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2012年8月16日 (木)

トータル・リコール(2012 )

トータル・リコール(2012<br />
 )
劇場:シネプレックス小倉
監督:レン・ワイズマン
原作:フィリップ・K・ディック「追憶売ります」
音楽:ハリー・G・ウィリアムズ
出演(吹替版声優):コリン・ファレル(森川智之)、ジェシカ・ビール(本田貴子)、ケイト・ベッキンセイル(岡寛恵)、ブライアン・クランストン(金尾哲夫)、ボキーム・ウッドバイン(楠大典)、ビル・ナイ(小川真司)、ジョン・チョー(猪野学) 他


 《オリジナル版よりスピーディーな展開に》


 1990年に公開(日本では1991年お正月映画第1弾として1990年末に公開)されたポール・バーホーヴェン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の同名映画をリメイク。舞台が火星から“化学戦争”後の地球に変わり、設定や内容が若干変更された。


 近未来。地球の表側“ブリテン連邦”には富裕層、裏側“コロニー”には労働者層が住み、世界は真っ二つに分断されていた。労働者たちは地球の「コア」を通って通勤し、機械のコマのようにせっせと働いて搾取されるだけの日々だった。将来の夢も希望も持てない彼らは、好みの記憶を買って自分の記憶にアップデートすることで憂さを晴らしていたのだ…。


 ダグ・クエイド(コリン・ファレル)もそんな労働者のひとり。美しい妻・ローリー(ケイト・ベッキンセイル)を持ちながらも、工場で働くだけの毎日にふと嫌気が差し、人工記憶センター「リコール社」を訪れる。彼が心に秘めた夢は「スパイ」になること。だが、彼の記憶が書き換えられようとしたその時、突然、知らない自分が目を覚ました。これは一体どういうことなのか?本当の自分の記憶はどこに…?


 自分さえも信じられぬまま、ダグは階級社会を覆し、世界の運命を変える戦いへと巻き込まれていく…。


 ちなみに原作では舞台は地球である。ただ短編であるが故に原作そのままでは映画にならないので、脚本家であり映画監督としても知られるダン・オバノンがアレンジしまくって作られたのがオリジナル版で、今回も形としてはそれが“原案”となっている。オリジナル版では地球と植民地化された火星が舞台であったが、今回はそれがそれぞれブリテン連邦とコロニーとなったのだが、これが設定上現在のイギリスとオーストラリアの位置(正確にはイギリスの“裏側”はオーストラリアではないが)になっているのは、実際の歴史と重なっていて面白い。


 主演のコリン・ファレルはオリジナル版のシュワちゃんと比べて線は細いが、ある程度リアルに見せるためにはちょうどいいのかもしれない。設定上大きく変わったのは妻のローリーで、オリジナル版ではレジスタンス側のヒロイン=メリーナとのキャットファイト後に、あっさりと殺されてしまう役だったのだが、本作ではオリジナル版でマイケル・アイアンサイドが演じた追跡者=リクターの役割が付け足されたため、ダグを執拗に追い詰める“鬼嫁”になった。「アンダーワールド」シリーズで、華麗なアクションを見せているケイト・ベッキンセイルはまさに適役で、本来のヒロインであるメリーナ役のジェシカ・ビールの印象が薄れてしまうほどだ。


 僕はオリジナル版もリアルタイムで、スクリーンで観ているのだが、オリジナル版にオマージュを捧げたシーンもたっぷりで、シュワちゃんが顔を隠すために使ったオバサンの扮装が、今回は連邦とコロニーを行き来する“フォール”に乗り込む場面で出てきたり、オリジナル版ではミュータントだった“3つのオッパイを持つおねーちゃん”が、今回は何の脈絡もなく出てきたり(笑)と、サービス精神たっぷりである。ビジュアル的にも凝っていて、ブリテン連邦の街並は同じ原作者の映画化作品「マイノリティー・リポート」風だし、コロニーの街並はこれまた同じ原作者の傑作「ブレードランナー」風だ。


 地球のコア(核)を突き抜けて動く、物凄い耐熱性のある巨大エレベーター“フォール”や、上下左右に張り巡らされたエレベーターシャフトでの追跡劇はユニークだが、あんなもんあっても人が死ぬだけなのではないかというツッコミどころも満載。手に埋め込まれている携帯電話もユニーク。ガラスにタッチすればテレビ電話になるというアイデアはいいのだが、機種変更するときは、どうするのだろうか? ツッコミどころといえば、未来のお札。あの大統領が未来では偉人になっていた…。


 ちなみにオリジナル版はやや難解なストーリーで、結末は所謂夢オチになっていたのだが、さてそれよりは分かり易い展開の今回は… おっと、それは当然言ってはダメ。観て確かめて!


私の評価…☆☆☆★

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