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2011年2月22日 (火)

戦火の中へ

戦火の中へ
監督:イ・ジェハン
出演:クォン・サンウ、T.O.P.(BIGBANG)、キム・スンウ、チャ・スンウォン、パク・ジニ 他


 《韓国版「きけ、わだつみの声」のようなもの》


 朝鮮戦争時16歳だった学徒兵の遺体から発見された、母親に宛てた1通の手紙。そこから戦争の真実も含めて話を膨らませ、戦争ドラマとして作られたのが本作である。


 日本でもかつて、第2次世界大戦末期に兵力不足を補うために学徒出陣があり、悲劇を生んだ。日本の場合は結果的にそれが敗戦の象徴となり、編纂された学徒兵による遺稿集は「きけ、わだつみの声」のタイトルで2度映画化されている(ただこの遺稿集は当時の機関による検閲・改竄が指摘されており、必ずしも当時の状況を伝えきる物ではないのかもしれない)。韓国の場合は、この学徒兵らによる壮絶な戦いで、劣勢だった状況が最終的には覆る事になるのだが、結果的に南北分断の皮肉を生むことになる。


 戦争アクションの部分に時間を割きたかったのか、手紙に綴られているはずの“母親への平和を想う部分”はサラッと流す程度だったが、その分敵の人民軍大佐との対話や大佐のセリフに、同じ民族同士なぜ殺し合わなければならないのか、なぜ平和な暮らしを望めないのかといった、戦争に対する矛盾や苦悩が込められている。北朝鮮の兵士たちも同じ人間、決して悪いようには描いていないのである。


 ちなみにクォン・サンウの学徒兵は年齢的にみても無理がありすぎるのだが、そんなことがどうでもよく思えるくらい、戦闘場面のリアルさに目を奪われる。演出上、本物っぽさを出すために俳優たちは撮影中、埋められた爆薬の場所を殆ど知らされずに演技をしていたそうで、生傷が絶えず、クライマックスの場面などは、皆顔が強ばっていた。


 奇しくも日本の戦争映画(あちらは原作者がアメリカ人である)と公開時期が重なり、宣伝量やスクリーンの多さから興収は「太平洋の奇跡」の方が上ではあるが、「戦火の中へ」も捨てがたい傑作である。


私の評価…☆☆☆☆

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