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2010年11月21日 (日)

[リミット]

[リミット]
監督:ロドリゴ・コルテス
出演:ライアン・レイノルズ


 《抜群の企画力と脚本の勝利》


 これはもう、今年公開された映画の中では屈指の傑作スリラーである。限られた予算内で面白く、最後まで観客の見る目をスクリーンに釘づけにさせる映画というのは、そうあまりない。


 映画が始まってもすぐに画面が写らないと思ったら、いきなり棺の中。暗闇から聞こえる主人公である男の叫び声。手探りで捜し当てたジッポーを点けると見知らぬ携帯電話が。何者かに閉じ込められたことを悟った男はパニくりながらも自分を雇っている会社やFBI等に電話をかけ救助を求めていく。


 せっかくかけた先が留守電だったり、出たら出たでたらい回しにされたりという事が繰り返されながら話と時間が過ぎていくという展開になるので、画面は棺の中から一歩も外に出ず最後まで棺の中だけで話が進む。そう、画面上出てくるのは電話の相手の声以外は主人公だけ、ライアン・レイノルズ1人だけなのだ。


 こういう事になってくると、俳優の演技力は勿論だがそれ以上に脚本の出来栄えが、普通の映画以上に重要になってくる。この脚本が実に上手く良くできているのだ。こういう映画は主人公の状態における“緊張とその緩和の連続”というのがあって、話が進むほどその振れ幅が大きくなり、最大になったところでクライマックスとなるのが1つのセオリーでありパターンなのだが、これが絶妙なかたちとなって表現されるのである。1つ1つあげるとキリがないのでこの辺は映画を観て体験してもらうことにして、これが上手くハマるとその映画は絶対に面白くなるのだ(この好例としてブルース・ウィリス主演の「ダイ・ハード」1作目や「ティアーズ・オブ・ザ・サン」を挙げておく)。


 そしてただそのパターンに当てはめるだけでなく、全編にわたって反戦メッセージが込められている。それもこちらの予想をいい意味で大きく裏切るラストシーンまで、きっちりと。いやはやこんな映画を見せつけられたら、悪い点のつけようがない。こんな素晴らしい映画の製作費は日本円に換算してたったの約2億5000万円。平均的なハリウッド映画の約1/30以下ってところ。トンでもないスペイン映画なのである。


私の評価…☆☆☆☆☆

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