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2012年6月27日 (水)

愛と誠 For Love's Sake

愛と誠 For Love's Sake
愛と誠 For Love's Sake
劇場:TOHOシネマズ二条
原作:梶原一騎・ながやす巧「愛と誠」
監督:三池崇史
脚本:宅間孝行
出演:妻夫木聡、武井咲、斎藤工、大野いと、安藤サクラ、伊原剛志、前田健、加藤清史郎(太賀誠の幼少期)、一青窈(特別出演)、市村正親 他


 《久々に珍作登場》


 1970年代の名作コミックが、現代に甦る。ただ、そんな前の作品を単純にリメイクやリブートしても面白くないだろうから、三池監督のことだし、直球勝負ではなく変化球でくるだろうなと思っていたら、変化球どころかミラクルボール(←40歳以上の人なら分かるでしょう)並みの豪速球かつ大暴投(笑)であった。


 名家の令嬢・早乙女愛(武井咲)は幼少期、雪山で見知らぬ少年(加藤清史郎)に助けられた。その出来事は、彼女の心に「白馬の騎士との出会い」として、強烈な思い出となり刻み込まれた…。


 11年後の1972年、新宿地下街。愛の前に現われたのは、超不良の太賀誠(妻夫木聡)。それは運命の再会だった。不幸な少年時代の復讐を胸に東京へやって来た誠は不良グループとの殴り合いのケンカの果て、上京早々少年院送りに…。運命の人との再会を果たした愛は、誠を更正させるため、両親(市村正親・一青窈)に頼み込み、名門「青葉台学園」に誠を編入させる。さらにはアパートや学費を用意し、「私は彼を立ち直らせる義務があります!私は誠さんを愛しています」宣言する…。


 愛の献身も虚しく、たちまち青葉台学園を退学処分となった誠は、不良たちの掃き溜めである「花園実業」に転入。愛も誠を追って花園実業へ、さらに一方的な想いで愛を追いかけるメガネ優等生、岩清水弘(斎藤工)も「君のためなら死ねる…!」とばかりに花園実業へ転がり込んだ。


 そんな中、スケバングループのガムコ(安藤サクラ)は、ガラの悪い女子軍団に全く怯まない誠に一目惚れ。一方、誠は静かな迫力と暗さを感じさせる女子高生、高原由紀(大野いと)と心を通わせていく。しかし由紀を一方的に愛する用心棒・座王権太(伊原剛志)は嫉妬に燃え、桁外れの破壊力で誠に大ケガを負わせるのだ…。


 この映画、一言でいうなら“和製昭和歌謡ミュージカル”とでも言おうか。出演者たちが、「激しい恋」(「愛と誠」最初の映画版で誠を演じた西城秀樹の名曲!)や「空に太陽があるかぎり」から「狼少年ケンのテーマ」まで、歌い踊る。ミュージカル場面だけでもボリウッド映画並みのボリュームがあるため、上映時間は2時間17分の長尺だが、はっきり言って苦痛だ(笑)。


 ハリウッド映画では、MGMミュージカルの黄金期から今日に至るまで、殆どのミュージカル映画はその道のプロフェッショナルな人が監督をやっているから、見せ方も分かっているし、舞台版とさほど変わらない感覚で観ることができるのだが、三池監督はミュージカル専門ではないし、パパイヤ鈴木による振り付けも稚拙に見える。何よりミュージカルナンバーが全てフルコーラスだから、必然的に長尺になり、バイオレンス場面とのバランスを悪くしている。


 逆に出演者たちは、不思議と結構ハマっている。女子生徒役はみんな実年齢が程近いキャストなのにたいして、何故か男子生徒は30〜40代の役者が演じているのだが、設定自体がブッ飛んでいるせいか、思っていたほど違和感は無い。いくら何でも伊原剛志は… とも思ったが、“オッサンにしか見えへん病”で、やり通してしまうとは! アッパレである(笑)。


 そして、武井咲はこれまであまりドラマなどでも目立った存在ではなかったし、演技についてもあまり上手いとは思わないし、このヒロイン役も演技力を必要としているものでは無いのだが、三池マジックにかかると、とても可愛らしいお嬢様をキッチリと演じている。


 オリジナル版は未見なので比べようが無いが、若年齢層向けとして、こういう何でもアリな映画を作るのは、「ビー・バップ・ハイスクール」の頃から変わらない、良くも悪くも東映の気質なんだよね、ということを痛烈に感じた映画だった。


私の評価…☆☆☆

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 こんにちは『愛と誠』関係のブログをネットサーフィンしている者です。
 今回の映画化は原作好きの者にとっては喜ばしいかぎりです。
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・ 梶原一騎ファンサイト『一騎に読め!』 http://www.myagent.ne.jp/~bonkura/

投稿: 『愛と誠』愛好家 | 2012年6月28日 (木) 19時23分

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