« カイジ2 人生奪回ゲーム | トップページ | 一騎当千 集鍔闘士血風録(DV上映) »

2011年11月14日 (月)

〈午前十時の映画祭〉卒業

〈午前十時の映画祭〉卒業
監督:マイク・ニコルズ
音楽:ポール・サイモン、デイヴ・グルーシン
主題歌:サイモン&ガーファンクル「サウンド・オブ・サイレンス」
出演:ダスティン・ホフマン、アン・バンクロフト、キャサリン・ロス、マーレイ・ハミルトン、ウィリアム・ダニエルズ、エリザベス・ウィルソン、ブライアン・エイヴリー、リチャード・ドレイファス 他


 《“花嫁略奪”シーンがあまりにも有名な、アメリカン・ニューシネマの代表作》


 この映画はダスティン・ホフマンが主演デビューを飾った映画で、ゴールデン・グローブ賞の新人賞を受賞している。ラストの“花嫁略奪”シーンは、フランク・キャプラ監督の「或る夜の出来事」(1934年)からの引用ではあるが、古い価値観からの脱出とそれに伴う不安を表し、他の映画やドラマ等に流用されている、非常に有名な場面である。


 大学を卒業したベンジャミン(ダスティン・ホフマン)は、実家に戻っても何をすることもなく、将来への不安で苛立っていた。自分のために催されたパーティに辟易していた彼は、ロビンソン夫人(アン・バンクロフト)の誘惑に屈し関係を持ってしまう。そんな時にロビンソンの娘エレーン(キャサリン・ロス)が帰省し、ベンジャミンは両親の勧めで嫌々彼女とデートするが、彼女の可憐さそして清純さに心を動かされ、次第に本気で愛していくようになる… 。


 この映画が一貫して全編に描いているのは、様々な不安である。こういったアメリカン・ニューシネマが作られた背景には当時のアメリカの情勢というものが多分にあり、代表されるものとして日本でもあったような学生運動や、ベトナム戦争、公民権運動などで様々な緊張感があった。この映画は郊外の高級住宅地に住む人々を描くことによって、そんな問題から離れていつつも、それを潰そうとする現実への不安の対比を描こうとしている。


 今回映画を観た映画館にはいろんな世代のお客さんがいて、日曜日だった事もあって自分より若い人も多かったのだが、この映画、性的なイメージをプールの映像で表現したりと、単なるイメージショットにもちゃんと意味を持たせているのだが、見ていた観客は気付いただろうか。コメディではないはずなのだが、クライマックスの教会での乱闘シーンなどで笑いが起こっていた。


 映画には主人公の世代と親世代の価値観の違いと、その異なる世代の考え方の違いによる戸惑いをも描いているのだが、観ている観客にも捉え方の違いというものがはっきり分かれる映画なのだ。ハッキリ言って僕は笑えなかったな。


 映画は略奪に成功したバスの中の場面で終わるが、バスのナンバーの数字を足すと不吉な数字になったり、バスの乗客たちが老人ばかりというのが「2人の未来が明るいものではない」ということを指すという説がある。実際、撮影時に役者の不安感を煽るためカットの声をなかなかかけなかったようだ(2人の表情が一瞬曇るのはこのためである)。2人の未来はどうなるのか、2005年にジェニファー・アニストンとケビン・コスナー共演で製作・公開された「迷い婚」は「卒業」の続編とも解釈できるものになっており、後日談を知りたい人は、そちらを観てほしい。


私の評価…☆☆☆☆★

|

« カイジ2 人生奪回ゲーム | トップページ | 一騎当千 集鍔闘士血風録(DV上映) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

どうも。先日はおおきに。さっそく閲覧してます。(^0^)/

投稿: シン吉 | 2011年11月14日 (月) 21時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 〈午前十時の映画祭〉卒業:

« カイジ2 人生奪回ゲーム | トップページ | 一騎当千 集鍔闘士血風録(DV上映) »