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2013年5月26日 (日)

藁の楯

藁の楯
藁の楯
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:三池崇史
原作:木内一裕「藁の楯」
音楽:遠藤浩二
主題歌:氷室京介「NORTH OF EDEN」
出演:大沢たかお、松嶋菜々子、岸谷五朗、伊武雅刀、永山絢斗、本田博太郎、高橋和也、伊吹剛、音尾琢真、長江健次、四方堂亘、小沢和義、山口祥行、本宮泰風、蜷川みほ、諏訪太朗、菅原大吉、坂田雅彦、須藤雅宏、橋本一郎、吉沢眞人、余貴美子、新妻聡、中野裕斗、仁科貴、寿大聡、黒石高大、沖原一生、並樹史朗、野口雅弘、勝矢、藤井恒久(日本テレビアナウンサー)、菅谷大介(日本テレビアナウンサー)、桝太一(日本テレビアナウンサー)、佐藤啓、藤井利彦、市野瀬瞳、藤原竜也、山崎努 他


 《もしあなたなら、どんな行動をおこすのか》


 実写映画にもなった漫画「ビー・バップ・ハイスクール」の原作者きうちかずひろ氏の、小説家デビュー作。


 日本の財界を牛耳る大物・蜷川隆興(山崎努)の孫娘が惨殺された。容疑者は、8年前にも少女への暴行殺人を起こして逮捕され、出所したばかりの清丸国秀(藤原竜也)。全国指名手配され、警察による捜査が続くが、行方はわからないままだった。


 そんなある日、大手全国紙全てに「この男を殺してください。御礼として10億円お支払いします。」という前代未聞の見開き全面広告が掲載された。それは、並外れた財力とコネクションと実行力を持つ蜷川の、周到に練られた復讐の始まりの合図だった。「誰の目にも明らかな“人間のクズ”を殺せば、10億円が手に入る!」と、日本中が俄かに殺気立つ。


 新聞広告が掲載された直後、身の危険を感じた清丸は潜伏先から福岡県警に自首をした。清丸を東京の警視庁に移送するために選ばれたのは、警視庁警備部警護課SPから銘苅一基(大沢たかお)と白岩篤子(松嶋菜々子)、警視庁捜査一課から奥村武(岸谷五朗)と神箸正貴(永山絢斗)、福岡県警から関谷賢示(伊武雅刀)の精鋭5人。


 しかし、日本を縦断する清丸の移送は、予想をはるかに超える最悪の事態を引き起こす。旅客機による空路、高速道路や新幹線による陸路、あらゆる移送手段の前に立ち塞がる清丸の命を狙う群衆。殺人の現行犯として捕まったとしても、長引く不景気に困窮する国民にとって10億円はあまりにも大きな報酬だった。警視庁までの移送距離、1,200km。送検までのタイムリミット、48時間。敵の数、1億2千万人。ネット上では、どこから情報が漏れているのか、清丸の正確な現在位置を示すマークが点滅し続けている。


 もはや警察上層部も、自分たちの周囲を取り囲む機動隊も信用できない。いつ誰がどこから襲いかかってくるかわからない極限の緊張状態の中、5人のSPと刑事の孤独な戦いが続く。しかし、本当の敵は外部からの刺客ではなく、5人の中にある理性だった。移送中に、その残忍で狡猾な本性を露にする清丸を目の当たりにして、「この男に命懸けで守る価値はあるのか?」「それが本当の正義なのか?」と自問自答を続ける5人。そんな5人の苦悩を嘲笑う清丸。はたして、彼らは無事に清丸を警視庁に移送することができるのか?


 公に殺しを依頼するというのは荒唐無稽な設定だが、報酬に10億、未遂でも1億出すと聞いた人間全てが襲いかかってくるという異様な緊張感が漂ってくる、サスペンスフルな映画だ。


 さらに、ストーリーが進むにつれ、内部にも内通者がいるのではないかという疑心暗鬼も生まれ、緊迫感あふれる心理戦の様相も呈してくる。さらに、その人間のクズを守らなければならないSPもまた、心に何らかの傷を抱えているという、見るものをグイグイと引き込んでいく要素が、これでもかというほどある映画である。


 倫理感が欠如した犯罪者というキャラは、同じ監督で先に製作され物議を醸した「悪の教典」と共通するところがあると思うのだが、恐らく意外性を狙って“善役”のイメージが強い伊藤英明が演じ、あまり成功したとは言い難い結果となった「悪の教典」とは違って、どちらかというとアンチヒーロー的な主役を演じることが多い藤原竜也を起用したのは、これはもう間違いなく大正解である。彼の舞台仕込みの演技力は、映画やテレビでは、こういった強烈なインパクトのある役を演じることで活かされるのだ。


 警護する側も、それぞれ魅力的なキャスティングだが、よくよく見ればこのSPたちは、よく作戦ミスをして観ているこっちをハラハラさせてくれる。もちろん、そうでなければストーリーが成り立たなくなるのはわかっているが、しっかりしろよとでも言いたくなってしまう。


 他にも、撮影許可がおりなかった新幹線でのシーンを撮るために、わざわざ台湾までロケをしにいって撮ったがために、山陽新幹線のルート(小倉〜新神戸間)を、なぜか黄色いボディの台湾新幹線が走るという、ワザと挿入したとしか思えないようなシーンがあったり、以外とツッコミどころが満載な映画。殺伐としたなかでも、どこか笑える三池監督の特色が強く出ている映画だと思った。


私の評価…☆☆☆☆

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コメント

こんにちわ。今日、観てきました~♪内容は重かったけど、
面白かったです(*^^*)
ブログの更新楽しみにしてます。頑張って下さいね♪

投稿: れみ | 2013年6月 6日 (木) 16時29分

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