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2011年7月17日 (日)

サンザシの樹の下で

サンザシの樹の下で
監督:張藝謀
出演:周冬雨、竇驍、奚美娟、李雪健、成泰生、孫海英 他


 《切なく悲しい純愛物語》


 時代背景を除けば、昔の日本映画にもあったような、甘くて切ない恋愛映画。


 時は1970年代の初めごろ、文化大革命真っ只中の中国。女子高生ジンチュウは農村での住み込み実習に遣わされる。そこには抗日戦争を象徴するサンザシの樹があった。寄宿先の村長の家で村長一家と家族同然の付き合いをする青年スンと偶然出会い、優しく接してくれるスンに恋心を抱くようになるが、ジンチュウは反革命分子として迫害を受ける両親を持つ身。身分違いな上に、バレれば退学になりかねないため、教師になることを目指すには色恋沙汰に現つを抜かせているわけにいかなかった。


 原作は中国系アメリカ人作家エイミーが、友人の手記を元に書いた同名小説。ヒロイン=ジンチュウのモデルはもちろんその友人であり、物語も実話がベースだ。


 冒頭から抗日戦争の事が描かれるので、相当な反日映画なのかと思いきや、後は2人の恋愛が中心。何度も書くが恋愛映画は難敵や、今回のように親が迫害を受けていたり、相手が難病に罹ったりと設定上の手枷足枷があればあるほど、映画として盛り上がる。


 チャン・イーモウ(張藝謀)といえば、イーモウ・ガールズとも呼ばれる2人の人気女優、コン・リーとチャン・ツィイーを売り出すのに成功した事でも知られるが、今回ヒロイン役に選ばれたのは、まだ殆ど演技経験のないチョウ・ドンユィ(周冬雨)。前2人と比べると“羊顔”であまり美人ではないが、初々しい感じが役柄と映画の雰囲気に見事にハマっており、相手役ショーン・ドゥ(竇驍)の演技がうまくドンユィの表情を引き出すように、何かこう、引っ張っているような感じがした。茶目っ気のある笑顔は可愛いし、ラストでもう意識が薄れているスンに、涙を流しながら自分の名前を繰り返し語りかける場面は、女性ならもらい泣きしてしまう人も多いだろう。


 映画としては目新しさは無い。だが内容そのものはとても良い。主役2人の今後、特に鮮烈な映画デビューを飾るかたちとなったチョウ・ドンユィの将来が楽しみ。経験をつめば絶対いい女優になるだろうな、多分。


私の評価…☆☆☆★

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