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2013年10月10日 (木)

〈新・午前十時の映画祭〉慕情

〈新・午前十時の映画祭〉慕情
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ヘンリー・キング
原作:ハン・スーイン「多くの輝きを持つもの」
音楽:アルフレッド・ニューマン
主題歌:サミー・フェイン作曲「Love is a Many Splendored Thing」
出演:ジェニファー・ジョーンズ、ウィリアム・ホールデン、イソベル・エルソム、ジョージャ・カートライト、トリン・サッチャー、マーレイ・マシソン、ヴァージニア・グレッグ、リチャード・ルー、ソー・ヨン、カム・トン、フィリップ・アーン、ドナ・マーテル、キャンディス・リー、ジェームズ・ホン、ケイ・ルーク 他

※写真は東京でのリバイバル上映時のチラシ


 《ストーリーよりも曲が有名なメロドラマの傑作》


 1952年に刊行されベストセラーになった、ハン・スーインの自伝小説を、1955年に映画化したメロドラマの名作。


 中国人とイギリス人(実際は中国人とベルギー人)のハーフで女医のハン・スーイン(ジェニファー・ジョーンズ)は、国民政府の将軍の夫人だったが、将軍が共産党との戦いで戦死してからは、香港病院で働いていた。ある日、病院の理事長の家でカクテル・パーティが開かれたとき、彼女はアメリカの従軍記者マーク・エリオット(ウィリアム・ホールデン)と知り合った。マークにはシンガポールに妻がいるが、性格が合わないとでもいうのであろうか、夫婦仲は冷たかった。初めはスーインもマークと深入りしないように警戒していたが、何となく彼が好ましくマークが仕事のためシンガポールに出かけたときなど、いい知れない淋しさに襲われるのだった。やがて、海へ遊びに行ってから、2人は完全な恋人同士になっていた。マークは妻と正式に離婚して、スーインと結婚すると誓った。だが彼の妻は離婚に同意しなかった。スーインはそれを聞いて、マークを優しく労るのだった。その後、マークがマカオに出張すると、スーインは理事長(トリン・サッチャー)の反対を押し切ってマカオに向かった。2人の楽しい週末もほんのひとときに過ぎない。朝鮮に戦争が起こったためマークは現地へ急行しなければならなかったからである。スーインは理事長に逆らってマカオに行ったことから、病院に勤めることができなくなり、友達のノラ(ソー・ヨン)の家に寄寓することになった。彼女は毎日マークに手紙を書き、また彼からの便りを読んで淋しさを紛らわしていたが、ある日マークは共産軍の爆撃で帰らぬ人となってしまう…。


 恐らく映画の内容は知らなくても、劇中アレンジを変えながら頻繁に流れるテーマ曲は誰もが一度は聴いたことがあるであろう、映画音楽のスタンダード・ナンバーだ。第29回アカデミー賞歌曲賞を受賞しているこの曲は、オペラ「蝶々夫人」の中のアリア「ある晴れた日に」を参考に作られたのだが、なるほどよく聴いてみれば、そっくりとまではいかないが、メロディーがよく似ている。映画のストーリーも中国版「蝶々夫人」ともいえるものなので、ストーリーだけを取り上げてみれば平凡なこの映画を盛り上げるのに一役かっている。


 男女の恋愛は、壁やハードルが高ければ高いほど話として面白いし、盛り上がるものである。もっとも最近のそういったドラマや映画はその上に手枷足枷つけ過ぎる感はあるのだが、この映画の場合、今の観点からいえば、そういったものが少ない。相手の男が結果として不倫になるだけである。勿論、この映画の時代背景を考えれば、日本でもそうなのだが、昔はハーフのことを混血児などと言って、あまり良いイメージを持たれなかったのである。この映画の中でもヒロインのことを差別的に捉える場面があるのだが、たぶん今の若い人が観ても、このあたりはピンとこないという人も多いのではないか。


 ちなみに本作のヒロインは東洋系のハーフという設定なのだが、ジェニファー・ジョーンズはアメリカ人女優であり、美人の女優さんだがちっとも東洋系に見えない(笑)。どういう人選で選ばれたのか、もう亡くなられているので(2009年に老衰で死去 満90歳)今となっては分からないが、東洋系をルーツに持つ女優が、当時はあまりいなかったのだろう。


私の評価…☆☆☆★

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