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2012年11月20日 (火)

悪の教典

悪の教典
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:三池崇史
原作:貴志祐介「悪の教典」
音楽:遠藤浩二
主題歌:THE SECOND from EXILE「THINK 'BOUT IT!」
出演:伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、浅香航大、水野絵梨奈、KENTA、山田孝之、平岳大、吹越満 他


 《私はこの映画嫌いじゃないです(笑) 勿論、娯楽として》


 映画にもなった「十三番目の人格 ISOLA」や「黒い家」等の作家・貴志祐介のベストセラー小説を映画化。シリアルキラーという裏の顔を持つ教師が引き起こす事件を描く。


 蓮実聖司(伊藤英明)は、生徒から「ハスミン」という愛称で呼ばれるほど、絶大な人気を誇る「都立北原高校」の高校教師。学校やPTAの評価も高く、いわば「教師の鑑(かがみ)」とも呼ばれる存在だったが、それはすべて仮面に過ぎなかった。彼は他人への共感能力をまったく持ち合わせていない、生まれながらのサイコパス(反社会性人格障害)だったのだ。


 蓮実は自らの目的のためには、それが最善の策であれば、たとえ殺人でも厭わない。学校が抱える様々なトラブルや、自分の目的の妨げになる障害を取り除くために、いとも簡単に同僚教師も殺す。そして、いつしか周囲の人間を自由に操り、学校中を支配しつつあった。だが、すべてが順調に進んでいた矢先、小さな綻びから自らの失敗が露呈してしまう。それを隠蔽するために考えた蓮実の解決策。


 それは、クラスの生徒全員を抹殺することだった…。


 すっかり善役のイメージが定着している伊藤英明が、反社会性人格障害者を演じる映画。映画やドラマの悪役は、ちょっと前なら強面の役者が演じるものだったが、最近は「ジェネラル・ルージュの凱旋」の堺雅人など本来悪役のイメージとは程遠い役者が悪役を演じていることが、よくある。


 この映画でも、一見人のよさそうな主人公が、“ダークサイド”に入ればとんでもない性格の人物に変貌する。自分にとって邪魔になる存在であれば、たとえ両親であっても躊躇せずなにくわぬ顔で殺してしまう。そして、学校の中での自らの悪事を隠すために、敏感に気付いた教師や生徒全員を皆殺しにしようとするのだ。


 この考えは、実際には些か短絡的ではあるが、映画として見せる分には十分である。学園祭の準備で夜まで生徒が皆、居残っている学校という場所は、同じような殺し合い映画である「バトル・ロワイヤル」の無人島と比べてみてもとんでもなく閉鎖的な密室空間であり、ひとたび殺戮が始まれば逃げ場が限られた惨劇の館と化す。


 ただ、ボウガンや手榴弾など多彩な武器で、様々な“殺し”のパターンを見せた「バトロワ」に対して、こちらは殆どが散弾銃のみ。見せ方としてこれでは単調だ。


 今年の下半期は、テレビでは深夜アニメ「BTOOOM!」、映画ではアメリカ映画「ハンガーゲーム」等、“バトル・ロワイヤル”ものが多いような気がする。こういうものを観て思ったのだが、映画はたとえファンタジーであっても、現実を写す鏡でもある。ということは、この映画で描かれている事でも、現実に起こらないとは限らない、いや限らなくなっているというのが妥当なのかもしれない。こんな事が罷り通ってしまう現実の方が、とてつもなく恐ろしいのだ。


私の評価…☆☆☆★

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