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2013年9月

2013年9月28日 (土)

貞子3D2

貞子3D2
貞子3D2
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:英勉
原作:鈴木光司「エス」
音楽:川井憲次
主題歌:東方神起「SCREAM」
出演:瀧本美織、瀬戸康史、大沢逸美、平澤宏々路、大西武志、石原さとみ(特別出演)、山本裕典、田山涼成 他


 《おフザけが過ぎた前作よりはマシだが》


 前作「貞子3D」の5年後を描いた続編。瀧本美織は映画初主演。


 謎の大量死を引き起こした「呪いの動画」事件から5年。安藤孝則(瀬戸康史)と鮎川茜(石原さとみ)の間には一人娘・凪〈なぎ〉(平澤宏々路)が生まれていた。出産後に茜は死亡し、孝則は妹の楓子〈ふうこ〉(瀧本美織)に凪を預け、「呪いの動画」による死亡事件が再び頻発。楓子はその死が必ず凪の周りで起こっていると気付く。そして自ら5年前の事件を探り当時の首謀者で死刑囚の柏田清司(山本裕典)に面会した楓子は、「貞子」そして「貞子の子」について聞かされる。


 これ以上隠し通せないと気付いた孝則は、ついに楓子に打ち明ける。それは「呪いの動画」、茜の死と凪に関わる驚愕の事実であった。だが死の連鎖は一向に収まらず、街には長い髪の女が大量に出現し始めるのだった…。


 コメディ映画の監督が撮ったことで、貞子が最後には“妖怪テケテケ”になるなど、少々おフザけが過ぎ、ホラーなのに全く怖くなかった前作。その反省を踏まえてか、そんなブッ飛んだ演出は控えめになり、幾分シリアスにはなった。ただ、この映画も全く怖くない(笑)。


 キャスティングを見てもティーン向けにしたいのはミエミエで、これはまぁ仕方ないなとも思うのだが、だったらR−18かR−15あたりのレイティングを目指して作ればいいではないか。でもどの年齢層の取り込みを目論んだのかは知らないが、結局この映画はPG−12での公開。一応ホラーだよこれは! それを親子で楽しめってのかね(笑)。逆に言えば過激な描写が皆無ってこと。個人的な感覚で言えば、やっぱりホラー映画というものは最初から観る人を選ぶものであり、多少なりとも怖い演出でないといけない。そのためには、観客が限られるつまり興行収入に多少影響することを覚悟の上で、製作しなければならない。これはホラー映画に限らず最近の日本映画によくあるパターンだが、作品内容の善し悪しより、興行面での影響を考慮したキャスティングの映画が多すぎる。他のジャンルならともかく、ホラー映画はそんな心構えで作られると、決していいものは作れないのではないか? キャストを若者向きにしたところで、R指定を逃れるようなものを作っても、映画フ
ァン以外は見向きもしないと思う。


 本作は、スマートフォンと連動した“スマ4D”版が公開されていて、専用アプリをダウンロードして観ると、スマホに様々な仕掛けが現れるということだが、はっきり言おう! そんなものはそのままじゃ本格的に怖い映画が作れないから、話題性を得るためにやっている姑息な手段だ。


 だいいち、スマホ観ながらスクリーンを観る。そんな器用なことができますか? まぁ、最近の若者はケータイ見ながら自転車や自動車運転したりしているのだから、できるのかもしれないが、ちっともスクリーンに集中できないだろう。しかもこのアプリ、電話帳機能を乗っ取ったり、夜中の0時に突然貞子から電話がかかってきたりという、とっても迷惑(ほぼウイルス同然じゃねーか!)な仕掛けがあるらしい。それ以前に、映画を観ようとする側からすれば、バックライトがチカチカするのも迷惑だ。こんなのが罷り通るのはイヤなので、こんな映画はヒットしないでほしい。ま、さほど客は入っていないようだけど。


私の評価…☆★

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2013年9月27日 (金)

アップサイドダウン 重力の恋人

アップサイドダウン 重力の恋人
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:フアン・ソラナス
音楽:ブノワ・シャレスト
出演:キルスティン・ダンスト、ジム・スタージェス、ティモシー・スポール 他


 《K・ダンストはこういうSF映画だと、とってもキュートに見える》


 アルゼンチン映画の巨匠、フェルナンド・F・ソラナス(「スール/その先は…愛」など)の息子、フアン・ソラナスが描く、幻想的なSFラブ・ストーリー。


 太陽系の惑星のひとつに、正反対に引力が働いている双子の惑星があった。この二つの星のうち、“上の世界”には富裕層が住み、貧困層の集まる“下の世界”から燃料を搾取しており、二つの世界の住人は互いの星との交流を禁じられていた。下の世界に住むアダム(ジム・スタージェス)は上の世界のエデン(キルスティン・ダンスト)と恋に落ち、荒れた丘で人知れず逢瀬を重ねていた。しかし警備隊に見つかり、逃げようとしたエデンは頭を強打し意識不明に。そして捕まったアダムは、上の世界と通じた罰として家を焼き払われる。それから10年後、ふとしたことからアダムはエデンが生きていることを知る。エデンに会うために、2つの世界を唯一繋ぐトランスワールド社へ入社し、命懸けで上の世界に潜入するが…。


 これはまた斬新で切ないラブ・ストーリーだ。このところ身分違いの恋や、貧富の差を乗り越えようとする話を描いた映画がやたらと多いのだが、この映画はその中でも特に異色の設定で描かれたものといえよう。


 何せ、舞台は二つの異なる重力を持つ惑星で、この映画のポスターやチラシのデザインのように、異なる身分の者が出会う時は、互いが逆さまの状態で会うのである。このビジュアルが何とも不思議で、しかも美しい。


 観る前は、2人の役名から宗教色の強い映画なのかなと思っていたが、特にそのような感じは無く、ユダヤ教やキリスト教など特に詳しくなくても十分楽しめる。宗教に無理矢理こじつけるなら、映画の中では産まれてこないが、エデンが身籠る子供の名前は、やっぱりイヴになるのかな。


 ヒロインのキルスティン・ダンストは特に美形では無いが、日本では去年公開された「メランコリア」(ラース・フォン・トリアー監督)など、特にSF色の濃い映画では可愛く写る。意外にもジム・スタージェスの方がちょっと年上(ジム=35歳、キルスティン=31歳)なのだが、子役の時のイメージもあるためか、大人の恋物語という感じではなく、少し下の世代も含めた若者の恋物語という感じで結末も良く、観終わった後久々に気分の良くなる映画であった。


私の評価…☆☆☆★

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2013年9月25日 (水)

ガッチャマン

ガッチャマン
ガッチャマン
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:佐藤東弥
原作:タツノコプロ「科学忍者隊ガッチャマン」
音楽:ニマ・ファクララ
主題歌:BUMP OF CHICKEN「虹を待つ人」
出演:松阪桃李、綾野剛、剛力彩芽、濱田龍臣、鈴木亮平、岸谷五朗、光石研、初音映莉子、中村獅童、新上博巳、Yumiko、川本耕史 他


 《原作テイストも何もない駄作》


 1972年10月から約2年間テレビ放送され、平均視聴率が20%を超えた人気アニメが実写映画化。日本テレビ開局60周年、日活創立100周年、タツノコプロ創立50周年記念超大作である。


 21世紀の初め。謎の侵略者によって僅か17日間で、地球の半分は壊滅状態に陥った。絶滅を回避するため、人類は最後の望みをあるモノに賭けた。それは〈石〉と呼ばれる不思議な結晶体。〈石〉の力を引き出せる「適合者」は800万人に1人。人類は「適合者」を探し集め、施設に収容し、特殊エージェントとして訓練を強制した。侵略者を殲滅するための、究極の並記にするために…。


 現代に蘇った、〈石〉を操りし忍者。その名は、「ガッチャマン」。


 ガッチャマンが装着する特殊スーツは、攻撃・防御能力に加えアクションにも耐えうる柔軟性を加味して開発された、究極のパワードスーツ。パワーと機能美を追求した「Gスーツ」を纏った彼ら「人間兵器」は、人類を救うことができるのだろうか…!


 タツノコプロのアニメの実写化といえば、約3年前の「ヤッターマン」(三池崇史監督/櫻井翔・福田沙紀主演)が記憶に新しいところだが、実はそれと同時に製作がアナウンスされていたのが、これ。「ヤッターマン」がアニメ版の設定をさほど変えずに作っていたのに対し、この実写版「ガッチャマン」は、アニメ版の設定を全てリセットし、全く違うものとして作るという、原作ファンに対して些か挑発的な態度で作られた代物だ。


 本来ならば雌雄同体である(インターネットの映画評でよく間違われているが、決してオカマではない)悪役のベルクカッツェが、映像では表現しにくいのか、男でも女でもなれる世襲制になっていたのは、まだ仕方ないにしても、ストーリーに社会問題などを巧みに織り込んでいた原作アニメとは違い、なぜかツンデレ中二病キャラになってしまったジュン(剛力彩芽)にオリジナルキャラを絡めた三角関係が描かれたり、松阪桃李以外はアクションに不慣れな俳優を起用したためか、アクション映画の筈なのに、肝心のアクションが控えめになってしまったりと、原作ファンを完全に裏切るものになっている。


 ただ、VFXの完成度は高い(全世界が壊滅しているのに東京だけ平穏なのも変だが)。変なコメディにもなっていないから、アニメの実写化としては現時点で史上最悪の原作大改悪作「デビルマン」に比べりゃはるかにマシだが、取って付けたかのような“科学忍法火の鳥”は何とかしてほしかった。


 要するに脚本がダメダメなのだ。たぶんアニメ版をまともに観たことのない奴が書いているに違いないのだが、それ以前に映像やナレーションで処理できる筈の「説明セリフ」も多すぎるし、ギャラクターの組織を操る総裁Xも出てこないし、厚かましくもエンド・ロール後に続編を示唆する場面がついているが、もし作るのなら設定をアニメ版寄りに戻してほしい。まぁ、週末興行収入ランキングを見ると大コケは確実で、続編製作は反故にされるだろうけど。


私の評価…☆

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2013年9月22日 (日)

スター・トレック イントゥ・ダークネス 3D

スタートレックイントゥ・ダークネス 3D
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:J・J・エイブラムス
音楽:マイケル・ジアッキーノ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):クリス・パイン(阪口周平)、ザカリー・クイント(喜山茂雄)、ベネディクト・カンバーバッチ(三上哲)、カール・アーバン(宮内敦士)、ゾーイ・サルダナ(栗山千明)、サイモン・ペグ(根本泰彦)、ジョン・チョー(浪川大輔)、アントン・イェルチン(粟野志門)、ブルース・グリーンウッド(田中正彦)、ピーター・ウェラー(仲野裕)、アリス・イヴ(行成とあ)、レナード・ニモイ(菅生隆之) 他


 《リブート物の手本となるべき映画》


 アメリカの人気TVドラマシリーズの劇場版第12作で、リブートされた2009年の「スター・トレック」の続編。位置付けとしては、TVドラマ版初期シリーズの“パラレルワールド”に繋がっていく(?)、前日譚となっている。


 西暦2259年。ジェームズ・T・カーク(クリス・パイン)率いるUSSエンタープライズは、未開の惑星「ニビル」の探査中に予期せぬ地殻変動に巻き込まれる。原住民と副長スポック(ザカリー・クイント)を危機から救うため重大な規則違反を犯すカーク。地球に戻った彼は船長を解任されてしまう。同じ頃、ロンドンの宇宙艦隊データ基地が爆破され、多数の死傷者を出す。その報を受け、サンフランシスコの艦隊本部に招集されたカークたち。事件の真犯人は艦隊士官のジョン・ハリソン(ベネディクト・カンバーバッチ)と判明、マーカス提督(ピーター・ウェラー)は直ちにハリソンの捕獲を命じる。だが次の瞬間、会議場に銃弾が降り注ぐ。武装小型機に乗ったハリソンの奇襲だった。激しい攻防の末、カークは小型機を撃退するが、ハリソンは転送によって逃亡。カークが父の様に慕っていたパイク提督(ブルース・グリーンウッド)は命を落としてしまう。パイクの仇を討つため、ハリソンの潜むクロノスに乗り込むカーク。だがそこに待ち受けていたのは、復讐に燃えるハリソンの冷酷な罠だった。なぜハリソンは、たったひとりで戦争を仕掛けてきたのか。その隠された過去とは? そして地球の未来と引き換えにカークが、エンタープライズが、そして人類が払わなければならない代償とは…?


 僕はこのシリーズには特に拘りなどもっていないのだが、前作同様映像美とストーリーテリングには圧倒されっばなしであった。


 シリーズ屈指の悪役カーンが登場するとは、思ってもいなかったが、その登場の仕方が見事だったし、人物の相関にアメリカとウサマ・ビン・ラディンそしてアルカイダのような対立関係を盛り込んだ点も秀逸。ハリソンが艦隊本部を奇襲するシーンは、あの9・11を思い起こさせるようなカットで構成されている。


 前作からのファンは勿論、旧シリーズのファンも楽しめるよう工夫がされているのだが、旧シリーズとは若干構成が異なっている。このため、旧シリーズのファンは“パラレルワールド”として楽しめればいいだろう。前作からのファンは旧シリーズの第2作と3作あたりを見比べてみれば、シリーズの奥深さを堪能できると思うのだが。


 さて、このエイブラムス監督、次は「スター・ウォーズ」新シリーズの監督にすでに決定している。監督自身「それほど思い入れがない」と言い切った「スター・トレック」をこれだけキッチリ仕上げたのだから、新「スター・ウォーズ」も、完成まで何年かかるか分からないが、十分期待できよう。こっちの方も楽しみである。


私の評価…☆☆☆☆★

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2013年9月19日 (木)

タイピスト!

タイピスト!
劇場:京都シネマ
監督:レジス・ロワンサル
音楽:ロブ、エマニュエル・ドルランド
出演:ロマン・デュリス、デボラ・フランソワ、ベレニス・ベジョ、ショーン・ベンソン、ミュウ=ミュウ、メラニー・ベルニエ、ニコラ・ブドス、エディ・ミッチェル、フレデリック・ピエロ、フェオドール・アトキン、マリウス・コルッチ 他


 《「マイ・フェア・レディ」+「ロッキー」》


 1950年代のフランスを舞台に、タイプライターの早打ち以外には取り得のないヒロインが、タイプ早打ち世界大会優勝を目指して奮闘するラブコメ。


 1950年代のフランスでは、社会進出しようとする女性たちの間で一番花形の職業は秘書だった。田舎から出てきたローズ(デボラ・フランソワ)もそんな一人で、保険会社を経営するルイ(ロマン・デュリス)の秘書となる。ドジで不器用すぎるため1週間でクビを宣告されるが、ローズにタイピングの才能を見出だしたルイは、彼女にある提案をする。当時秘書の中で、タイプライター早打ち大会で優勝することはステイタスとなっており、一大競技として人気を誇っていた。ルイはローズと組んで、タイプライター早打ちの世界大会で優勝を目論んでいた。地方予選に出場したローズは、初めて触れる試合の空気に飲み込まれあえなく敗退。ルイは1本指ではなく10本の指を使ったタイピングをするよう矯正し、難解な文学書のタイプやジョギングなどのハードなメニューを課して、ローズを特訓する。その甲斐あって地方予選を1位通過したローズだが、全仏大会には2連覇中の最強の女王が待ち構えていた…。


 フランス発の、ちょっと洒落ていて、すごく爽快なラブコメだ。何といってもヒロインのローズがとってもキュート。生意気で仕事をやればドジばかり、一見何の取り得もないような彼女だが、タイプライティングの速さと正確さは目を見張るものがあった。それに気付いたルイは、ローズの能力を開花させようと、1つの賭けに出る。何だか「マイ・フェア・レディ」や「プリティ・ウーマン」を思わせる、サクセスストーリーでもある。


 斯くして、ローズが優勝するための特訓が始まるのだが、この特訓が面白い。タイプライティングのはやさと正確さを競うのに、ジョギングって必要なのか(持久力強化?)? 奇想天外な特訓方法でヒロインを鍛えていく様は、まるで「ロッキー」か「ベスト・キッド」のようだ。


 大会の場面は、タイプの音がカタカタ鳴るだけの、地味な展開だが、紙送りの早業などが工夫して撮影されており、それなりの迫力を出している。


 それにしても1分間に512文字を正確に打てるなんて凄い。10本指ならともかく、ヒロインは“1本指打法”つまり両手の人差し指2本でそれをやってのけるわけである。しかもこの映画は一部ではあるが実話なのだ。


 映画は劇的なクライマックスを迎え、印象的なセリフで締められる。「アメリカ人にはビジネスを、フランス人には恋を」。第二次大戦後すぐの時代背景ということを考えれば、深い言葉だ。


 ちなみにこの映画のパンフレットは、真正面から見たタイプライターの形を模している。こういうパンフレットは珍しいので欲しかったのだが、京都シネマでは公開してすぐ売り切れたようで、公開初日から数日後に行った時にはすでに無かった(スンマセン ブログに書くのが大変遅れています)。うーん、残念…。


私の評価…☆☆☆☆

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2013年9月18日 (水)

〈新・午前十時の映画祭〉レイダース/失われた聖櫃<アーク>

レイダース/失われた聖櫃<<br />
 アーク>
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:スティーヴン・スピルバーグ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
テーマ曲:ロンドン交響楽団「レイダース・マーチ」
出演:ハリソン・フォード、カレン・アレン、ジョン・リス=デイヴィス、デンホルム・エリオット、ポール・フリーマン、ロナルド・レイシー、ヴォルフ・カーラー、ジョージ・ハリス、アルフレッド・モリーナ、ビック・タブリアン、アンソニー・ヒギンズ、ドン・フェローズ、ウィリアム・フートキンズ 他


 《超高画質で観られる大ヒット活劇の1作目》


 1981年に公開され、大ヒットした冒険活劇映画。シリーズ化され、現在までに4作が作られている。


 時は1936年。第2次大戦勃発直前の混乱期。勢力を増しつつあるナチスのヒトラーは、最大の武器として多大な力を発揮するという伝説的なアークの行方を執拗に追っていた。そのことを知ったアメリカ側は、阻止するべくあらゆる手段を用いる覚悟でいた。その困難な任務を受けることになったのは、インディアナ・ジョーンズ博士(ハリソン・フォード)。大学で考古学を教える教授である彼はアメリカ政府から、アーク発掘の要請を受け、早速エジプトに渡った。彼は、恩師の娘で、かつて恋人だったマリオン(カレン・アレン)とネパールで再会した。早くもナチス一派の攻撃を受けた彼らは、行動を共にすることになる。しかし、インディのかわりにマリオンが襲われ、彼女が死んで初めて彼女を深く愛していたことに気付くインディ。ナチス側は、腹黒いフランス人の山師ベロック(ポール・フリーマン)を味方につけ、砂漠の廃城に発見されたアークの埋蔵地点発掘を開始した。現地へ急行するインディ。そこで彼は、マリオンがまだ生きており、ドイツ軍の捕虜となっていたことを知る。そして、敵の裏をかき見事アークを手にしたインディだったが、それも束の間、アークを奪われると、マリオン共々蛇の群がる神殿の奥底に閉じ込められた…。


 このシリーズは一応全作、ノーカットのものを観てはいるのだが、1作目をスクリーンで観るのは初めてなので、観に行った。


 やっぱりテレビの吹き替え版で観るのとは全く違う。ハリソン・フォードの吹き替えは、やっぱり村井国夫氏というイメージが強いが、実は村井氏がハリソンの声を吹き替えたのは、この映画が初放映された金曜ロードショー版が最初のようで、たぶんノーカット版は観ているかもしれないが、やっぱり字幕版で観ると声が全く違う(笑)。


 映像もクリアになっているため、ベロックの口にハエがとまる(気にせずセリフを喋るポール・フリーマンに拍手)のとか、余計なところまでクッキリ見えてしまうのはどうかとも思ったが、まぁ昔の映画は少々NGになるようなカットでも、気にせず使っていたので、こういうテレビ放送では分かりにくかった、細かいアラを探すのも結構楽しい。


 そして、特撮技術が進んだ今の映画を見慣れていると、30年も前の特撮は大抵チャチなものに見えるはずだが、全くそれを感じさせない。シリーズ最新作の「クリスタル・スカルの王国」は、評価がそれほど良くなかったが、スピルバーグ自身がCG嫌いということもあってか、殆ど昔ながらの特撮技術の応用で撮影されており、恐らくシリーズを通して観ても、撮影技術においての古さというものは1作目から殆ど感じないのではないかと思う。


 ちなみにこのシリーズは1作目の契約段階から、最大5作迄作ることができる契約になっていたらしく、一旦3作目で完結を匂わせておきながら、突然4作目が作られたのも、契約どおりで当然といえばそうなのだが、よもや1作目のヒロイン=マリオンがシリーズ復帰して、インディと結婚するとは誰も予想しなかっただろう。一応契約上はあと1作、作られる余地はあり、御年71歳になるハリソン・フォードの他、俳優たちは皆乗り気らしいのだが、肝心の製作者ジョージ・ルーカスは引退宣言し、シリーズ脚本家のローレンス・カスダンも「インディが冒険する意味をもう持たない」と消極的だ。やんちゃな息子に継がせてもなぁ…。勿論、やってくれたら観たいけど(笑)。


私の評価…☆☆☆☆☆

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2013年9月15日 (日)

ムービー43

ムービー43
劇場:T・ジョイ京都
監督:ピーター・ファレリー 他
出演:エリザベス・バンクス、ハル・ベリー、ケイト・ボスワース、ジェラルド・バトラー、キーラン・カルキン、ジョシュ・デュアメル、リチャード・ギア、テレンス・ハワード、ヒュー・ジャックマン、グレッグ・キニア、クリストファー・ミンツ=プラッセ、クロエ・グレース=モレッツ、デニス・クエイド、リーフ・シュライバー、エマ・ストーン、ユマ・サーマン、ナオミ・ワッツ、ケイト・ウィンスレット、アントン・イェルチン、セス・マクファーレン 他


 《下品で、下劣で、下衆なおバカ短編大集合!》


 「メリーに首ったけ」のピーター・ファレリーが企画、ファレリー含め「ラッシュアワー」のブレット・ラトナーなど総勢10人が監督をつとめ、全部で12のエピソードからなるオムニバス・コメディ。


 大物プロデューサーのグリフィン(グレッグ・キニア)に脚本家チャーリー(デニス・クエイド)が心温まると称する下劣なストーリーの企画を売り込むが…。


 いやぁ、もうこれは、こんなくだらない事をよくぞやってくれましたと、ある意味拍手もののコメディである(当然皮肉だ)。


 一応企画を立てたのがコメディの大物監督だから、これだけの豪華な俳優たちが出揃ったのだろうが、当然、その内容のくだらなさから、プロジェクトを途中で降りようとした者もいたらしく、脚本もなかなか買い手がつかなかった、言わばいわく付きの映画なのだ。


 結局、全部のエピソードを撮り始めから終わるまで約4年(!)もかかっており、超“難産”なものとなったが、これが公開前になって批評家からは散々な酷評の嵐となり、一般の批評サイトでも、「LOTTEN TOMATO」で4%という、史上最低の支持率を記録。でも、興行収入はというと、全米公開1週目に約1800万ドルという、誰も予想しなかった好成績をおさめ、赤字覚悟だった配給元も、海外配給収入分を考慮すると、製作費分を全てチャラにできる目算がたってしまったという、通常は興収成績を左右するはずの批評家の評価が、興収にほぼ影響しないという、ちょっと不思議な展開を見せた映画なのだ。


 それにしてもまぁ、ヒュー・ジャックマンの喉仏をキ○タマ袋にしたり、女優にウ○コをぶっかけたり、元恋人同士(キーラン・カルキンとエマ・ストーン)を共演させたり、もうヤリたい放題(笑)。よくこんな映画作ったなと、クロエ・グレース=モレッツとか、今自分が観たい女優が出ていなかったら、絶対観に行ってないわ、こんな映画(笑)。


 しかしそのクロエたんは、この映画でも初潮を迎えて大騒ぎする少女という、またヘンな役どころである。しかもそのエピソードの共演相手が、クリストファー・ミンツ=プラッセ。まるっきり「キック・アス」じゃねえか(笑)! 11月公開予定のリメイク版「キャリー」では、オリジナル版でシシー・スペイセクが演じた超能力少女役だし、その次、来年2月公開予定なのが、再びビッチなヒット・ガールを演じる「キック・アス2」…。そろそろ、まともな役をやっている彼女が観てみたいものだ。


私の評価…☆★

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2013年9月12日 (木)

パシフィック・リム 3D

パシフィック・リム 3D
パシフィック・リム 3D
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ギレルモ・デル・トロ
音楽:ラミン・ジャヴァディ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):チャーリー・ハナム(杉田智和)〔幼少期:役者名不明(勇希)〕、菊地凛子(林原めぐみ)〔幼少期:芦田愛菜(同)〕、イドリス・エルバ(玄田哲章)、チャーリー・デイ(古谷徹)、バーン・ゴーマン(三ツ矢雄二)、クリフトン・コリンズ・Jr.(千葉繁)、マックス・マルティーニ(池田秀一)、ロバート・カジンスキー(浪川大輔)、チャールズ・ルー&ランス・ルー&マーク・ルー(三宅貴大)、ロバート・マイエ(木村雅史)、ヘザー・ドークセン(愛河里花子)、ロン・パールマン(ケンドーコバヤシ)、ディエゴ・クラテンホフ(土田大)〔幼少期:タイラー・スティーヴンソン(吉田麻美)〕 他


 《ギレルモ監督の怪獣&日本“愛”》


 「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ監督によるSFアクション映画。“KAIJU”といい、ロボットといい、日本の特撮映画を彷彿させる。


 西暦2013年8月11日午前7時…。


 「奴ら」は最初にサンフランシスコ湾を襲撃した。太平洋の深海の「裂け目」から出現した、超高層ビル並みの大きさの謎の巨大生命体「KAIJU」により、3つの都市が僅か6日間で壊滅。ようやく軍隊が倒した時は、既に何万人もの人命が奪われていた。まもなく人類の存続という大義のもと、団結した環太平洋沿岸パシフィック・リム諸国は、「パン・パシフィック・ディフェンス・コープ(PPDC)」を設立。人類の英知を集結した人型巨大兵器「イェーガー」を開発した。しかし人類を嘲笑うかのように、何体もの「KAIJU」が次々と海底から姿を現わし、破壊を繰り返す。


 2016年5月15日、日本の東京湾襲撃。森マコ(芦田愛菜)、家族を失う。


 2020年2月29日、アラスカ・アンカレッジを襲撃。ローリー・ベケット(チャーリー・ハナム)、戦闘中に同乗していた兄・ヤンシー(ディエゴ・クラテンホフ)を失う。


 壮絶な戦いは5年、10年と長引いていった。世界各地でイェーガーの苦戦が続く中、かつてKAIJUとのバトルで兄を失ったローリーは、失意を乗り越えて再び戦うことを決意する。日本人研究者の森マコ(菊地凛子)と新コンビを組み、旧型イェーガー「ジプシー・デンジャー」を修復して戦線に復帰する。現在使えるイェーガーは、米国産「ジプシー・デンジャー」、ロシア産の「チェルノ・アルファ」、中国産の「クリムゾン・タイフーン」、オーストラリア産「ストライカー・エウレカ」の4機。地球の未来はそれらを操縦する彼らの勇気に掛かっている。


 2025年5月1日、KAIJU、2匹同時に香港を襲撃。クリムゾン・タイフーンとチェルノ・アルファ出動! 果たして人類は存続できるのか…?


 これはもう、「ウルトラマン」シリーズや「マジンガーZ」、「ゴジラ」シリーズを観て育った人には堪らない映画だ。


 本田猪四郎やレイ・ハリーハウゼンに敬意を表したというわりには、話は大雑把だし、ツッコミどころも多いのだが、それでも最近「ゴジラ」シリーズは作られないし(来年、以前のものとは違う形で作られた新しいハリウッド製が公開されるが)、怪獣映画に飢えていたファンは久々に楽しめる映画である。


 それにしても何で、菊地凛子の日本語吹き替えが、人気声優の林原めぐみなのだろう? 他のキャラの声もロボット物のアニメをやった事がある声優が選ばれている(例えば玄田哲章さんは「トランスフォーマー」シリーズ、古谷徹さんや池田秀一さんは「ガンダム」)ところを見ると、やっぱり「エヴァンゲリオン」の綾波レイ役のイメージで選ばれたのだろうか。洋画に出演している日本人俳優の声を別人が吹き替える事は、確かに時々あるのだが、大概においてかなりの違和感がある。たまたま自分は字幕版を観たので、吹き替え版がどのような仕上がりになっているのかは分からないが、菊地凛子の出演作を観たことがある人なら、変な感じになった人も多いのではないだろうか。


 ところで、ギレルモ・デル・トロ監督の映画の常連俳優といえば、「ヘル・ボーイ」のロン・パールマン。本作でも“闇のKAIJU商人”という変な役で異彩を放っているのだが、途中でKAIJUに食われて死んだと思うなかれ(笑)。エンドロール途中にオマケ映像があるので、お見逃しなく。


私の評価…☆☆☆★

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2013年9月11日 (水)

〔舞台〕レ・ミゼラブル

【演劇】レ・ミゼラブル
劇場:大阪・フェスティバルホール
原作:ヴィクトル・ユゴー「レ・ミゼラブル」
演出:ローレンス・コナー/ジェームズ・パウエル
翻訳:酒井洋子
訳詞:岩谷時子
出演(自分が観た回のキャスト):ジャン・バルジャン…福井昌一、ジャベール…川口竜也、エポニーヌ…昆夏美、ファンテーヌ…知念里奈、コゼット…若井久美子、マリウス…山崎育三郎、テナルディエ…KENTARO、マダム・テナルディエ…浦島りんこ、アンジョルラス…上原理生 他


 《映画であろうが舞台であろうが、名作は何度観ても素晴らしい》


 1985年のロンドン初演(日本初演は1987年)以来、様々な地域で上演され、世界のミュージカルの代表作と言える人気演目となっている作品。今回は、2009年からロンドンなどで演じられている《新演出版》の日本初上陸だ。ちなみに昨年公開され、日本でも大ヒットしたヒュー・ジャックマン主演の映画版は、この《新演出版》を元に、映画的なアレンジを施して映像化したものである。


 1815年、ジャン・バルジャンは、19年も刑務所にいたが仮釈放されることに。老司教の銀食器を盗むが、司教の慈悲に触れ改心する。1823年、工場主として成功を収め市長になった彼は、以前自分の工場で働いていて、娘を養うため極貧生活を送るファンテーヌと知り合い、幼い娘コゼットの面倒を見ると約束。そんなある日、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、法廷で自分の正体を明かし再び追われることになってしまい…。


 これはもう、映画版を観た時から、舞台版も観たいと思っていたので、今回大阪公演で観ることができて、ホントに良かった。しかも全面改装を経てリニューアルオープンされた、できたてホヤホヤの真新しい劇場での鑑賞である。予め自分のスケジュールを予想して、春先にプレリザーブという形でチケットを購入したため、余計なスケジュールが入らないか、ヒヤヒヤものだったが、何とか入らず(仕事のオファーが来ても断るつもりでいたけど 笑)、体調万全の状態で観ることができて嬉しい。


 さて、舞台版を観ての感想だが、舞台ファンの人には申し訳ないが、一映画ファンとして観ると、今回のファンテーヌ役の知念里奈も素晴らしく、いいなー好きだなぁとは思ったのだが、映画版で同じ役のアン・ハサウェイは凄いなぁと改めて思ったのである。今回の舞台鑑賞前に、一応見比べようと思って、映画版をBlu-rayで再び観たのだが、映画版プロデューサーをして、「あれほど痛々しい感情が伝わってくる“夢やぶれて”を聴いたのは初めて」と言わしめるほど(特典映像より)で、アカデミー賞最優秀助演女優賞受賞も納得なのだ。


 さて、舞台版の方に話を戻すと、今回は新演出版という事で、衣裳や音響、舞台セットを全部リニューアルし、原作の解釈を以前のものとは変えた構成となっている。プロジェクターによるスクリーン映像が多用され、特に第2幕における下水道の場面やジャベールの自殺シーンは、その視覚効果もあって、より奥行や動きのあるものになっている。映画版では真正面からの目線から急に俯瞰ショットになるジャベールの自殺シーンなんかは、元の舞台版でどう表現しているのかと思っていたら、そのプロジェクターを使って背景を回転させる事でうまく処理していた。近年、「キンキー・ブーツ」や「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」など、映画からの舞台化、つまり動きのあるものから動きが制限されるものへの作品化が多くなっているが、これはつまり舞台技術および舞台芸術の革新によって、今までできなかった表現ができるようになったためであり、今後もこういった技術によって以前のものが新演出でリバイバルされたりしていくのだろう。


 その1つなのかもしれないが、本作の上演前にロビーに置いてあったチラシの中に、「ミス・サイゴン 新演出版」のチラシがあった。また帝国劇場で上演されるようだが、関西にも来るのかな? 大阪での上演が決まれば、また観に行きたいな。


私の評価…☆☆☆☆☆

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2013年9月 6日 (金)

ワールド・ウォーZ 3D

ワールド・ウォーZ 3D
ワールド・ウォーZ 3D
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:マーク・フォースター
原作:マックス・ブルックス「WORLD WAR Z」
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ブラット・ピット(堀内賢雄)、ミレイユ・イーノス(篠原涼子)、アビゲイル・ハーグローヴ(鈴木梨央)、スターリング・ジェリンス(佐藤芽)、ファナ・モコエナ(玄田哲章)、ファブリツィオ・ザカリー・グイド(釘宮理恵)、デヴィッド・アンドリューズ(大塚周夫)、イライアス・ゲイベル(浪川大輔)、グレゴリー・フィトゥーシ(勝杏里)、ジェームズ・バッジ・デール(大塚芳忠)、マイケル・ユイスマン(中井和哉)、デヴィッド・モース(若本規夫)、ルディ・ボーケン(磯部勉)、ダニエラ・ケルテス(坂本真綾)、ピーター・キャバルディ(内田直哉)、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ(小原雅人)、ルース・ネッガ(斎藤恵理)、モーリッツ・ブライプトロイ(魚建) 他


 《史上最俊足ゾンビの誕生》


 謎のウイルス感染により、ゾンビ化した人間の蔓延を防ごうとする、元国連職員の活躍を描いた終末ホラー。


 その日、ジェリー・レイン(ブラット・ピット)と妻・カリン(ミレイユ・イーノス)、2人の娘を乗せた車は渋滞にはまっていた。


 一向に動かない車列に、これがいつもの交通渋滞でないことに気付くが、次の瞬間、背後から猛スピードで暴走するトラックが迫ってくる。必死で家族を守り、その場から逃げ出したジェリーたち。全世界では爆発的に拡大する「謎のウイルス」によって感染者は増加を続け、大混乱に陥っていた。


 元国連捜査官として世界各国を飛び回ったジェリーに事態を収束させるべく任務が下る。怯える家族のそばにいたいという思いと、世界を救わなければならないという使命感の狭間で、ジェリーは究極の選択を迫られる。


 しかし感染の速度は加速する一方で、人類に残された時間は僅かだった…。


 この映画の原作の中身は、ゾンビ戦争後それを経験した人たちの話をまとめたという、ちょっと特殊な構成になっていて、そのままでは映像化しにくいということで、映画ではブラピ扮する元国連職員を軸に、原作から想像される「ゾンビ戦争」を、大まかに4つのステージに分けて描いている。


 ゾンビというと、以前はジョージ・A・ロメロの映画によく見られる“ノロノロ歩きのお化け”というイメージだった(本来はブードゥー教の迷信から生まれたキャラクターである)が、ダニー・ボイル監督の「28日後…」(2002年・英)あたりから、従来のそのイメージを覆すゾンビが姿を現わし、ゾンビ映画が変わってきた。


 本作でもゾンビはやたらと走り回るのだが、感染速度が異常に早いのが特徴だ。何せ噛まれてから12秒後に“発病”してしまうのである。感染者の数は爆発的に増え続け、世界中が壊滅的なダメージを受けてしまう。とにかく増殖スピードが凄まじく、特にイスラエルの場面で、感染者の侵入を防ぐべく、まるで「進撃の巨人」のように巨大な壁で囲まれた都市へ、覆面にゾンビが折り重なるように積みあがり、ついにはその壁を乗り越えて押し寄せ、その都市が地獄と化すシークエンスは圧巻という他なく、ホラー映画というよりは一種のパニック映画のようである。


 ただ、ストーリー展開がずっとそのテンポを保てれば良かったのだが、肝心のクライマックスでペースダウンしてしまう。


 クライマックスの舞台は当初WHOの施設ではなくロシアが設定されており、撮影もされている。だが、あまりにも血みどろの展開になってしまったがために、レイティングを考慮してその部分だけ全面取り直されたのだ。悪くはなっていないのだが、結果的に途中で予算が尽きてしまい、この部分だけが他とはテイストが違うのだ。


 スプラッター描写が抑えられ、その分若年齢層の鑑賞もできるようになってはいるのだが、没バージョンも見てみたいものだ。DVDの特典映像でもいいから見させてほしいなぁ。


私の評価…☆☆☆★

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2013年9月 5日 (木)

ローン・レンジャー

ローン・レンジャー
ローン・レンジャー
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ゴア・ヴァービンスキー
音楽:ハンス・ジマー
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):アーミー・ハマー(相原嵩明)、ジョニー・デップ(平田広明)、トム・ウィルキンソン(小川真司)、ルース・ウィルソン(高橋理恵子)、ヘレナ・ボナム=カーター(朴ろ美)、ウィリアム・フィクナー(廣田行生)、ジェームズ・バッジ・デール(宮内敦士)、ブライアント・プリンス(山田瑛瑠)、バリー・ペッパー(檀臣幸)、サギノー・グラント(大木民夫) 他


 《痛快娯楽西部劇の復活》


 1933年にラジオドラマとして放送されて以来、テレビドラマや映画として何度も映像化されたものを、今度はディズニーが映画化。「パイレーツ・オブ・カリビアン」のスタッフが、途中、企画頓挫の危機を迎えながらも、何とか完成にこぎつけた、西部劇版「パイレーツ・オブ・カリビアン」とも言える映画。


 少年時代のある忌まわしい事件のせいで、復讐に燃える戦士となった悪霊ハンターのトント(ジョニー・デップ)。彼は自らの悲願のために、不思議な白馬シルバーの導きと、自らの聖なる力によって瀕死の男、検事のジョン・リード(アーミー・ハマー)を甦らせる。


 レンジャー部隊の英雄である兄・ダン(ウィリアム・フィクナー)を何者かに殺されたジョンは、兄の敵を探すためにトントと手を組むが、法に基づく正義の執行を求める彼と、復讐のために手段を選ばないトントとは、全く噛み合わないチームだった。


 だが、愛する者に再び魔の手が迫る時、ジョンは白馬シルバーを従え、マスクを着けた謎のヒーロー「ローン・レンジャー」として生きることを決意し、無敵の相棒・トントと共に巨悪に立ち向かう。果たして、最後に世界を救うのは…正義か?復讐か…!


 このところ暫く冒険活劇としての正統派西部劇というものが、製作・公開されていなかったが、これは久々にそう呼べる楽しい娯楽作だ。同じようなジャンルの作品として先に作られた「カウボーイ&エイリアン」が結果的にコケてしまったために、一時は製作が危ぶまれたが、俳優らのギャラも含めた製作費を抑える事で何とか作ることができたらしいのだが、映画を観る限りでは、そんな事は殆ど感じさせない。


 昔の作品をリメイクする場合、元のものと同じような形で作るのは基本だが、最近は話をリブートして、キャラクター等の設定を変えて作るのが流行っているのか、この映画も元のものとは違うものを作ろうとしている事が、セリフなどから見受けられる。ローン・レンジャーが愛馬シルバーに乗って言う決めゼリフ

 「ハイヨー、シルバー!」

の後にトントが

 「そのセリフは似合わないから、やめとけ。」

なんていうシーンがあり、とてもユーモラスなのだが、作り手はやはり似て非なるものを作りたかったのではないかというのを感じさせた。


 そして一番の見所は、やはり宣伝通りクライマックスの列車でのアクションシーン。オープニングにもちょっとした列車アクションがあって、それが後々に繋がっていく形になるのだが、ここはもう「パイレーツ〜」1〜3部のノリそのままで、ローン・レンジャーがシルバーに乗って、列車の中と上(!)を縦横無尽に駆け巡る場面は痛快だ。


 残念ながら、本国アメリカでは前述の通り相当難産だった上に、評論家受けがあまり良くなく、それが影響したのか興行収入も期待されたほどではなかったようで、現時点で続編は難しいようだが、たまにはこういったエンターテイメントな西部劇も観たいものである。


私の評価…☆☆☆☆

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2013年9月 1日 (日)

映画 謎解きはディナーの後で

映画 謎解きはディナーの後で
映画 謎解きはディナーの後で
劇場:シネプレックス小倉
監督:土方政人
原作:東川篤哉「謎解きはディナーの後で」
主題歌:嵐「迷宮ラブソング」
出演:櫻井翔、北川景子、椎名桔平、中村雅俊、桜庭ななみ、要潤、黒谷友香、甲本雅裕、大倉孝二、田中こなつ、村川絵梨、伊東四朗(特別出演)、生瀬勝久、竹中直人、鹿賀丈史、宮沢りえ、児島一哉(アンジャッシュ)、志賀廣太郎、中野美奈子(元フジテレビアナウンサー) 他


 《面白いが、映画でやる程のものではない》


 2011年に連続ドラマ、昨年にスペシャルドラマが放送された、同名タイトルのフジテレビ系ドラマの映画化。原作エピソードを使っていたドラマ版に対し、映画はオリジナルストーリーとなっている。


 休暇のクルーズとしてシンガポール行き豪華客船「プリンセスレイコ号」に乗り込んだ令嬢・宝生麗子(北川景子)と執事・影山(櫻井翔)。船にあらゆるレストラン、カジノ、エステ、映画館まで何でも揃っており、それはまさに海に浮かぶ小都市。久々の休みに何をしようかと心を躍らせる麗子だったが、それも束の間、船から奇妙な遺体が海に落とされる。緊迫する状況の中、あの男の声が…。


 「はいはいはい…」迷推理を得意とする麗子の上司・風祭京一郎警部(椎名桔平)だった。なぜ…?


 風祭警部は国立市からシンガポールへ寄贈されるアート作品「Kライオン」の警備で乗船していたのだ。せっかくの休暇が…と困惑する麗子。そこに犯人からの声明文が船に届く。しかも、その発信先は船の中。


 容疑者は乗客・乗員3,000人全員!船がシンガポールに到着するまで「あと7日」。それまでに何としても犯人を捕まえなければ、新たな犠牲者が出るだけでなく、犯人も逃してしまう。そして起こってしまう第2・第3の事件。その時、影山の名推理が炸裂するかと思いきや、

 「お嬢様、今回の事件の真相、皆目見当もつきません。」

と、何と影山もお手上げ状態。そんな影山たちを嘲笑うかのように連鎖していく事件。次々と現われる怪しい乗員たち。一体誰が本当の犯人なのか? そして、犯人の狙いは一体何なのか? そんな中、遂に犯人のターゲットが麗子お嬢様に…。


 TVドラマの映画版という事で、さほど期待はしていなかったのだが、まずまず面白かった。


 ただ、舞台が豪華客船となったことでスケール感はアップしたものの、映画として観るほどのものではなく、TVスペシャルドラマ程度でも十分通用するぐらいのレベルである。


 俳優たちも確かにTVドラマよりは豪華な面子が揃ったが、おバカ度も増してしまった。特に竹中直人と大倉孝二の“バカ兄弟”はちょっとやり過ぎなのではないか。全体がサスペンス・コメディだから違和感こそ少ないが、あそこまでいけば殆どコントである。桜庭ななみが歌う歌にしても吹き替えが丸分かりで、もう少し声質の似ている音源は無かったのだろうかと思ってしまう。


 ちなみにこの映画の原作は“安楽椅子探偵”ものの傑作である。この安楽椅子探偵ものの場合、基本的に探偵(又はその役割をもつ人物)は現場に向かわず頭脳と推理で解決するパターンが主であり、この手の映画や小説などではほぼ、そのパターンを踏襲するのだが、本作の場合、メインとなる舞台そのものが現場であるため、その辺をどう描くのかと思っていたら、(出来すぎな感もあるが)ちゃんと別の場所が用意されていた。


 とにかくこの作品は面白いのは確かなので、今後もTVシリーズで(笑)続けてほしい。映画にする必要は… 無いな。


私の評価…☆☆☆

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