« 「スター・ウォーズ」旧作の3D再上映計画が中止に | トップページ | アウトロー(トム・クルーズ主演版) »

2013年2月 4日 (月)

【映画は大映 第2弾】大魔神(1966年)

【映画は大映 第2弾】大魔神
劇場:梅田ガーデンシネマ
製作:永田雅一
監督:安田公義
特撮・特技監督:黒田義之
音楽:伊福部昭
出演:高田美和、青山良彦、二宮秀樹、藤巻潤、五味龍太郎、島田竜三、遠藤辰雄、月宮於登女、伊達三郎、出口静宏、尾上栄五郎、黒木英男、伴勇太郎、杉山昌三九、橋本力 他


 《日本スペクタクル時代劇の傑作》


 前年公開され大ヒットした、大映東京製作の「大怪獣ガメラ」に対抗すべく、大映京都が製作したスペクタクル時代劇。チェコスロバキア映画「巨人ゴーレム」(1936年・ジュリアン・デュヴィヴィエ監督)で描かれたゴーレム伝説を基に、舞台を日本の戦国時代に置き換え、民話等の伝説をも取り入れてストーリーが構成されている。


 時は戦国、丹波のある山里の城下に恐ろしい魔神の伝説があった。この魔神は武神によって山奥の岸壁に封じこまれていたが時々暴れ出ようと、地響きをたてて人心を脅かし、領民は魔神封じの祭りをして、平和を祈った。その祭の夜、城内に家老大舘左馬之助(五味龍太郎)一味の謀反が起こり、城主花房忠清(島田竜三)夫妻は討たれ、遺児忠文(二宮秀樹)と小笹の2人は近臣猿丸小源太(藤巻潤)とともに魔神封じの巫女信夫(月宮於登女)の手引きで、武神像の傍らの洞窟で成長をとげた。その間勢力を増した左馬之助は重税をかけ、領民の恨みをかった。城増築の大工事の作業員に紛れた花房の遺臣たちは、連絡のため山を降りたが、またも軍十郎(遠藤辰雄)の罠に陥り、取り押さえられた。成長した忠文(青山良彦)や小笹(高田美和)らの安否を気遣う信夫は、左馬之助を訪ね、山の神の怒りの恐ろしさを伝え、彼の暴虐なふるまいを戒めた。しかし左馬之助はかえって、山の神像を壊し、花房残党と領民の結びつきを切ると放言し反対する信夫を斬殺、軍十郎に神像破壊の命
令を下した。山に残された小笹と百姓茂助の子竹坊(出口静宏)は、忠文、小源太らが明朝処刑されるのを聞き、信夫が亡くなったのを知った。神像破壊に苛立つ軍十郎は、タガネを神像の額に打ち込んだ。傷口から鮮血が落ちたと見るや、稲妻、雷鳴、地割れが起こり、軍十郎は物凄い地割れの中に飲み込まれた。小笹らは、兄たちの命を気遣い必死に武神像に祈り続け自分の命にかえてもと大滝へ身を投げようとした瞬間、大地は震動して、神像は巨大な魔神の姿となって現われた…!


 今、梅田ガーデンシネマでは日替わりで2週間ほど「大映名作映画特集」が上映されているのだが、その中で、どうしてもスクリーンで見たかったのがコレ。デジタルリマスターではなく、恐らく普通のニュープリントなのだろうか、オリジナルプリントに起因する傷が多かったが、見るにはほぼ支障がなく、楽しむことができた。


 前述の「大怪獣ガメラ」は、実は大映京都製作「新鞍馬天狗 五條坂の決闘」(監督・黒田義之、主演・市川雷蔵)の併映作品であり、「新鞍馬天狗〜」をヒットさせるための添え物的な扱いだったのだが、会社の思惑とは裏腹に「ガメラ」がヒットし「新鞍馬天狗」は消えていく。「大魔神」はいわば「新鞍馬天狗」の弔い合戦として企画されたもので、「大怪獣ガメラ」がモノクロなのに対して「大魔神」は総天然色(イーストマンカラー)。撮影方法にも拘っており、「ガメラ」に負けてなるものか! という大映京都スタッフの気迫が伝わってくる。


 製作費は当時のお金で1億円。その殆どを特撮に費やす事になったため、有名スターは使わず、若手や大部屋俳優を起用した。その中には後に「東京警備司令 ザ・ガードマン」など、テレビドラマでも活躍する藤巻潤や、同じくテレビドラマ「京都殺人案内」シリーズで藤田まことと絶妙なやりとりを見せる遠藤辰雄(後に芸名を太津朗に改名)らの名前が見られる。でも、男性だったらやっぱり目がいくのはヒロインだ。高田美和は歌う俳優高田浩吉の娘で、御年66歳ということはこの撮影当時は18か19歳。当時から清楚な役柄が多かったらしいのだが、この映画の女性キャラはこの人が演じる小笹と、月宮於登女が演じる婆さんくらいなので、男臭い中一服のオアシスのような感じで、可愛いのである。


 この「大魔神」はヒットし(製作費がバカ高くかかったため配収1億円で収益もトントンだったらしいが)、戦国時代の設定はそのままにキャストを変えて続編も2作作られた。その後もリメイクの話が立っては消えということを繰り返していたが、2000年代に入ってからテレビドラマになっている。ただ、それは本来の設定とはかけ離れ、時代劇ではなく現代劇であった。やっぱりこの魔神が似合うのは現代ではなくチョンマゲの時代だ。次に作られるとしたらやはり時代劇でやってほしい。


 ちなみに、僕は高校卒業後、某専門学校に通っていたのだが、実は特撮・特技監督の黒田義之監督はそこの映像学科で非常勤の講師をされていた(某とか言って調べたらすぐわかるんだけど)。代表作の「妖怪大戦争」がリメイクされた少し後に、何かの講演で車椅子姿で出席されたのを、ネットか何かの写真で見たのだが、今はどうされているのかな? ちょっと懐かしく思った。


私の評価…☆☆☆☆★

|

« 「スター・ウォーズ」旧作の3D再上映計画が中止に | トップページ | アウトロー(トム・クルーズ主演版) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【映画は大映 第2弾】大魔神(1966年):

« 「スター・ウォーズ」旧作の3D再上映計画が中止に | トップページ | アウトロー(トム・クルーズ主演版) »