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2010年9月 6日 (月)

〈午前十時の映画祭〉大脱走

〈午前十時の映画祭〉大脱走
監督:ジョン・スタージェス
出演:スティーブ・マックイーン、ジェームズ・ガーナー、リチャード・アッテンボロー、ジェームズ・ドナルド、ドナルド・プレザンス、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ジョン・レイトン、ハンネス・メッセマー、デヴィッド・マッカラム 他


 《有名なテーマ曲とともに、本当に何度も観たい名作》


 これはもう、本当に文句のつけどころがない、戦争映画の傑作。ちなみに今回はサウンドがドルビーSR(公式HP参照)という事なので、恐らくマスターフィルムは、約7年前に公開された「製作40周年記念デジタルリマスター版」(僕もわざわざ心斎橋の映画館まで行って鑑賞した)と思われる。


 第二次世界大戦最中の1944年にロジャー・ブッシェル少佐指揮の下、ベルリン南東のザーガンにあった連合軍の航空兵捕虜収容所から捕虜が集団脱走した史実を描いたポール・ブリックヒルの原作小説を映画化したもので、少し映画向きに脚色されているようだが、ほぼ忠実に映像化されている(原作との比較はウィキペディアなどで調べる事ができる)。上映時間172分の長尺だが、ジョン・スタージェス監督の演出、そして編集は無駄が無く、全編が見せ場といっても過言ではない。


 マックイーンは一応主演ではあるが、前半は出番が少ない。ファンにとっては不満だろうが、その分他のキャラ達の人間ドラマが楽しめる。メインキャラクターのキャラ立ちがはっきりしているので、緊迫した中でもどこかユーモラスだし、楽しい。


 尚、鑑賞したのが日曜だったためか親子連れや10〜20代の若者も多かったのだが、子供はともかくとして鑑賞後、

 「時代背景がわからずイマイチ乗れなかった」

という、若い人の意見を聞いた。まぁ、それはわからなくもないが、だからこそこういう戦争映画を他にも観て、関連する文献なども読んだりして勉強してほしいのだ。僕もあまりエラソーな事は言えないが、映画で学べる事はたくさんあり、それはそれで大事だと思う。


 この映画でも捕虜達の脱走には、捕虜個人個人の思い以外にもちゃんとした意味がある。当時のドイツ軍は強大な軍隊であり、軍が管轄である収容所の警備に人を割く事によって、戦地の兵力を削がせる必要があったからだ。捕虜は戦争中は「人質」なのだから、脱走した者は基本的に生け捕りして収容所に戻さなければならない。76人の脱走者の内50人がゲシュタポの手によって殺されてしまうが、普通に考えればこれはあってはならない事なのである。映画はラストに

 「この映画を50人の兵士に捧ぐ」

とのテロップが出される。この映画が言いたいことは、全てここに集約されているのだ。


 エルマー・バーンスタイン作曲の、今やスタンダードナンバーとなった「大脱走マーチ」とともにかぶさる、マックイーンが独房の壁にぶつける野球のボールの音が、いつまでも心に響く秀作だ。


私の評価…☆☆☆☆☆

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