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2012年6月18日 (月)

グレイヴ・エンカウンターズ

グレイヴ・エンカウンターズ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:ザ・ヴィシャス・ブラザーズ
出演:ショーン・ロジャーソン、アシュレイ・グリスコ、ホアン・リーディンガー、マッケンジー・グレイ、メルヴィン・モンデサー 他


 《自分が観た中では一番完成度が高いモキュメンタリー映画》


 最近はこういった「ファウンド・フッテージ」と呼ばれる、撮影者が行方不明になったため、埋もれていた映像が第三者によって発見され(または手に渡り)(=found)、未編集の映像(footage)があまり手を加えずにそのまま公開される形式の、モキュメンタリーと呼ばれる擬似ドキュメンタリー映画が多いが、本作はその中でも完成度が高い“ニセ”ドキュメンタリーである。


 実在する超常現象を追跡するリアリティ番組「グレイヴ・エンカウンターズ」。プロデューサーのランス・プレストンと調査隊は、1960年に閉鎖され現在は廃墟と化しているコリンウッド精神科病院にやってきた。その広大な敷地には、1895年から65年間にわたり8万人もの重度の精神障害者が入院し、過去に多くの患者が命を落としていた。そして閉鎖後の1963年に幽霊の目撃証言が報告されて以降、今もなお多数の同様の証言が寄せられている。だが実はランスたちは、超常現象など全く信じていない。番組出演者である霊能者のヒューストンも偽者で、この番組はただのヤラセ番組だったのだが…。


 「パラノーマル・アクティビティ」や「フォース・カインド」など、もうこの手のモキュメンタリー映画は出尽くしたと思っていたのだが、まだこんなのが残っていた(笑)。でもこの映画には最近のモキュメンタリーものとは明らかに違う点が1つあり、そこが映画祭などで評価されているのだと思った。「パラノーマル〜」や「フォース〜」は、ただ単純に“超常現象”を第三者の視点で見せている、ただそれだけのような感じだったのだが、この「グレイヴ・エンカウンターズ」は、“悪い事をやった人間は、たとえ主人公であっても必ず天誅が下される”という、ホラー映画の定番を、最も分かりやすい形で描いているのである。


 この映画のメインキャストとなるTVクルーは、“超常現象を検証する番組”のスタッフたちなのに、プロデューサー以下、皆その現象を信じていない。簡単にいえば、霊的なものを信用しない若者たちが、夜中に墓場で肝試しをするような感覚で、廃墟に入っていくようなものである。しかもこのプロデューサーは、現地で働く新米の清掃員の男を金で買収し、勤続十数年のベテラン従業員に仕立てあげてコメント撮りをするという、とんでもない野郎だ。面白けりゃなんでも良いというような視聴率主義のテレビ局を痛烈に皮肉っている。


 この手の映画の元祖として「食人族」(1983年・イタリア映画)という映画があるのだが、こちらも焼却されるはずのフィルムが流出したという設定で、アマゾンのある地域の原住民を取材しようとしたスタッフが、ヤラセ演出のために原住民を相手に強姦や焼き討ちなどの蛮行を繰り返した挙げ句、遂に怒った原住民によって次々と犯され殺されていくさまが描かれた。本作は別にそれにオマージュを捧げたわけでもないだろうし、題材も違うのだが、ホラー映画の描き方としてはよくできている方で、実は“最恐”といわれている予告編ほど本編は怖くないが(笑)、ホラー映画好きとしては十分満足のいく映画だった。


私の評価…☆☆☆☆

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