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2011年1月 9日 (日)

アンストッパブル

アンストッパブル
監督:トニー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン、クリス・パイン、ロザリオ・ドーソン、ケヴィン・ダン、ジェシー・シュラム、ジェフ・ウィンコット、ケヴィン・チャップマン、イーサン・サプリー、ミーガン・タンディ、エリザベス・マシス、ケヴィン・コリガン、リュー・テンプル、T・J・ミラー、デヴィッド・ウォーショフスキー 他


 《実話をモデルにした、現代の「恐怖の報酬」》


 この映画は、2001年5月にアメリカのオハイオ州で実際に起こった事故をモデルに作られた、パニック映画である。この事故自体は日本のTV番組でもかなり前に「奇跡体験アンビリーバボー」や「世界仰天ニュース」などで取り上げられており、ひょっとすると知っている人も多いかもしれない。色々調べてみると、キャラクター設定は映画用にかなり脚色されているようだが、映画の中で描かれる事故そのものは、実際のものをほぼ忠実に再現しているようだ。


 この手の映画は話そのものは単純なのだが、発端から結末までに必要なシークエンスが適度に盛り込まれていると面白い。昔のフランス映画に「恐怖の報酬」という、この手の傑作映画があるのだが、あの映画も少量のニトロをトラックで山の天辺に運ぶだけの単純な話。だが、その運ぶ道中に様々な形で、いろんな意味での“障害”を置く事で、独特な緊張感と危機感を観る側に抱かせたのである。


 言ってみれば今回はその乗り物が貨物列車に、運ぶものが、より危険な液状フェノールへと変わり、よりスケールアップしたものである。液状フェノールとは、直接肌に触れると激しい薬傷を生じ、更に加熱によって空気と混ざれば爆発性混合ガスへと変化する代物。そんなものを大量に積んだ列車が、人為的ミスにより無人のまま暴走するのである。しかも列車の100キロ先のケントン市には、周辺に民家やガスタンクなどの危険物施設が密集する、下り勾配の急カーブが存在する。そんな場所に列車が高速で突入すれば、脱線、転倒は確実。最悪の場合、積み荷の液状フェノールが大爆発を引き起こし大惨事になりかねないのだ。クライマックスが近づくほど緊迫感が増す、まさに「恐怖の報酬」と手法は同じだ。


 実話より、キャラクター設定を肉付けしているわりには、人物描写は薄いが、逆にアクションてんこ盛りなのはこの監督の持味なので、今回もそれは最大限に発揮されている。人物描写に重点を置けば、ストーリーが中だるみしただろうから、これはこれで良かったのかもしれない。


私の評価…☆☆☆☆

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