« メン・イン・ブラック3 in 3D | トップページ | 君への誓い »

2012年6月 2日 (土)

サニー 永遠の仲間たち

サニー 永遠の仲間たち
劇場:T・ジョイ京都
監督:カン・ヒョンチョル
配役:イム・ナミ…ユ・ホジュン(現在)/シム・ウンギョン(高校生)
   ハ・チュナ…ジン・ヒギョン(現在)/カン・ソラ(高校生)
   キム・チャンミ…コ・スヒ(現在)/キム・ミニョン(高校生)
   ファン・ジニ…ホン・ジニ(現在)/パク・チンジュ(高校生)
   ソ・クムオク…イ・ヨンギョン(現在)/ナム・ボラ(高校生)
   リュ・ポッキ…キム・ソンギョン(現在)/キム・ボミ(高校生)
   チョン・スジ…ユン・ジョン(現在)/ミン・ヒョリン(高校生)
   ジュノ…イ・ギョンヨン(現在)/キム・シフ(青年) 他


 《観た後に同窓会をやりたくなる映画》


 韓国で大ヒットしたデビュー作「過疎スキャンダル」のカン・ヒョンチョル監督の第2作。こちらも口コミで評判をよび大ヒット。1980年代半ば頃に学生時代を過ごした人なら、きっと誰もが共感できる感動作だ。


 いつもの朝に、「タイム・アフター・タイム」のメロディーとともに目覚めるイム・ナミ(ユ・ホジュン)。完璧な夫と高校生の娘に恵まれ、専業主婦として何一つ不自由のない日々を送りながら、彼女はどこか物足りなさを覚えていた。


 ある日、入院する母を見舞った病院で、ナミは苦痛に悶える患者と出くわす。病室の入り口には「ハ・チュナ」の名札。間違いない、彼女は高校時代の仲良しグループ「サニー」のリーダー、チュナ(ジン・ヒギョン)だった。再会の喜びも束の間、ナミはチュナが余命2ヵ月のガンに冒されている事を知る。

 「ひとつ頼んでもいい?」

とナミに語りかけるチュナ。

 「死ぬ前にもう一度だけ、サニーのみんなに会いたいな…」。

出張に旅立つ夫を空港に見送った後、ナミは高校へと向かうスロープを久しぶりに歩いた。気がつけばそこは、25年前のあの時、あの場所。ナミはいつの間にか高校生だった頃の自分に戻っていた。田舎からソウルへやってきた転校生のナミ(シム・ウンギョン)は、自己紹介でつい方言が出てしまい、出だしから失敗してしまう。そんな彼女を助けてくれたのが、姉御肌のチュナ(カン・ソラ)だったのだ…。


 個性豊かな7人のメンバーは、友情の証としてグループを「サニー(輝く)」と名付け、ずっと一緒にいようと誓うが、“ある出来事”がきっかけで離ればなれになってしまう…。


 あれから25年。病に冒され、また仲間に会いたいというチュナのため、ナミは残りのメンバーを捜し始める。それはナミにとって、夢を抱き、輝いていた日々を取り戻していく旅でもあった…。


 映画は、“ある出来事”がきっかけで離ればなれになった仲良しグループ「サニー」のメンバーを、仲間の病をきっかけに、ナミが探し歩く、いわば絆の再生を描いたもの。「サニー」の全盛期である高校生時代の1980年代半ばと2011年を、当時の韓国の世相(パク・チョンヒ大統領暗殺や光州事件などの所謂「ソウルの春」と呼ばれる時代背景)を織り交ぜながら、交錯させていく。


 現代のナミが高校へと続く坂道を歩いていると、高校生のナミがひょっこりと顔を出したり、職員室へ入ろうとするとそこから高校時代に戻るという回想形式は、高畑勲監督の「おもひでぽろぽろ」と同じ手法だが、ノスタルジックな雰囲気を実によく醸し出している。


 '80年代を彩る音楽も実に効果的で、映画のタイトルとグループの名前になっている、ボニーMの「サニー」や、主人公が自分の顔がソフィー・マルソーに似ていると思い込んでいる事で、初恋の場面に頻繁に流れる、リチャード・サンダーソンが歌う「愛のファンタジー」(ソフィー・マルソー主演、'80年の大ヒット映画「ラ・ブーム」主題歌)、そしてオープニングとエンディングを飾るシンディ・ローパーの名曲「タイム・アフター・タイム」と「Girls Just Want to Have Fun」(日本では“ハイスクールはダンステリア”のタイトルで知られる)は、当時同じように学生時代を過ごした人なら、懐かしい気分でいっぱいになるはずだ(権利関係の都合か残念ながらシンディ・ローパーの曲は前者はタック&パティ、後者はグラマラマによるカヴァーだが)。


 映画はグループのメンバーたちが昔、抱いていた夢と、成功した者もいれば落ちぶれた者もいる現在のシビアな現実が描かれ、暗い方向へと進んでいくが、メンバーそれぞれが結構明るい性格だったりするので、それほどしんみりとした雰囲気にはならない。ただ、“ある出来事”でメンバーの中の最も美しい子が、顔と心に深い傷を負ってしまい、以来連絡が途絶えてしまう。さて、その子はチュナの願い通り、会いに来てくれるのか。ラストは静かな感動を呼ぶ傑作だ。


私の評価…☆☆☆☆★

|

« メン・イン・ブラック3 in 3D | トップページ | 君への誓い »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

この映画は、ぼくもとても面白かったです!「自分は不良ではないのに、子供の頃に不良グループと付き合っていて、大人になってみればあれほどの親友を持ったことは二度となくて、当時はみんなラジオから流れるアメリカンポップスに夢中だった」というのは、これはもう完全に『スタンド・バイ・ミー』の世界ですよね!『サニー 永遠の仲間たち』は、韓国女子高生ヴァージョンの『スタンド・バイ・ミー』なのです!

投稿: オオツキ | 2012年6月16日 (土) 01時20分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/548736/54858047

この記事へのトラックバック一覧です: サニー 永遠の仲間たち:

« メン・イン・ブラック3 in 3D | トップページ | 君への誓い »