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2012年12月27日 (木)

レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル
レ・ミゼラブル
レ・ミゼラブル
劇場:MOVIX京都
監督:トム・フーパー
原作:(小説)ヴィクトル・ユゴー (ミュージカル)アラン・ブーブリル、クロード・ミシェル・シェーンベルク
音楽:クロード・ミシェル・シェーンベルク
出演:ヒュー・ジャックマン、コルム・ウィルキンソン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、イザベル・アレン、エディ・レッドメイン、サシャ・バロン・コーエン、ヘレナ・ボナム=カーター、サマンサ・バークス、キャサリン・ウルストン、ダニエル・ハトルストーン、アーロン・トヴェイト、キリアン・ドネリー、フラ・フィー、アリスター・ブラマー、ガブリエル・ヴィック、イワン・ルイス、ヒュー・スキナー、ジョージ・ブラグデン、イアン・ピリー、マーク・ピカリング、アダム・ピアース 他


(公開日変更に伴いチラシの種類が増えました)


 《名作ミュージカルに酔いしれる》


 1985年にロンドンで演じられて以来、世界各国で翻訳・上演(日本では1987年に初演、鹿賀丈史・滝田栄共演)され興行収入記録を更新し続ける“ミュージカルの金字塔”「レ・ミゼラブル」の完全映画化。


 格差と貧困に喘ぐ民衆が自由を求めて立ち上がろうとしていた19世紀フランス。


 ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、姉の子供のために1本のパンを盗んだ罪で19年間投獄される。仮釈放されたものの生活に行き詰まった彼は、再び盗みを働くが、その罪を見逃し赦してくれた司教(コルム・ウィルキンソン)の真心に触れ、身も心も生まれ変わろうと決意するのだった…。


 バルジャンは、マドレーヌと名前を変え、市長の地位に上り詰める。そんな彼を執拗に追いかける警部のジャベール(ラッセル・クロウ)。そして、不思議な運命の糸で結ばれた薄幸な女性ファンテーヌ(アン・ハサウェイ)。彼女から愛娘コゼット(イザベル・アレン=少女時代)の未来を託されたバルジャンは、ジャベールの追跡をかわしてパリへ逃亡。コゼット(アマンダ・セイフライド)に限りない愛を注ぎ、父親として美しい娘に育て上げる。そんな中、パリの下町で革命を志すマリウス(エディ・レッドメイン)ら学生たちが蜂起する事件が勃発し、誰もが激動の波に呑まれていく…。


 ほぼ全編セリフが歌という、所謂オペラ形式のミュージカル映画は、過去にもフランス製の傑作「シェルブールの雨傘」やアンドリュー・ロイド=ウェバーの舞台劇で映画化もされた「エビータ」などがあるが、ダンスシーンが一切無いという点では、異色の作品である。舞台で通常は序曲として流れるメドレーが、映画ではエンド・ロールに流れたり、1シーン追加された関係で1曲増えていたりと、舞台版とは若干構成が変更されているが、曲順など基本的な流れは舞台版を踏襲しているので、舞台版を見るのと同じ感動が味わえる。


 でも、一番舞台と違うところはやはり映画になることによって視野が広がり、物事を画的に広角に捉える事ができるようになったことだろう。場面転換こそカメラを空へ向けたりと古典的なやり方をしていたが、カメラの動きによる躍動感は、1つの場所を見据えるだけの舞台劇には無い感覚であり、これを上手く使うことによって、映画全体が生き生きとしたものになった。


 役者の方もラッセル・クロウ以外は舞台など何らかの形でミュージカル経験者であり、舞台は未経験のラッセル・クロウもあまり知られていないがロックバンドのボーカリストでもある。今回が映画デビューであるエポニーヌ役のサマンサ・バークスは最近の舞台版で同じ役をやっていた。この他にも舞台初演版のキャストが何名かゲスト出演しているようである。


 この映画、撮影方法も今までのミュージカル映画とは異なる方法をとっている。通常は、撮影前に歌を録音しておいて、撮影時は口パクで撮影し、後でミックスさせるのだが、全編歌である事もあってか撮影時に役者が歌ってそのまま収録する方法がとられた。こうする事で、歌の“力”というものがストレートに観客へ伝わるようになり、より感動が増す。


 特にアン・ハサウェイは、ファンテーヌ役なので出番が少ないはずなのだが、愛娘コゼットを守るために娼婦へと堕ち、感情たっぷりに“夢破れて”を歌う場面には、心を揺さぶられるし、強く印象に残る。今夏公開された「ダークナイト・ライジング」でのキャット・ウーマン役とあわせて、今年度のアカデミー賞ノミネートは確実だろう。


 クライマックスとラスト(恐らく舞台ではカーテンコールにあたる部分)で歌われる“民衆の歌”もかなりの感動ものだが、ラストの方は少し音声レベルが低いように感じた。エンド・ロールの音声レベルと釣り合うように調整したのかもしれないが、もう少し音を大きくした方が盛り上がったのではないか。舞台版は未見なので分からないが、その点が気になった。


 ちなみにこの映画版は、舞台の初演版が元ネタになっている。だが、舞台版は2009年より衣裳デザインや構成を少し改訂した「新演出版」が上演されており、日本でも遂に、来年その「新演出版」が日本人キャストで、東宝ミュージカルとして帝劇を皮切りに、福岡・大阪・名古屋の順で上演されることになった。このうち大阪では、来春リニューアルオープンするフェスティバルホールで、9月に上演されることになっており、時間が取れれば僕も行きたいと思っている。映画版との違いを見てみたいし、比べてみたい。


私の評価…☆☆☆☆★

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