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2011年8月31日 (水)

七つまでは神のうち

七つまでは神のうち
七つまでは神のうち
監督:三宅隆太
出演:日南響子、飛鳥凛、藤本七海、竹井亮介、宝積有香、駒木根隆介、下江梨菜、林凌雅、松澤一之、霧島れいか 他


 《新人らしからぬ演技の日南響子が良い》


 古くからある童謡の中には、意味深な歌詞とそこに込められた不気味なメッセージがあるとされるものが多い。「通りゃんせ」もその1つで、諸説あるなかの1つに注目。歌詞の中に

 「この子の七つのお祝いに、お札を納めに参ります」

とあるが、この歌が作られたとされる江戸時代は、子供の死亡率が高く、七つまで生き抜くことさえ難しいとされてきた。そのため、無事な成長を願うために、赤ん坊が生まれた直後、人型に切った紙や氏神のお札を神棚へまつり、7歳までの守り神とするという儀式が行われた。現在ではこの儀式自体は廃れたが、「七五三参り」にその名残がある。ちなみにこの儀式に逆らうと神隠しにあうとされたのだが、映画でもそのへんのところを加味してストーリーが構成されている。


10年前の事件がトラウマとなり心を閉ざした女子高生・繭(日南響子)。彼女はある日、森の奥で忽然と姿を眩ました。一方、愛する娘と平穏に暮らしていた真奈(霧島れいか)。しかしある日、娘・さくら(下江梨菜)が森に遊びにいったまま、二度と帰らなくなった。愛娘を失った母・真奈は次第に精神が崩壊していく。


 前述の「通りゃんせ」伝説は映画のプロットではあるが、ストーリーの上では結末への1つの伏線にすぎない。重要になってくるのは怨恨や戒めといった、ホラー映画の定番であり、本作でも主人公の他3人の同級生が関わる10年前の事件がキー・ポイントになる。このため「通りゃんせ」の内容とはあまり関係ないオチになってしまうので、僕は作品的にはあまり高評価は付けられない。終盤、主人公らに襲いかかる悲劇も、どうみてもリメイク版「オーメン」や“棺桶”シチュエーション・スリラー「リミット」のパクリにしか見えない。リスペクトしているならまだしも、もう少しオリジナリティーがほしい。


 役者さんたちは総じて良。真奈役の霧島れいかは精神が崩壊していくさまが異様に不気味だし、特に主演の日南響子は演技経験ナシの雑誌モデルなのだが、心を閉ざしている故に殆どセリフの無い、顔の表情だけで感情を伝えなければならない難役を、かなり上手くこなしている。行方を眩ます中盤こそ同級生役の飛鳥凛と藤本七海にメインの座を譲っているが、今後女優としての活躍が楽しみである。


私の評価…☆☆☆

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【出演】  日南響子  飛鳥 凛  霧島れいか 【ストーリー】 物語は、3 人の少女と1 人の母親、それぞれが別の失踪事件に巻き込まれたことから不穏に幕を開ける。10年前の事件をきっかけにトラウマを抱え、心を閉ざしたまま教会に通い続ける女子高生・繭。そんな彼...... [続きを読む]

受信: 2011年9月 6日 (火) 20時28分

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