« アイ・アム・ナンバー4 | トップページ | サンザシの樹の下で »

2011年7月14日 (木)

アリス・クリードの失踪

アリス・クリードの失踪
監督:J・ブレイクソン
出演:ジェマ・アータートン、エディ・マーサン、マーティン・コムストン


 《自ら監督するまで温めておいたスゴ腕脚本家の傑作》


 監督は映画「ディセント2」の脚本家であり、その脚本家が練りに練って書いたシナリオを、自分が監督するまでとっておいたものだ。


 というわけでこの映画、冒頭からこの監督の力量が分かる、緊迫感漲るサスペンス映画になっている。ストーリーを簡単に言えば、2人の男が金銭目的のために1人の資産家の娘を拉致監禁するのだが、娘を誘拐するための周到な準備や手順といったものを、冒頭の数分間で細かいカット割りを使い端的に、しかもほぼセリフ無しで表現していく。もう、この部分だけで観客を映画の中の世界に引き入れる事に成功しているのだ。


 ジェマ・アータートン扮するアリスを監禁してからも、一旦素裸にさせ予め用意した別の服に強制的に着替えさせ、口に猿轡、手足に手錠とロープで手際よくベッドに縛り付ける。この辺も実にテンポ良く進んでいく。ちなみにジェマ・アータートンといえば「007/慰めの報酬」のボンド・アクトレス。あの映画では殆ど素肌を曝す事なく最終的に殺されてしまっていたが、今回はヌードも厭わない、色白な美乳を曝け出す体当たり演技で頑張っている。


 …少々話が横道に逸れたが、映画は程なく30分くらいを過ぎた時点で思いもよらぬ展開を見せる。実はそこまでにも男2人の関係と、若い方の男と監禁中の女の関係に、何やら得体の知れぬ怪しいものがちらついてはいるのだが、そういったことが徐々に姿を見せるのだ。これはクライマックスへの伏線にもなっているし、これをここで書いてしまうと一気にネタバレになってしまうので、これ以上この映画の事はここでは書けないのである。言い換えればそれだけ巧みな脚本であり、それを実に確実に仕上げていく監督の腕でもある。3人だけという少ない登場人物とさりげなく画面に出している小道具を活かし、最後は収拾をつけるために少々ご都合主義な部分があるものの、グイグイと観る者を引き付けた傑作。この映画をきっかけに監督のもとにハリウッドからのお誘いが次々と来ている(本作はイギリス映画である)のも、分かる気がする。


私の評価…☆☆☆☆

|

« アイ・アム・ナンバー4 | トップページ | サンザシの樹の下で »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アリス・クリードの失踪:

« アイ・アム・ナンバー4 | トップページ | サンザシの樹の下で »