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2013年12月 4日 (水)

キャリー(2013年版)

キャリー(2013<br />
 年版)
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:キンバリー・ピアース
原作:スティーヴン・キング「キャリー」
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):クロエ・グレース・モレッツ(潘めぐみ)、ジュリアン・ムーア(潘恵子)、ジュディ・クリア(弓場沙織)、ポーシャ・ダブルデイ(田村睦心)、ガブリエラ・ワイルド(早見沙織)、アンセル・エルゴート(細谷佳正)、アレックス・ラッセル(安元洋貴)、バリー・シャバカ・ヘンリー(石丸博也)、ゾーイ・ベルキン(御沓優子)、サマンサ・ワインスタイン(小林未沙)、カリッサ・ストレイン(寿美菜子) 他


 《SFホラーとしての恐怖より、現実的な恐怖を描いたリメイク》


 1974年に発表されたスティーヴン・キング原作小説の3度目の映画化。日本語吹き替え版では、ヒロインの母娘の声をベテラン声優の潘恵子と、人気若手声優の潘めぐみという、実の親子が演じる。


 地味で内気、冴えない女子高校生のキャリー・ホワイト(クロエ・グレース・モレッツ)。学校では虐められ、笑い者にされ、家庭では狂信的な母・マーガレット(ジュリアン・ムーア)に厳しく監視される。孤独で鬱屈とした日々をおくっている。そんなある日、キャリーへのいじめ事件をきっかけに、女子の人気を集めるトミー・ロス(アンセル・エルゴート)とプロムパーティーに参加することに。母親の反対を押し切り、手作りのドレスを身にまといパーティーに出かけるキャリー。憧れのトミーを見つめ、会場の注目を一身に浴び、夢見心地。だが、パーティーの終盤、2人がプロムのベストカップルに選ばれ、まさに幸せの絶頂を迎えた瞬間、ステージにいるキャリーの頭上から大量のブタの血が落ちてくる。それは女子のいじめグループの仕業で、それがきっかけでキャリーの抑圧されていた怒りが爆発。そして恐ろしい力が会場を襲うのだ…。


 「キャリー」といえば、最初の映画化作品である1976年のブライアン・デ・パルマ監督版が有名だが、今回のリメイク版は、それには見劣りするものの、まずまず楽しめる作品に仕上がっている。


 デ・パルマ版も今回のものも、基本的には原作を忠実になぞっている。ただ、デ・パルマ版ではヒロインは、失礼だが容姿端麗とはいえなくさらに痩せ形のシシー・スペイセクで、キャラクターも鬱屈したものだったのに対し、本作では少し脂肪がついて大人っぽく、可愛くなったクロエ・グレース・モレッツである。クラスの中で一番美少女じゃないかと思うのだが(笑)。どう見ても、どう考えてもいじめられっ子には見えない。母親に対してもある程度抵抗する力を持っているので、デ・パルマ版とは作品のスタンスが違うようだ。


 超能力も、スペイセクのキャリーは、どちらかというと忌み嫌うような形で使っていたのだが、モレッツのキャリーは、嫌うどころかむしろ積極的で、自分の力についてインターネットで調べたりするのだ。もっとも、調べたところで制御する事ができないため、結果的にはいじめられ、大惨事を引き起こすわけだが。


 結局、描いているテーマは“抑圧からの解放”と、それに伴う“大人への脱皮”であり、それはデ・パルマ版から不変のものだが、今作ではいじめ問題が色濃くなっていて、写メや携帯端末という、昔のバージョンには無かった小道具を使って陰湿化させる事で、社会問題化した、より現実的な恐怖を描いている。


 唯一、デ・パルマ版とは明らかに方向性が違うのがラストの部分。デ・パルマ版は結末を夢オチっぽくさせる事で、現実なのか違うのか分からなくなる恐怖感を出していたのだが、今作はリアル感を強調させたためか、より現実味のあるラストとなった。ちなみに、デ・パルマ版のラストには有名なショック場面があるのだが、今作にそれがあるのか… それは、観に行く人が各自で楽しんでもらう事にしておこう。


私の評価…☆☆☆★

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