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2010年7月19日 (月)

借りぐらしのアリエッティ(DLP上映版)

借りぐらしのアリエッティ
借りぐらしのアリエッティ
監督:米林宏昌
声の出演:アリエッティ…志田未来、翔…神木隆之介、ホミリー…大竹しのぶ、貞子…竹下景子、スピラー…藤原竜也、ポッド…三浦友和、ハル…樹木希林、特別出演…羽鳥慎一、吉野正弘


 《監督は変われど、描くテーマは「ナウシカ」から不変》


 毎年ではないが、ジブリアニメの季節がまたやってきた。ただ、今年は宮崎駿が絡んではいるものの、監督ではない。宮崎監督の下で原画や作画監督を務めてきた米林宏昌が監督デビューを飾った。


 最近のジブリアニメとしては上映時間が94分と短い。製作に日テレが絡んでいるせいもあるのか、この時間というのは2時間の放送枠でほぼノーカット放送ができるサイズである。そういうかたちをとってしまったせいで、あまり話に深みがなく、個性的なキャラクターはいるものの、インパクトのある悪役がいないので、これといった盛り上がりのないままストーリーが最後まで進行するので、最後まで何か物足りない感が残ってしまうのは残念だった。


 描いているテーマも、キャッチコピーからもわかるように、題材が変わっただけで「風の谷のナウシカ」と殆ど変わっていない。滅びゆく種族というのがナウシカの場合は王蟲対人間という構図だったのに対し今回は小人対人間になった。ナウシカの場合はそこに“自然破壊”と“人間のエゴ”がうまく絡んだのだが、それに比べると今回はその線が弱いのだ。自分は「ナウシカ」から観ている人なので、監督が変わっても同じようなものが作られると、どうしても比べてしまう。


 音楽に関しては、ジブリ作品で宮崎駿というと久石譲というのが定番であったが、今回は監督が違うので音楽もジブリとしては初の海外アーチスト、ケルト民族音楽の歌手でありハープ奏者のセシル・コルベルを起用、これがピッタリとハマった。ケルト民族音楽といえば少し前から映画音楽でもよく採用されており、映画「遥かなる大地へ」の音楽演奏を担当したチーフタンズや、同じくその主題歌と、「ロード・オブ・ザ・リング」の主題歌を歌ったエンヤなどが知られているが、自然の映像が大部分を占める映画には最適な音楽だと思う。


 永らく宮崎駿と高畑勲の作品を作り続けてきたジブリも、そろそろ次代を担う監督を育成しなければならない。少し前には「耳をすませば」の近藤喜文監督がその一番手と呼ばれていたのだが、残念なことに亡くなられてしまった。その意味では、今回の米林監督は“収穫”といえるのではないだろうか。個人的にはそろそろ高畑監督の“最新作”(実はこの夏「赤毛のアン」が公開されるが、あれは昔のテレビアニメの再編集版である)が観てみたいものだが、米林監督の次回作も大いに期待したい。


私の評価…☆☆☆★

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