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2010年10月30日 (土)

〈午前十時の映画祭〉ライトスタッフ ディレクターズカット版

〈午前十時の映画祭〉ライト
監督:フィリップ・カウフマン
出演:サム・シェパード、スコット・グレン、フレッド・ウォード、エド・ハリス、スコット・ポーリン、チャールズ・フランク、デニス・クエイド、パメラ・リード、ヴェロニカ・カートライト、バーバラ・ハーシー、ドナルド・モファット、ハリー・シェアラー、ジェフ・ゴールドブラム 他


 《冷戦時代の“宇宙競争”を描いた秀作》


 本作は日本での初公開時、上映時間の都合上約30分カットされたものが公開(もちろん監督は拒否する姿勢をとったのだが)された作品。今回の映画祭では本来の上映時間193分である「ディレクターズカット版」が使われている。


 「ライトスタッフ」とは“己にしかない正しい資質”を意味する。この映画は、米ソ冷戦時代、アメリカとソ連が競って宇宙へ人間を送り込もうとしていた中、アメリカのNASAが企てた「マーキュリー計画(アポロ計画の前段階にあたる)」を背景に、空軍や海軍の戦闘機パイロットがその“正しい資質”に従い孤独な挑戦を続ける姿と、様々な重圧に耐えながら信頼の絆を深めあう宇宙飛行士と家族の姿とを対比させながら描き、それぞれの生き方の中にも勇気を持って行動する者たちを称えた物語。実在の人物が登場しほぼ実話であるが、一部映画用にフィクションを交えてストーリーが構成されている。


 さすがに3時間もあると所々退屈になる部分もあるし、2時間くらいたった頃に意図的なのかワザとなのか、観ている側のトイレ我慢を嘲笑うかのような“小便ネタ”があったりと、ちょっとスタッフの悪ふざけのような部分もあるのだが、音速超えに命をかけるテストパイロットやそのパイロットたちが危険を冒して宇宙へと旅立つという、カッコイイ場面ばかりではなく、その男たちの身を案じて無事の帰りを待つ妻たちの苦悩と葛藤といった秀逸な人間ドラマが描かれているし、だからこそこの映画が今でも人気があるのだと思う。


 「ロッキーのテーマ」などのラロ・シフリンが作曲した、この映画の勇壮なテーマ曲「イエガーの勝利」(原曲はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35)はもうこの手の映画音楽のスタンダードナンバー。TV番組のBGMとしても時々使用されているのだが、この映画でも素晴らしい宇宙の映像などと共に印象深いものになっている。


 この映画祭の作品の中では27年前の映画ということで比較的最近の作品。出演者のほとんどが今でも現役で活躍しているのは嬉しい。スコット・グレンやエド・ハリスなんてほとんど姿変わってないし、この3年後に「ザ・フライ」で蠅男に変身してしまう男を演じブレイクするジェフ・ゴールドブラムも結構脇役でちょくちょく見かける。ある意味一番容姿が変わったのはデニス・クエイドかな?この時は若手スターだったのが、中年のオッサンだもんなぁ。最近また主役級で映画によく出ているので、ちょっとそんな事を思ってしまった。


私の評価…☆☆☆★

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コメント

ラロ・シフリン?

投稿: とっしー | 2013年5月10日 (金) 00時29分

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