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2013年5月21日 (火)

【特撮魂! 映画職人の夢と汗】新諸国物語 笛吹童子

新諸国物語 笛吹童子
新諸国物語 笛吹童子
劇場:京都文化博物館(第1部どくろの旗 第2部妖術の闘争 第3部満月城の凱歌 連続上映)
監督:萩原遼
原作:北村壽夫「新諸国物語 笛吹童子」
主題歌:テイチク・ミチル児童合唱団「笛吹童子」/荒川文子「まぼろしの笛」
出演:東千代之介、中村錦之助、月形龍之介、大友柳太朗、田代百合子、高千穂ひづる、河部五郎、清川荘司、島田照夫、松浦築枝、水野浩、楠本健二、五月蘭子、吉田義夫、千石規子、高松錦之助、かつら五郎、六条奈美子、八汐路恵子 他


 《40代以上の人には馴染みのある物語の実写映画版》


 中村錦之介の東映入社第1作で、1952年放送開始のNHKラジオドラマ「新諸国物語」の第2章。


 丹波の国、満月城の城主・丹波修理亮の2人の息子は明国に留学し、兄の萩丸(東千代之介)は武芸を、弟の笛吹童子と呼ばれる菊丸(中村錦之介)は面作りを学んでいた。不吉な前兆に帰国した兄弟は、野武士・赤柿玄蕃(月形龍之介)によって満月城が滅ぼされ、父が自害したことを知らされる。荒涼たる都の有様を見た菊丸は家老の上月右門(清川荘司)と共に満月城へ乗り込むが、捕われてしゃれこうべの面を被せられた。一方右門は、斑鳩隼人(楠本健二)に危急を救われたが、それにより隼人と桔梗(田代百合子)が密告者として、仕置き場に引き出される。もはや2人の運命は風前の灯火…と、その時、嵐の中から霧の小次郎(大友柳太郎)が現れ、2人を妖術で消してしまう…。(第1部 どくろの旗 あらすじ)


 1952年から始まったNHKのラジオドラマ「新諸国物語」は第1作「白鳥の騎士」から1年ごとに時代や設定を変えて、善の白鳥党と悪のしゃれこうべ党の時代を超えた戦いを描いたシリーズドラマで、ラジオドラマ版は最終作の「黄金孔雀城」(1960年)まで、途中2年間のブランクを除き7年間続いた。初期の3作である「白鳥の騎士」、「笛吹童子」、「紅孔雀」は後にNET(現・テレビ朝日)系でドラマ化され、「白鳥の騎士」は新東宝、本作と「紅孔雀」は東映で映画化された。「笛吹童子」は1977年にNHKで人形劇が放送されており(大ヒットした人形劇「プリンプリン物語」の前番組である)、僕はこれを再放送で(さすがに本放送だと小学校にも入っていない年齢なので)見ていた記憶が微かにある。


 “ヒャラーリ、ヒャラリコ”の歌詞で有名な主題歌は、この映画版でも使われており、これを聞くと人形劇版で馴染みがあるためか、何だか子供の頃にかえったような、懐かしい感じがするのである。


 今回この京都文化博物館フィルムシアターでは、大正時代〜昭和30年代までの日本の特撮映画を特集して上映しているが、やはりCGばかり使った今の映画と違って、技術的にはチャチなものながら、限られたものでファンタジーを表現しようとする職人技を堪能できるという面白さがある。映画冒頭部分にある「十戒」の紅海割れにも劣らない(笑)スペクタクルシーンや、大友柳太郎の登場シーンなど、特に第1部には特撮の見所がたくさん詰まっている。


 ちなみに東映は、今でもだが当時はより他社に比べて直営の映画館が極端に少なく、地盤も不安定で、この頃は長編1本をメインに、1時間程度の中編を週替わりで上映する2本立ての形態をとっていた。本作もその中編の作品で、1部につき約50分程度の長さである。このため、ストーリー進行に無理矢理な面が所々あるのだが、当時これは正月興行だったこともあり、劇中の2人の“美少年兄弟”に人気が集中、当時としてはスリルとスピード感溢れる演出で、少年層を中心に大ヒット。これには製作・配給した東映も予想外だったようである。


 できれば次作の「紅孔雀」もスクリーンで見てみたいのだが、どこかで上映してくれないかな。


 来週の日曜日の上映は中川信夫監督の新東宝映画「東海道四谷怪談」なので、こちらも、観に行きたいねぇ!


私の評価…☆☆☆☆

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