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2013年4月 3日 (水)

ひまわりと子犬の7日間

ひまわりと子犬の7日間
ひまわりと子犬の7日間
劇場:MOVIX京都
監督:平松恵美子
原案:山下由美「奇跡の母子犬」
音楽:寺嶋民哉
主題歌:ソナーポケット「花」
出演:堺雅人、中谷美紀、でんでん、若林正恭(オードリー)、夏八木勲、草村礼子、左時枝、近藤里沙、藤本哉汰、壇れい、小林稔侍、吉行和子、イチ(柴犬) 他


 《犬好きにはたまらない》


 2007年に宮崎県で実際に起こった感動の実話をベースに、山田洋次監督のもとで20年、助監督と共同脚本を手掛けてきた平松恵美子が初めて監督した作品。


 ある冬の寒い日、母犬と生まれたばかりの子犬が宮崎県東部保健所に収容される。母犬は近寄る人すべてに激しく吠え、懸命に子犬を守ろうとしていた。


 一匹でも多くの犬を助けるため、里親探しに奔走する職員の神崎彰司(堺雅人)は、母犬の心を開かせようと奮闘する。彼は母犬がかつて人に飼われ、愛されていたはずだと確信するが、母犬は心を許さない。彰司の娘・里美(近藤里沙)は、もう一度太陽の下で生きていけるよう、母犬に「ひまわり」と名付けるが、その願いも虚しく、犬たちの命の期限は刻一刻と近づいていたのだ…。


 僕の実家にも、飼っていた柴犬がいた。その犬は生後3か月頃から家にいて、16年経った今年の2月初めに老衰で亡くなってしまった。最後の1年は認知症を患ってしまい、足元も弱ってしまって、飼っている家の者も、周りの住民も大変だったと思うが、それでも諦めず最後まで一緒に居続けた。


 映画のように止むを得ない理由で手放さなければならない場合は、非常にやるせない思いがするのだが、人間の勝手で飼えなくなったり、何らかの理由で放たれ野犬化した犬は見つかり届け出があれば保健所で保護される。その数は日本で1年間に約87,000頭。保護される期間はたった7日間で、その間に新たな里親が見つかればいいのだが、殆どの場合は見つからず、3分の2に近い約53,000頭がガス室に送られ殺処分となる。実にショッキングな数字だ。


 この映画は実際に起こった実話がベースだが、当然母犬が保健所に保護されるまでの話は、誰も知る由もないので、夏八木勲と草村礼子が扮する老夫婦に飼われている冒頭の場面は映画オリジナルなのだろう。原作者となるはずの山下由美が“原案”となっているのも、恐らくそれが原因であると思う。だがこの映画、クライマックスを除けば一番ガツンと印象に残るのは、ほぼセリフ無しのサイレント映画のような演出で描かれるこの冒頭部分である。この犬にとっては恐らく一番幸せだった老夫婦との生活を描くことによって、後々の苦難なドラマが活きてくるのだ。母犬が神崎に対して心を開くきっかけとなるキーアイテムも、ここに出てくる。


 また、もう1つのサイドストーリーとして、妻と死別したシングル・ファーザーが子育てをしながら仕事と向き合い成長していく人間ドラマも描いている。つまり主人公自身もどこか臆病になっている部分があり、犬と関わる事で子供たちとも心を通いあわせていくのだ。


 ちなみに母犬を演じるのは、「マリと子犬の物語」でマリ役を演じた“名優犬”。人間に対して普通はやらない“演技”も的確にこなす姿は、訓練の賜物という他なく、実に素晴らしい。残念ながら唯一のミス・キャストがオードリーの若林。シリアスな話の中で彼はコメディリリーフとしてキャスティングされているワケだが、途中まではうまく機能していた。だが、肝心のクライマックスでの「奇跡だ!」は余計(というより邪魔か)。僕は、そこの部分でちょっと醒めてしまった。


私の評価…☆☆☆☆

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