« 猿の惑星 創世記 <ジェネシス> | トップページ | 「秋葉原通り魔事件」蓮佛美沙子主演で初映画化 »

2011年10月19日 (水)

一命 3D

一命 3D
一命 3D
一命 3D
一命 3D
監督:三池崇史
音楽:坂本龍一
出演:市川海老蔵、瑛太、満島ひかり、竹中直人、青木崇高、新井浩文、波岡一喜、天野義久、平岳大、笹野高史、中村梅雀、役所広司 他


 《あの事件もなく、ちゃんと予定どおり公開されていれば…》


 この映画は滝口康彦原作「異聞浪人記」の2度目の映画化作品である。本来なら、去年のちょうど今頃くらいに公開されるはずだったのだが、市川海老蔵の一連の事件のため1年お蔵入りになっていたものである。


 江戸時代の初め頃、大名家の御取り潰しにより、失業し困窮した浪人たちの間で「狂言切腹」が流行する。それは、裕福な大名屋敷で切腹を申し出れば、面倒ごとを避けたい大名側から職や金銭を貰えるからだ。そんな折、名門・井伊家を訪ねた浪人・津雲半四郎(市川海老蔵)が切腹を願い出る。家老の斎藤勘解由(役所広司)は、数か月前、同じように狂言切腹を申し出た若浪人・千々岩求女(瑛太)の無残な最期を話し、半四郎に切腹を思い止まらせようとする。だが、話を聞き終わった半四郎は、衝撃的な事実を語り始めるのだった…


 「狂言切腹」なるものが実際にあったかどうかは、定かではないが、藩をつぶされた浪人・求女のあまりにも悲惨な末路を描き、命よりも体面を重んじる武家社会の理不尽さを説く。


 大きな戦が終わった後の平和な世の中では、武士道というものは形だけのものになる。仕事を失った貧乏武士たちは、浪人となって生き長らえていくだけで精一杯。これは、現代社会に於いても通じるものがある。武士としての見栄や面子がある一方で、情けなどどこにもない矛盾。市川海老蔵の抑えた演技が、腹の底から静かに湧き立つ怒りを表現していて、映画そのものに凄味を与えている。


 瑛太と満島ひかりもかなりいいのだが、ここで公開時期がずれた故のイメージの違いが出てしまった。この2人、今年7〜9月期のテレビドラマで、今回とは全くイメージの異なる間柄の役で共演しているのだ。たまたまそのドラマは低視聴率で終わったので、違和感を感じた人は少ないかもしれないが、従来通りのスケジュールで公開していれば、また違った印象を持ったかもしれない。そして映像は、松竹時代劇独特の陰影と奥行を強調するための手段として3Dが採用されているようだが、そんなもの2Dでも十分できるはずで、何でわざわざお金をかけて3Dにしたのか疑問だ。


 ちなみに原作の設定では、半四郎は初老の浪人のはず。あれでも一応老け顔メイクのつもりなんだろうが、海老蔵の顔は全く老けていない(笑)。


私の評価…☆☆☆

|

« 猿の惑星 創世記 <ジェネシス> | トップページ | 「秋葉原通り魔事件」蓮佛美沙子主演で初映画化 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 一命 3D:

« 猿の惑星 創世記 <ジェネシス> | トップページ | 「秋葉原通り魔事件」蓮佛美沙子主演で初映画化 »