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2013年6月 1日 (土)

死霊のはらわた(2013)

死霊のはらわた(2013<br />
 年版)
劇場:MOVIX京都
監督:フェデ・アルバレス
製作・脚本:サム・ライミ
音楽:ロケ・バニョス
出演:ジェーン・レヴィ、シャイロ・フェルナンデス、ジェシカ・ルーカス、ルー・テイラー・プッチ、エリザベス・ブラックモア、ブルース・キャンベル(カメオ出演) 他


 《オリジナル版を超える(?)“秀作”》


 1981年に公開され、スプラッター映画ブームを巻き起こし、サム・ライミの出世作となった同名タイトル映画のリメイク。オリジナル版にはあったコメディ要素がほぼ排除され、よりスタイリッシュに生まれ変わった。


 薬物依存症の妹・ミア(ジェーン・レヴィ)のリハビリのため、ミアの兄(シャイロ・フェルナンデス)や友人たち男女5名は山奥の不気味な小屋を訪れる。そこで彼らは禁断の「死者の書」を発見。「決して開けてはならない」という忠告を破った結果、邪悪な死霊を甦らせてしまう。やがて姿なき死霊に憑依され豹変したミアは、うわごとのように恐ろしい言葉を吐き続け、見るも無残な姿となって仲間たちに襲いかかっていく。閉ざされた森から出ることも助けを呼ぶこともできず、次々と死霊に取り憑かれていく若者たち。果たして彼らに生き残る術はあるのか…。


 つい最近、「キャビン」という映画が公開され、このブログでも感想を書いたが、あれはこの映画のパロディが、たっぷりと入っていた映画であった。対してこちらは“正統派リメイク”、さすがに同じ手は使えないと見たのか、オリジナル版の特徴だった笑いの部分を無くし、怖さの際立つ映画に仕立てあげた。


 32年前のオリジナル版は、製作費僅か17万ドルの16mmフィルムによる超低予算映画。対してリメイク版はオリジナル版の500倍近い1700万ドルの予算(これでもハリウッド映画の製作費としては高くないが)でシネスコの大画面である。予算がかかっていればCGも使っているようにも見えるが、実はCGは一切使われておらず、リアル感たっぷりである。


 元々がシンプルなプロット等は、変えようがなかったのか、ほぼそのままだが、主人公らが山奥の薄汚いコテージを訪れる理由付けや、過去の忌まわしい事件など、背景が綿密に描き込まれている分、一級のホラーとして観ることができる。リメイク版の致命的なところは、オリジナル版を観ていればストーリーが分かってしまっているので、展開次第では先が読めてしまうのだが、本作は先が読めても見せ方が上手く、それでいてライミへのリスペクトもたっぷり描かれているので、オリジナル版のファンもまた、新たな恐怖とある種の“痛み”を感じ取ることができるのだ。


 後半は徐々にライミ版から離れていくが、この監督の“ホラー愛”がこれでもかと描かれるため、見せ場が多く、飽きさせない作りになっている。リメイク版というものは、その殆どがオリジナル版より評価が下に見られがちだが、本作はリメイク版としては珍しい秀作だ。


 なお、エンドロールの後に、オリジナル版ファン向けのサプライズがあるので、終わったと思っても絶対に席を立たないように。ちなみに本国では作品の評価が高く、ヒットしたため既に続編の製作に取りかかっているとのこと。オリジナル版にも続編は2作あったが、さてこのリメイク版の続編は、一体どういう展開になるのか? 楽しみである。


私の評価…☆☆☆☆

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