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2012年4月

2012年4月25日 (水)

バトルシップ

バトルシップ
バトルシップ
バトルシップ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ピーター・バーグ
出演(吹替版声優):テイラー・キッチュ(置鮎龍太郎)、浅野忠信(同)、ブルックリン・デッカー(本名陽子)、リアーナ(土屋アンナ)、アレクサンダー・スカルスガルド(平田広明)、リーアム・ニーソン(石塚運昇)、ジョン・ツイ(遠藤純一)、ジェシー・プレモンズ(佐藤せつじ)、グレゴリー・D・ガトソン(乃村健次)、ハミッシュ・リンクレイター(落合弘治)、ピーター・マクニコル(佐々木省三) 他


 《ひょっとしてこれは、ものすごいおバカ映画?》


 最近はハリウッド映画もネタ不足に困っているのか、日本でも人気のボードゲーム「モノポリー」や、ブロック玩具「LEGO」までもが今後映画化される事になっているのだが、この「バトルシップ」も昔懐かしい同名ボードゲームを基に製作されている。


 舞台はハワイ沖。アメリカをはじめ日本、オーストラリア、韓国、タイ、コロンビア、ペルーの艦隊が集結して大規模な軍事演習が行われている時、沖合に正体不明の巨大な物体が出現する。それは、地球からの友好的な呼びかけに応じて飛来したエイリアンの母船だった。だが呼びかけを行った科学者たちの意図とは裏腹に、エイリアンは次々と未知の武器を繰り出し、恐ろしい攻撃を仕掛けてくる。


 その戦いの最前線に立たされたのは、演習に参加していた米海軍の新人将校アレックス・ホッパー(テイラー・キッチュ)と、彼がライバル心を燃やす日本の海上自衛艦の指揮官ナガタ(浅野忠信)だった。弱点も戦略も読めないエイリアンに対し、知力と体力の限りを尽くして立ち向かう海の精鋭たち。エイリアンの目的は何なのか、果たしてアレックスとナガタはそれを阻止することができるのか? そして、彼らは地球を壊滅の危機から救うことができるのか?


 これだけツッコミ所満載の映画もちょっと珍しい。基はボードゲームだが、相手がエイリアンというのは映画オリジナルの設定で、ゲームの設定が生かされているのは、映画のほんの一部分のみである。


 この映画、エイリアンの設定からして従来のSF映画とは少し違う。これまでのこの手の映画ではエイリアンとは人類よりも高度な文明を持つ者が多かったが、この映画のエイリアンは地球到着直前に、肝心要の通信船を人工衛星との衝突事故で失ってしまう、船体にレーダー感知機能も無いのかと思ってしまう程の大ドジ者である。


 そんでもってたまたま飛来した場所が、合同軍事演習が行われていたハワイ沖で、居合わせた3隻のイージス艦が対峙することになるわけだが、本作では最初は反目しあっている不良軍人アレックスと日本のナガタが徐々に打ち解け友情を育む姿が描かれる。この辺、互いの対米・対日感情を意識しての事だとは思うし、ナガタ役の浅野忠信も今回は準主役級の役割で、ある意味主人公よりも活躍しているのだが、対立のきっかけを生むサッカーの場面がやや冗長で話のテンポを崩してしまっている。


 ちなみにこの3隻のイージス艦はみんな駆逐艦で、タイトルのような“バトルシップ(戦艦)”じゃないじゃんと思っていると、クライマックスにとんでもない展開(笑)が待っていた。


 敵は一応撃破したが、エイリアンの母艦は残っていて、人類側はJPJ(ジョン・ポール・ジョーンズ)を失い、もうダメかと思われた時、そのバトルシップは登場する。第二次世界大戦の時に作られた、あの戦艦だ。確かにあの戦艦はアメリカ海軍の象徴でもあるが、20年も前に退役しているものである。そんなもの通用すんのかよ、と思う前に動かせる奴はいるんかいなと思っていたら、退役軍人のお爺ちゃんたちが協力を申し出て、どうにかなってしまう超絶展開に(笑)。まぁ、元々戦艦大和と撃ちあうために作られたものだから、ちょっとやそっとの砲撃には耐えられるようになっているのは確かだが、ローテクな戦艦がハイテク宇宙船に立ち向かっていく様は、おバカ… いや、愉快痛快だ。久々に、頭の中カラッポにして観られる(というより観たほうがいい)映画。GWの話のネタには持ってコイの映画には違いない。


私の評価…☆☆☆

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2012年4月23日 (月)

ヘルプ 心がつなぐストーリー

ヘルプ 心がつなぐストーリー
ヘルプ 心がつなぐストーリー
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:テイト・テイラー
原作:キャスリン・ストケット「ヘルプ 心がつなぐストーリー」
出演:エマ・ストーン、ライラ・ロジャース、ヴィオラ・デイヴィス、ブライス・ダラス・ハワード、オクタヴィア・スペンサー、ジェシカ・チャスティン、アーナ・オライリー、アリソン・ジャニー、アンナ・キャンプ、クリス・ローウェル、シシリー・タイソン、マイク・ヴォーゲル、シシー・スペイセク、ブライアン・カーウィン、レスリー・ジョーダン、メアリー・スティーンバージェン、ネルサン・エリス、デヴィッド・オイェロウォ、ダナ・アイヴィ 他


 《重いテーマなのに明るく爽やか》


 しばらくの間、諸事情でブログの更新ができなかったのだけど、それもメドがついたので、ゆっくりと再開していこうと思います。


 この映画は1960年代の公民権運動を背景に、アメリカのある南部の町に住む若い白人女性と2人の黒人メイドの関係を描く傑作。


 作家志望のスキーター(エマ・ストーン)は南部の上流階級に生まれ、黒人メイドの存在が当たり前の地域社会で育ってきた。だが、大学から戻った彼女は、白人社会でメイドたちが置かれた立場が、もはや当たり前では思えなくなってくる。そして、身近なメイドたちにインタビューをし、それを1冊の本にまとめようと試みるが、彼女たちにとってその真実を語ることは、この南部という地域社会で生きる場所を失うことを意味していた。


 そんなある日、白人家庭に黒人専用トイレの設置を義務付けようと活動する、スキーターの女友達の家で働いていた黒人メイド、ミニー(オクタヴィア・スペンサー)がトイレを使用したため解雇されてしまう。誰もが口をつぐむ中、ミニーの親友エイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)が勇気を出して、インタビューに応じた。そしてその小さな一歩は数多くの勇気へと広がり、やがて彼女らを取り巻く社会を根底から揺るがす大事件へと発展していく…。


 人種差別がテーマと聞くと、一見重苦しい映画と思われがちだが、この映画は非常にユーモアが溢れた明るい映画で、いい意味で安心して観ていられるものになっている。


 実は監督と脚本を担当したテイト・テイラーと、小説の原作者キャスリン・ストケットは同郷の幼なじみ。やがて映画に興味を持ったテイラーは「評決のとき」で製作アシスタントの仕事にありつくのだが、その時偶然にも同じアシスタントをしていたのが、本作でアカデミー助演女優賞を受賞したオクタヴィア・スペンサー。この時からテイラーとスペンサーは一緒にロサンゼルスに引っ越すほど仲良しになったという。そしてニューヨークへ引っ越した作家志望のストケットは、5年がかりで仕上げて本の出版がなかなか決まらずにいた。それでその本を読んだテイラーが、映画にしてみせると宣言。その本がまさにこの「ザ・ヘルプ」だったのだ。


 映画では本の原稿の完成から出版までの流れが省略されているが、せっかく完成しても、出版するためにはエージェント(仲介業者)を探さなければならず、その過程で60件も断られているのだ。映画になる前の段階で相当難産なものだったのである。


 この映画で唯一アカデミー賞を受賞したオクタヴィア・スペンサーも素晴らしいが、映画の中でキャラがたっているのは、悪役といっていいヒリー役のブライス・ダラス・ハワード。この人、最近出る映画で“嫌な女”役を演じる事が多く、板に付いてきている感があるのだが、こういう役どころをちゃんと演じているから、物語が生きてくるし、重たいテーマなのにどこか笑えて、ホッと和む後味の爽やかな映画になった。


私の評価…☆☆☆☆

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2012年4月 7日 (土)

マリリン 7日間の恋

マリリン7日間の恋
劇場:MOVIX京都
監督:サイモン・カーティス
出演:ミシェル・ウィリアムズ、ケネス・ブラナー、エディ・レッドメイン、ドミニク・クーパー、ジュリア・オーモンド、ゾーイ・ワナメイカー、エマ・ワトソン、ジュディ・デンチ 他


 《敢えて似せずに作った事が、かえって良かった》


 マリリン・モンローとローレンス・オリヴィエが共演した1957年の映画「王子と踊り子」。この映画で助監督を務めていたコリン・クラークによる、この映画の舞台裏を描いた2冊の本を基にした映画。今年はマリリン・モンローが36歳で衝撃の死を遂げてからちょうど50年を迎える年であり、花を手向ける形で作られた映画である。


 1956年、ハリウッドスターにして、世界のセックス・シンボルと讃えられるマリリン・モンロー(ミシェル・ウィリアムズ)が、イギリスに降り立った。名優ローレンス・オリヴィエ(ケネス・ブラナー)が監督兼共演となる新作「王子と踊り子」の撮影のためだ。初のプロデュース作品に意気込むマリリンの傍らには結婚したばかりの高名な劇作家、アーサー・ミラーがいた。


 だが、マリリンの期待は、あっけなく打ち砕かれる。オリヴィエはマリリンの演技法を受け入れず、彼女の演技コーチを敵対視する。プレッシャーからマリリンは何時間も撮影に遅刻するようになり、オリヴィエの怒りを買う。さらに不安定な精神状態のマリリンに創作活動を乱された夫ミラーは、先に帰国してしまうのだ…。


 マリリン・モンローを描いた作品といえば、アメリカのTVドラマで日本では劇場公開された「ノーマ・ジーンとマリリン」という作品があって、それはマリリン・モンローの生涯を整形前と整形後で2人の女優(整形前=ミラ・ソルヴィノ、整形後=アシュレイ・ジャッド)が演じ分けるものだったが、整形後のマリリンを演じたアシュレイ・ジャッドの激似っぷりが印象に残っている。一方でこちらの映画のマリリン=ミシェル・ウィリアムズは、容姿まで似せろというのは酷だとしても、顔もマリリンにあまり似ていない。これは、完璧に似させる事はまず不可能だからあえて似させないようにしたという事らしいのだが、これが逆にいい。なぜならこのドラマの本質はマリリンにどれだけ似ているかとかそんなものではなく、「王子と踊り子」の舞台裏でも、マリリンと映画のサードADとの恋でもなく、繊細な心を持った1人の女性=ノーマ・ジーンが如何にマリリン・モンローという自らの“虚像”に対峙していったかである。その辺の表現、ミシェル・ウィリアムズが実に上手い。オープニングのミシェル自身の生歌によるミュージカル場面には鳥肌が立った。ダンスや仕草はやはりマリリン・モンローの映画を観て研究したそうで、その結果が本年度の賞レースの結果に結び付いているのである。ハッキリ言ってメリル・ストリープという強敵がいなければ、アカデミー賞も最優秀賞を受賞していたに違いない。


 原作はマリリンの没後30年以上経ってから出版されたものであり、実際映画ではかなりのフィクションが混じっているようなので、どこまでが本当なのかは分からないが、マリリンの容姿や立ち振る舞いそのものが、当時の男どもを虜にしたのは確かなようだ。


私の評価…☆☆☆☆★

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