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2014年1月15日 (水)

永遠の0

永遠の0
永遠の0
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:山崎貴
脚本:山崎貴、林民夫
原作:百田尚樹「永遠の0」
音楽:佐藤直紀
主題歌:サザンオールスターズ「蛍」
出演:岡田准一、三浦春馬、井上真央、吹石一恵、風吹ジュン、夏八木勲、橋爪功、山本學、田中泯、濱田岳、三浦貴大、新井浩文、染谷将太、平幹二朗、上田竜也、佐々木一平、青木健、遠藤雄弥、栩原楽人 他


 《今だからこそ作らなきゃ、そして観なきゃいけない映画》


 TVの人気番組「探偵!ナイトスクープ」の構成作家としても知られる、百田尚樹の小説家デビュー作を映画化。


 太平洋戦争末期。勝利を目前にしたアメリカを大混乱に陥れた、たった一機の戦闘機。「悪魔」と呼ばれたその零戦は、米軍最強の空母艦隊による一斉射撃・百万の銃弾を潜り抜け、包囲網を突破してみせたのだ。その「悪魔」を操る操縦士は、実に意外な人物であった。宮部久蔵(岡田准一)。天才的な操縦技術を持ちながら、生還することにのみ執着し、仲間から「臆病者」と蔑まれた男だった…。


 時は2004年の現代。司法試験に落ちて進路に迷う佐伯健太郎(三浦春馬)は、祖母・松乃の葬儀の日に驚くべき事実を知らされる。実は自分の祖父・賢一郎(夏八木勲)には血の繋がりは無く、「血縁上の祖父」が別にいるというのだ。本当の祖父の名は、宮部久蔵。戦後、未亡人となった松乃と再婚した賢一郎は、健太郎のためにと、宮部の事を調べるようにすすめる。宮部久蔵は60年前の太平洋戦争で零戦パイロットとして戦い、終戦直前に特攻出撃により帰らぬ人となっていた。祖母の松乃(井上真央)は宮部と結婚してすぐに戦地に赴く事になった宮部の「生きて還る」の言葉を信じ、ひとりで愛娘・清子を出産。空母「赤城」が横浜に入港した際、一時的に帰宅した宮部と、束の間の家族団欒の時を過ごす。再び戦地に赴く時に宮部が言った「必ず還ってくる」という言葉を信じて、彼の帰りを待ち続けた。しかし松乃に待っていたのは宮部の訃報であった…。後に、賢一郎(青年期=染谷将太)と再婚。孫の健太郎や家族の前で、宮部の話をすることはなかった。


 フリーライターの姉・慶子(吹石一恵)は取材目的で祖父・宮部久蔵の事を調べはじめ、健太郎に協力を持ちかける。健太郎と慶子が出会った最初の証言者・長谷川(平幹二朗)は、「宮部は海軍一の臆病者だった」と語り、同じ飛行機乗りとして宮部に強い嫌悪感を示すのだ。宮部は天才的な操縦技術を持ちながら、敵を撃破することよりも「生還」に執着し、乱戦になると真っ先に離脱したという。「家族のもとへ、必ず還ってくる」…それは宮部の妻・松乃と娘・清子に誓った、たったひとつの約束だった。そんな男がなぜ特攻を選んだのか…。


 戦後の経済復興に大きく貢献し、現在も大企業の会長職を務める武田(山本學)は、突然訪れた健太郎に宮部の面影を見出だし、筑波海軍航空隊での宮部の様子を語って聞かせる。そこでの宮部は特攻に反対していたという。また、豪邸に住む景浦(田中泯)は、他人を寄せ付けない威圧感を身に纏っていた。「祖父は臆病者だった」という健太郎に強い不快感を示し、接見を拒否するのだが…。


 余命僅かの入院患者・井崎(橋爪功)は、健太郎と慶子と出会い、彼らに真実を語る事が、自らの使命と語る。体力が低下しているにも関わらず、2人に宮部の知られざる一面を話して聞かせるのだった…。


 これはもう、いままでの山崎貴監督作品の中でも、最高傑作といっていいのではないか。あくまでも“生きること”に拘っていた宮部久蔵が、命を懸けた戦争という狂気の中で、どのように特攻へと駆り立てられていったのかということを、現代(設定では2004年)の視点から俯瞰してみる形で描かれる。


 2時間半弱という時間に収めるために、原作から結構重要な部分が削ぎ落とされていたり、オリジナルのシーンがあったりするのは仕方がないところだが、作者が強調したいテーマはしっかり描かれていると思う。


 最初は現在と過去が殆ど繋がっていない状態。それが、宮部久蔵という人物を調べていくうちに、徐々に点と点が繋がってひとつの線になっていく。宮部が特攻を志願した理由が、戦争の悲惨さを物語っているし、命を落とした理由がその悲しみにさらに追い打ちをかける。


 先にも書いたが、この映画の現代の舞台は2004年。終戦から60年を目前に控えた時である。作中の元特攻隊員のセリフで「あと10年もすれば、ワシらの世代は殆どいなくなる…」というくだりがあるが、今年はその2014年だ。この悲惨な戦争を語る語り部が少なくなり、人々の戦争への記憶が薄れつつある今、改めて生きることの意味を考えてみてはいかがだろうか。


私の評価…☆☆☆☆★

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