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2013年8月31日 (土)

終戦のエンペラー

終戦のエンペラー
終戦のエンペラー
劇場:MOVIX京都
監督:ピーター・ウェーバー
原案:芥川保志
原作:岡本嗣郎「陛下をお救いなさいまし 河井道とボナー・フェラーズ」
主題歌:米良美一「Can You Hear?」
出演:マシュー・フォックス、トミー・リー・ジョーンズ、初音映莉子、西田敏行、羽田昌義、片岡孝太郎、伊武雅刀、夏八木勲、中村雅俊、火野正平、桃井かおり 他


 《この時期だから観られる、考えさせられる映画》


 第二次世界大戦終戦直後の戦後処理の史実を元に、フィクション交えながら描く映画。主要な撮影はニュージーランドで行われ、勿論、日本国内での撮影もされている。初めて皇居内の撮影も許可され、敢行された。


 1945年8月30日、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の司令官としてダグラス・マッカーサー(トミー・リー・ジョーンズ)が日本に上陸。彼は日本文化に精通している部下ボナー・フェラーズ(マシュー・フォックス)に、太平洋戦争の真の責任者を探し出すという極秘任務を下す。僅か10日間という期限の中、懸命な調査で日本国民ですら知らなかった太平洋戦争にまつわる事実を暴きだしていくボナー。遂に最大ともいうべき国家機密に近づくが、彼と敵対するGHQのグループや日本人たちの一団が立ちはだかる…。


 これもまた、「風立ちぬ」と同じく、史実の中にフィクションを混ぜて描いたものである。異国の文化というのはわかりにくいもので、日本の文化をヘンなふうにとらえたアメリカ映画は多いのだが、これはまだマシな方か。フィクションGHQ将校と日本人女性との恋物語は、本筋とはあまり関係ないので少々退屈だが、史実だけを描いたのではドラマ性が失われ、娯楽作品としての映画ではなくなってしまうので、観客を感情移入させるために必要だったのだろう。


 結果として無難にまとまっているのはいいのだが、その分印象は薄くなった。日本人キャストが頑張っているのは勿論いいことなのだが、やっぱり特に印象に残るのは夏八木勲か。残念ながら彼の遺作になってしまい、撮影時にはかなり病も進行していたとは思うのだが、出番は少ないものの、演技からは気迫が十分に伝わってきた。


 ちなみに、「風立ちぬ」を観にいった時も感じたが、やはりこういう映画の客層は年配の人が中心である。これは大変残念なこと。勿論悪いわけではないのだが、こういう映画だからこそ、またせっかく夏休みに公開しているからこそ、戦争を知らない世代、特に10〜20代の若い世代に観てもらって、当時の日本や世界のこと、そして(皮肉を込めて)現代のアメリカ(笑)を感じ取ってほしいのである。TVドラマの延長線上の映画や、ネットで酷評されている懐かしアニメの実写版を頭カラッポにして観るのもいいのだが(←全部自分がやったこと)、やっぱり時にはじっくり考えるのもいいのだ。


私の評価…☆☆☆★

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