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2012年10月 5日 (金)

アイアン・スカイ

アイアン・スカイ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ティモ・ブオレンソラ
出演:ユリア・ディーツェ、ゲッツ・オットー、クリストファー・カービィー、ウド・キア、ティロ・プリュックナー、ペーター・サージェント、ステファニー・ポール 他


 《風刺の効いたコメディであり、今年最高のトンデモ映画》


 「ナチスが月から攻めてくる」という、斬新かつ衝撃的なプロットで関心を集めたものの、監督の構想が大きくなり過ぎて、軽く予算オーバー。仕方がないから一般からカンパを募り、集めた総額約1億円(!)で、何とか完成にこぎつけた話題作。ナチス相手のこんな映画、ハリウッドが作れるワケもなく、製作国は何とフィンランド(ドイツ・オーストラリア合作)だ。


 2018年、超タカ派で非常に傲慢なアメリカ合衆国初の女性大統領(ステファニー・ポール)は、再選を目指す選挙PRのために黒人宇宙飛行士を月に飛ばした。月に送り込まれた黒人モデルのジェームズ・ワシントン(クリストファー・カービィー)は無事に月面に着陸する。しかし、すぐに鉤十字身にまとう月面ナチス親衛隊クラウス・アドラー(ゲッツ・オットー)に拉致されてしまう。なんと彼らは、第二次世界大戦後地球を後にしたナチスだった! 彼らは月へと逃亡し、地球へ復讐を果たすべく月の裏側に第四帝国を築き、軍備を増強していたのであった。


 機は熟した。拉致したワシントンをガイドに、月面総統閣下(ウド・キア)はいよいよ地球への侵略を開始する。一方、地球ではアメリカを中心に急遽地球防衛軍を結成。前人未到の宇宙規模の戦いが今、始まる…。


 だいたい年間100本ほど映画を観ていれば、そのうち1本か2本くらいの確率で、トンデモな映画に巡り合うことになる。一昨年の「キック・アス」なんかがその好い例なのだが、今年はそんな映画は無いのかなと思っていたら、ありましたよコレが(笑)。


 何せこの映画、野心家の親衛隊長(ゲッツ・オットー)や、そのフィアンセでチャップリンの「独裁者」(超有名シーンだけを継ぎ接ぎしたもの)をナチス賛美の短編映画と信じて疑わない地球研究家(ユリア・ディーツェ)、お調子者の黒人飛行士(クリストファー・カービィー)など、出てくる者がみんなキャラ立ちしすぎていて面白い。また、冒頭でナチス賛美と思わせておいて、最後まで観ればしっかり反ナチス映画になっているところも秀逸で、その反ナチスをちらつかせる事で、そこからアメリカの政治を批判することに繋げる展開も秀逸だ。


 そして、注意深く観ていると分かるのだが、某SF映画や戦争映画のパロディがふんだんに盛り込まれている。こう思うのは僕だけかもしれないが、映画のなかで別の映画のパロディを演出する場合、あからさまに入れるよりもさり気なくやる方が難しい分、それがキマると映画としてはすごく面白くなるのだが、この映画はまさにそれが当てはまっており、おバカ映画と分かっていつつも結構真面目に観て楽しめる。


 既に日本公開よりも2か月ほど前にはアメリカで公開されているが、話題になっていればハリウッドも放っておかないだろう。役者でいえばゲッツ・オットー(「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」)やウド・キア(「アルマゲドン」など、またラース・フォン・トリアー監督作品の常連でもある)は、メジャー作品にも出演しているが、ヒロイン役で、ナオミ・ワッツをちょっと若くした感じの美女、ユリア・ディーツェも、ハリウッド進出の可能性もあるかもしれない。また、この作品自体に前日譚や続編の企画があるようで、スカッとした気分にさせてくれるなら、絶対に観たい!


私の評価…☆☆☆☆

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