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2012年1月

2012年1月31日 (火)

DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る

DOCUMENTARY of AKB48 Show must
劇場:T・ジョイ京都
監督:高橋栄樹
出演:AKB48(Team A、K、B、4)、AKB48研究生(10期、11期、12期、12.5期、13期)SKE48(Team S、K、E)、SKE48研究生、NMB48(Team N)、NMB48研究生(1期、2期)、HKT48、SDN48(1期、2期、3期)、JKT48 他
ナレーション:能登麻美子
主題歌:「ファースト・ラビット」AKB48


 《人気グループ2011年の活動記録》


 昨年公開されたドキュメンタリー「DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」に引き続き、2011年の彼女たちの活動を追った第2弾。10年後の未来のAKBやメンバー自身の姿をインタビューで想像していた前作とは打って変わって、今回は2011年を語る上でどうしても通らなければならない「東日本大震災」と、それで変わってしまった一種の“価値観”、そして被災地訪問活動を通して、メンバー各自が思ったこと、そこに「選抜総選挙」や「西武ドームコンサート」、「選抜じゃんけん大会」などイベントの裏側を挟み込む形で進行していく。


 今回はやはり大震災という、避けては通れないものがあるため、どうしても前作より内容が重くなってしまう。それに、前作より詰め込みすぎている感があり、サブタイトルからも映像からも明確なテーマが分かりにくくなってしまった。監督が変わってしまったということが、1つの原因なのだろうか。前作は「Love Letter」の岩井俊二が製作総指揮が務めたということもあり、その岩井俊二のもとで脚本家としてデビューし、佐々木希主演「天使の恋」などで監督としても評価の高い寒竹ゆりが監督をしていたが、今回はAKB48等、アーチストのプロモーション・ビデオの製作経験はあるものの、長編ドキュメンタリーは初めてという高橋栄樹がメガホンをとった。不慣れなのかどうかは分からないが、鮮明な画像があるかと思うと急に物凄く粗くなったりとか、画質に統一感が無い。周りの音を気にせず映像のみで編集点でも入れているのか、カット部分で音がプチプチ途切れる。プロモーション・ビデオとして観るならそれはそれでいいのかもしれないが、これはプロモーションではない。ちゃんとしたテーマを観客に訴え、見せなければならないのである。最後まで明確なテーマが掴み取れなかったのは残念だ。


 なお、本作ではteam 4のリーダー大場美奈の“過去のブログ内容による男女交際&飲酒疑惑”による謹慎(現在は復帰)にも触れられていて、復帰するまでの間リーダー代理を務めた島田晴香の葛藤も描かれているが、この映画の公開間もなく、結成以来のオリジナルメンバー1期生である平嶋夏海と3期生の米沢瑠美の脱退が発表された。一般男性とのツーショット写真がインターネットに流出し、“恋愛禁止”の掟に背いたということであるが、今回の映画にも、メイン扱いではないものの、写っているはずだ(パンフレットにも一応名前が載っている)。まぁ、急なことで上映期間中に該当部分だけカットして公開するという事は無いと思うが、東宝だからなぁ(古い話だが映画「ノストラダムスの大予言」という前例あり)、今後どうなっていくのか気になるところである。


私の評価…☆☆☆

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2012年1月28日 (土)

〈語り継ぎたい映画シリーズ〉ひまわり

〈語り継ぎたい映画〉ひまわり
劇場:テアトル梅田
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
音楽:ヘンリー・マンシーニ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、ソフィア・ローレン、リュドミラ・サベーリエワ、アンナ・カレーナ、ジェルマーノ・ロンゴ、グラウコ・オノラート、カルロ・ポンティ・ジュニア 他


 《H・マンシーニの哀愁漂うテーマ曲が悲しみを誘う、反戦映画の傑作》


 この映画は先頃2年目が終了した「午前十時の映画祭」でも、当初上映予定が組まれていた物だが、権利関係で重大な問題が生じ、上映できなくなっていたものである。で、どういう経緯なのかは知らないが今回、アンプラグドという配給会社が権利を得て、デジタル・リマスターによる35ミリフィルムのニュープリントで、日本では1980年のリバイバル公開以来約30年ぶりに公開されている(大阪…1/21〜テアトル梅田 京都…2/4〜京都シネマ その他の地域は公式ホームページ参照)。


 ナポリで出会い、恋に落ちたジョヴァンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)。まもなく戦地へ行くことになっていたアントニオだが、結婚すれば休暇がもらえることを知り、2人は結婚。やがてアントニオはソ連の前線へ送られ、行方不明になる。終戦後、アントニオを諦めきれないジョヴァンナは、ソ連に彼を探しに行く。そこでジョヴァンナはアントニオの写真を見て動揺する若い主婦に出会う。その彼女は瀕死の状態で倒れていたアントニオを救ったマーリャ(リュドミラ・サベーリエワ)だった…。


 40年前の当時、世界的なスターとして人気だったソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの共演で大ヒットした、戦争で引き裂かれた夫婦の非情な運命を描く、イタリア映画界の巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督の晩年の名作。「ティファニーで朝食を」や「ピンク・パンサー」で知られるヘンリー・マンシーニの音楽は、映画を知らなくても、曲は聴いたことあるという人も多いだろう、映画音楽の名曲である。ちなみに、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニは共演作が多く、“映画における史上最高のカップル”といわれているのだが、それを誕生させたのもデ・シーカであり、1974年に亡くなる監督にとってこの「ひまわり」は、最後に2人をスクリーンに焼き付けた作品である。


 この監督は1940年に監督デビューを果たしたのだが、当時ファシズム文化への対抗として、ありのままの現実を描写するネオリアリズモと呼ばれる文化が生まれており、デ・シーカ監督もロベルト・ロッセリーニやルキノ・ヴィスコンティと並ぶネオリアリズモの巨匠と呼ばれるようになる。「ひまわり」はその時代からすればずいぶんと後の作品だが、戦争とは貧しい市民の幸せをも簡単に踏み潰すものという監督自身の思いを伺う事ができる。


 ラストにテーマ曲と共に流れる、一面のひまわり畑の中にソフィア・ローレンがいるあの有名な場面は、現在のウクライナで撮影されたものだが、当時は米ソ冷戦の真っ只中。西側諸国からソ連を撮影することは、相当困難を極めたようで、当初は許可が下りなかったが、映画の内容を知らせた後、撮影できるようになったという。現在からは想像もつかないが、当時を知ることができる貴重なエピソードだ。


 とにかく今ではイタリア映画も日本では滅多に観る機会が無いので、この映画観て損は無い。ソフィア・ローレンは老いた今でも、ミュージカル映画「ナイン」に出演するなど現役バリバリで活躍しているが、ローレンより10歳上のマストロヤンニは既に他界しており、この2人の名演は過去に共演した複数の映画でしか観ることができないので、せっかくのこの機会にぜひスクリーンで鑑賞することをお薦めする。


私の評価…☆☆☆☆☆

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2012年1月24日 (火)

2011年最もトホホなサイテー映画

 映画専門誌「映画秘宝」が、劇場上映作品からワースト10を選出する、「2011年度 HIHOはくさいアワード」を発表した。名匠とヒットメーカーのタッグで話題となったあの作品が、まさかのトップを飾っている。


 「HIHOはくさいアワード」は、100人を超える監督や俳優、作家ら映画フリークが選んだベスト&ワースト作品の集計により決定されるサイテー映画賞。映画秘宝が読者に贈る年に1度のお祭騒ぎといった特集で、今回も栄えある(!?)トホホ映画が選出された。


 2011年最もつまらなかったとして鉄槌を下されてしまったのは、スティーヴン・スピルバーグとヒットメーカー、J・J・エイブラハムス監督による「SUPER 8/スーパーエイト」。「期待値との反比例具合が近年最大級」「期待が大きかっただけにトホホに」など、期待値とのあまりの落差にトホホ感が大きかった様子。「久々に宣伝に騙されました。同業者として素晴らしい嘘のひとこと」など、むしろ宣伝の腕を褒め称える意見も。


 2位は、ビジュアルだけでエモーションのない脚本などに問題がありすぎるとの意見が噴出した「エンジェル ウォーズ」で、こちらも「期待していたのに…」という向きが多かったのか。3位の「世界侵略:ロサンゼルス決戦」や「スカイライン―征服―」「カウボーイ&エイリアン」といった、エイリアン侵略モノが大量にランクインしているのも興味深い。


 一方、今年のベスト10映画のトップに立ったのは「ピラニア3D」。「この3Dの時代にあっても最も飛び出さなきゃなんないのはオッパイであるとおそわった」(みうらじゅん)という言葉の通り、モンスターに美女のおっぱい、流血バイオレンスが3Dでこれでもかと描写される本作には、絶賛の声が多数。意外にもしっかりした作りに好感を持つ向きも多かった。格調高い作品ばかりを喜ぶ世間に向かって、下品上等! と叫ぶような作品がトップにくるあたり、さすが映画秘宝といったところ。


 そのほか日本未公開映画やサントラ、ピンク映画、マンガにゲームまで、様々なニーズに応える2011年のベストを秘宝的感度で選出。昨年サイテー映画に腹を立てた人が機嫌を直すためにも、必携の1冊となっている。


 脱力! 映画秘宝トホホテン「2011年度 HIHO はくさいアワード」は以下のとおり。


1位「SUPER 8/スーパーエイト」
2位「エンジェル ウォーズ」
3位「世界侵略:ロサンゼルス決戦」
4位「ワイルド7」
5位「モンスターズ/地球外生命体」
6位「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」
7位「カウボーイ&エイリアン」「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」
9位「スカイライン―征服―」「ツーリスト」「ハンナ」「わさお」「一命」


「映画秘宝 2012年3月号」は洋泉社より発売中(税込1,050円)


 「映画秘宝」、昔、不定期刊の時はちょくちょく買って読んでいたなぁ。僕は元々映画雑誌は「ロードショー」派だったので、それが休刊(事実上の廃刊)になった今は「スクリーン」を読んでいて、「映画秘宝」は買わなくなったが、久々に読んでみるか。でも値段高くなったなぁ(笑)。

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2012年1月22日 (日)

マイ・ウェイ/12,000キロの真実

マイ・ウェイ/12,000<br />
 キロの真実
マイ・ウェイ/12,000<br />
 キロの真実
劇場:MOVIX京都
監督:カン・ジェギュ
出演:オダギリジョー、チャン・ドンゴン、范冰冰(ファン・ビンビン)、キム・イングォン、夏八木勲、鶴見辰吾、山本太郎、佐野史郎、浜田学、イ・ヨニ、ト・ジハン、ニコル(KARA)〔カメオ出演〕 他


 《これはどこまでが本当の話なのか?》


 この映画はカン・ジェギュ監督が手にしたという、第2次世界大戦末期、連合軍が捕らえたドイツ捕虜の中に、1人の東洋人がいる写真、その彼が語った話で日本、ソ連、ドイツの3つの軍服を着て戦いながら、国境を越えてフランスのノルマンディーに辿り着いたという、信じがたいような実話に着想を得て作られた映画である。


 というわけで、実話そのものが描かれているわけではなく、相当な(それも韓国寄りの)脚色がされているようだ。


 1928年、日本統治下の朝鮮。憲兵隊司令官を祖父に持つ長谷川辰雄(オダギリジョー)は、使用人の息子キム・ジュンシク(チャン・ドンゴン)と出会う。走ることが好きな2人はライバルとして成長し、オリンピックのマラソン金メダルを夢見るが、いつしかその関係は国同士の戦いとなり、憎しみ合うようになる。そして、オリンピック選考会で事件は起こり、ジュンシクは罰として日本軍に強制徴用され、戦況の悪化により辰雄も戦場へ。そして2人の夢は消えた。


 日本軍として戦うことを強いられたジュンシク。それでも彼は夢を信じ、走り続けていた。そこに辰雄が上官として現われる。彼は冷酷な軍人に変わっていた。ジュンシクの走る姿に嫌悪感を抱く辰雄は、ソ連との戦いの特攻隊にジュンシクを任命。夢を諦めた辰雄は友情も捨てたのだ…。


 この映画は“韓国映画”の“エンターテイメント”作である。それ故、日本の軍人が極悪人に描かれているのは、ある程度仕方がない。認識の差はあれ、戦時中の日本軍に対してそういう感情を向こうの人が持っているのは事実だし、もしこれが日本映画であったら多分、ここまで反日的な描き方はしていないだろう。


 それはまだ許せるほうとしても、問題は細かい部分で時代考証が(日本側から見て)ちゃんと描かれていない部分が多く、ツッコミどころが満載な点にある。日本軍による朝鮮人の徴兵はあの時点ではなく終戦間際の事だし、軍の上官の公開切腹も描写としてはおかしい。もちろん、ここまで屈辱的に描かないと本国の人が納得いかないだろうからそう描いたのだろうが、映画的に脚色する事は認めても、歪曲しすぎる事はしてほしくなかった。戦闘場面は見応えある出来栄えだし、辰雄も最後には“いい人”になっているが、これでは感動も薄れてしまう。


 ちなみにこの映画、数少ない女性キャストとして出番は少ないものの、中国の4大人気女優の1人ファン・ビンビンがメインキャストで出演しているし、オリンピック選手団の記者会見場にいる案内係役で、人気グループ「KARA」のニコルが映画初出演している。こちらは今回は監督との縁でカメオ出演ということでほんの数秒だけなのだが、ファンは要チェックだ。


私の評価…☆☆☆★

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2012年1月20日 (金)

パーフェクト・センス

パーフェクト・センス
劇場:テアトル梅田
監督:デイヴィッド・マッケンジー
出演:ユアン・マクレガー、エヴァ・グリーン、ユエン・ブレンナー、ステファン・ディラーヌ、デニス・ローソン、コニー・ニールセン 他


 《全世界で人間の“五感”が徐々に失われていく奇病が発生。人類に最後、残されたものは…》


 嗅覚、味覚、聴覚、視覚、触角の五感を奪う未知の感染症が蔓延し、人類存亡の危機に陥った世界を舞台に、その危機的な状況で運命的な出会いをし、恋に落ちた男女の行く末を描く。


 人類がかつて経験した事の無いその異変は、何の前触れもなく世界中を揺るがした。“SOS”と名付けられた謎の感染症がアウトブレイクし、まずあらゆる人々の嗅覚を奪い去る。その勢いは止まることを知らず、感染者たちの味覚や聴覚をも失わせ、人類は存亡の危機に陥っていく。楽観主義者のシェフ、マイケル(ユアン・マクレガー)と心を閉ざした科学者スーザン(エヴァ・グリーン)は、そんな極限状況の最中にめぐり合い、両者とも奇しくも謎の病に冒されたその瞬間、恋に落ちた。ひとつずつ五感を喪失し、世界が終わりを迎えようとしたとき、2人は一体何を求め、何を感じ取るのだろうか…。


 未知のウイルスに感染する恐怖を描いた映画は、特に目新しいものではなく、過去にも「アウトブレイク」があったり、去年にも「コンテイジョン」という映画が公開されていたが、大抵そういう映画はパニック映画とかディザスタームービーなんていわれるものである。ところがこの映画は、そういった一連のパニック映画とは少し趣が違う。


 通常パニック映画の場合、こういった得体の知れないウイルスが人類の脅威となる時は、それに敢然と立ち向かい克服しようとする医師などが主役だったりするのだが、この映画に出てくるスーザンは無力だし、感染拡大で秩序は乱れるものの、直ちに崩壊はしない。ここで描かれている人々は、感覚を失いながらも残された自分の力でしぶとく生き抜こうとするのである。それはマイケルが勤めるレストランのシーンや、マイケルとスーザンが情事を重ねるそれぞれの部屋のシーンでよく現わされている。レストランでは感覚が失われる度に客足が減る。オーナーは店じまいを口にするが、それでもメニューにいろいろな工夫が施され、客足は戻ってくるのだ。マイケルとスーザンの情事も様々な変化を経て工夫をして楽しむようになっていく。そして安易な解決策など敢えて提示せず、聴覚を失うシーンでは10分ほど無音にして映像だけで表現するなど、実験的な手法で観せ、第六感を除く全ての感覚が失われるクライマックスを迎える。画面が真っ暗になる中流れるメッセージは…。
あまり詳しくは書けないが、

 「それでも人間は生きていく」

という事。この映画は、終末感を描くのと同時に、人間の意思の強さを描いているのである。さて、あなたはこの五重苦の世界がもしやってきたら、どうやって生きていきますか?


私の評価…☆☆☆

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2012年1月19日 (木)

新作アニメ映画に予告編削除要請

 米国などで今春上映予定のアニメ映画の予告編にハンセン病に対する差別的な表現があるとして、世界保健機関(WHO)のハンセン病制圧特別大使を務める笹川陽平・日本財団会長は18日、製作会社に修正や削除を求めた。


 日本財団によると、映画は「The Pirates! Band of Misfits」。予告編はインターネットで公開されており、アニメキャラクターが「ハンセン病患者(leper)」と話し、腕が落ちるシーンがある。


 同財団は「leperという表現は国連人権理事会でも差別用語として指摘され排除勧告されている。腕がとれる症状はあり得ない。」と指摘。誤解や偏見、差別を助長するとしている。


 笹川会長は同日、映画を製作したアードマン・アニメーションズ(英)とソニー・ピクチャーズ・アニメーション(米)に、英文でFAXと国際郵便を発送した。


 この予告編、僕は「YouTube」で観た。問題のカットも一瞬だが入っている。言葉の問題だけなら本編前に「お断わり」を入れることで対処できる場合もあるが、映像表現まで及んでくるとかなりの問題が生じる。コメディ映画なら茶化しているともとらえられかねないからなおさらだ。何の調べもせず、今回のように嘘が本編でも描かれているというのであれば、それは削除すべきだと、僕は思う。

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2012年1月18日 (水)

ロボジー

ロボジー
ロボジー
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:矢口史靖
出演:五十嵐信次郎(ミッキー・カーチス)、吉高由里子、濱田岳、川合正悟(チャン・カワイ=Wエンジン)川島潤哉、田畑智子、和久井映見、小野武彦 他


 《てっきり機械文明への批判が入っているのかと思いきや…》

 「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」の矢口史靖監督によるコメディ映画。


 弱小家電メーカー「木村電器」のエンジニア3人(濱田岳、川合正悟、川島潤哉)は、ロボット博の企業広告を目的とした二足歩行ロボットの開発を社長(小野武彦)から命じられていた。しかし発表1週間前に開発中のロボット「ニュー潮風」は大破してしまう。途方に暮れた3人はロボットの中の人を募集し、その人に「ニュー潮風」を演じてもらい窮地を凌ごうと考えた。架空のオーディションで選ばれたのは73歳の老人・鈴木(五十嵐信次郎)。しかし彼がまた一癖ある人物で、ロボット博で勝手な行動を見せ、そこにに来ていたロボットおたくの大学生(吉高由里子)を助けたのを機に、大変な事態を招くことになる。


 この映画、最初に予告を観たときは、チャップリン映画の名作「モダン・タイムス」(1936年)のような、機械化社会を批判するようなメッセージでも込められているのかなと思っていたが、そうではなかった。ただ、コメディ映画としてはそこそこ楽しめるが、この監督の映画としてはどうも歯切れが悪い。


 それもそのはず。表向きは、ヘッポコ三人組のおかげでひょんな事からロボットを演じる事になってしまったおじいちゃんが、ロボット博で勝手な行動をとった事によるハプニングから女子大生を助けたら、そのロボットおたくの女子大生が、おじいちゃんが入った「ニュー潮風」に惚れちゃったという事で巻き起こるハートフル・コメディなのだが、裏テーマとして企業の隠蔽工作という、非常にデリケートな問題が隠れているわけである。商業映画の限界なのか、その辺どちらを強く打ち出すのかが曖昧なのだ。幸い宣伝ではコメディ部分を強調しているので、今のところ興行は好調な滑り出しを見せているが、その宣伝のイメージで観に行くと、多分戸惑う人が続出すると思う。


 ちなみにキャスティングでみると、一番キャラが立っていて面白いのは、おじいちゃんでもヘッポコ三人組でもなく、吉高由里子扮する女子大生である。イメージ的にもピッタリで、彼女が話を掻き回してくれたおかげで映画が面白くなった。やはりコメディ映画において、こういう役回りは必要だ。吉高由里子は去年「婚前特急」を観たときににも思ったが、彼女はシリアスな作品よりもコメディが似合っているのかもしれない。


私の評価…☆☆☆

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2012年1月17日 (火)

ゴールデン・グローブ賞決定!

2011年度・第69回ゴールデン・グローブ賞結果発表!
映画部門の主な受賞結果です。

☆作品賞(ドラマ)
「ファミリー・ツリー」
☆作品賞(コメディ/ミュージカル)
「アーティスト」
☆主演男優賞(ドラマ)
ジョージ・クルーニー(「ファミリー・ツリー」)
☆主演女優賞(ドラマ)
メリル・ストリープ(「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」)
☆主演男優賞(コメディ/ミュージカル)
ジャン・デュジャルダン(「アーティスト」)
☆主演女優賞(コメディ/ミュージカル)
ミシェル・ウィリアムズ(「マリリン 7日間の恋」)
☆助演男優賞
クリストファー・プラマー(「人生はビギナーズ」)
☆助演女優賞
オクタビア・スペンサー(「ヘルプ 心がつなぐストーリー」)
☆監督賞
マーティン・スコセッシ(「ヒューゴの不思議な発明」)
☆脚本賞
ウッディ・アレン「ミッドナイト・イン・パリ」
☆作曲賞
ルドビック・ブールス「アーティスト」
☆主題歌賞
マドンナ“Masterpiece”「W.E.(原題)」
☆アニメーション映画賞
「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」
☆外国語映画賞
「別離」(イラン)


 ハリウッド外国人記者クラブが主催する第69回ゴールデン・グローブ賞授賞式が1月15日に催され、最多6部門にノミネートされていたミシェル・アザナビシウス監督作「アーティスト」が3冠に輝いた。


 「アーティスト」は無声映画時代のスターの栄枯盛衰を、モノクロの無声映画として描いた野心作で、今年の賞レースでは圧倒的な強さを見せているのだが、やはりゴールデン・グローブ賞でも最多の3部門を制覇。ドラマ部門ではアレクサンダー・ペイン監督、ジョージ・クルーニー主演の「ファミリー・ツリー」が2部門を受賞。初の3D作品に挑んだマーティン・スコセッシ監督が「ヒューゴの不思議な発明」で監督賞を受賞、マドンナが自身が監督する2作目となる「W.E.(原題)」で主題歌賞を受賞した。


 アカデミー賞の前哨戦として最も注目される賞でも「アーティスト」強し。アカデミー賞絡みでは「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」は“9・11”が絡んだ話だし、「J・エドガー」は“赤狩り”の話が入るからアカデミー会員がいい顔しないだろうし、アカデミー賞でも映画関係者が好みそうな「アーティスト」と「ファミリー・ツリー」の一騎打ちになるのかな。

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午前十時の映画祭、事実上の終了へ

 2回目を迎えた名作映画上映会「午前十時の映画祭」が、震災で一時休館していた映画館を除き今週で終了となる。第3回は3月から開催されるが、第1回から参加している映画館は今回で上映終了し、第2回から参入し〈赤の50本〉を上映した映画館で〈青の50本〉を上映する形をとるため、これ以上他の名作はこの上映会では観ることができない。


 今回の映画祭は一応形の上では成功しているが、細かい部分まで見るとどうか。実はこの映画祭の本来の目的は、今の10〜20代の若い世代に、古き良き映画をDVDではなく大画面スクリーンで観て楽しんでもらう事だったのだが、タイトルのように午前十時とほぼ限定してしまったおかげで、土日祝日はまだいいとしても平日のそんな時間に映画館に行く学生など殆どおらず、500円で観られる学生や子供の客入りがイマイチ良くなかった。第2回の興行収入は当然まだ集計が出ていないが、第1回の時から指摘されていた事であり、少しくらい改善はされていても、目的を達するまでには至ってないのではないかと思う。


 そしてこの企画は第1回の前にインターネットを通じて、上映してほしい映画のリクエストを募っていて、第1回はその結果を元に映画が選定されているのだが、せっかくリクエスト人気上位にランクされたにも関わらず、権利関係などの問題で1・2回とも上映できなかった映画が2本ある。


 それが「タワーリング・インフェルノ」(1974年)と「小さな恋のメロディ」(1971年)である。2本ともおそらく権利関係の問題なのだろう。「タワーリング〜」は、当時としては珍しかったメジャー映画配給会社2社による合作であり、アメリカでは20世紀FOXが、それ以外の地域ではワーナー・ブラザーズが権利を持っている。日本とアメリカで権利関係の所在が違うのだ。「小さな〜」は日本ではヘラルド(現・角川映画)が、権利を持っているが、イギリスの方は調べてみても出てこないところをみると、権利関係の所在が不明なのかもしれない。昨年末にBS-TBSで吹き替え版(恐らくトレーシー・ハイドの声を杉田かおるが担当したもの)が放送され、関連番組で現在のトレーシー・ハイドの姿が放送されてもいたのだが…。


 この映画祭がもたらした効果としては、古い映画でもアカデミー賞受賞作などの名作なら、お客さんも集まるし、まだまだ需要はあるということだ。事実、このイベントに触発されたかのように、全国的な旧作の上映会が増えつつある。昨年関東で上映された「いちご白書」と「ひまわり」がもうすぐ京都でも上映されるし、大阪・十三のシアター7では月イチで名作映画の上映がある。邦画でも去年東映が一部のT・ジョイで「時代劇映画特集」を組んだ。


 今回上映できなかった「タワーリング・インフェルノ」と「小さな恋のメロディ」に加え、自分自身がスクリーンで観たかった「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版」(1984年)は、また何かの機会に上映してほしい。もちろんこれから京阪神地区では梅田や浜大津などで開催される「第3回午前十時の映画祭」にも、第2回で観たくても観られなかった映画があるので、できるだけ観に行きたいと思う。

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〈午前十時の映画祭〉シザーハンズ

〈午前十時の映画祭〉シザーハン
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・原案:ティム・バートン
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ジョニー・デップ、ウィノナ・ライダー、ダイアン・ウィースト、アンソニー・マイケル・ホール、アラン・アーキン、キャシー・ベイカー、ロバート・オリヴェリ、オーラン・ジョーンズ、ヴィンセント・プライス 他


 《切ないラブ・ファンタジー。僕はこの映画でウィノナ・ライダーに恋をした。》


 2年間にわたり、週替わりで計100本の名作映画をフィルム上映してきた「午前十時の映画祭」も、第1回から上映している映画館では、震災で被災して現在リカバリー上映している映画館を除き今週で最終回となる(第3回はリカバリー上映終了後、第2回から参入している劇場のみで上映)。この映画祭全体の感想は次で書くとして、僕の地元の映画館、TOHOシネマズ二条での最終回は、この「シザーハンズ」だ。


 ある孤独な発明家(ヴィンセント・プライス)の手によって生み出された人造人間エドワード(ジョニー・デップ)。だがその発明家はエドワードを完成させることなく死んでしまった。両手がハサミのまま、一人残されたエドワード。ある日、エドワードが住む城に来た化粧品の訪問販売員のペグ(ダイアン・ウィースト)は、彼を家に連れて帰ることにする。エドワードは植木を整えたり、ペットの毛を刈ったりして人気者になっていく。そしてそんな中出会ったペグの娘キム(ウィノナ・ライダー)に仄かな恋心を抱く。だがやがて、人間社会の辛く悲しい現実が彼を待ち受けていた…。


 ディズニーのアニメーターだったティム・バートン監督が、その後彼の作品の常連となるジョニー・デップを主演に迎えて作った、摩訶不思議なファンタジー。派手な画面の色使いもファンタジーとしてとらえれば違和感なく見える。ジョニー扮するエドワードとウィノナ・ライダー扮するキムとのロマンスは、そのまま実生活でも映画を地でいくものとなり、最終的には破局となるも、話題を集めたものだった。


 この映画が製作されてから20年が過ぎ去っている。この映画が公開された時、僕は専門学校の1回生。アルバイトで少々稼ぎもあったので、この年くらいから年間100本とか観始めるので、この映画も当時スクリーンで観ているのだが、とにかくウィノナ・ライダーが可愛くてたまらなかった。自分の好きな女優は昔からジェニファー・コネリーで、たぶんこれは死ぬまで変わらないと思うのだが、この映画を観てからはウィノナ・ライダーも好きな女優になった。この映画以降主演の2人はキャリアを重ね、ジョニー・デップは大スターになった。ウィノナ・ライダーも、「若草物語」などで2度アカデミー賞候補になるなど大躍進。一時精神を病んだり万引き事件で女優生命に危機が訪れるものの、現在は一応克服し脇役で評価を高めている。ちょうど1年前公開された「僕が結婚を決めたワケ」という映画でジェニファー・コネリーとウィノナ・ライダーがメインキャストとして共演していて、ボクは嬉しくなっていち早く観に行ったっけ(確かこのブログに書いたような…)。


 監督とは盟友のダニー・エルフマンによる、どこかもの悲しいメロディーも印象的。僕はテレビなどで何度も観ているから、オープニングテーマを聴いただけで、グッとくる。往年の怪奇映画俳優ヴィンセント・プライスについては、僕はよく知らないのだが、監督にとってはアイコンだったようで、エドワードの創造主の役としてはまさにうってつけだったのではないか。残念ながら彼はこの数年後に肺癌でこの世を去り、これが遺作となってしまった。


 ちなみに、主演のジョニー・デップは今でもこの続編の話があれば、ぜひやりたいのだそうだ。もちろん僕なら大反対! あのラストはファンタジー映画だからこそ許せる結末なのであって、あれ以上に最高のエンディングなど無い。無理矢理繋げる続編を作るなどもってのほかだ。エドワードがいつまでもキムの心の中に生き続けるように、この映画自体、客として観た僕の心の中に、そっとしまっておきたいのである。


私の評価…☆☆☆☆☆

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2012年1月13日 (金)

フライトナイト 〜恐怖の夜〜

フライトナイト 〜恐怖の夜〜
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:コリン・ファレル、アントン・イェルチン、トニ・コレット、デイヴィッド・テナント、イモージェン・プーツ、クリストファー・ミンツ=プラッセ、リサ・ローブ、デイヴ・フランコ、サンドラ・ベルガラ、クリス・サランドン(カメオ出演) 他


 《オリジナルを派手にリメイクしているが、目新しさはナシ》


 1985年に製作され、スマッシュヒットをかっ飛ばした同名映画を3Dリメイク。舞台が85年当時の世界ではなく今の世界に変わり、登場人物の性格が若干変わったという以外は、殆どそのまま再映画化している。


 ラスベガス郊外に住む普通の高校生チャーリー(アントン・イェルチン)はオタクっぽい思春期を越え、学校で一番の美女エイミー(イモージェン・プーツ)を彼女にする事もでき充実した日々を送っていた。


 ある日、彼の家の隣にジェリー(コリン・ファレル)という男が引っ越してくる。チャーリーの親友エド(クリストファー・ミンツ=プラッセ)は学生の不審な失踪の謎を独自に調査しジェリーがヴァンパイアであると主張するが、チャーリーは全く相手にしない。ところがエドも失踪してしまい、チャーリーはエドの部屋でジェリーがヴァンパイアである証拠のようなものを発見。疑念を抱いたチャーリーがジェリーの家に侵入すると、彼が自分の知り合いの血を吸っている瞬間を見てしまう。ジェリーがヴァンパイアだというのは本当だったのだ。


 ジェリーを退治するため有名なヴァンパイア・ハンター・ショー「フライトナイト」のホスト役ピーター(デイヴィッド・テナント)に助言を求めるが、ピーターは酒に溺れ、女性アシスタントとの痴話喧嘩が絶えない、自らやっているショーを否定する現実主義者だった。チャーリーはそんなピーターに失望するが、ジェリーの魔の手はチャーリーの母ジェーン(トニ・コレット)とエイミーに伸び、とうとう家まで爆破されてしまう。その場はなんとか逃げ延びるもののジェーンが大怪我を負い入院する羽目に。


 その頃ジェリーの正体に見当がついたピーターは、チャーリーとエイミーを自宅のペントハウスに招くが、ジェリーに襲撃されエイミーはさらわれてしまう。彼女を救おうと決心するチャーリーに、ピーターはある理由から恐怖心を吐露し去っていく。さて、チャーリーは愛するエイミーを救い出すことができるのか…。


 オリジナル版では主人公がオタク系で孤独感があり、それが終始映画に重たい空気を運んでいたのだが、このリメイク版ではオタク系ではあるものの性格が明るくノーテンキなものに変わっている。若者向け映画としてそれは問題ないが、恐怖感が薄れてしまい、オリジナル版に比べて怖くないホラーになってしまった。ディズニーだからあまり怖い映画にできなかったのかもしれないが、コメディーとしても笑えるものが少なく、中途半端なものが目立つ。オリジナル版でジェリーを演じていたクリス・サランドンが1シーンだけカメオ出演しているので、ファンにとってはそういうのを探す楽しみもあるし、せっかく特殊メイクや小道具などのビジュアルは凝っていてそこそこ面白いのに、ダメダメな面も多いのは残念。


 さて、オリジナル版「フライトナイト」には、そのスマッシュヒットを受けて製作された、退治されたヴァンパイアの妹が復讐をしにやってくる「フライトナイト2 〜バンパイヤの逆襲〜」という、しょーもない続編(僕はスクリーンで観ている)があったのだが、リメイク版はどうか? アメリカではヒットしているだけに、また作るのかなぁ。


私の評価…☆☆☆★

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2012年1月 8日 (日)

〈午前十時の映画祭〉キャリー

〈午前十時の映画祭〉キャリー
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:シシー・スペイセク、パイパー・ローリー、ナンシー・アレン、ウィリアム・カット、エイミー・アーヴィング、ジョン・トラヴォルタ、ベティ・バックリー、シドニー・ラシック 他


 《ホラーという形を借りた、いじめられっこ少女の哀しい青春物語》


 現在は小説が発表されると、殆どが何らかの形で映像化されるスティーヴン・キングの小説。その最初の映画化がこれ。監督のブライアン・デ・パルマは作風がヒッチコックの影響を受けていることが有名だが、彼の特徴である独特なフィルムの長回しやスローモーション、分割画面やクローズアップとロングショットの並列、極端なクローズアップや目線のアングルなど、いろんな撮影技法を駆使しているのが、この作品からも見て取れる。


 女子高生キャリー(シシー・スペイセク)は、気弱で内気な性格と冴えない容姿から、いつもクラスメイトたちからいじめを受けていた。ある日の体育の授業後、彼女はシャワーを浴びている時に初潮を経験する。狂信的なキリスト教信者である母親(パイパー・ローリー)から性教育について全く教えられていなかった彼女は、滴り落ちる血を見てパニックを起こす。それを見たクラスメイトたちはキャリーをはやしたて、生理用品を投げつける。その場は担任の女性体育教師デジャルダンによって収拾がつけられた。後日、デジャルダンはキャリーをいじめたクラスメイトたちを呼び出し、「プロムパーティの参加禁止、嫌なら毎日居残りで体育授業」という課題を突きつける。彼女たちは渋々同意するが、クリス(ナンシー・アレン)は耐えかね逃げ出してしまう。


 その後、キャリーをいじめた罪悪感から、スー(エイミー・アーヴィング)は恋人のトミー(ウィリアム・カット)に、キャリーをプロムパーティに呼び出すように頼む。トミーの誘いを受けたキャリーはからかわれたと思い逃げ去るが、トミーはキャリーの家まで訪ね、彼女をパーティーに誘う。彼の熱意に応えキャリーはトミーの誘いを受ける。一方、キャリーのせいでパーティーに出られないと思い逆恨みするクリスは、恋人のビリー(ジョン・トラヴォルタ)と共に恐ろしい悪戯を計画する。彼らは養豚場で豚を撲殺、その血を抜き取って行った。


 パーティー当日。母親の反対を押し切り、自作のドレスでやってきたキャリー。喜びと不安が入り交じる彼女をトミーは優しく励ます。自信を持ったキャリーとトミーは、パーティーのベストカップルに選ばれた。幸せを感じながらステージに上がる2人。だがこの瞬間をクリスは待っていた。天井に吊されたバケツから大量の血がキャリーに降り注いだ時、キャリーはその秘められた超能力を解放、惨事が起きる。果たして、事態はどうなっていくのか…。


 この映画はホラーではあるが、いきなり冒頭から主人公が初潮を迎える、つまり女の子から大人の女になる場面がデ・パルマ監督独特のエロ描写で描かれたり、親への反発から大人への“旅立ち”の不安が描かれたりと、味方を変えれば青春物語ともとれる映画でもある。


 また、最終的には街全体がキャリーの復讐の的になる原作とは違い、映画では範囲としては限定的なものとなっているが、その方が荒唐無稽になりすぎないし、いじめる側のキャラクターも活きてくる。キャリーの怒りも観ている側に伝わってくる。因みにクリス役のナンシー・アレンはこの後デ・パルマ監督作品の常連となり、一時は夫婦でもあった(現在は別れている)。


 尚、この作品は後にアメリカではテレビドラマにもなり、ミュージカル化してブロードウェイで上演もされた(不入りだったのか5日で打ち切られたが)。そして、20数年後、続編「キャリー2」が製作される事になる。当然ここに出てくる主人公の名はキャリーではないのだが、エイミー・アーヴィング扮するスーが学校に勤める心理カウンセラーとなって再登場、本作ラストのトラウマを抱えたまま、精神病の母と暮らす主人公レイチェルと対峙する事になるのである。


 先頃遂に本作のリメイクが決定した。現在スタッフ・キャストとも詳細は未定だが、デ・パルマ版より原作に近い内容になるという事だ。還暦を迎えたシシー・スペイセク(本作撮影当時すでに27歳で既婚)も何らかの形で出演するかもしれないから、ファンは楽しみに待っていよう。


私の評価…☆☆☆★

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2012年1月 5日 (木)

〈午前十時の映画祭〉ストリート・オブ・ファイヤー

〈午前十時の映画祭〉ストリート
〈午前十時の映画祭〉ストリート
監督:ウォルター・ヒル
音楽:ライ・クーダー
出演:マイケル・パレ、ダイアン・レイン、ウィレム・デフォー、リック・モラニス、エイミー・マディガン、デボラ・ヴァン・バルケンバーグ、ビル・パクストン 他


 《とにかくヒーロー&ヒロインがカッコよすぎる》


 新年1本目の映画鑑賞。僕この映画はDVDで持っているんだが、まさか「午前十時の映画祭」のスクリーンで観られるとは、思っていなかった。名作であるかどうかはともかく面白い映画なので、これは嬉しい。


 人気ロック歌手のエレン・エイム(ダイアン・レイン)が地元で凱旋ライブ中にストリートギャング“ボンバーズ”に拉致される。 ダイナーを営む彼女のファンのリーヴァ(デボラ・ヴァン・バルケンバーグ)は、かつて地元で鳴らしたワルで、今は流れ者の弟トム(マイケル・パレ)に助けを求める。トムは陸軍あがりの女兵士マッコイ(エイミー・マディガン)を相棒にボンバーズのアジトを急襲、エレンを救い出す。


 2人はかつて恋仲だったが、エレンが歌手を目指すために心ならずも別れていた。だがこの救出をきっかけに2人の間に再び愛の炎が燃え上がる。一方、エレンを連れ去られたボンバーズのボス、レイヴェン(ウィレム・デフォー)は仲間を率いて街を襲撃しようとしていた。そしてトムに一騎打ちを申し出て、トムも受けて立つ。1対1の壮絶な戦いの末、トムは勝つ。結果、街には平和が訪れたが、エレンとの恋の結末や如何に…。


 西部劇の形式を現代劇に持ち込んで、ロック音楽映画風に仕立てたアクション映画だが、そのわりには登場人物から1人の死者もでないという、ちょっと珍しい映画でもある。因みに、いろいろ調べてみるとこの映画は当初、主人公トムの冒険物語として3部作が企画されていたようだが、本作の評価に対して本国アメリカでの興収成績が芳しくなく、続編製作が断念されたようである。


 この映画、主役のマイケル・パレは勿論、ダイアン・レインやエイミー・マディガンといった女優たちが“強い女性”を演じていて実にカッコいい。バックに流れるどこか田舎臭いライ・クーダーの音楽も凄く合っている。


 劇中でエレンが歌う曲(といってもダイアン・レインは歌っておらず覆面バンド“ファイヤー・インク”=実体は「フェイス・トゥ・フェイス」による吹き替え)もノリがよく、特にクライマックスで歌われる「今夜は青春(Tonight Is What It Means to Be Young)」は、日本でも大ヒット、椎名恵が「今夜はANGEL」のタイトルでカバーし、当時の人気ドラマ「ヤヌスの鏡」の主題歌に起用されているので、この曲を聴くと、僕のような30代より上の世代は、凄く懐かしく感じるのである。


 この映画が公開された年の前後は音楽ビジネスが結び付いた映画が数多く公開されており、この映画の他にも「フラッシュダンス」や「セント・エルモス・ファイアー」、「フットルース」などがある。「フラッシュダンス」の「What a Feeling」(アイリーン・キャラ)や「フットルース」の同名タイトル主題歌(ケニー・ロギンス)は今だにCM等に使われるなど、スタンダード・ナンバーとなっている。


 そういえばアメリカでは昨年あたりから1980年代以降のヒット映画がリメイクされはじめた。日本では今月7日から公開のコリン・ファレル主演「フライトナイト 〜恐怖の夜〜」(オリジナル版は1985年製作)を皮切りに、同じくコリン・ファレル主演「トータル・リコール」(オリジナル版は1990年製作)、クレイグ・ブリュワー主演「フットルース 夢に向かって」(オリジナル版は1984年製作 ※こちらのみ日本では劇場未公開のままDVDスルー決定 3月発売予定)が今年公開されるが、これだけリメイクされるのは、その時代に、今にも通じる面白い映画がたくさん公開されていた証でもあり、この「ストリート・オブ・ファイヤー」も、そうしたその内の1本なのである。できれば、続編やリメイクでなくてもいいのでこういう映画をまた作ってほしいものだ。


私の評価…☆☆☆★

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2012年1月 2日 (月)

ブリジット・バルドーの半生がドキュメンタリー映画化。

ブリジット・バルドーの半生が
 1950〜60年代にフランスを代表するセックスシンボル、ファッションアイコンとして絶大な支持を得、現在は動物愛護活動家として活動するブリジット・バルドーの半生が、ドキュメンタリー映画化される。


 「素直な悪女」(1956)、「軽蔑」(1963)など数々の映画に主演し、その完璧な肉体と美貌のみならず、自由奔放な発言と華麗な男性遍歴で私生活でも注目を集めたバルドー。しかしその一方で、自殺未遂を繰り返すなど、精神的に不安定な面も持ち合わせており、波瀾万丈の女優人生を振り返った自伝も出版している。


 1973年の「ドンファン」を最後に、女優業を引退。以来、動物愛護運動に取り組んでいるが、近年も昔の楽曲がディオールや日産のCMソングに起用されるなど、今尚その人気は衰えていない。


 これとは別に昨年、アメリカでバルドーの伝記映画の計画が報道されたが、本人はこれに関しては製作に反発しているという。今回の「Bardot par Bardot(原題)」と題された本作は、チュニジア出身のモイーズ・マートゥク監督がメガホンをとり、テレビと映画両方での公開が予定されている。


 ドキュメンタリーといっても色々な手法があるので、最終的にどのようなものになるのか現時点では分からないが、ファンにとっては楽しみなもの。日本でも特集上映が組まれるほど現在でも人気がある女優なので、これはちょっと期待したいものだ。

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2012年1月 1日 (日)

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます
明けましておめでとうございます
 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


 写真は今日、今宮神社へ初詣に行って撮ったものです。ここは人気アニメで現在映画版が大ヒット公開中の「けいおん!」の“聖地”。いるんですねぇ、絵馬にこんなこと書く人が… (笑)。絵馬本来の使い方と完全に違っているような気がするんですが。ブームってのは、恐ろしいもんですね。

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