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2012年3月 6日 (火)

ヒューゴの不思議な発明 3D

ヒューゴの不思議な発明 3D
劇場:大阪ステーションシティシネマ
監督:マーティン・スコセッシ
出演(吹替版声優 ※現時点で判明しているもののみ):エイサ・バターフィールド(橘敏輝)、クロエ・グレース・モレッツ(山口愛)、サシャ・バロン・コーエン(村治学)、ベン・キングズレー(坂口芳貞)、ジュード・ロウ(加瀬康之)、レイ・ウィンストン(辻親八)、クリストファー・リー(長克巳)、ヘレン・マックロリー(野沢由香里)、リチャード・グリフィス(村松康雄)、フランシス・デ・ラ・トゥーア(立石涼子)、エミリー・モーティマー(高橋理恵子)、マイケル・スタールバーグ(大川透)、エミル・ラジェ、エドマンド・キングズリー 他


 《スコセッシの映画讃歌と言える、とても美しい映画》


 ブライアン・セルズニック(「風と共に去りぬ」等の名プロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックは親戚にあたる)の小説「ユゴーの不思議な発明」を、マーティン・スコセッシが自身初の3Dで実写映画化。先頃発表された第84回アカデミー賞では最多の11部門にノミネートされ、作品賞や監督賞は逃したものの、技術系の部門等5部門で受賞を果たした。


 1930年代のフランス・パリ。父を火事で失ったヒューゴ・カブレは駅の時計台に隠れ住み、駅の時計のネジを巻いて毎日を過ごしていた。独りぼっちのヒューゴの唯一の友達は、亡き父の遺した壊れたままの「機械人形」。その秘密を探るうちに、ヒューゴは機械人間の修理に必要な「ハート型の鍵」を持った少女・イザベルと、過去の夢を捨ててしまった老人・ジョルジュに出会う。そして、ヒューゴは機械人間には、それぞれの人生と世界の運命をも変えてしまう「秘密のメッセージ」が隠されている事を知る。機械人間に導かれて、ヒューゴの世界を修理するための冒険が始まる…。


 もうオープニングのシークエンスから映画に引き込まれてしまった。パリの街並の俯瞰ショットからカメラがグッと駅舎に寄って、主人公の姿を写す迄の、カメラワークの流麗なこと! デジタル3Dもスコセッシのような、いわば職人監督が作るとまた一味違うものになっている。はっきりいって、あれほど奥行感のある3D映画は観たことがない。舞い落ちる雪などの情景も、ものすごく芸術的であり、まさに映画は1つの芸術である事をものがたっているようだ。


 親の死によりその形見となった機械人形と共に自分の“居場所”を求める少年と、そこに密接に関わってくる少女、そして元祖“特撮映画”といえるものをたくさん作りながらも、時代に見捨てられていった実在の魔術師メリエス、それぞれの物語を巧みに織り交ぜながら、ドキドキワクワクな映画に仕立てあげられている。


 スコセッシがこういうファミリー向けの映画を作るのは、ある意味この人らしくないとも言えるのだが、今回は逆にそれが好い方向に出ている。サシャ・バロン・コーエン扮する脚の悪い警官は、主人公にとっては一番邪魔になる存在なのだが、映画ではこの悪役にまで“花”を持たせているためなのか、殆どの特撮映画は無機質で冷たい感じがするのだが、この映画は一切そういう事が無く、“温かい”映画だった。映画に対する愛情が、とても深く感じられた。僕は公開初日に観たのだが(ここにアップするまでに時間が経ってしまった スミマセン)、観終わってロビーに出るお客さんがみんな笑顔だ。もちろんそれは観た人皆が楽しい時間を共有したからで、こんなに幸福感に包まれる映画も珍しいし、素晴らしい体験である。


私の評価…☆☆☆☆☆

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コメント

おぉ~。

投稿: シン吉 | 2012年3月 7日 (水) 14時42分

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