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2013年1月

2013年1月31日 (木)

さよならドビュッシー

さよならドビュッシー
劇場:MOVIX京都
監督:利重剛
原作:中山七里「さよならドビュッシー」
音楽:小野川浩幸
主題歌:泉沙世子「境界線」
出演:橋本愛、清塚信也、柳憂怜、相築あきこ、山本剛史、ミッキー・カーチス、相楽樹、優恵、清水紘治、熊谷真実、サエキけんぞう、戸田恵子、三ツ矢雄二、本村健太郎、堤幸彦、吉沢悠 他


 《美しいクラシックな音色とサスペンスの融合》


 第8回「このミステリーがすごい!」で大賞を受賞し、シリーズ化され累計43万部のベストセラーとなっている、中山七里原作の同名小説を映画化。俳優の利重剛が「クロエ」(2001年)以来約10年ぶりにメガホンを取っている。


 7歳の香月遥は、赴任先のアフリカで両親が行方不明になった同い年のいとこ、片桐ルシアと暮らすことになった。ワイン輸入会社を経営する裕福な祖父の玄太郎(ミッキー・カーチス)に溺愛されたふたりは、共に遊び、ピアノを習い双子のように成長した…。


 そして10年後。ピアニストを夢見る遥(橋本愛)とルシア(相楽樹)は、同じ音楽学校に通っていた。ところが、ふたりの人生が突然、悲劇に襲われる。ある晩、ルシアと祖父が暮らす離れで火事に巻き込まれ、遥だけ奇跡的に生き残る。大火傷を負った遥は、何度も全身の皮膚を移植する手術を受け、死の淵から生還したのだ。


 彼女に残された希望は、生前ルシアと約束したプロのピアニストになって、ルシアのためにドビュッシーの「月の光」を弾くこと。遥は約束を支えに、主治医の新条医師(吉沢悠)が課す厳しいリハビリに耐えぬいた。遥の退院が決まり、喜びに包まれる香月家だったが、24億円にものぼる祖父の遺産を巡って相続争いが勃発する…。


 そんな中、遥は新しい一歩を踏み出した。ピアニストの岬洋介(清塚信也)が奏でる調べに感動し、彼の指導でレッスンを再開したのだ。岬はピアノの調律も手掛けるプロのピアニストだが、父は検察庁の検事で、彼自身も司法試験をトップで合格したエリートだった。


 岬の的確かつ情熱的な指導で、新条医師も驚くほどの回復を見せた遥は、ピアノコンクールに学校代表で出場する権利を獲得する。課題曲はドビュッシーの「アラベスク」、自由曲は亡きルシアに捧げる「月の光」だ。


 そんな遥を陥れるように、彼女の周りで奇妙な出来事が発生する。滑り止めに小細工が施された階段、遥を支える松葉杖の異常、彼女をめがけて落下したシャンデリア…。遥の命を狙うのは誰か? 岬は遥を守り抜けるのか? そしてコンクールの行方は…?


 この映画はミステリーだが、キャスティングを見ても分かるように、それほど重たい描かれ方はしていない。一応原作では岬洋介が主役のようだが、映画では目線を変えて遥を中心に描いている。主演の2人はよく頑張ってはいるが、主演をはるにはまだ荷が重い。昨年から多数の映画に引っ張りだこの人気になっている橋本愛は、これまではどちらかといえば無表情な役が多く、感情を曝け出す役が巡ってくるようになったのは「ツナグ」くらいからだし、相手役の清塚信也は本職が俳優ではなくピアニスト。実写版「のだめカンタービレ」で玉木宏の、「神童」で松山ケンイチの吹き替えを担当していた人で、今回が俳優デビューである。さすがにその2人に重厚な芝居を求めるのは酷だ。


 もちろん、後半の大火傷を負った後の遥は、ある重大な秘密を抱えることになるので、少々展開がハードになるのだが、本来じっくり描かなきゃいけない部分が、時間的な都合からかかなり端折られており、ピアノが弾けなくなる程の重傷を負った遥の回復が早すぎるように見える事や、遥と同居している家族より岬洋介が先に(しかも唐突に)遥の謎を解いてしまうという、些か不可解な部分が見られるのは、どうにかならなかったのか? と思ってしまった。


 ただ、音楽の面ではピアノの名曲が効果的に使われているので、クラシック好きには堪らないのではないか。清塚信也が劇中で弾くリストの「超絶技巧練習曲第4番マゼッパ」は絶品だし、リムスキー=コルサコフの「熊蜂の飛行」もいい。でも何といってもドビュッシーの「月の光」である。この曲は最近では「新劇場版ヱヴァンゲリヲン:Q」でも渚カヲルが弾いて、幻想的な場面になっていたし、過去にも実写・アニメ両方の「ねらわれた学園」や洋画ではアル・パチーノとミシェル・ファイファーが共演した「恋のためらい/フランキーとジョニー」等で印象的な使われ方をしていたが、今回も物語を盛り上げるのに一役かっている。


 何だか、最近この橋本愛ちゃん出演の映画をよく観に行っているような気がするが(笑)、今年は遂にテレビドラマにも出演するようだ。4月からはNHKの朝ドラマ「あまちゃん」に主人公(能年玲奈)の友人役で出ることになったみたい。映画も現時点で今年これの他に2作出演するみたいだし、いよいよ本格的にブレイクか!? 楽しみだな〜。


私の評価…☆☆☆

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2013年1月29日 (火)

ted テッド

ted テッド
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・原案:セス・マクファーレン
音楽:ウォルター・マーフィー

出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):セス・マクファーレン〔テッドの声〕(有吉弘行)、マーク・ウォールバーグ(咲野俊介)、ミラ・キュニス(斎藤恵理)、ジョエル・マクヘイル(三木眞一郎)、エイディン・ミンクス(沢城みゆき)、パトリック・ウォーバートン(立木文彦)、マット・ウォルシュ(大塚芳忠)、ジェシカ・バース(小島幸子)、ビル・スミトロヴィッチ(飯塚昭三)、ラルフ・ガーマン(相沢まさき)、アレックス・ボースタイン(安達忍)、ローラ・ヴァンダーヴォート(弓場沙織)、ブレトン・マンリー(田村睦心)、ゼーン・コワンズ〔若年期のテッドの声〕(釘宮理恵)、ジェシカ・ストループ(福田桃代)、サム・J・ジョーンズ(羽佐間道夫)、ノラ・ジョーンズ(松本梨香)、トム・スケリット(岩崎ひろし)、ジョン・ヴィーナー(明平鉄平) 他

ナレーター:パトリック・スチュワート(富田耕生)

カメオ出演:ライアン・レイノルズ


 《お下劣だけど嫌味がなく面白いおっさんテディ ただし映画ファン向け》


 本業は俳優業がメインのマルチタレントであるセス・マクファーレンが、長編映画監督デビューとなった作品。


 1985年クリスマスの夜。友達が全くいない少年・ジョン(ブレトン・マンリー)は、神様にこんなムチャなお願いをした。

「大好きなテディベア『テッド』と本当の友達になりたいよ…」。

軟弱な少年であるほど、願いのパワーは強い! 祈りはあっさり通じてテッドに魂が宿ったのだ。そしてテッドとジョンは誓う「僕達は一生友達だよ!」。


 しかし、27年後…。


 「奇跡」の鮮度は意外と短かった。時が経ち、ジョン少年は立派なダメ男(マーク・ウォールバーグ)に成長し、テッドは「中身だけ」が人間と同じく成長したので見た目はカワイイくまちゃんなのに、中身は下品なジョークと女の子が大好きな中年オヤジに成り下がってしまった。


 本能に従い、低モラルで無意味な毎日を謳歌するぬいぐるみといい年こいたオッサン。しかし、ジョンの彼女・ロリー(ミラ・キュニス)はそんな中学生ノリの2人にブチ切れ寸前。ついにはジョンに「あたしの方が大事なら、あのエロクマと別れて!」と迫るのだ…。


 命が宿ったテディベアと少年との交流なら、単なるファンタジー映画にすぎないのだが、“奇跡のベア”と最初は持て囃されたテッドも、時が経てば普通のエロオヤジと化し、お下劣ネタ満載のコメディとなる。普通なら大人と子供が一緒に観られそうな映画なのに、子供にゃちょいと刺激のキツイ場面(一瞬だがヌードも)ありのR15+指定である。


 まぁ、おバカ映画ととらえればお下劣ネタも楽しいが、ずっとその調子でいくのかと思いきや、そのテンションが持続しない。


 それならとばかりに、'80年代の人気映画をネタにしたギャグが中盤から押し寄せてくるのだが、これがちょっとマニアックすぎるのだ。そりゃ、「E.T.」や「サタデー・ナイト・フィーバー」、「エイリアン2」なんかは有名だし、観ていなくとも大体は皆分かるだろうけど、メインのネタになるのが「フラッシュ・ゴードン(映画版)」とTVドラマ「ナイトライダー」なのだ。「ナイトライダー」は日本でも人気があったし、当時観ていた人も多いだろうが、「フラッシュ・ゴードン」なんて分かる人いるのだろうか(笑)。僕はテレビで2回くらい観たことがあるので、何とかついていけたのだが、知らないとちょっと厳しいかもしれない。


 結局、この映画は'80年代の映画のファンか、少しでも知っている人でないと、面白みが半減してしまう映画だ。もちろんこの映画を観てから元ネタの映画をDVDで観て楽しむ事もできるのだが、わざわざそんな事する人いるのだろうか? ちなみに僕は映画をたくさん観るようになったのは'80年代後半からなので、この映画に出てくるネタもほとんど分かったし(当時は今と違って映画のテレビ放送権が地上波におりてくるまで最低4年かかった)、楽しめたので星を多めに付けた。ヒットを受けて続編が作られるらしいが、今度は映画以外のものから爆笑ネタをやってほしい。


私の評価…☆☆☆☆

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2013年1月28日 (月)

「マクロス」再編アニメ「ロボテック」ハリウッド実写版の監督決定

 日本のアニメ「超時空要塞マクロス」などをアメリカで再編集した「Robotech(原題)」ハリウッド実写映画版の監督が決定した。


 エンタメサイト、ハリウッドリポーターによると米ワーナー ブラザースは監督候補としてニック・マチューと交渉しているとのこと。同作は2007年より映画製作の企画が進行中で、数多くの脚本家が携わってきた。しかし、監督の名前が挙がったのは今回が初めて。


 製作にはサム・ライミ版「スパイダーマン」で知られるトビー・マグワイアや、「Mr.&Mrs.スミス」(05)のアキヴァ・ゴールドマンのほか、ジョビー・ハロルド、トーリー・タネルらも参加する。


 「Robotech」とはアメリカのハーモニーゴールドUSA社が、タツノコプロのアニメ「超時空要塞マクロス」「超時空騎団サザンクロス」「機甲創世記モスピーダ」の三作品を再編集し、三部作としてシリーズ化したもので、アメリカやヨーロッパなどで人気を博したアニメ。今回の実写版にも注目が集まっている。


 先に企画がたてられた「ヱヴァンゲリヲン」の実写映画版よりこっちのほうが先に具体化するとは…(笑) 「マクロス」シリーズは僕も好きなのだが、実写化すると期待はずれに終わる可能性が高いと思うんだけどなぁ…。

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2013年1月24日 (木)

ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝

ドラゴンゲート
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:徐克
出演:李連杰、周迅、陳坤、李宇春、桂綸、范暁萱、劉家輝 他


 《やっぱり中国の武侠映画は面白い!》


 中国の武侠映画としては初のデジタル3Dで、徐克(=ツイ・ハーク)監督が19年前に作った「ドラゴン・イン」のセルフ・リメイク(ただし、オリジナル版とは舞台は同じだが登場人物が違うため、監督自身は「ドラゴン・イン」の後日談的イメージであることをほのめかしている)。


 権力者による弾圧や不正が横行する明の時代の中国。時の皇帝の子を身籠った官女・スー(范暁萱=メイビス・ファン)が都から逃げ出し、美しい女侠客・リン(周迅=ジョウ・シュン)に危ういところを救われる。スーは悪名高き諜報機関「西廠」の督主である冷酷非情な宦官・ユー(陳坤=チェン・クン)に命を狙われていた。そんな折、世直しのために打倒ユーを誓った孤高の義士・ジャオ(李連杰=ジェット・リー)は、船上でユーと一戦を交えるが、敵の猛烈な抵抗に遭って勝負は持ち越しとなる。


 やがてリンとスーは、辺境の砂漠にぽつんと建つ宿屋「龍門」に辿り着く。折しも不気味な暗雲が垂れ込める「龍門」には60年に一度の砂嵐が迫っており、その影響によって300年前に砂漠の下に沈んだ財宝都市が姿を現すという噂が広まっていた。宿屋には野性味溢れる王女・チャン(桂綸=グイ・ルンメイ)率いる遊牧部族の盗賊団が陣取り、秘宝を奪うチャンスを虎視眈眈と狙っている。そこにユーが送り込んだ「西廠」の先遣隊がやってきて、盗賊団と一触即発状態に。さらに凄腕の女剣客・グー(李宇春=リー・ユーチュン)と情報屋・フォン(陳坤=チェン・クン/二役)も盗賊団に合流。リンはスーを匿うため、素早く身を隠した。


 その夜、地下空間に潜んでいたリンとスーは盗賊団に発見され、リンとグーの間で激しい戦闘が勃発。そこに颯爽と現れたのはジャオだった。実はリンはかつて「龍門」の女主人だったが、ある事件をきっかけにジャオに恋心を抱き、宿屋に火を放って彼を捜し求める旅に出たのだった。こうしてジャオとリンは、3年ぶりに運命的な再会を果たした。


 物量共に圧倒的に勝るユーの一味に対抗するため、ジャオは盗賊団と手を組んだ。翌日、ユーが本隊を率いて宿屋に到着すると、ユーと瓜二つの風貌を持つフォンに惑わされた一味は、ジャオの思惑通りに同士討ちを始める。敵の混乱に乗じて行動を起こしたジャオは盗賊団を指揮し、ここぞとばかりに一斉攻撃を開始。ジャオとの関係に区切りをつけるため一度は宿屋を去ったリンも助太刀し、両陣営は壮絶な全面戦争を繰り広げていく。


 いよいよジャオとユーは宿命の直接対決に傾れ込もうとするが、遂にその時砂漠の大地に巨大な竜巻が発生。それでも一歩も引かないジャオとユーは、荒れ狂う暴風の真っ只中で秘術の限りを尽くしていく。もはやこの世のものとは思えぬ超人の域に達した両雄の死闘は、如何なる決着を見るのか。そして砂漠の下に眠る秘宝は、いったい誰の手に渡るのだろうか…。


 ツイ・ハーク監督とジェット・リーが、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」以来14年ぶりにタッグを組んだ映画。しかも、中国独特の時代劇“武侠映画”ということで、お決まりのワイヤーアクションによる人体飛翔が、ふんだんに盛り込まれているのだが、本作はそこに武侠映画としては中国初のデジタル3Dが加わり、一歩間違えりゃおバカ映画と言ってもいいくらいの、トンデモないものができあがった。


 一応、上記のようなストーリーはちゃんとあって、武侠ものには付き物の女侠客(ジョウ・シュンがやたらとカッコイイ!)など、魅力的なキャラクターが多彩な顔触れで揃うのだが、そんなストーリーなどそっちのけで、剣や弓矢などの武器から丸太、果ては破壊された建物まで、ありとあらゆるものが、画面から飛び出してくるのだ。思わず仰け反ってしまいそうな映像は是非体験してほしいところだが、この3Dを製作したのは、あの「アバター」のスタッフである。砂嵐による竜巻の中でチャンバラをやるなんて、本当は当然できっこないのだが、武侠は一種のファンタジー映画である。こんなことを想像して作ってしまうのは、やっぱり監督以下スタッフの想像力の賜物だし、見ているこっちも楽しいものだ。


 見せ場もふんだんにあり、ジョウ・シュン他女優たちも体当たりでアクションをやっていてカッコイイのだが、カンフー映画ファンとしてはやはり、冒頭のシーンからジェット・リーとリュー・チャーフィーによる“小林寺対決”が再び見られるのが嬉しい。残念ながら今回はあっさり勝負がついてしまうのだが、それでもその対決を冒頭にもってくることによって、観る側を引き込んでくれた。


 ただ、贅沢を言っては何だが、あまりにCGに頼りすぎた事で、特にジェット・リーの本来キレのあるカンフーアクションが影を潜めてしまったのは残念。空中戦は仕方がないが、せめて地上戦はグリーンバックを多用せずに生身のアクションを見せてほしかった。


 日本の時代劇も、そっくり真似をしろとは言わないが、こういうファンタジーなものを見せれば、面白いし若い人だって観るのである。三池崇史監督版「十三人の刺客」や昨年の「るろうに剣心」なんかはその好例と言えよう。前者は斬っても斬っても絶え間なく敵の兵士が襲ってきたし、悪い殿様が斬られた味方の頭を蹴りまくるという牧口雄二監督(「徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑」)ばりの演出もあった。後者は殺陣にワイヤーアクションそのものを取り入れていた。もう少し、日本の時代劇もそういうところを見習って作ってほしいと思う。デジタル3Dに関しても、この映画を見て日本は立ち後れたと感じた。ストーリーはメチャクチャだが、なーに、こういう映画は何も考えずに面白けりゃそれでいいのだ。僕は満足感いっぱいで映画館を出た。


私の評価…☆☆☆★

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2013年1月21日 (月)

96時間 リベンジ

96時間 リベンジ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:オリヴィエ・メガトン
出演:リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、ファムケ・ヤンセン、ラデ・シェルベッジア、リーランド・オーサー、ジョン・グリース、D・B・スウィーニー、ルーク・グライムス、ケヴォルク・マリキャン 他


 《どこが“96時間”なの?》


 2008年に製作され、全米で9週連続興行収入1位を記録し、日本でも大ヒットした「96時間」(原題「Taken」)の続編。


 人身売買組織にさらわれた娘・キム(マギー・グレイス)を救出するため単身パリに飛び、壮絶な闘いの末に目的を達成した元CIA秘密工作員、ブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン)。その後、彼はロサンゼルスで未だ独り暮らしの身だが、誘拐事件のトラウマを克服しつつあるキムに車の運転を教えながら、穏やかな日々を送っていた。そんなある日、元妻のレノーア(ファムケ・ヤンセン)が再婚相手との不仲に苦しんでいることを知ったブライアンは、彼女とキムを海外旅行に誘う。3人で一緒に過ごす時間さえ取れれば、失われた家族の絆を取り戻せるのではないか。それがブライアンの切なる願いだった。


 後日、トルコのイスタンブールで要人警護の職務を終えたブライアンは、ホテルのロビーでレノーアとキムを迎え入れ、親子3人の間にも笑みが広がる。久々に会話も弾み、全ては順風満帆と思われた。


 ところが翌日、キムの計らいでイスタンブールの名所のバザールにふたりだけで出かけたブライアンとレノーアに、不気味な影が忍び寄っていた。2年前にパリでブライアンに息子たちを殺され、怒りに燃える初老のアルバニア人、ムラド(ラデ・シェルベッジア)が大勢の手下を引き連れて、用意周到な復讐計画を実行に移したのだ…。


 リーアム・ニーソンは、本来こんなアクション映画に出るような俳優ではなかったが、この1作目以降アクション映画にちょくちょく出演するようになった。今回はしょっぱなからアクションの釣瓶うちで楽しませてくれる。一応前作と関連性はあるが、ストーリーの都合上、中盤までそれは語られない。ただ、設定自体は前作ラストから引き継いでいるので、説明がされない以上、前作を未見の人には不向きといえるかもしれない。


 ちなみに今回は、前作でこっぴどい目にあったキムが、意外にも大活躍する。普通、拉致された事がトラウマになっているなら、同じような目にあった時点で怖気づいてしまいそうなものだが、父親譲りの行動力を発揮。父親の指示を仰ぎながらではあるが、難局を見事に乗り切ってみせる。敵を狙撃するために助手席にいる父親と乗りながらのカーチェイスは、運転見習い中の設定があるだけに、ハラハラドキドキ感がいっぱいだ。


 緊迫した場面が続いた末のクライマックスは、少々あっけない幕切れのような感があるが、お気楽ムード満点のラストにはホッとさせられる。前作を引きずっているだけで、今回の内容とは何の関係もない映画の邦題には“?”だが、前作ほどではないにしても、続編としてはまずまずの出来なのではないか。


私の評価…☆☆☆★

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2013年1月17日 (木)

【未体験ゾーンの映画たち2013】陰謀のスプレマシー

【未体験ゾーンの映画たち2013<br />
 】
劇場:シネ・リーブル梅田
  (1/12〜1週間限定上映 その後全国順次公開予定)

監督:フィリップ・シュテルツル
出演:アーロン・エッカート、オルガ・キュリレンコ、リアナ・リベラト、アレクサンダー・フェーリング、ニール・ネイピア 他


 《もうちょっとマシな邦題の候補は無かったのか》


 日本では興行の都合上、なかなか公開されにくい映画を特集して上映する企画【未体験ゾーンの映画たち】。昨年好評だったのを受けて、今年は昨年よりも多い本数を上映。大阪では昨年のテアトル梅田から、同じグループのシネ・リーブル梅田に会場を移して上映されている。これはその中の1本。


 元CIA捜査官ローガン(アーロン・エッカート)は、今は民間防犯装置会社の責任者で、愛する娘エイミー(リアナ・リベラト)と2人で過ごしている。しかし、ある日突然、勤めていた会社が忽然と消える。ローガンはグループ会社のハルゲートに原因を追求しに行くが、元々その子会社は存在しないと言われ、証明データも全て抹消されていた。帰りがけに元同僚のフロイドに抹殺のターゲットとして襲われ、辛うじて逃げたローガンは、フロイドが持っていた鍵で開けたコインロッカーで書類を見つける。それは、自分の名前も入った元同僚の暗殺予定者リストだった。ローガンは不法滞在者となり捜査を続け、ある機密書類を入手する。巨大組織ハルゲートとCIAは関係があり、ローガンのCIAの元同僚アンナ(オルガ・キュリレンコ)が関わっていたのだ。そんな折、ローガンの愛娘エイミーが組織に誘拐されてしまう。ローガンは機密書類を引き渡す代わりに、娘を釈放するよう取引をするが…。


 せっかく面白い映画でも、買い付ける以上は収益が見込めないと、映画館では上映されにくくなる。ましてや不況下の日本ではその度合いはなお強く、期間や1日の上映回数が限定ながら公開されたなら、まだいいほうで、有名スターが出ている映画でさえ、DVDスルーになる不幸な映画も少なくない。そんな映画を少しでも救う企画がこの「未体験ゾーンの映画たち」。この「陰謀のスプレマシー」も、そこそこ面白い映画ながら、主要キャストが日本ではイマイチ知名度が低い(映画ファンなら知っている人は多いだろうが)ため、シネコンなんかでは上映が見送られたのだろう。


 しかしまぁこの微妙な邦題は何なのだ(笑)。まるで某映画のパクリではないか。確かに主人公が元CIA捜査官で、会社の個人データが消されて抹殺のターゲットになってしまう展開は、アノ映画に似てはいるが、カッコイイ映画が安っぽく写ってしまう。原題は「The Expatriate」で“国外追放者”という意味である。邦題と全然違うではないか(笑)。


 ただ、アノ映画とは違って派手なアクションは無いものの、いたるところに張られた伏線を、後半スムーズに回収していく運びは上手い。ラストの詰めがやや甘いが、既に見ていて後で書く「96時間 リベンジ」同様、愛する我が娘を必死で守るパパの姿は、実に頼もしいのだ。


私の評価…☆☆☆

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2013年1月15日 (火)

LOOPER/ルーパー

LOOPER/ルーパー
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ライアン・ジョンソン
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ブルース・ウィリス、エミリー・ブラント、ポール・ダノ、シュイ・チン、ノア・セガン、ジェフ・ダニエルズ、パイパー・ペラーボ、ギャレット・ディラハント、ピアース・ガノン、トレイシー・トムズ、ニック・ゴメス、マーカス・ヘスター、フランク・ブレナン 他


 《今までのパターンには無いタイムトラベルもの》


 「BRICK ブリック」のライアン・ジョンソン監督と、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが再び組んだSF作品。


 近未来…。タイムマシンは開発されていたが、その使用は禁じられ、犯罪組織のみが悪用していた。彼らは、証拠を残さず敵を消し去りたいとき、30年前に転送する。すると「ルーパー」と呼ばれる暗殺者の元へ送られる。そして、敏腕ルーパー、ジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)の元に、ターゲットの抹殺指令が入る。それは、いつも通りの単純な仕事のはずだった。だが、送られてきたのは「30年後の自分(ブルース・ウィリス)」だったのだ。


 引き金を引くことを躊躇したジョーの不意をつき、未来から来た「自分」は街へと消えていく。「奴を殺さなければ、自分が消される!」。必死に追跡する現代のジョー。ようやく未来の「自分」を追い詰めたとき、彼がこの時代へ来た、驚くべき理由が明らかになる。男が過去にまで来て変えようとしているものとは? 謎多き未来の独裁者「レインメーカー」とは一体…。


 この映画、一見すると普通のSFものなのだが、よく見ればタイムトラベルもののセオリーというべき“タイムパラドックス”の解釈が、製作側が意図したものなのか、自由に変えられている。この映画では大まかに2つのそれが描かれているが、クライマックスにおける事象はセオリー通りなのでここでは書かないとして、もう1つ。「ルーパー」である現在の自分の元に送られてきたのが30年後の自分ということは、“同じ時間に同じ者が同時に存在する”ということになり、タイムパラドックスの定義をあっさりと無視した展開になっているのだ。


 もちろん、それでなければこの映画は成立していないし、それなりに矛盾点も多くあるのだが、やはりこういう映像作品、特にSFものは荒唐無稽なほうが面白い。


 ただ、クライマックスまでじっくり見せておいて、最後が少々ショボいのは残念。確かにある意味ハッピーエンドなのだろうが、もう少し救いのあるラストの方が良かったのではないか? 確かに最悪の事態は避けられるが、あれでは殆どのキャラが救われないではないか。やはり正月映画なら、もっと気分が良くなる映画を見たい。


私の評価…☆☆☆☆

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2013年1月13日 (日)

米リメイク版「ゴジラ」めぐり内紛

 ハリウッドで準備が進められているリメイク版「ゴジラ」の製作陣の間で内紛が発生したと、ハリウッド・レポーター紙が報じた。

 ハリウッド版「ゴジラ」といえば、ローランド・エメリッヒ監督の「GODZILLA ゴジラ」(1998)があるが、ギャレス・エドワーズ監督(「モンスターズ 地球外生命体」)がメガホンをとる新バージョンは、リブート版にあたる。

 今春のクランクインに向けて準備が進められるなか、製作スタジオとプロデューサーがギャランティとクリエイティブ面で対立。関係者によれば、製作スタジオのレジェンダリーが映画プロデューサーのダン・リン(「シャーロック・ホームズ」)とロイ・リー(「THE JUON 呪怨」)にギャラの減額を要求したものの、2人が拒否したため同企画から追放したという。

 ダン・リンは日本の製作元の東宝に出向き、リメイク権獲得を取りまとめた立役者であるだけに、レジェンダリーの行動は波紋を呼んでいる。なお、同社はハリウッド版「ゴジラ」のシリーズ化を狙っているという。


 こういうトラブルがあると、大抵ダメダメな映画になってしまうので、これじゃ今回もあまり期待できないね。本来の「ゴジラ」が持つテーマからあまりにもそれ過ぎたものは、作ってほしくないような気もする。

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ラジー賞ノミネート発表 「トワイライト」最終章が全部門に候補入り

 最低映画と俳優を表彰するラジー賞こと第33回ゴールデンラズベリー賞のノミネートが発表された。

 最多10部門11ノミネートされたのは、クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナーが出演するバンパイア映画シリーズの最終章「トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part2」で、すべてのカテゴリーで候補入りした。

 ほかに、ラジー賞常連のアダム・サンドラー主演コメディ「That's My Boy(原題)」が7部門8ノミネート。テイラー・キッチュ、リアーナ、浅野忠信の共演が話題を呼んだアクション大作「バトルシップ」が6部門7ノミネートと続いている。


 毎回アカデミー賞と共に話題となるこの賞。もちろんいい意味で人気のある映画がノミネートされ受賞しているのだが、今年はやっぱりコレか。あの大乱闘のあとのオチが決め手なんだろうなぁ(笑)。

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クロエ・モレッツ主演リメイク版「キャリー」全米公開が10月に延期

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 キンバリー・ピアース監督、クロエ・グレース・モレッツ主演でスティーブン・キングの処女作を37年ぶりに再映画化する「キャリー」の全米公開日が、当初の3月15日から10月18日に延期された。米ソニー・ピクチャーズが発表した。


 延期の理由は明らかにされていないが、米ハリウッド・レポーター誌は「ホラー映画という性質上、ハロウィン興行を活用したい」とのスタジオ関係者の言葉を報じている。ブライアン・デパルマ監督、シシー・スペイセク主演の元祖「キャリー(1976)」も、76年の11月3日に全米公開された。


 「キャリー」は、狂信的な母親に育てられた超能力を持つ高校生の少女キャリーが、執拗なイジメに遭った末に怒りを爆発させ、惨劇を引き起こすというオカルトホラー。ジュリアン・ムーアが母親役で共演する。


 楽しみにしていたんだけどなぁ… 。クロエ・グレース・モレッツ出演作としては、これで「キック・アス」続編のほうが先に公開されることになるのかな?

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2013年1月10日 (木)

大奥 〜永遠〜 [右衛門佐・綱吉編]

大奥 〜永遠〜
大奥 〜永遠〜
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:金子文紀
原作:よしながふみ「大奥」
音楽:村松崇継
主題歌:MISIA「Back In Love Again(feat.布袋寅泰)」
出演:堺雅人、菅野美穂、尾野真千子、柄本佑(兼ナレーター)、田中聖(KAT-TUN)、要潤、桐山漣、竜星涼、満島真之介、郭智博、永江祐貴、椿鬼奴、市毛良枝、榎木孝明、猪野学、辻元舞、由紀さおり、佐藤めぐみ、松山メアリ、渡邉このみ、木野花、堺正章、宮藤官九郎、西田敏行 他


 《前作よりもテーマが明確に描かれている》


 昨年10〜12月期にTBS系で放送された、TVドラマ「大奥 〜誕生〜[有功・家光編]」と連動した、“男女逆転”「大奥」(2010年 二宮和也・柴咲コウ主演)続編プロジェクトの最終章。


 男女逆転の世が誕生して30年。時は元禄、五代将軍・徳川綱吉(菅野美穂)の時代。徳川の治世は最盛期を迎えていたが、大奥では後継者を巡って正室と側室の激しい派閥争いが起こっていた。そこに京から1人の公家がやってくる。その男・右衛門佐〈えもんのすけ〉(堺雅人)は類い稀なる野心と才覚で巧に綱吉に取り入り、春日局以来の「総取締」として大奥での権勢を掌中に収めていく。


 一方、一人娘の松姫を亡くした綱吉は、政から遠ざけられ世継ぎ作りに専念させられることに。だが、夜毎大奥の男たちと床を共にするも一向に懐妊しない綱吉は、次期将軍の父の座をめぐり陰謀渦巻く大奥で、孤独と不安に苛まれていく。妄執にとらわれた父・桂昌院(西田敏行)に従い天下の悪法と称された「生類憐れみの令」を発令するも、国は乱れていくばかり。


 運命に翻弄され、生きる気力をも失った綱吉に手を差し伸べたのは、人知れず綱吉を見守り続けてきた右衛門佐だった。ついに心を通わせたふたりが、最後に辿り着くのは…。


 男女の設定を入れ替えた上で、あとはほぼ史実どおりに描いた、よしながふみの歴史改変SF漫画の実写映画化で、2010年に映画化された「水野・吉宗編」は、作品の持つテーマ性の描かれ方が薄く、同性愛や醜い権力闘争ばかりが目立ったが、今回は子宝に恵まれなかった綱吉を軸に、男系よりも困難な女系の世継ぎ(男系では子供でなくても弟か直系親族に男がいれば継ぐことができるが、女系では子ができなければ即断絶の可能性がある)という、現在の皇族にも関係するような問題を描いている。


 一応、この映画だけ見ても楽しめるが、TVドラマ版の「有功・家光編」を受けての設定なので、ドラマ版を事前に見ておいた方が配役の妙など楽しめる要素が増える。メインキャストでは唯一、ドラマと映画両方に出演する堺雅人は、有功と右衛門佐という性格が全く正反対のキャラを熱演しているし、後に桂昌院となる「有功・家光編」の玉栄(田中聖)は、この映画では西田敏行が演じている。うーん、何とも可笑しい配役だ(笑)。そして、あの“生類憐れみの令”が出来るきっかけになる場面で、桂昌院が会う人物・隆光(桂昌院が慕う僧でありドラマ版ではお笑いコンビ「ピース」の又吉が演じていた)を堺正章が演じており、ここで懐かしい日テレ版ドラマ「西遊記」を思い浮べたファンも多いはずだ。


 女・綱吉を菅野美穂、女・柳沢吉保を尾野真千子がそれぞれ貫禄たっぷりに演じているのも良い。特に管野は爽やかな役も「富江」のようなお化け役も似合う女優(一応誉め言葉です)で、とかく時代劇では悪役として描かれる事の多い綱吉を魅力的に演じた。ところで、綱吉と柳沢吉保が関わるこの時代の有名な事件として、「忠臣蔵」で知られる“元禄赤穂事件”があり、原作でもしっかり描かれている(四十七士たちは都合上、男女混成チームだが、吉良上野介ら主要キャラは当然“女”だ)が、この映画では残念ながら、その部分は省かれてしまった。ラストシーンも原作で描かれた綱吉の死までは描かず、原作に比べ少し明るいイメージで終わっているのだが、ドロドロした展開の中で最後に見せる2人の表情は実に清々しいものだった。


私の評価…☆☆☆★

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2013年1月 3日 (木)

トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン PART2

トワイライト・サーガ/
トワイライト・サーガ/
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ビル・コンドン
原作:ステファニー・メイヤー「トワイライト IV」
出演:クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナー、ダコタ・ファニング、ピーター・ファシネリ、エリザベス・リーサー、アシュリー・グリーン、ケラン・ラッツ、ニッキー・リード、ジャクソン・ラズボーン、ビリー・バーク、サラ・クラーク、ジュリア・ジョーンズ、ブー・ブー・スチュワート、マイアンナ・バーリング、マギー・グレイス、ケイシー・ラボウ、マイケル・シーン、ジェイミー・キャンベル・バウアー、クリストファー・ハイアーダール、チャスク・スペンサー、クリスチャン・カマルゴ、ミア・マエストロ、マッケンジー・フォイ 他


 《二人の愛は“永遠に”…》


 今年もよろしくお願いします。


 2013年の映画鑑賞、最初の作品は、大ヒット恋愛ファンタジー・シリーズ最終章の後編。


 ヴァンパイアのエドワード(ロバート・パティンソン)と結婚し、自らもヴァンパイアとなることでカレン家に加わったベラ(クリステン・スチュワート)。ベラに恋していたジェイコブ(テイラー・ロートナー)は、ベラとエドワードの子・レネズミ(マッケンジー・フォイ)こそが、オオカミ族に伝わる「刻印」(=運命)の相手だと悟る。永らく続いたヴァンパイアとオオカミ族の争いは終わり、ようやく平穏に暮らせる時が来たはずだった。だが、3000年生きるヴァンパイアの王族ヴォルトゥーリ族は、レネズミが全てのヴァンパイアを滅ぼすといわれる伝説の存在「不滅の子」であると判断し、カレン家の抹殺に乗り出す。


 「不滅の子」とは、人間の子供が転生したヴァンパイアのことで、抑制の効かない危険なヴァンパイアとされる。ヴォルトゥーリは代々「不滅の子」を見つけては抹殺を繰り返していた。しかし、レネズミを産んだ時はベラはまだ人間だったため、レネズミは正確には人間とヴァンパイアの両方の特性を持つハーフ・ヴァンパイアである。カレン家は「レネズミは『不滅の子』には当たらない」とヴォルトゥーリの説得を試みる。だがそれが失敗に終わり、ヴォルトゥーリとの決戦は避けられない状況となったのだ。


 やっとつかんだ小さな幸せを守るため、カレン家は世界中のヴァンパイアを集め、オオカミ族も加えた集団を結成してヴォルトゥーリ族との対決に備えるのだった…。


 遂に(というか、やっと)このシリーズも終わるのかという感じだが、今までの3作でちりばめられた伏線が一気に収束される。しかし、それをここに集中させたために、そのオチの付け方がやや安直で、盛り上がりに欠けている。確かに話のテンポは大事だし、変に緩急を付けてもおかしくなるが、やっぱりじっくり描かなきゃいけない部分もあって、そこを“超特急”で通り抜けられると、こっちもどういう反応を示していいのか分からなくなるのだ。


 クライマックスのヴァンパイア&オオカミ族連合軍とヴォルトゥーリ族との大乱闘はVFXをふんだんに使い、映画ならではの迫力を堪能できるが、これにはとんでもないオチがつき(笑)、原作を読んでいない人が観たら、たぶん愕然としてしまうだろう。一応、幸せなラストではあるが、完全に消化不良なのだ。


 原作に続編の余地が残してあるのかは分からないが、映画はその気満々で作っているような気がする。未来を予知できる能力を持つアリスが、大人(の姿)になったレネズミとベラ、エドワード、ジェイコブの幸せな姿を見る場面があるが、不安を残す結末というのは、どうもスッキリしないものである。


私の評価…☆☆☆

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