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2012年10月 8日 (月)

ハンガーゲーム

ハンガーゲーム
ハンガーゲーム
劇場:MOVIX京都
監督:ゲイリー・ロス
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
主題歌:テイラー・スウィフト「Safe&Sound」
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ジェニファー・ローレンス(水樹奈々)、ジョシュ・ハッチャーソン(神谷浩史)、リアム・ヘムズワース(中村悠一)、ウディ・ハレルソン(山寺宏一)、ウィロー・シールズ(釘宮理恵)、ジャック・クエイド(水野貴雄)、リーヴェン・ランビン(丸山雪野)、アレクサンダー・ルドウィグ(遠藤純平)、イザベル・ファーマン(山根舞)、アマンドラ・ステンバーグ(生田絵梨花(乃木坂46))、タラ・マッケン、イーサン・ジェイミー、ジャクリーン・エマーソン、ダヨ・オケニー(杉村憲司)、ドナルド・サザーランド(稲垣隆史)、エリザベス・バンクス(坪井木の実)、レニー・クラヴィッツ(三宅健太)、スタンリー・トゥッチ(岩崎ひろし)、トビー・ジョーンズ(小室正幸)、ウェス・ベントリー(バカリズム)、ポーラ・マルコムソン(金野恵子) 他


 《次回に持ち越されるものは多いが、アメリカの現在を痛烈に風刺した秀作》


 全米で「アバター」以来となる、4週連続興行収入1位を記録したサバイバル&アクション。


 巨大独裁国家「パネム」に、今年も「ハンガー・ゲーム」のシーズンが到来した。最先端都市キャピトルと12の隷属地区で構成されるこの国には、政府によって国民を完全服従させるための見せしめ的なイベントとして「ハンガー・ゲーム」が創設されていた。


 年に1度開催されるそのゲームは、パネムの全12地区それぞれの12〜18歳の若者の中から男女ひとりずつの合計24人をプレイヤーとして選出し、最後のひとりになるまで戦わせるサバイバル・コンテスト。ゲームの一部始終は全国に生中継され、パネムの全国民に課せられた義務であり、キャピトルの裕福なエリート層にとっては極上の娯楽コンテンツだった…。


 第74回「ハンガー・ゲーム」のプレイヤー抽選会が行われる日、第12地区で異例の波乱が起こった。12歳のプリムローズ(ウィロー・シールズ)が不運にもプレイヤーに選ばれ、姉のカットニス・エバディーン(ジェニファー・ローレンス)が身代わりとしてゲーム参加を志願したのだ。男子のプレイヤーに選ばれたのは、同級生であるピータ・メラーク(ジョシュ・ハッチャーソン)だった…。


 キャピトルに到着すると専属スタイリストのシナ(レニー・クラヴィッツ)と対面する。「ハンガー・ゲーム」の闘いを有利に進めるには、積極的に魅力をアピールし、スポンサーを獲得する必要があった。続いてカットニスらは教育係のヘイミッチ・アバナシー(ウディ・ハレルソン)の指導のもと、猛トレーニングに励んだ。そこでサバイバル術や武器の使い方を学びつつ、お互いの力量を探り合う24人のプレイヤーたち。最強の優勝候補は第2地区代表のケイトー(アレクサンダー・ルドウィグ)。この冷酷非常な性格の少年は、幼い頃から「ハンガー・ゲーム」に勝つための特殊訓練を受けてきたプロフェッショナルだったのだ…。


 3部構成からなる原作小説の第1部を映画化したもので、これから2015年迄に完全映画化、最終作が前・後編の編成になるため全4作となる。現在、フランシス・ローレンス監督(「アイ・アム・レジェンド」)による第2作が既に撮影中だ。


 主人公を演じるのは「ウィンターズ・ボーン」で一躍脚光を浴び、また「X-MEN ファーストジェネレーション」で若き日のミスティークを演じていた演技派のジェニファー・ローレンス。ドナルド・サザーランドやスタンリー・トゥッチといったベテランが脇を固める。


 ちなみに本作の原作第1部は、その内容から日本で映画化もされ大ヒットした、高見広春の「バトル・ロワイアル」との類似性が指摘されているが、この影響からか、この原作の映画化が決定された後、以前から企画されていた「バトル・ロワイアル」のハリウッド・リメイクが頓挫した。


 とりあえず、このパクリ疑惑は、原作者が「バトル・ロワイアル」の英訳版原作を読んでいなかったことと、たまたま同じギリシャ神話を題材に、別々の視点から話を構築した結果、似ているようで実は少し違う話ができたという見解が出されたことで、一応鎮静化はしているようだが、出来上がった映画を見比べてみると、やはり細かいところで「バトル・ロワイアル」とは明らかに違っている。


 確かに架空の独裁国家が舞台であったり、無作為に選ばれた少年少女に、生き残りが1人になるまで殺し合いをさせる事や、それが国家のための一大イベントになっている事など、共通項は多い。


 だが単純な殺し合いだけでなく、こちらの場合はテレビの視聴者に自分をアピールし、スポンサーを獲得しないと、ゲームの上で重要なアイテムとなる“スポンサーからの差し入れ”が貰えなくなり、結果的にプレイヤーにとって不利になったりする。選手入場で凝った衣裳を着たり、トークショーでゲームに参加する心境を語ったりする場面は、さながらオーディション番組のようだ。


 また、殺し合いというわりには流血シーンは少なめで、このあたりも血なまぐさい描写を得意とする、深作欣二監督の「バトル・ロワイアル」とはかなり違っている。まぁ、この小説自体がティーン向けに書かれたものであり、映画を観る世代も10〜20代が多いだろうということを考慮して、レーティングで興行上不利になることを避けたのかもしれないが、結果としてそれがいい方向に出た。


 この映画は一見トンでもない映画のようにも見えるが、そのブッ飛んだ設定でもって現在を風刺する(映画の中の独裁国家「パネム」はアメリカそのもの)という、先日鑑賞した「アイアン・スカイ」ともよく似た性格を持つ秀作である。ただ、3部作の1作目という都合上、まだ謎に包まれている部分があったり、少々消化不良気味に終わるのが惜しい。一応最後まで観ると2作目の告知(予告編ではない)が出るが、さて主人公がラストに起こした小さな“火種”は今後の展開にどのような影響を与えていくのか、気になるところである。


私の評価…☆☆☆☆★

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