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2012年11月13日 (火)

のぼうの城

のぼうの城
のぼうの城
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:犬童一心、樋口真嗣
原作・脚本:和田竜「のぼうの城」
音楽:上野耕路
主題歌:エレファントカシマシ「ズレてる方がいい」
出演:野村萬斎、榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之、平岳大、市村正親、鈴木保奈美、佐藤浩市 他


 《1年待ったかいがあった》


 和田竜の脚本「忍ぶの城」を小説化したものを映画化。本来は昨年9月に公開予定だったが、震災の影響により、水攻めの場面が津波を想起させるということで、1年以上公開を延期。人が水に飲み込まれる部分を修正した上で上映にこぎつけた。


 戦国末期。天下統一を目前に控えた豊臣秀吉(市村正親)の命を受け、参謀の石田三成(上地雄輔)は総大将として、親友の大谷吉継(山田孝之)、長束正家(平岳大)らと2万3千の天下軍を率いて、北条討伐に出兵する。三成率いる天下軍は、小田原城の支城「忍城〈おしじょう〉」を怒濤の如く包囲する。周囲を湖で囲まれ「浮き城」の異名を持つ「忍城」の侍たちにも緊張が走る中、田んぼで農民や子供たちと、楽しそうに戯れる侍、成田長親〈ながちか〉(野村萬斎)がいた。城主・成田氏長(西村雅彦)の従弟でありながら、武将に求められる智も仁も勇もないが「人気」だけはある不思議な男。領民からでさえ「木偶の坊〈でくのぼう〉」を意味する「のぼうの様」の愛称で呼ばれ、皆に慕われていた。長親に密かに思いを寄せる城主の娘、甲斐姫(榮倉奈々)。長親の幼なじみで歴戦の強者、丹波(佐藤浩市)。その丹波のライバル視する豪傑・豪腕の和泉(山口智充)。戦の経験は無いが「軍略の天才」を自称する、靭負〈ゆきえ〉(成宮寛貴)。緊迫する仲間たち
を前に、長親はどこ吹く風とばかりに「北条家にも、関白にもつかず、皆で今までと同じように暮らせないかなあ〜」と呑気なことを言って、皆を唖然とさせるのだった…。


 確かに水攻めや合戦といったスペクタクルな場面も見所であるが、この映画最大の見せ場は、水攻めされた後に“のぼう様”が相手方に見せる“田楽踊り”である。足場の悪い船の上で見せる踊りは、主演の野村萬斎の真骨頂というべきもので、映画の中では味方どころか敵方の兵士まで魅了してしまうのだが、こういった“動き”がある一方で、人間ドラマが少なく、やはりそこはちゃんと理由があるからこその水攻めであり戦いなのだから、そういった部分がもう少し深く描かれていたら、なおよかったかもしれない。


 また、キャストによっては技量の差がありすぎるのも気になる。これは撮影が2年も前になる事ゆえ仕方ないのかもしれないが、ヒロイン=甲斐姫役の榮倉奈々が、こういう役をやれるレベルには達していない。確かに出番は多くないが、彼女はこれより後の映画「アントキノイノチ」ぐらいから、ようやく周りに認められはじめるのである。たぶん、今の方が演技力も上がっているし、こなせられるのではないだろうか。


 映画は、ボロ負け状態の戦を最終的にはほぼ引き分けに近い負けにまでもっていく。同じような“昼行灯”的時代劇ヒーローには「忠臣蔵」の大石内蔵助がいるが、今の時代こういうタイプのリーダーの方が好かれるのかも。


私の評価…☆☆☆☆★

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