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2010年7月 2日 (金)

〈午前十時の映画祭〉ウエストサイド物語

〈午前十時の映画祭〉ウエスト
監督:ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンス
出演:ナタリー・ウッド(歌唱部分はマーニー・ニクソン)、リチャード・ベイマー(歌唱部分はジム・ブライアント)、ジョージ・チャキリス、リタ・モレノ(歌唱部分の一部はベティ・ワンド)、ラス・タンブリン、ホセ・デ・ヴェガ、タッカー・スミス 他


 《ミュージカル映画の傑作だが、全く余計な事してくれちゃって!》


 この作品はリバイバル上映で観たことがあるし、DVDでも持っているし、もちろんTVの映画番組でも観たことはあり、今から15年ほど前に劇団四季の舞台も観に行った(当時まだあった近鉄劇場での大阪初演版)。自分が今まで観た映画の中でも名作中の名作だ。今回も楽しみで鑑賞したのだが、昔の翻訳バージョンを知っている自分は少々違和感があった。


 まず、今回“新訳版”と銘打ってはいるが、翻訳を菊地浩司氏が担当している事もあり、殆どDVD版を流用した翻訳となっている。ま、それはそれでもいいのだが、最初の「序曲」の部分に何とカウントダウンが入っていたのである。本来この部分はまだ着席していない人を諭したり、既に着席している人には本編が始まるまで音楽を楽しんでもらおうと、舞台では必ず使われる手法であり、ミュージカル映画や昔の史劇もの映画には大抵使われていた。言ってみれば昔の映画を知る人にはあって当たり前のものなのである。リバイバル上映版には確かカウントダウンの字幕は無かったように思うのだが、他の映画ならともかく、この「ウエストサイド物語」は「序曲」の部分から既にアートになっているので「あと○分で本編が始まります」という字幕は非常に邪魔である。最近こういう映画を見慣れていない人の中には音楽と静止画だけでは映写機の故障と勘違いする客もいるとのことで、こういう措置がとられているようだが、それならそれで「序曲」の前に「お断わり」を表示するなど
、別の方法をとってもらいたいものだ。正直、その対応にはガッカリした。


 本編は舞台版と比べると、映画オリジナルキャラがいたり、場面や曲の順番が入れ替わったりしている部分があるのだが、変更部分は最小限に止めてあるので、舞台版を知っている人でも違和感なく楽しめる。さすがにアカデミー賞10部門を制覇しているだけあって完成度も高く、最後の最後まで飽きさせない。


 なお、この映画を配給したMGMは、経営難が災いし現在存続の危機にたたされている。いくつかの会社に買収を打診して、タイム・ワーナーに決まりかけていたのだが、どうやら不調に終わったようだ。MGMといえば「午前十時の映画祭」ではこれの次に上映される「雨に唄えば」などのミュージカル映画や「007」、「ロッキー」シリーズなど人気作の宝庫である。どういうかたちであれ、貴重な“財産”を粗末に扱う事だけは避けてほしいものである。


私の評価…☆☆☆☆★

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