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2013年1月24日 (木)

ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝

ドラゴンゲート
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:徐克
出演:李連杰、周迅、陳坤、李宇春、桂綸、范暁萱、劉家輝 他


 《やっぱり中国の武侠映画は面白い!》


 中国の武侠映画としては初のデジタル3Dで、徐克(=ツイ・ハーク)監督が19年前に作った「ドラゴン・イン」のセルフ・リメイク(ただし、オリジナル版とは舞台は同じだが登場人物が違うため、監督自身は「ドラゴン・イン」の後日談的イメージであることをほのめかしている)。


 権力者による弾圧や不正が横行する明の時代の中国。時の皇帝の子を身籠った官女・スー(范暁萱=メイビス・ファン)が都から逃げ出し、美しい女侠客・リン(周迅=ジョウ・シュン)に危ういところを救われる。スーは悪名高き諜報機関「西廠」の督主である冷酷非情な宦官・ユー(陳坤=チェン・クン)に命を狙われていた。そんな折、世直しのために打倒ユーを誓った孤高の義士・ジャオ(李連杰=ジェット・リー)は、船上でユーと一戦を交えるが、敵の猛烈な抵抗に遭って勝負は持ち越しとなる。


 やがてリンとスーは、辺境の砂漠にぽつんと建つ宿屋「龍門」に辿り着く。折しも不気味な暗雲が垂れ込める「龍門」には60年に一度の砂嵐が迫っており、その影響によって300年前に砂漠の下に沈んだ財宝都市が姿を現すという噂が広まっていた。宿屋には野性味溢れる王女・チャン(桂綸=グイ・ルンメイ)率いる遊牧部族の盗賊団が陣取り、秘宝を奪うチャンスを虎視眈眈と狙っている。そこにユーが送り込んだ「西廠」の先遣隊がやってきて、盗賊団と一触即発状態に。さらに凄腕の女剣客・グー(李宇春=リー・ユーチュン)と情報屋・フォン(陳坤=チェン・クン/二役)も盗賊団に合流。リンはスーを匿うため、素早く身を隠した。


 その夜、地下空間に潜んでいたリンとスーは盗賊団に発見され、リンとグーの間で激しい戦闘が勃発。そこに颯爽と現れたのはジャオだった。実はリンはかつて「龍門」の女主人だったが、ある事件をきっかけにジャオに恋心を抱き、宿屋に火を放って彼を捜し求める旅に出たのだった。こうしてジャオとリンは、3年ぶりに運命的な再会を果たした。


 物量共に圧倒的に勝るユーの一味に対抗するため、ジャオは盗賊団と手を組んだ。翌日、ユーが本隊を率いて宿屋に到着すると、ユーと瓜二つの風貌を持つフォンに惑わされた一味は、ジャオの思惑通りに同士討ちを始める。敵の混乱に乗じて行動を起こしたジャオは盗賊団を指揮し、ここぞとばかりに一斉攻撃を開始。ジャオとの関係に区切りをつけるため一度は宿屋を去ったリンも助太刀し、両陣営は壮絶な全面戦争を繰り広げていく。


 いよいよジャオとユーは宿命の直接対決に傾れ込もうとするが、遂にその時砂漠の大地に巨大な竜巻が発生。それでも一歩も引かないジャオとユーは、荒れ狂う暴風の真っ只中で秘術の限りを尽くしていく。もはやこの世のものとは思えぬ超人の域に達した両雄の死闘は、如何なる決着を見るのか。そして砂漠の下に眠る秘宝は、いったい誰の手に渡るのだろうか…。


 ツイ・ハーク監督とジェット・リーが、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」以来14年ぶりにタッグを組んだ映画。しかも、中国独特の時代劇“武侠映画”ということで、お決まりのワイヤーアクションによる人体飛翔が、ふんだんに盛り込まれているのだが、本作はそこに武侠映画としては中国初のデジタル3Dが加わり、一歩間違えりゃおバカ映画と言ってもいいくらいの、トンデモないものができあがった。


 一応、上記のようなストーリーはちゃんとあって、武侠ものには付き物の女侠客(ジョウ・シュンがやたらとカッコイイ!)など、魅力的なキャラクターが多彩な顔触れで揃うのだが、そんなストーリーなどそっちのけで、剣や弓矢などの武器から丸太、果ては破壊された建物まで、ありとあらゆるものが、画面から飛び出してくるのだ。思わず仰け反ってしまいそうな映像は是非体験してほしいところだが、この3Dを製作したのは、あの「アバター」のスタッフである。砂嵐による竜巻の中でチャンバラをやるなんて、本当は当然できっこないのだが、武侠は一種のファンタジー映画である。こんなことを想像して作ってしまうのは、やっぱり監督以下スタッフの想像力の賜物だし、見ているこっちも楽しいものだ。


 見せ場もふんだんにあり、ジョウ・シュン他女優たちも体当たりでアクションをやっていてカッコイイのだが、カンフー映画ファンとしてはやはり、冒頭のシーンからジェット・リーとリュー・チャーフィーによる“小林寺対決”が再び見られるのが嬉しい。残念ながら今回はあっさり勝負がついてしまうのだが、それでもその対決を冒頭にもってくることによって、観る側を引き込んでくれた。


 ただ、贅沢を言っては何だが、あまりにCGに頼りすぎた事で、特にジェット・リーの本来キレのあるカンフーアクションが影を潜めてしまったのは残念。空中戦は仕方がないが、せめて地上戦はグリーンバックを多用せずに生身のアクションを見せてほしかった。


 日本の時代劇も、そっくり真似をしろとは言わないが、こういうファンタジーなものを見せれば、面白いし若い人だって観るのである。三池崇史監督版「十三人の刺客」や昨年の「るろうに剣心」なんかはその好例と言えよう。前者は斬っても斬っても絶え間なく敵の兵士が襲ってきたし、悪い殿様が斬られた味方の頭を蹴りまくるという牧口雄二監督(「徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑」)ばりの演出もあった。後者は殺陣にワイヤーアクションそのものを取り入れていた。もう少し、日本の時代劇もそういうところを見習って作ってほしいと思う。デジタル3Dに関しても、この映画を見て日本は立ち後れたと感じた。ストーリーはメチャクチャだが、なーに、こういう映画は何も考えずに面白けりゃそれでいいのだ。僕は満足感いっぱいで映画館を出た。


私の評価…☆☆☆★

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