« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »

2011年7月

2011年7月29日 (金)

名作「スター誕生」がリメイクへ

名作「スター誕生」がリメイクへ
 歌手で女優のビヨンセ(29)とクリント・イーストウッド監督(71)で、名作ミュージカル映画「スター誕生」が35年ぶりにリメイクされることが分かった(写真はそのもう1つ前の1954年版ポスター)。


 スターを目指す主人公の愛、そして栄光と挫折を描くサクセスストーリーで、ジャネット・ゲイナー主演の1937年版、ジュディ・ガーランド主演の1954年版、バーブラ・ストライザンド主演の1976年版に続き4度目の映画化。撮影は年末が予定され、旧作でクリス・クリストファーソンやジェームズ・メイソンが演じた相手役にはレオナルド・ディカプリオなど複数の候補があがっているとのこと。


 また、主人公の設定が’37年版と’54年版では女優、’76年版は歌手となっているのだが、今回はビヨンセなので恐らく歌手か。


 イーストウッドがミュージカル映画の監督というのは、ちょっと珍しいというか、大丈夫か? とも思ってしまうのだが、何といっても彼には「バード」という音楽映画の傑作もあるし、音楽センスの良さにも定評はあるので、過去3作の中で評価が一番高く人気もあるジュディ・ガーランド主演版は超えられないとは思うが、これは是非とも期待したい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月28日 (木)

コクリコ坂から

コクリコ坂から
監督:宮崎吾郎
声の出演:松崎海…長澤まさみ、風間俊…岡田准一、松崎花…竹下景子、北斗美樹…石田ゆり子、広小路幸子…柊瑠美、松崎良子…風吹ジュン、小野寺善雄…内藤剛志、水沼史郎…風間俊介、風間明雄…大森南朋、徳丸理事長…香川照之、松崎空…白石晴香、松崎陸…小林翼 他


 《前作で強烈なダメ出しをされた監督、今回はまずまずの出来》


 前作「ゲド戦記」で批判に晒された宮崎吾郎監督の劇場用映画2作目。前作の事もあるので、あまり期待はしていなかったが、今回はわりとまともに作られており、なんとか観るに耐えられる映画になった。


 もちろんそれは宮崎駿が脚本を担当していて、それを忠実に映像化しているからなのだろうが、前作がバリバリのファンタジーものだったのに対し、本作は極力ファンタジー色を排除した、リアリティー重視のものになっているからだ。


 僕が思うにファンタジーものの作品はそれが実写であれアニメであれ、頭の中の想像力が豊かでないと描けない。そのためにまずは現実的なドラマがちゃんと描けないと作れないと思う。「ハリー・ポッター」シリーズ初期の監督クリス・コロンバスだって監督デビューは非ファンタジー系の「ベビーシッター・アドベンチャー」だし(その前に「グレムリン」や「グーニーズ」の脚本を担当しているが)、そこからしばらくは「ホーム・アローン」などのホーム・コメディーを監督していたのだ。アニメでいえば、既に亡くなられているが今敏は「パプリカ」の前に初監督作品「PERFECT BLUE」で評価されているのである。アニメの仕事に殆ど携わっていなかった人がいきなり「ゲド戦記」の監督をするなど無謀だったのだ。


 その反省点(?)活かしたのか、今回の映画は非ファンタジー。原作の漫画は'80年代に月刊の少女漫画雑誌に連載されたものだが、当時は不人気漫画で実はたった8回で打ち切られているものである。このためシナリオの段階で時代設定など大幅な脚色がされている。それが効いているのかBGMも映像とマッチしており、前作に比べ出来は遥かにいいものになった。


 ただ、人物描写はあまり掘り下げていないせいか、相変わらず薄っぺらい。原作の雰囲気を必要以上に壊したくなかったのかもしれないが、やはりこの監督は今はこれが限界なのか。声優にしてもメインキャストに本職の人が1人もいない。声優とタレントでは演技プランやアプローチの仕方が違うし、これだけ偏ると違和感がある。“客寄せパンダ”方式も程々にしないとダメだね。


私の評価…☆☆☆★

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月27日 (水)

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 3D

ハリー・ポッターと死の秘宝
監督:デヴィッド・イェーツ
出演(吹替版声優):ダニエル・ラドクリフ(小野賢章)、ルパート・グリント(常盤祐貴)、エマ・ワトソン(須藤祐実)、マイケル・ガンボン(永井一郎)、レイフ・ファインズ(江原正士)、アラン・リックマン(土師孝也)、ヘレナ・ボナム=カーター(高野麗)、ジョン・ハート(小林勝也)、マギー・スミス(谷育子)、ボニー・ライト(高野朱華)、マシュー・ルイス(上野容)、イヴァナ・リンチ(三村ゆうな)、デヴォン・マーレイ(渡辺悠)、アルフレッド・イーノック(山本隆平)、ウィリアム・メリング(海鋒拓也)、ショーン・ビガースタッフ(川島得愛)、ケイティ・リューング(川庄美雪)、スカーレット・バーン(東條加那子)、ジョシュア・ハードマン(辺土名龍介)、ルイス・コダイル(河西健吾)、フレディ・ストローマ(小松史法) 他


 《最終章は壮絶な戦いと愛の物語》


 足かけ約10年にわたって製作された人気ファンタジー映画シリーズ最終作。この「死の秘宝」だけは原作自体が大長編なので2部に分かれ、その後編はシリーズ初の3D上映となった。


 本シリーズの映画化以降、様々なファンタジー映画が作られたが、「ロード・オブ・ザ・リング」のように大ヒットしたものは少なく、「ライラの冒険」等世界経済の悪化で続編自体が白紙になるものも多い中、よく10年も続いたものだと思う。しかもメインキャストをほぼ代えずにである(ダンブルドア校長のみリチャード・ハリス死去によりマイケル・ガンボンに途中交代)。普通、子役は10年も経ち成長すれば容姿やイメージがかなり変わるものだが、この主役3人は容姿は変われどイメージは殆ど変わらなかった。本人や周りのスタッフ達はさぞかし苦労したであろう。ただ、このイメージを払拭するのが今後大変になってくるだろうが、頑張ってほしいものだ。


 さて、映画の方はシリーズ中盤からの暗い、欝屈した気分を吹き飛ばすような、最終章に相応しい展開となった。これまでのシリーズの中でたくさん残されていた伏線は、2部作になった事で無理なく回収されている。特に謎多きキャラであったスネイプ先生のエピソード、彼がなぜあのような行動をとったのか、その裏には彼の悲しい過去があり、その愛故に…といったくだりは、観るものの涙を誘う名場面となっている。


 また、若いメインキャストを周りのベテラン勢が支え合うという形式もバランスよく、特に今回は回想シーンを含め重要なキャラクターは総出演するかたちをとったため、盛大かつ賑やかな映画となった。


 子供の頃に抱いた夢は、大人になるにつれいつか忘れていってしまうもの。でも、それは自分の子供に受け継がれ、冒険は繰り返されていく… 第1作から観続けた人にとってラストは一抹の寂しさが残るだろうが、ちょうど僕らの世代(30〜40代)が少年時代に「グーニーズ」や「レイダース」シリーズなどで楽しんだように、また新しい世代の新しい冒険物語は必ず始まる。その新しい始まりに期待するとともに、映画のメイン3人の今後にも大注目である。


私の評価…☆☆☆☆★

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2011年7月18日 (月)

《封印映画》祇園祭

《封印映画》祇園祭
監督:山内鉄也
出演:中村錦之助、滝花久子、佐藤オリエ、岩下志麻、田中邦衛、志村喬、田村高広、斎藤美和、藤原釜足、香川良介、小沢栄太郎、御木本伸介、三船敏郎、渥美清、北大路欣也、伊藤雄之助、下条正巳、松山英太郎、藤山寛美、高倉健、美空ひばり、中村賀津雄(現・中村嘉葎雄) 他


 《現時点でソフト化不可能なのが勿体ない傑作》


 今回は珍しく映画館ではなく京都文化博物館フィルムシアターに、この映画を観に行った。


 この映画が作られた発端は、今を去ること約60年前に、立命館大学の教授が紙芝居「祇園祭」を製作、巡回公演した事であり、応仁の乱後に京町衆の自治体制が作られ、その市民的エネルギーによって祇園祭が復興された史実を紙芝居にしていたもので、これに興味を持った伊藤大輔監督がこの台本を入手、それから11年後の1961年、西口克巳が同じ史実に基づき小説「祇園祭」を発表し、伊藤監督はこの小説を元にして中村錦之助主演で映画化する企画を東映に持っていくが、製作費がかさみ過ぎ東映は映画化を断念、そこからさらに7年経ち当時のプロデューサーが府政100年記念事業として京都府に企画を持ち込み映画化が再開、中村錦之助が代表取締役となり「日本映画復興協会」が設立され、この映画の製作がようやく始まった。だが、そこからも原作者・プロデューサー・脚本家・監督らのコミュニケーションを欠き、メインスタッフら数人の名が途中で消えてしまう。結局は伊藤大輔監督とは縁の深い山内鉄也監督が事態の収拾を図る事になる。


 恐らくこの事が遠因となっているのだろうが、実は権利関係が複雑になり過ぎて、今まで一度もVHSやDVDなどソフト化されておらず、テレビ放送も殆どされていない。フィルムも京都市が管理しているため、1年に一度「祇園祭」の期間に京都文化博物館で数回上映されるのみの貴重な映画なのだ。なお、数年前にフィルムをリマスターしたようで、デジタルニュープリントのきれいな映像を、今年文化博物館内にリニューアルオープンした「フィルムシアター」で観ることができる。


 1968年といえば、まだ映画会社専属俳優やスタッフの他社作品への貸し出しを禁じた「五社協定」があった時代(1971年廃止)。結局製作がその五社以外になっているとはいえこれだけのスターを揃えたのは凄い事であり、製作者にそれだけの熱意があった事が伺える。主演の錦之助はもちろんのこと、若き日の岩下志麻は美しいし(もちろん今でもだが)、三船敏郎は血気盛んな「馬借」役がぴったりハマっている。高倉健や美空ひばり、北大路欣也などといった人気役者がチョイ役扱いで出演しているのも凄い。松山英太郎や伊藤雄之助といった、今はもういない個性派名優の姿も見ることができる。それだけに、関係者の不祥事以外の理由でソフト化できないのは何とも歯痒く、誰か解決してくれないのかなぁと思ってしまう。


 祇園祭を復活させようとする町人衆やそれに協力する馬借と、反発するお上との間で武力闘争もあり、チャンバラ映画としても十分見応えがあるし、錦之助扮する町人・新吉と、岩下志麻扮する河原者・あやめとの身分違いによる悲しい恋物語も魅力的。そしてクライマックス、祇園祭の山鉾が室町時代の京都を練り歩くのをカメラが俯瞰ショットで捉える場面は、東映京都撮影所のオープンセットを(当時まだ太秦映画村は無い 映画村が作られたのは1975年)、とミニチュアを併用しているのだろうとは思うが、壮観で素晴らしい。観終わった後、観客から自然と拍手が湧いた。映画の出来栄えが良い証拠だ。


 尚、今回は20日(水)にも昼と夜の2回上映される。これを逃すと来年の祇園祭の時期まで観られなくなるので、興味のある方は是非。映画ファンは観ないと損ですぞ!


私の評価…☆☆☆☆☆

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月17日 (日)

サンザシの樹の下で

サンザシの樹の下で
監督:張藝謀
出演:周冬雨、竇驍、奚美娟、李雪健、成泰生、孫海英 他


 《切なく悲しい純愛物語》


 時代背景を除けば、昔の日本映画にもあったような、甘くて切ない恋愛映画。


 時は1970年代の初めごろ、文化大革命真っ只中の中国。女子高生ジンチュウは農村での住み込み実習に遣わされる。そこには抗日戦争を象徴するサンザシの樹があった。寄宿先の村長の家で村長一家と家族同然の付き合いをする青年スンと偶然出会い、優しく接してくれるスンに恋心を抱くようになるが、ジンチュウは反革命分子として迫害を受ける両親を持つ身。身分違いな上に、バレれば退学になりかねないため、教師になることを目指すには色恋沙汰に現つを抜かせているわけにいかなかった。


 原作は中国系アメリカ人作家エイミーが、友人の手記を元に書いた同名小説。ヒロイン=ジンチュウのモデルはもちろんその友人であり、物語も実話がベースだ。


 冒頭から抗日戦争の事が描かれるので、相当な反日映画なのかと思いきや、後は2人の恋愛が中心。何度も書くが恋愛映画は難敵や、今回のように親が迫害を受けていたり、相手が難病に罹ったりと設定上の手枷足枷があればあるほど、映画として盛り上がる。


 チャン・イーモウ(張藝謀)といえば、イーモウ・ガールズとも呼ばれる2人の人気女優、コン・リーとチャン・ツィイーを売り出すのに成功した事でも知られるが、今回ヒロイン役に選ばれたのは、まだ殆ど演技経験のないチョウ・ドンユィ(周冬雨)。前2人と比べると“羊顔”であまり美人ではないが、初々しい感じが役柄と映画の雰囲気に見事にハマっており、相手役ショーン・ドゥ(竇驍)の演技がうまくドンユィの表情を引き出すように、何かこう、引っ張っているような感じがした。茶目っ気のある笑顔は可愛いし、ラストでもう意識が薄れているスンに、涙を流しながら自分の名前を繰り返し語りかける場面は、女性ならもらい泣きしてしまう人も多いだろう。


 映画としては目新しさは無い。だが内容そのものはとても良い。主役2人の今後、特に鮮烈な映画デビューを飾るかたちとなったチョウ・ドンユィの将来が楽しみ。経験をつめば絶対いい女優になるだろうな、多分。


私の評価…☆☆☆★

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月14日 (木)

アリス・クリードの失踪

アリス・クリードの失踪
監督:J・ブレイクソン
出演:ジェマ・アータートン、エディ・マーサン、マーティン・コムストン


 《自ら監督するまで温めておいたスゴ腕脚本家の傑作》


 監督は映画「ディセント2」の脚本家であり、その脚本家が練りに練って書いたシナリオを、自分が監督するまでとっておいたものだ。


 というわけでこの映画、冒頭からこの監督の力量が分かる、緊迫感漲るサスペンス映画になっている。ストーリーを簡単に言えば、2人の男が金銭目的のために1人の資産家の娘を拉致監禁するのだが、娘を誘拐するための周到な準備や手順といったものを、冒頭の数分間で細かいカット割りを使い端的に、しかもほぼセリフ無しで表現していく。もう、この部分だけで観客を映画の中の世界に引き入れる事に成功しているのだ。


 ジェマ・アータートン扮するアリスを監禁してからも、一旦素裸にさせ予め用意した別の服に強制的に着替えさせ、口に猿轡、手足に手錠とロープで手際よくベッドに縛り付ける。この辺も実にテンポ良く進んでいく。ちなみにジェマ・アータートンといえば「007/慰めの報酬」のボンド・アクトレス。あの映画では殆ど素肌を曝す事なく最終的に殺されてしまっていたが、今回はヌードも厭わない、色白な美乳を曝け出す体当たり演技で頑張っている。


 …少々話が横道に逸れたが、映画は程なく30分くらいを過ぎた時点で思いもよらぬ展開を見せる。実はそこまでにも男2人の関係と、若い方の男と監禁中の女の関係に、何やら得体の知れぬ怪しいものがちらついてはいるのだが、そういったことが徐々に姿を見せるのだ。これはクライマックスへの伏線にもなっているし、これをここで書いてしまうと一気にネタバレになってしまうので、これ以上この映画の事はここでは書けないのである。言い換えればそれだけ巧みな脚本であり、それを実に確実に仕上げていく監督の腕でもある。3人だけという少ない登場人物とさりげなく画面に出している小道具を活かし、最後は収拾をつけるために少々ご都合主義な部分があるものの、グイグイと観る者を引き付けた傑作。この映画をきっかけに監督のもとにハリウッドからのお誘いが次々と来ている(本作はイギリス映画である)のも、分かる気がする。


私の評価…☆☆☆☆

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月12日 (火)

アイ・アム・ナンバー4

アイ・アム・ナンバー4
アイ・アム・ナンバー4
監督:D・J・カルーソ
出演:アレックス・ペティフアー、ダイアナ・アグロン、ティモシー・オリファント、ケヴィン・デュランド、カラン・マッコーリフ、ジェイク・アベル 他


 《続編は確かに期待だが、先行き不透明な映画》


 (2枚目の写真はこの映画の大阪限定パロディーポスター 大阪での上映館にしか貼っていないので近くの人は観に行って笑ってください)


 一見アメコミ原作っぽいが、これはあるSF小説を元に映像化したもので、原作はまだ1作しか作られていないものの今後6巻まで書かれる予定のものである。よってこの映画も続く事を予感させる場面で終わる。


 極悪な異星人に侵入され、自分達が住む惑星を壊滅させられた9人の宇宙人が地球に転生、それを察知した異星人が地球にやってきて、9人の内3人目を殺した時、“ナンバー4”の超能力が目覚める… 。何か何処かで観たような話(「美少女戦士セーラームーン」かよ!)だが、9人という数字と、「キマイラ(=キメラ)」が登場するということで、ギリシャ神話に関係するような話に後々なっていくのかなとも思ってしまう(ギリシャ神話で“9人”といえばゼウスの娘、つまり女神たち)。


 この映画、原作小説がまだ第1巻しか発行されていないので、先行き不透明感バリバリなのだ。一応、映画はアメリカではヒットしたようなので、恐らく第2作は作られるだろうが、少しでも先が見えているならともかく、これからどういった展開になっていくのか、サッパリ予測がつかない。1作目の段階ではナンバー5と7・8・9が覚醒していないようだし、続編製作は最初から視野に入れているとは思うのだが、あまりに危険な賭けのような気がする。ちなみに僕は、この映画や原作が続き物だという事を後付けで知ったので、鑑賞した直後はこの映画が物凄い中途半端な感じがした。ヒロインを可愛い系とカッコいい系のWヒロインにしたり、キャスティングは結構イイのに、前半は展開がグダグダ。後半で活発なヒロイン=ナンバー6が出てきてからストーリーが引き締まった。続編はやるのならこのメンバーをそのまま使って作ってほしい。


私の評価…☆☆☆

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月 8日 (金)

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 嘆きの丘〈ミロス〉の聖なる星

鋼の錬金術師 嘆きの丘〈ミロ
鋼の錬金術師 嘆きの丘〈ミロ
監督:村田和也
声の出演:エドワード・エルリック…朴ろ美(ろは王へんに路)、アルフォンス・エルリック…釘宮理恵、ウィンリィ・ロックベル…高本めぐみ、ロイ・マスタング…三木眞一郎、リザ・ホークアイ…折笠富美子、アレックス・ルイ・アームストロング…内海賢二、ジュリア・クライトン…坂本真綾、メルビン・ボイジャー…森川智之、ミランダ…玉川砂記子、アラン…星野貴紀、トニー…川田紳司、ハーシェル中佐…木内秀信、サントス…小杉竜一(ブラックマヨネーズ)、カルロス…吉田敬(ブラックマヨネーズ) 他


 《今更、何故作ったのか》


 2003年に放送された、原作とは世界観が異なる最初のテレビアニメ版を経て、2009年に今度は原作に近いかたちでサブタイトルを「〜FULLMETAL ALCHEMIST」として再アニメ化、2003年版で一度劇場版(「〜シャンバラを征く者」)が作られているため、都合今回が2度目となる映画化である。


 一応テレビアニメも原作も、確かハッピーエンドで大団円だった筈で、最終回の時にこの劇場版を示唆する告知がされたので、一体どういうかたちでストーリーが作られるのかと思っていたら、続編ではなく原作の中間部分の設定で、本筋とは分岐する(つまり原作には描かれていない)話を新たに描いて作られたものだった。映画を観る前にコミック11.5巻なる、限定50万部というほぼ非限定の(笑)冊子が貰えるので、恐らくその辺りの設定なのだろう。


 だから、テレビアニメ版で後半出てきて活躍したキャラなど当然ここには出てこず、登場人物は自然淘汰されてシンプルなものとなっているが、今回のヒロイン=ジュリア他、映画オリジナルキャラに比重を置き過ぎたのか、マスタングやホークアイ、アームストロングといった人気キャラ達が、殆ど申し訳程度にしか出ておらず、活躍しないまま映画が終わってしまうという、ファンにとっては物足りないものになってしまった。


 スタッフもテレビアニメ版のメインスタッフは音響監督のみで、あとのメンバーは少しは関わっているもののメインではない人達ばかり。だからなのか、僕はシリーズ全話を観ている訳では無いが、それでもテレビアニメ版とは異質な感じがした。


 話の展開も、ヒロイン救出のためだけに最初から錬金術を出して、街を破壊しまくるので、インパクトはあるものの中だるみが大きく、クライマックスでまた盛り上がるところはあるが、この落差が激しすぎた。まぁ、エドとアルの活躍に、可愛いウィンリィと美しいヒロインが絡めばファンは納得いくのかな?


私の評価…☆☆☆

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月 6日 (水)

マイティ・ソー 3D

マイティ・ソー 3D
マイティ・ソー 3D
監督:ケネス・ブラナー(エンド・ロール後のおまけ映像のみジョー・ジョンストンが担当)
出演(吹替版声優):クリス・ヘムズワース(三宅健太)、ナタリー・ポートマン(坂本真綾)、トム・ヒドルストン(平川大輔)、アンソニー・ホプキンス(浦山迅)、ステラン・スカルスガルド(金子由之)、カット・デニングス(田村睦心)、クラーク・グレッグ(村治学)、イドリス・エルバ(斉藤次郎)、コルム・フィオール(水野龍司)、レイ・スティーヴンソン(咲野俊介)、浅野忠信(本人)、ジュシュア・ダラス(小松史法)、ジェイミー・アレクサンダー(北西純子)、レネ・ルッソ(滝沢久美子)、アドリアナ・バラッザ(声優名不明)、マシミリアノ・ヘルナンデス(丸山壮史)、ジェレミー・レナー(阪口周平・カメオ出演)、サミュエル・L・ジャクソン(手塚秀彰・カメオ出演) 他


 《北欧神話+アメコミ=オモシロ映画》


 北欧神話をモチーフにした漫画やアニメは、「ああっ!女神さまっ」や「聖闘士星矢(TVアニメ版)」など日本でも結構あるが、「マイティ・ソー」はアメコミで北欧神話をモチーフに描いたものである。この手の映画を、シェイクスピア劇を得意とするケネス・ブラナーが監督するのはちょっと意外な感があるが、考えてみればシェイクスピアの作品も、神話をベースに描かれているものは結構あるので、さほど違和感は感じない。


 ただ、日本では他のマーベルコミックの作品ほど知名度がないため、アメリカやイギリスに比べると、爆発的なヒットにはなっていないようだ。主演のクリス・ヘムズワースも日本では無名に等しいので、脇役のナタリー・ポートマンや浅野忠信出演というかたちでPRしているが、興行収入はロケット・スタートとまでは、いかなかった。


 もっとも、映画の内容は、主人公の性格や設定の単純明快さもあって、北欧神話など詳しく知っていなくても、そこそこ面白い。ソーの“世を忍ぶ仮の姿”=医師という設定がストーリーの都合上省かれているため、原作ファンは少々違和感を感じるかもしれないが、よくいわれる原作レイプではなく、さすがにケネス・ブラナー監督らしい、しっかりとした構成の映画になった。


 また、これがハリウッド映画デビューとなる浅野忠信も、台詞や出演場面は少ないものの、キャラ的には埋没しておらず、この点では安心して観ることができた。


 なお、「X−MEN」シリーズ以外の最近のマーベルコミック実写映画化作品は、全米で来年5月公開予定のマーベルコミック・ヒーロー大集結映画「ジ・アベンジャーズ」へと繋がっていくため、エンド・ロール後にそれを示唆するオマケ映像があるのだが、本作にもそれはちゃんとあり、この部分だけ次に公開されるマーベルコミック・ヒーローもの「キャプテン・アメリカ」の監督ジョー・ジョンストンが担当。「キャプテン・アメリカ」、「ジ・アベンジャーズ」そして先日正式に製作が決定した「マイティ・ソー2」にきっちり繋がる展開となっているので、観に行く人は最後の最後まで席を立たないように。


私の評価…☆☆☆★

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月 2日 (土)

SUPER 8

SUPER 8
SUPER 8
監督・脚本・製作:J・J・エイブラムス
製作:スティーヴン・スピルバーグ
出演(吹替版声優):ジョエル・コートニー(本城雄太郎)、エル・ファニング(小幡真裕)、ライリー・グリフィス(宮坂健太)、ライアン・リー(高田優輝)、ガブリエル・バッソ、(小林廉)、ザック・ミルズ(小清水一揮)、カイル・チャンドラー(木下浩之)、ロン・エルダード(松山鷹志)、ノア・エメリッヒ(大川透) 他


 《映画“愛”に満ち溢れた映画》


 これはもう、1980年代にスピルバーグの映画を観て育った30代以上の大人にはどこか懐かしい、そして今の小学生以上の子供たちが観ても十分に楽しめる、「E.T.」と「未知との遭遇」そして「グーニーズ」を全部足したような娯楽大作。恐らく本当に映画好きでないと、こういう映画は作れないだろう。


 スリーマイル島原発事故が起きた1979年、舞台は米オハイオ州。事故で母親を亡くしたばかりの少年ジョーは、5人の仲間と自主映画撮影のために夜中、家を抜け出す。夜の駅で撮影を始めた彼らは、貨物列車にトラックが突っ込む大事故に遭遇、命かながら逃げることに成功した彼らは、この事を誰にも喋らないと約束しあうが、それ以来町では犬がいなくなったり、複数の保安官が忽然と姿を消すなど不可解な出来事が続出。やがて、ジョーと仲間の1人チャールズは、現像した8mmフィルムに巨大な“何か”が映っていることに驚愕。その“何か”について軍が隠蔽している事が明らかになる中、撮影を通じてジョーとは恋仲になっていたアリスが行方不明に。さぁ、少年たちは無事、アリスを救い出す事ができるのか… 。


 実はスピルバーグの初期作品には、過去作へのオマージュを捧げた映画も多いのだが、この映画も監督自身は否定しているものの、観ている側はどうしてもこれはスピルバーグ作品へのオマージュなのだなというのは感じてしまう。地球外生物との交流は「E.T.」や「未知との遭遇」だし、その生物がクライマックスまで殆ど姿を見せないのは「JAWS」だし、ヒロインが巻き込まれるかたちで少年たちの、いわば冒険ファンタジーになっていくのは、まんま「グーニーズ」だ。


 役者の方に目を向ければ、途中までストーリーをグイグイ引っ張っていくのが、本作のヒロイン役エル・ファニング。撮影当時12歳ながら芸暦10年のベテラン。4歳上の姉ダコタ同様演技派に育っているようで嬉しい。本作では14歳ぐらいの役のようだが、かなり大人びて見えるので全く違和感がなかった。実際最近撮影された、姉妹仲良く並んでいる写真を見たが、すでに姉より約10cm身長が高い(約170cm)ので、一見どっちが年上だかわからないほどだ。子役から大成する人は少ないが、彼女はもうこの時点でルックスや芝居の上手さがある程度完成している感があるので、イメージさえあまり変わらなければ、もしかしたら大成するかも知れないと感じた。


 結局最後の最後で姿を現わす生物の姿は“スピルバーグ風映画”の中で唯一、「クローバーフィールド」の監督らしい、ゴツゴツしたデザインのものになっているが、少々グロい場面はあるものの小学生以上のお子ちゃまが観ても大丈夫、怖くないので、この夏はこういった映画で楽しむのもいいんじゃないか、と思った。


 ちなみにこの映画のロケ地は33年前の映画「ディア・ハンター」と全く同じ場所らしいので、今日から「午前十時の映画祭」で「ディア・ハンター」が上映されるTOHOシネマズ二条で御覧になる方は、見比べてみるのもいいんじゃないかと思う。そして、エンド・ロールに子役達自らが考えたという、ちょっとしたお楽しみ映像があるので、奮闘っぷりを観てやってください。


私の評価…☆☆☆☆★

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月 1日 (金)

電力使用制限令下の映画館へ行ってみた

電力使用制限令下の映画館へ行っ
電力使用制限令下の映画館へ行っ
 今日は1日で、たまたま仕事も入っていないため、映画館へ行ってみた。


 今日からオイルショック時以来37年ぶりに“電力使用制限令”が発令されているので、どういったかたちで節電モードに入っているのかなあと思っていたら、とりあえずTOHOシネマズ二条では、やはりロビーの空調の温度設定が高めになっているようだ。その他写真のように、予告編を流していたディスプレイは全て電源オフ。ポスターの掲示場所も電源はオフになっていて、ロビーの照明もいくつかはオフになっていた。


 そして、スクリーン1で「SUPER 8」を観た(感想は後程まとめます)のだが、シアター内は興行法という法律の絡みもあって(興行と名のつくものを催す場所は温度を28度以下に保たなければならない)、普通に涼しく鑑賞ができた。地方や各館によって対応は違うと思うが、とりあえず不自由な感じは今のところ無い。15%という数値目標はあるが、あまり気にせず無理のない範囲でやってもらいたいものだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »