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2013年8月17日 (土)

〈新・午前十時の映画祭〉タワーリング・インフェルノ

タワーリング・インフェルノ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ジョン・ギラーミン
製作・アクションシーン監督:アーウィン・アレン
原作:リチャード・マーティン・スターン「ザ・タワー」、トーマス・N・スコーシア、フランク・M・ロビンスン「ザ・グラス・インフェルノ」
音楽:ジョン・ウィリアムズ
主題歌:モーリン・マクガヴァン「We May Never Love Like This Again」
出演:スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン、ウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ、フレッド・アステア、スーザン・ブレークリー、リチャード・チェンバレン、ジェニファー・ジョーンズ、O・J・シンプソン、ロバート・ヴォーン、ロバート・ワグナー、スーザン・フラネリー、シーラ・アレン、ノーマン・バートン、ジャック・コリンズ、ドン・ゴードン、フェルトン・ペリー、グレゴリー・シーラ、アーニー・F・オルサッティ、ダブニー・コールマン、ノーマン・グラボウスキー、ロス・エリオット、オラン・ソウル、カリーナ・ガワー、マイク・ルッキンランド、キャロル・マケヴォイ、スコット・ニューマン、ポール・コミ、ジョージ・ウォレス、ウィリアム・バセット、ジョン・クロウフォード、エリック・L・ネルソン、モーリン・マクガヴァン、ジョン・モイオ、ジェニファー・ローズ、ウィリアム・トレイラー 他


 《'70年代パニック映画の中でも最高傑作》


 1974年製作(日本では翌年公開)の映画。'70年代は様々なパニック映画が量産されたが、この映画はその中でも最高傑作といわれる作品。今では珍しくなくなったが、アメリカ映画史上初のワーナーと20世紀FOXという2大メジャー配給会社による共同製作(当初は別々の原作を映画化する企画だったが内容と公開時期が似通っていたので1つにまとめられた)で、両社に所属していた人気俳優が大挙出演する賑やかなオールスター映画となった。ただし、配給権がアメリカではFOX、それ以外の海外ではワーナーと分担されたため、日本ではなかなかリバイバル上映されにくいものとなっている。


 サンフランシスコの空にそびえ立つ138階建ての世界一高い超高層ビル“グラス・タワー”が落成の日を迎えた。設計者のダグ・ロバーツ(ポール・ニューマン)とオーナーのジム・ダンカン(ウィリアム・ホールデン)は、屋上に立って眼下に広がる市の光景を見下ろしていた。工事主任のギディングス(ノーマン・バートン)と打ち合せを済ませたロバーツは婚約者のスーザン・フランクリン(フェイ・ダナウェイ)と久しぶりに2人だけの時間をもった。惨事は、その時既に始まっていた。“グラス・タワー”の地下室にある発電機が故障したため主任技師のキャラハンが予備の発電機を始動させたとたんショートし、81階にある物置室の配電盤のヒューズが火を発し、燃えながら床に落ちた絶縁体の破片が発動機のマットを燻らせ始めたのだ。保安主任ハリー・ジャーニガン(O・J・シンプソン)の緊急報告を受けたロバーツは配線工事が自分の設計通りに行われていないのに憤然として、落成式の一時中止をダンカン企業の広報部長ダン・ビグロー(ロバート・ワグナー)
に申し入れたが、ダンカンは拒絶した。しかしその時81階では火が大きく拡がりはじめていたのだ。ロバーツはダンカンの義理の息子であるロジャー・シモンズ(リチャード・チェンバレン)に会い、ビルの配線工事を担当した彼の配慮不足を責めたが、後の祭りだった。一方、火災の発生をまだ知らない“グラス・タワー”の借間人たちは落成式パーティの準備に浮き足立っていた。1階から80階までがオフィス用、それから上は住宅用に作られたこのビルには、既に様々な人が住み着いていた。


 例えば90階に住むハリー・クレイボーン(フレッド・アステア)は株専門の詐欺師だ。彼は同じ階に住む富豪未亡人リゾレット・ミューラー(ジェニファー・ジョーンズ)に眼をつけ、うまく話をまとめて一儲けしようとしていた。外部からの招待客もそうそうたる顔触れで、上院議員ゲイリー・パーカー(ロバート・ヴォーン)などがいた。入口のリボンが切られると、人々は135階のプロムナード・ルームへ直行し、全てのライトが灯され“グラス・タワー”の全容は夜空にクッキリとあらわれた。だが出火した火は拡がり、ロバーツは消防署に急報した。連絡を受けた消化隊は隊長のマイケル・オハラハン(スティーブ・マックイーン)の統率のもと、程なくビルに到着。彼は直ちにロバーツと“グラス・タワー”の設計図を検討し、79階に司令センターを設置、ダンカンに緊急避難を命じた。火が他に移り始めてエレベーターにも危険が迫っていることを察知したオハラハンは展望エレベーターを利用するよう命じたが既に大混乱が始まっていた。地上からの救援だけで
は間に合わないことを知ると、オハラハンは海軍のヘリコプターに空からの救援を依頼したが、強風で近づくことができず、辛うじて近づいた一機もビルに激突し炎上。“グラス・タワー”は今や完全にひとつの巨大な溶鉱炉と化していたのだ…。


 今回の「新・午前十時の映画祭」の中で、一番観たかったのが、このパニック巨編である。実はこの映画、この映画祭の第1回をやる時に、インターネットによるリクエスト投票が行われていたのだが、そこでもベスト20位内に入り上映が待たれていたのだ。


 ただ、やはり上記の理由のため、権利関係がなかなか取れなかったのか、上映が見送られてきた。それがデジタルになって遂に実現。これは嬉しい事である。


 当時を代表するパニック映画は他にも「大空港(エアポート)」シリーズや、最近になってリメイクされた「ポセイドン・アドベンチャー」と「サブウェイ123」、「大地震」等があるが、豪華な出演者や作品の完成度といった点では本作が群を抜いている。


 何てったって、当時としては殆ど有り得なかった、ライバル映画会社所属の俳優たちが同じ画面で共演している(主演級の俳優1人がレンタル契約で他社作品に出演するケースは時々あったが)のが観られる訳である。例えばFOX所属のポール・ニューマンとワーナー所属のスティーブ・マックイーンとの夢のW主演。そのニューマンとこれまたワーナー所属のフェイ・ダナウェイが恋人同士の設定で、しかもキスシーンまであるという、ファンにとっては最高に贅沢な映画である。


 また、オールスター映画というと、昔の東映時代劇にもそういう類のものがあったが、製作者を悩ませるのが、スター俳優の扱われ方。本作は「グランドホテル形式」と呼ばれる、メインキャラクターそれぞれにスポットを当てる方法がとられ、スター俳優には必ず1シーンは名場面が割り振られた。


 数ある名場面の中でも僕が好きなのは、やっぱりミュージカル映画好きなのでアステア御大のラストシーンかな。この映画は実質的にアステアの遺作になるのだが、保安主任ハリーからリゾレットが飼っていて逃げのびた猫を渡され、彼女の死を知る場面は切ない。


 オハラハンとダグの最後のやりとりも心に残る。オハラハンの最後のセリフが現実と化している今、人命を軽視するようなものを作ることは、当たり前だがやってはならないのだ。


 これを機に津波による客船の転覆を描いた「ポセイドン・アドベンチャー」や、緊迫の展開の中、お婆ちゃん詐欺師の行動が面白くて、観るものをホッとさせてくれる「大空港」もスクリーンで観たいんだが…。上映される機会はあるのかなぁ?


私の評価…☆☆☆☆☆

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映画「タワーリング・インフェルノ」を鑑賞しました。 午前十時の映画祭にて パニック映画の名画にして大作! とはいえ ストーリー運びや描写は時代を感じるが・・・ しかし その迫力は伝わるし、CGでは出せぬ実写だからこその本物感はあり ハラハラドキドキできますね ...... [続きを読む]

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