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2010年2月25日 (木)

〈午前十時の映画祭〉裏窓

〈午前十時の映画祭〉裏窓
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジェームズ・ステュアート、グレース・ケリー、レイモンド・バー、セルマ・リッター 他


 《リメイクもされた名作サスペンス》


 この映画、実は現在パブリック・ドメイン(つまり知的財産権が消滅している)となっているため、質は悪いがワンコイン等の格安DVDで観ることができる。でもまぁ、せっかくこうやってきれいな映像を観ることができるのだから、この機会に映画館で観なきゃ! もう済んだところもあるかもしれないけどこれを読んでくださっている皆さんの街でも、このイベントをやってない地域でもきっとこれから上映されますよ。


 ちなみにこの映画1度TVドラマとしてリメイクされていて、そちらは事故で半身不随となったクリストファー・リーブが設定を少し変えて主演、ダリル・ハンナがヒロインを演じている。ダリル・ハンナ…やっぱりグレース・ケリーとは比べものにならないなぁ(笑)。また最近ではシャイア・ラブーフ主演の「ディスタービア」なんていう、あたかも「裏窓」をパクったかのような映画もあったっけ、あれはあれで面白かったけど(実際に“盗作疑惑”で訴えられた)。


 さて映画の方はクライマックス以外、カメラが主人公の住むアパートの一室からほとんど出ない、いわば舞台劇のような感じのものになっている。つまり映画的な派手さはないのだが、その分入念に作り込まれたストーリーで観せる。ヒロインのグレース・ケリーが主人公の意向を無視して犯人と思しき人物の部屋に侵入する場面などは実にスリリングだ。


 主人公が五体満足な状態じゃないのも映画を面白くさせている。このへんはシナリオの上手さで、特にこういうサスペンスやアクション映画の場合は主人公の動きを制限させるという意味での、所謂“手枷足枷”を付けさせた方が、敵にたいして圧倒的不利な条件を持つことになり、それを克服するかたちで話を終幕へ持っていかせることにした方が、普通に話を進ませるより圧倒的に面白くなる。この映画の場合は何の理由説明なしに片足を骨折して車椅子生活。この片足ってのもミソで、だからあのラストのオチも生きてくるわけだ。


 主人公の設定が新聞記者というのも絶妙。設定が現代となったリメイク版ではどういうふうにやったのか未見なのでわからないが、オリジナル版では双眼鏡の他に小道具としてカメラのフラッシュを目潰しとして使っている。カメラの性能が今より劣っている時代、フラッシュも今のものより強力だったわけで、主人公にとっては“命”のようなもので、自らを守るのである。このへんもシナリオの力であり、やはりサスペンス映画はシナリオが上手くないと面白いものはできない。この映画はそのいいお手本なのである。


私の評価…☆☆☆☆

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