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2010年7月

2010年7月28日 (水)

インセプション(字幕版)

インセプション(字幕版)
インセプション(字幕版)
監督:クリストファー・ノーラン
出演(日本語吹替版声優):レオナルド・ディカプリオ(内田夕夜)、渡辺謙(渡辺謙)、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット(土田大)、マリオン・コティヤール(五十嵐麗)、エレン・ペイジ(冠野智美)、トム・ハーディー(咲野俊介)、ディリープ・ラオ(声優名不明)、キリアン・マーフィー(三木眞一郎)、トム・ベレンジャー(石塚運昇)、ピート・ポスルスウェイト(声優名不明)、ルーカス・ハース(声優名不明)、マイケル・ケイン(小川真司)、タルラ・ライリー(にしおかすみこ) 他


 《やや難解でシリアスな「パプリカ」》


 この映画、ディカプリオと渡辺謙の共演を売り物にして、そこにハンス・ジマー作曲による仰々しい音楽を付けた印象的な予告編で観る者を引き付けているが、この2人を観たいだけで映画館に行った人は、映画の内容のややこしさに多分面食らうはずである。おそらく2度3度観ない事には、本質的な面白さが分からないと思う。それだけにツッこめるところもたくさんあるはずなのだが。


 人の夢の中に入っていくという設定自体は、4年ほど前に公開された日本製アニメ映画「パプリカ」でも描かれていたし、この時の夢の中の映像は、ファンタジーな面を全面に押し出していたので、その映像の凄さに圧倒されたものだった。今回はCGではあろうが実写でやってのけている。ただ、ファンタジーではなく今回はサスペンスタッチなので、映像の凄さよりもその中で人間がやっているアクションの方に目がいってしまう。特に、夢の世界が崩壊していく中での“無重力”アクションは秀逸と言ってよく、想像力がよほど豊かでないと、こういった場面はこういうふうには描けないと、まさに「パプリカ」を観た時と同じ感じがした。


 あと、自分の最近の“お気に入り”といっていいエレン・ペイジが出ているのも、観に行った理由の1つ。まぁ、僕の本当の“お気に入り”はジェニファー・コネリーなのだが(笑)。そういえば顔の系統がちょっと似ているかな? 今回は同じヒロインでも重要な役回りはマリオン・コティヤールに任せて、夢の内容を操作する力を持った女性役を、危険なアクションを交えて熱演している。彼女は身長が155cmと小柄なのだが、これがスクリーンだとかえって目立つ。現在京都地区で上映している「ローラーガールズ・ダイアリー」は都合で観に行けそうにないが、好きな女優さんには役柄の幅を拡げてもらいたいし、頑張ってほしいものだ。


私の評価…☆☆☆★

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2010年7月27日 (火)

エアベンダー 3D

エアベンダー 3D
エアベンダー 3D
製作・脚本・監督:M・ナイト・シャマラン
出演(日本語吹替版声優):ノア・リンガー(小林翼)、デーヴ・パテール(早志勇紀)、ニコラ・ペルツ(小幡真裕)、ジャクソン・ラスボーン(細谷佳正)、ショーン・トーブ(声優名不明)、アーシフ・マンドヴィ(声優名不明)、クリフ・カーティス(井上和彦)、セイチェル・ガブリエル(池田昌子) 他


 《実写版「ドラゴンボール」も、こうすりゃよかったのに》


 この映画は「アバター 伝説の少年アン」というテレビアニメの第1シーズンを基に製作された実写映画で、3部作として作られる予定となっているものである。元々は「Avatar:The Last Airbender」という題だったが、ほぼ同時期に製作されていたジェームズ・キャメロン監督の「Avatar」と争った結果、混同を避けるかたちで「The Last Airbender」に改題された。

 アニメ版とは違う配役が人種差別騒動になってしまった事に加え、子役の演技、ポスト・プロダクション時の無理矢理な3D化が災いし、アメリカの映画評サイトなどでは最低の評価になっているが、超常現象ものが飽きられていたシャマラン監督の映画としては、普通に楽しめた。


 原作アニメの舞台がアジアをモチーフにしているということもあり、術を操る場面では、カンフーっぽい動きもある。観ていて思ったのだが、こういう展開が描けるのならば、何で実写版「ドラゴンボール」も、そういうふうにしなかったのだろうか。予算の都合といえばそうなのかもしれないが、アン役の子なんか、クリリン役として十分通用するではないか(笑)。


 結局これは子供向きの娯楽作。「火の国」の次ぎなる刺客をチラッと登場させて終わる手法は、何だかちょっと昔の東映の戦隊もの特撮ドラマを観ているようだった。さて、その「第2部」は果たして製作されるのか? アメリカではここ最近のシャマラン監督の映画としては興収は上向きだが、やはり大ヒットには至っていないようだ。


私の評価…☆☆☆

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2010年7月22日 (木)

特攻野郎Aチーム THE MOVIE

特攻野郎Aチーム THE MOVIE
監督:ジョー・カーナハン
製作:トニー・スコット、リドリー・スコット
出演(日本語吹替版声優):リーアム・ニーソン(菅生隆之)、ブラッドレイ・クーパー(堀内賢雄)、クイントン・ジャクソン(乃村健次)、シャールト・コプリー(多田野曜平)、パトリック・ウィルソン(声優名不明)、ジェシカ・ビール(岡寛恵)、ジェラルド・マクレイニー(羽佐間道夫)、ダーク・ベネディクト、ドワイト・シュルツ 他


 《30代後半から上の世代には懐かしい、神出鬼没の頼もしいヤツらが復活!》


 1980年代に全米で大ヒットしたTVドラマで、日本でも25年前にテレビ朝日系列で放送され大人気となった、「特攻野郎Aチーム」が、キャラクター設定やテーマ曲はそのままに、キャストや時代背景を一新して、ド派手に復活!


 僕も中学生の時にこのTVドラマ版を観ていたので、懐かしいと同時に年を食ってしまったなぁなんて、思ってしまった次第である。


 映画はまだ試写会の段階で、一般上映は1か月ほど先なので、あまり詳しいところまで紹介できないのだが、Aチームの面々がテレビドラマ版ではベトナム戦争で活躍した傭兵達という設定から、映画版ではイラク戦争という具合に変わっているのみで、基本的な流れは一緒。濡衣を着せられたメンバー達が、“弱きを助け”つつ、黒幕に復讐していくのである。


 TVドラマ版では見られたエンジェルやターニャ(共に新聞記者)のような「Aチーム」の協力者が出ていない代わりに、決して味方というような立場ではなかったMP(憲兵組織)側の人間(ジェシカ・ビールが好演!)が板挟みのような立場の構図になっているのが面白い。そこにCIAの謎の男が話を引っ掻き回してくれるので、TVドラマ版同様の荒唐無稽なアクションとともに、楽しい映画になった。


 そして今回自分が観たのは吹替版ではないのだが、上記キャストの欄に記したように、TVドラマ版でハンニバル役(ジョージ・ペパード)の声を当てられていた羽佐間道夫さんが、今回別の(しかも重要な)役で声を当てられている。そして(もうお気付きですね!)、本編ラストシーンと本編後のおまけシーンに、2人の“特別ゲスト”が出演している。いずれも昔のTVドラマ版を知る人にとっては、嬉しい演出となっているので、最後の最後まで、席を立たずにお見逃しなく!


私の評価…☆☆☆☆

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2010年7月19日 (月)

チャプリン「幻の作品」発見

 喜劇王チャールズ・チャプリンがまだ無名の24歳の時に出演、その後フィルムが行方不明となり「幻の作品」となっていた短編映画が、米ミシガン州の古物市で発見された。


 映画の存在はこれまでも知られていたが、チャプリンの出演記録がなぜか残されておらず、専門家は「歴史を塗り替えるような重要な発見」と指摘。バージニア州のコメディー映画祭で公開後、DVDで発売される予定という。


 見つかったのは1914年1月に撮影、翌月に公開された無声映画で、題名は「A THIEF CATCHER(泥棒を捕らえる人)」。約10分の短編映画に約3分間、間抜けな警官役で出演。身振りなどに早くも後年、世界的な人気となるチャプリンの特徴がみられるという。(スポニチ紙面より)


 チャプリン好きとしては早く観たい! 日本での発売は未定なんだろうけど、きっとどこかが権利関係を押さえるものと思っている。僕の地元・京都では4年くらい前から、現在は廃校となった立誠小学校の講堂などで度々チャプリン関係のイベントをやっていて、今年以降はまだやるのかわからないが、やるのなら是非上映してほしいなぁ。

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借りぐらしのアリエッティ(DLP上映版)

借りぐらしのアリエッティ
借りぐらしのアリエッティ
監督:米林宏昌
声の出演:アリエッティ…志田未来、翔…神木隆之介、ホミリー…大竹しのぶ、貞子…竹下景子、スピラー…藤原竜也、ポッド…三浦友和、ハル…樹木希林、特別出演…羽鳥慎一、吉野正弘


 《監督は変われど、描くテーマは「ナウシカ」から不変》


 毎年ではないが、ジブリアニメの季節がまたやってきた。ただ、今年は宮崎駿が絡んではいるものの、監督ではない。宮崎監督の下で原画や作画監督を務めてきた米林宏昌が監督デビューを飾った。


 最近のジブリアニメとしては上映時間が94分と短い。製作に日テレが絡んでいるせいもあるのか、この時間というのは2時間の放送枠でほぼノーカット放送ができるサイズである。そういうかたちをとってしまったせいで、あまり話に深みがなく、個性的なキャラクターはいるものの、インパクトのある悪役がいないので、これといった盛り上がりのないままストーリーが最後まで進行するので、最後まで何か物足りない感が残ってしまうのは残念だった。


 描いているテーマも、キャッチコピーからもわかるように、題材が変わっただけで「風の谷のナウシカ」と殆ど変わっていない。滅びゆく種族というのがナウシカの場合は王蟲対人間という構図だったのに対し今回は小人対人間になった。ナウシカの場合はそこに“自然破壊”と“人間のエゴ”がうまく絡んだのだが、それに比べると今回はその線が弱いのだ。自分は「ナウシカ」から観ている人なので、監督が変わっても同じようなものが作られると、どうしても比べてしまう。


 音楽に関しては、ジブリ作品で宮崎駿というと久石譲というのが定番であったが、今回は監督が違うので音楽もジブリとしては初の海外アーチスト、ケルト民族音楽の歌手でありハープ奏者のセシル・コルベルを起用、これがピッタリとハマった。ケルト民族音楽といえば少し前から映画音楽でもよく採用されており、映画「遥かなる大地へ」の音楽演奏を担当したチーフタンズや、同じくその主題歌と、「ロード・オブ・ザ・リング」の主題歌を歌ったエンヤなどが知られているが、自然の映像が大部分を占める映画には最適な音楽だと思う。


 永らく宮崎駿と高畑勲の作品を作り続けてきたジブリも、そろそろ次代を担う監督を育成しなければならない。少し前には「耳をすませば」の近藤喜文監督がその一番手と呼ばれていたのだが、残念なことに亡くなられてしまった。その意味では、今回の米林監督は“収穫”といえるのではないだろうか。個人的にはそろそろ高畑監督の“最新作”(実はこの夏「赤毛のアン」が公開されるが、あれは昔のテレビアニメの再編集版である)が観てみたいものだが、米林監督の次回作も大いに期待したい。


私の評価…☆☆☆★

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2010年7月18日 (日)

トイ・ストーリー3 3D

トイ・ストーリー3 3D
トイ・ストーリー3 3D
監督:リー・アンクリッチ
製作総指揮:ジョン・ラセター
声の出演:トム・ハンクス、ティム・アレン、ジョーン・キューザック、ジョディ・ベンソン、マイケル・キートン 他
吹替版声優:唐沢寿明、所ジョージ、日下由美、高橋理恵子、東地宏樹 他


 《一応、これで終わりなのかと思うと少し寂しい》


 人間側の主人公=アンディ(吹替版声優:小野賢章)の設定をもうすぐ大学生の17歳としたことで、恐らく一旦は完結するものと思われるシリーズ3作目。やはりディズニーとピクサーが組めば不思議と内容の濃い、普通ならパート3ともなると大体評価が落ちるののだが、この映画は完成度の高い映画となった。


 前2作と比べるとかなりシリアスな展開となるが、そんな中でコメディー部分(というか、ちょっと浮いた存在となる)を担当するのが、前作から登場のバービーと初登場のケン。ちょっとした擦れ違いから保育園に“寄付”されてしまったバービーと、保育園のおもちゃケンが、“一目会ったその日から、恋の花咲く(って、ちょっと古いな…)”状態になる場面は、恐らくアメリカ人や、バービー人形に詳しい人なら大爆笑間違いなしである。なぜならこの2人の関係は、日本の人形でいうならリカちゃんとわたるくん(初代。現在の4代目リカちゃんの設定では、かけるくん)の関係、つまり恋人同士なのである。結果、この2人だけ歯の浮くようなセリフを連発。自分が観た回は子供連れが多く、関係を知らない人が殆どだったのか、クスリとも笑いは起こらなかったのだが、自分は心の中で結構笑っていた。


 映画のトリビア的なネタはウィキペディア等にたくさん載っているから、そちらの方を参考にしてほしいが、やはりテレビ等でも紹介されているように、今回製作のジョン・ラセターとピクサーの宮崎駿の友情(?)からおもちゃとしてトトロが“出演”している。セリフがないので(もっとも、映画「となりのトトロ」でトトロの声を演じられた声優の高木均さんは既に他界されているが)、探しにくいかと思っていたが、結構大きく写っているので、探してみてください。


 これ以上作ってもしょうがないのだろうが、やはりこれで終わりかと思うと少し寂しい。ただ、あのおもちゃ達と同じように、自分達が馴れ親しんだものは必ず小さい子に引き継がれ、時を経て再びブームになる事もある(日本のアニメでも度々「キューティーハニー」などが作られているように)。この映画も今度は“あの子”が人間側の主人公となって作られれぱいいなあ。


私の評価…☆☆☆☆☆

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2010年7月14日 (水)

プレデターズ

プレデターズ
監督:ニムロッド・アーントル
出演:エイドリアン・ブロディ、アリシー・ブラガ、トファー・グレイス、ダニー・トレホ、オレッグ・タクタロフ、ルイス・オザワ・チャンチェン、ウォルトン・ゴギンズ、マハーシャラルハズバズ・アリ、ローレンス・フィッシュバーン 他


 《約16年前に企画され、一旦お蔵入りになったものが復活》


 最近のアメリカ映画は続編やリメイク、リブートがはやっているが、この「プレデターズ」もシュワルツェネッガー主演の「プレデター」シリーズ3作目に当たるものである。ただ、企画自体は約16年前に一度立てられており、その時に2人の脚本家が持ち寄った3つの案があり、この時は諸般の事情でどれも成立しなかったのだが、この時にロバート・ロドリゲスが書いた脚本が一部手直しされ、晴れて日の目を浴びることとなったのである。


 一応3作目という事なので、「2」の設定も引き継がれている筈なのだが、やはり意識しているのは「1」の方。「1」のストーリーをヒロインのセリフにうまく取り込み喋らせている。前2作を観ていなくても楽しめるが、より作品を楽しみたいなら「1」を観ておくのは鉄則だ。


 ちなみに今回の舞台は前2作ともスピンオフ2作とも違い、ある“惑星”である。何でこんな場所に主人公らそれぞれ国籍の違う特殊部隊の精鋭や日本のヤクザなどが突然送られたのかという最大の謎が、いまひとつハッキリしないまま、続編を匂わすかたちでストーリーが進行するのだが、内容的に結構面白いので、「エイリアンvsプレデター」シリーズはもう作らないみたいだし、こっちの方で続編を作ってもらいたいところである。


 エンディングにアラン・シルヴェストリが作曲した「プレデターのテーマ」が流れる。1作目を知る人は思わず聴き入ってしまう懐かしいオマケだ。


私の評価…☆☆☆★

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2010年7月 9日 (金)

「アバター」特別編公開へ

「アバター」特別編公開へ
 全世界で大ヒットを記録している、ジェームズ・キャメロン監督の3D映画「アバター」に、8分間の未公開シーンを追加した「アバター〈特別編〉」が10月16日に公開される事が、配給元の20世紀FOXから発表された。


 昨年末から公開された「アバター」には通常の2D版と3D版の他にIMAX版が製作されていて、一度に上映できる時間に限界があるIMAX版に合わせるために止むを得ずカットした場面を復活させたもので、新しいクリーチャーやアクションシーンが含まれるという。


 「アバター」は日本で興収154億円を突破、全世界では約2300億円という驚異的な世界記録を打ちたてている。さて、あなたはこの僅か8分間のためにもう一度、映画館に行きますか?(笑)

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2010年7月 7日 (水)

アデル/ファラオと復活の秘薬

アデル/ファラオと復活の秘薬
アデル/ファラオと復活の秘薬
監督:リュック・ベッソン
出演:ルイーズ・ブルゴワン、ジル・ルルーシュ、ジャン=ポール・ルーヴ、マチュー・アマルリック 他


 《えらく荒唐無稽だなと思ったら… 原作は漫画なのでした》


 今回は何の先入観も持たず、予告編を観ただけのイメージで本編を観てしまった。一応女性版「インディ・ジョーンズ」とか「ロマンシング・ストーン」みたいなノリなのかなと思っていたら、そんなノリはファラオに仕えた医者(本当は違うのだがここではネタバレを防ぐためにこう表現しておく)のミイラを捜し当てるまで。あとはとんでもない翼竜は出てくるわ、ミイラは突然喋りだすわとダーク・ファンタジーのような世界に変貌。不慮の事故で意識がブッ飛んでしまった妹を“ファラオの秘薬”とやらで完治させようとする、もう何でもありの荒唐無稽な話になってしまうのである。


 後で調べてわかったのだが、これってフランスでは「バンド・デシネ」と呼ばれる、いわばアメリカン・コミックのような“続きもの漫画”なんですね。まぁ、元が漫画だったら確かにああいう展開になるのも何となく分かる。しかしやっぱり予告編が冒険映画っぽく作ってあるので、どうしてもそういうイメージで観てしまうのである。


 ヒロイン=ルイーズ・ブルゴワンの魅力はまずまずといったところか。彼女は見た目に背が高い(たぶん180cmくらいある)ので、コスチュームが実によくキマっている。キャッチコピーにあったような、あまり強そうには見えないが。


 そしてリュック・ベッソンは実写ものでは久しぶりの監督作となるはずなのだが、暫くやらないうちに演出力が落ちた。やはりこういう仕事は常に一定のモチベーションを持ってやらないと、「スターウォーズEP」時のルーカスと同じような評価になってしまうのだろう。ところで、リュック・ベッソンって「アーサーとミニモイの不思議な国(3部作)」で監督業を辞めるって言ってなかったっけ?


私の評価…☆☆☆

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2010年7月 5日 (月)

〈午前十時の映画祭〉雨に唄えば

〈午前十時の映画祭〉雨に唄えば
〈午前十時の映画祭〉雨に唄えば
監督:ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
出演:ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ、ドナルド・オコナー、ジーン・ヘイゲン、ミラード・ミッチェル、シド・チャリシー、リタ・モレノ、ダグラス・フォーリー 他


 《サイレントからトーキーへ、映画史の移り変りをコミカルに描くミュージカル映画の傑作》


 僕は、「雨に唄えば」よりもジーン・ケリー主演映画なら「巴里のアメリカ人」をスクリーンにかけてほしかったんだけど(もし、2年目やるんならお願いします)… この映画、何年か前に京極弥生座(現・新京極シネラリーベ)でイベント上映された時は、ニュー・プリントではなくかなり状態の悪い(中心部分が緑色に焼けた)フィルムが上映されて憤慨していたんだが、今回晴れてニュー・プリントでの上映で観ることができて、非常に嬉しい。僕は映画音楽が好きで、音楽映画やミュージカルなんかも好きで、フレッド・アステアやジーン・ケリーの映画なんか観るとそれだけでたまらなく楽しくなる。この映画ジーン・ケリーとドナルド・オコナーの息のあったセリフの掛け合いやダンスはもちろん楽しいのだが、テレビか何かで最初に観た時に、僕はデビー・レイノルズの可愛らしさに目を奪われてしまった。ちなみにデビー・レイノルズの娘はキャリー・フィッシャー(「スターウォーズ〜」のレイア姫)である。可愛らしさは… 遺伝していないなぁ(苦笑)。デビーは最
近の映画ではニア・ヴァルダロスとトニー・コレットが共演し日本でも5年くらい前に公開された「コニー&カーラ」という、現代版「お熱いのがお好き」みたいな内容の映画に舞台女優役で特別出演していたが、かなり太られたものの、相変わらず可愛らしい“お婆ちゃん”になっておられ(現在78歳)、嬉しくなったのを覚えている。


 物語は映画が無声(サイレント)からトーキーへと移行する時代の、当時実際にあったとされるてんやわんやの大騒動をコミカルに描いたもので、今より性能が悪い集音マイクの無駄音拾い(さすがに心音までは拾えないだろうが)や悪声俳優の吹き替え(サイレントでは二枚目俳優として売っていたダグラス・フェアバンクスは顔に似合わぬカン高い声で人気が下降した)など、当時の業界人の苦労が偲ばれる。


 一番有名なのはやはりジーン・ケリーがどしゃぶりの雨の中「Singin' in the rain」を歌う場面だろう。実はこの曲はこの映画のオリジナルではなく、後にMGMの名プロデューサーとなるアーサー・フリードが作詞した既成の曲を使ったもので、MGM黎明期のレヴュー映画「ブロードウェイ・メロディー」(本作はこの映画にオマージュを捧げている)、また別の映画ではジュディー・ガーランドも歌っている。その辺のところはMGMのアンソロジー映画「ザッツ・エンターテインメント」でもちゃんと映像として収録されていて、DVDでも発売されている(僕もパート1〜3+特典ディスクの初回限定BOXを持っている)ので、興味ある人はそちらも観てほしいし、後々ここにもアップしていこうかなと思っている。


 あと、デビーの他に出ている2人の女優も印象深い。1人は悪声女優リナ役のジーン・ヘイゲン。実は彼女自身は悪声ではない。あの声はあの役のためにワザとやった声で、ラストシーンで彼女が歌う「Singin' in the rain」は映画の上では後ろでデビー扮するキャシーが吹き替えているので、デビー・レイノルズの声だと思っている人が殆どだろうが、実はジーン・ヘイゲン本人の声である! たぶんこの人がいなかったらこの映画は成り立たなかったと思えるくらい悪女に撤しているのだ。そしてもう1人は「ブロードウェイ・メロディー」場面でのジーンの相手役で“500万ドルの脚線美”シド・チャリシー。本作での出番は少ないが、彼女は先頃日本でも今村ねずみ&湖月わたるで舞台化されたフレッド・アステアとの共演作「絹の靴下」や「バンド・ワゴン」、ジーン・ケリーとの共演作「ブリガドーン」(全てDVD発売中)など、面白いミュージカル映画にたくさん出ておられるので、今後こういった映画が再びスクリーンにかかる事を望む。


 この映画のメインキャストのうち、ジーン・ケリー、ドナルド・オコナー、シド・チャリシーは既にもうこの世にいない。最近はミュージカルでもこういうクラシックなダンス中心のものは少なくなり、ロックやニュー・ミュージックのものが多くなっている。それはそれで悪くないが、たまにはこういうクラシック・ミュージカルの「新作」を観てみたいものだ。


私の評価…☆☆☆☆☆

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2010年7月 2日 (金)

エルム街の悪夢(2010)

エルム街の悪夢(2010)
監督:サミュエル・ベイヤー
出演:ジャッキー・アール・ヘイリー、カイル・ガルナー、ルーニー・マーラ、ケイティ・キャシディ、トーマス・デッカー、ケラン・ラッツ 他


 《一応オリジナル版に“忠実”なリメイクなのだが… 》


 もう、こういうスプラッター映画は見向きもされないかと思いきや、キャストが若返った以外何の目新しさも無いのにアメリカではそこそこのヒット。アメリカ人って、ホントこういうの好きなのね(笑)。


 一応、オリジナル版1作目を忠実にリメイクとのことだが、設定をちょっといじくって焼直ししただけの代物。一番違うのは生前のフレディーのキャラ設定で、旧シリーズは確かボイラー室の管理人だったと思うが、今回は幼稚園の庭師(日本風に言えば用務員って事か)。子供に悪戯して親に恨まれ焼き殺されるのは一緒だが、ロバート・イングランドが演じた旧作は生前から殺人鬼だったのにたいして、今作は生前は普通の人(でも演じているのがジャッキー・アール・ヘイリーだからどうしても変人っぽく見えてしまう)。結果、こんな設定変更が災いして、せっかくのクライマックスのボイラー室での決闘が、殆ど何の意味もなさなくなり、何だかわけのわからないうちに終わる変なホラー映画になってしまった。


 ジャッキー・アール・ヘイリーのフレディーも特に悪くはないのだが、特殊メイクで作った顔が、前とは完全にイメージの違ったものになっていて、前のシリーズを知っている自分からするとかなりの違和感がある。


 監督はこれが映画デビューのサミュエル・ベイヤー。彼はこれまでCMやミュージックビデオの映像を作ってきた人で、なるほど確かにビジュアルはきれいである。ヒロインより美人の脇役ケイティ・キャシディをいともあっさり殺しちゃったり、ラストがお約束のショック場面だったりと、ホラー映画の決まりごともちゃんと描かれている。ただやはりウエス・クレイヴン御大のオリジナルと比べるとかなり見劣りするのだ。


 というわけで、アメリカの映画批評家からは大ブーイングのこの映画、でもそんな評とは裏腹に観客には好評でIMDBの点数もなんとか5点台を現在キープ、パート3迄の製作が決まり、続編は3Dになるらしい。果たして日本では無事公開となるのか、楽しみである。


私の評価…☆☆★

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〈午前十時の映画祭〉ウエストサイド物語

〈午前十時の映画祭〉ウエスト
監督:ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンス
出演:ナタリー・ウッド(歌唱部分はマーニー・ニクソン)、リチャード・ベイマー(歌唱部分はジム・ブライアント)、ジョージ・チャキリス、リタ・モレノ(歌唱部分の一部はベティ・ワンド)、ラス・タンブリン、ホセ・デ・ヴェガ、タッカー・スミス 他


 《ミュージカル映画の傑作だが、全く余計な事してくれちゃって!》


 この作品はリバイバル上映で観たことがあるし、DVDでも持っているし、もちろんTVの映画番組でも観たことはあり、今から15年ほど前に劇団四季の舞台も観に行った(当時まだあった近鉄劇場での大阪初演版)。自分が今まで観た映画の中でも名作中の名作だ。今回も楽しみで鑑賞したのだが、昔の翻訳バージョンを知っている自分は少々違和感があった。


 まず、今回“新訳版”と銘打ってはいるが、翻訳を菊地浩司氏が担当している事もあり、殆どDVD版を流用した翻訳となっている。ま、それはそれでもいいのだが、最初の「序曲」の部分に何とカウントダウンが入っていたのである。本来この部分はまだ着席していない人を諭したり、既に着席している人には本編が始まるまで音楽を楽しんでもらおうと、舞台では必ず使われる手法であり、ミュージカル映画や昔の史劇もの映画には大抵使われていた。言ってみれば昔の映画を知る人にはあって当たり前のものなのである。リバイバル上映版には確かカウントダウンの字幕は無かったように思うのだが、他の映画ならともかく、この「ウエストサイド物語」は「序曲」の部分から既にアートになっているので「あと○分で本編が始まります」という字幕は非常に邪魔である。最近こういう映画を見慣れていない人の中には音楽と静止画だけでは映写機の故障と勘違いする客もいるとのことで、こういう措置がとられているようだが、それならそれで「序曲」の前に「お断わり」を表示するなど
、別の方法をとってもらいたいものだ。正直、その対応にはガッカリした。


 本編は舞台版と比べると、映画オリジナルキャラがいたり、場面や曲の順番が入れ替わったりしている部分があるのだが、変更部分は最小限に止めてあるので、舞台版を知っている人でも違和感なく楽しめる。さすがにアカデミー賞10部門を制覇しているだけあって完成度も高く、最後の最後まで飽きさせない。


 なお、この映画を配給したMGMは、経営難が災いし現在存続の危機にたたされている。いくつかの会社に買収を打診して、タイム・ワーナーに決まりかけていたのだが、どうやら不調に終わったようだ。MGMといえば「午前十時の映画祭」ではこれの次に上映される「雨に唄えば」などのミュージカル映画や「007」、「ロッキー」シリーズなど人気作の宝庫である。どういうかたちであれ、貴重な“財産”を粗末に扱う事だけは避けてほしいものである。


私の評価…☆☆☆☆★

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