆病なジョジョの生活は一体どうなってしまうのか!?

 

 

 軍隊行進曲風にアレンジされた"20世紀フォックスファンファーレ"から、心を掴まされた。それに続くオープニングで、ビートルズの「I Want To Hold Your Hand」(貴重なドイツ語ヴァージョン)が流れ、物語の世界観にグイグイ引き込まれていく。

 

 

 コメディ色を前面に押し出した反戦映画は、これまでにもあったが、本作はその中でも出色の出来。戦時中の厳しい暮らしや戦闘場面でも、常に笑いが絶えない。それもトゲトゲしたものではなく、軟らかい温かい空気に包まれる。

 

 

 もっとも、そんな中にも危険を示すサインはきちんと潜ませており、街中でぶら下がっている足が死を意味することに気づかされると、以降はその靴がアップになる度にドキリとする仕掛けなどは、かなり練られた脚本である。

 

 

 母親に依存しきっていた少年が、ユダヤ人少女エルサと出会い敗戦という通過儀礼を経て、人として成長していく物語。因みに、エンディングにはデヴィッド・ボウイの名曲「Heroes」(これもドイツ語ヴァージョン)が流れる。これはベルリンの壁の前で男女がキスをするのをイメージしたといわれる曲。オープニングといい、巧みな選曲には唸らざるを得ない。

 

 

私の評価…☆☆☆☆★

 

ポチッとよろしく!

| | コメント (0)

2020年8月12日 (水)

カイジ ファイナルゲーム

Img_12082020_170244_338_x_480_

Img_12082020_170342_338_x_239_

劇場:アースシネマズ姫路
監督:佐藤東弥
原作・脚本:福本伸行
共同脚本:徳永友一
出演:藤原竜也、福士蒼汰、関水渚、新田真剣佑、吉田鋼太郎、松尾スズキ、生瀬勝久、天海祐希、山崎育三郎、瀬戸利樹、前田公輝、篠田麻里子、酒向芳、金田明夫、伊武雅刀 他

 

 

  〈やはり、原作のイメージを崩さずにオリジナルを作るのは難しいか〉

 

 

 シリーズ累計発行部数2100万部を超える大人気コミック「カイジ」を、藤原竜也主演で実写映画化したシリーズ第3作。原作者の福本伸行が脚本に携わり、4つの新ゲーム「バベルの塔」「最後の審判」「ドリームジャンプ」「ゴールドジャンケン」が登場するオリジナルストーリーが展開する。

 

 

 2020年、東京オリンピックの終了を機に景気は急激に落ち込み、貧富の格差がかつてないほど広がった日本。そんな社会で、変わらず底辺の生活を送っていたカイジ(藤原竜也)は、ある日、帝愛グループ企業の社長に出世した大槻(松尾スズキ)と再会。彼から、金を持て余した老人が主催する若者救済イベント「バベルの塔」の存在を知らされたカイジは、一攫千金を懸けた大勝負に挑む。

 

 

 面白いけど、ちょっと話を詰め込み過ぎたのではないか? ゲームが多すぎてどれがメインなのかメリハリに欠けるし、ストーリー展開も、どこか淡々としてシラケてる部分もある。藤原竜也と吉田鋼太郎の、同じ事務所の先輩後輩という演技対決も、どこか浮いてる感じがする。でも、ラストお決まりのオチは、やっぱりねと笑ってしまった。これで最後とは実に勿体ない。できれば、もう1作作って派手に終わってほしい。

 

 

私の評価…☆☆☆

 

ポチッとよろしく!

| | コメント (0)

2020年7月30日 (木)

ティーンスピリット

Img_30072020_161736_338_x_480_

劇場:MOVIX京都
監督・脚本:マックス・ミンゲラ
製作:フレッド・バーガー
製作総指揮:マックス・ミンゲラ、ジェイミー・ベル 他
音楽:マリウス・デ・ヴリーズ
出演:エル・ファニング、ズラッコ・ブリッチ、レベッカ・ホール、アグニェシュカ・グロホフスカ、クララ・ルガード、ミリー・ブレイディ、オリヴィア・グレイ、ルアリー・オコナー、アーチー・マデクウィージョーダン・スティーヴンス、ウルスラ・ホリデー 他

 

 

  〈エルたんの歌だけは最高なのだが〉

 

 

 『マレフィセント』『20センチュリー・ウーマン』などのエル・ファニングが主演し、本格的な歌唱シーンに挑戦した青春音楽ドラマ。有名オーディション番組に挑み、歌手になる夢をつかもうとする少女の姿を映しだす。

 

 

 イギリスの田舎町、ワイト島。移民として母子家庭で育った内気な主人公のヴァイオレット・ヴァレンスキ(エル・ファニング)にとって、音楽だけが現実の世界から自分を解き放ってくれる心の拠り所だった。そんな彼女はある日、地元で国際的に有名な人気オーディション番組”ティーンスピリット”の予選が行われることを知る。町を抜け出し、歌手になる夢をつかむため、自らの歌声ひとつでオーディションに挑む決意をした彼女の未来とは…!?

 

 

 悪くはないのだが、展開が凡庸。重要なキャラクターが深掘りされていないため共感がイマイチできない。実際のオーディション番組みたいな演出は面白かったが、他の出場者の出番が短すぎて、折角の音楽映画なのに曲を殆ど聴かせないのはダメだろう。勿論、ヒロインの歌はたっぷり聴かせるのだが、対決を見せるのなら相手の歌を蔑ろにしてはいけないのである。

 

 

 エル・ファニングは「マレフィセント」シリーズを観た時にも思ったが、歌が上手い。ライブシーンは圧巻の出来である。一度本格的なミュージカル映画に出演してほしいな。

 

 

私の評価…☆☆☆

 

ポチッとよろしく!

| | コメント (0)

«パラサイト 半地下の家族