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2010年6月 5日 (土)

座頭市 THE LAST

座頭市 THE LAST
監督:阪本順治
出演:香取慎吾、石原さとみ、反町隆史、倍賞千恵子、加藤清史郎、中村勘三郎、仲代達矢、高岡蒼甫、工藤夕貴、岩城滉一、原田芳雄、豊原功補、ARATA、ZEEBRA、寺島進、宇梶剛士、柴俊夫、大富士 他


 《脚本のツメが甘いのか、消化不良》


 権利関係者曰く、「映像化はこれが最後」との触れ込みだが、実際には2017年で著作権が消滅するため、現行のままではそれ以降、誰でも「座頭市」を作る事ができるようになる。完成披露の時に主演の香取慎吾が冗談で「続編」を口走っていたが、続編でなくても強ち冗談ではなくなるかもしれない。


 ただ、この作品に限っていえば、僕は不出来な部類に入ると思う。作品は意外とまともに作っているし、もちろん香取クンをはじめ役者の皆さんはきっちり演技をなさっているので、その点では文句はない。問題は脚本にあると思う。


 このシリーズは差別表現が問題になる事が多いのだが、それは本質的なものではない。むしろそういった差別や偏見に立ち向かっていく人間の姿を描いていかなければならない。この点については細心の注意をはらいながらもちゃんと描いている。ちなみに今回は「按摩」や「百姓」といった職業や階級に関する差別表現は多くみられるものの、「め○ら」「○っかち」といった顰蹙をかってしまうような障がい者差別言葉は、日本盲人協会が監修を勤めていることもあり一切喋られていない。


 ただ、このシリーズは勧善懲悪であるその前に、「人間の業」や「人情」もきっちり描かれている、つまり宿命や情がある上で敵味方に別れての斬り合いがあるのが魅力なのだが、これがどうにも中途半端なのだ。いろいろ詰め込みたいのは分かるが、もう少しバランスをとって整理すればいいものになっていたかもしれない。市が発狂者に刺されるくだりも何だか取って付けたような感じで後味が悪い。


 悪ボス役に仲代達矢のような大ベテラン役者を持ってきたのはいいが、他の役者とのバランスがとれているとはとても言えない。1人だけ演技レベルが違いすぎるので、見方によっては何だか1人だけ浮いているように見える。ここは中ボス役の豊原功補が大ボス役で十分つりあいが取れていたはずだ。


 結局この映画は脚本も配役の配分もどことなくチグハグ。監督や役者の力量だけでいいものができるとは限らないのである。


私の評価…☆☆

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