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2013年5月15日 (水)

〈新・午前十時の映画祭〉メリー・ポピンズ

メリー・ポピンズ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ロバート・スティーヴンソン(実写パート)、ハミルトン・S・ラスク(アニメパート)
音楽:ロバート・B・シャーマン、リチャード・M・シャーマン
原作:パメラ・トラバース「風に乗ってきたメアリー・ポピンズ」
出演:ジュリー・アンドリュース、ディック・ヴァン・ダイク、デヴィッド・トムリンソン、グリニス・ジョンズ、カレン・ドートリス、マシュウ・ガーバー、エド・ウィン、ハーミオン・バドレー、リタ・ショウ、レジナルド・オーウェン、ドン・バークレー、アーサー・トリーチャー、エルザ・ランチェスター、ジェーン・ダーウェル、アーサー・マレット、ダラス・マッケノン、ドーズ・バトラー、J・パット・オマリー 他

※写真はリバイバル時のチラシ


 《ストーリーよりも映像技術が印象に残る》


 1964年度の米アカデミー賞で、最優秀女優賞など5部門受賞、2004年にはウエスト・エンドでミュージカル舞台化(2年後ブロードウェイ進出 日本ではまだ上演されていない)された名作ミュージカル映画。1983年には当時のソビエト連邦で映画化されている。


 1910年のロンドン。仕事中毒の両親を持つジェーン(カレン・ドートリス)とマイケル(マシュウ・ガーバー)のもとに、2人が夢に描いた理想のナニー(=乳母)メリー・ポピンズ(ジュリー・アンドリュース)が風に乗ってやってくる。彼女は得意の魔法で家事をこなし、煙突掃除人のバート(ディック・ヴァン・ダイク)と共に子供たちを奇想天外なファンタジーの世界へと誘う。彼女の魔法は、子供たちだけでなく仕事に魂を売った大人たちの心も開いていく…。


 ジュリー・アンドリュース主演作としては、「サウンド・オブ・ミュージック」と共に人気が高い本作。ただ、「サウンド〜」に比べて本作がどうしてもランク下に見られてしまうのは、無邪気さの強さに対して大人の立場の脆さを示した原作から換骨奪胎し、ファンタジーの部分だけを強調したものになってしまっているのが原因か。こういうのを見ると、ディズニー映画の原作改変というものは、ずっと昔からあったものなのだというのを痛感する。


 原作小説を映画、あるいはドラマ化する上で、作品的な見栄えを良くするための脚色は、とても大事な事だが、その脚色が本来の原作のイメージまで変えてしまうようなことは、好ましくはない。この作品も良くも悪くもだが、今は原作よりもこちらの映画のイメージの方が強いのではないか。


 ただ、CGなど無い時代に、当時としては最新の映像技術を駆使し撮影された映像は見事というほかにない。メリーが雲の上からふわりと地上に降りてくる場面は恐らく書き割りとクロマキーでの合成だろうが、スタジオ撮影を感じさせないクオリティーだし、ディズニーが以前から実験的にやっていた実写とアニメーションの合成(ジーン・ケリーと「トムとジェリー」のジェリーが同じ画面で踊るなんて映画あったっけ)も、ここに結実するのである。


 後世に歌い継がれる名曲も誕生。アカデミー歌曲賞を受賞した「チム・チム・チェリー」はスタンダードナンバーとなっているし、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」はディズニーランドでは定番曲だ。


 そんな訳でこの映画は、大人目線で見ればストーリーは他愛ないものだが、どこか物悲しい旋律が耳に残る名曲と、当時としては画期的な映像技術が印象に残る映画なのである。


私の評価…☆☆☆☆★

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