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2014年2月

2014年2月26日 (水)

ウルフ・オブ・ウォールストリート

ウルフ・オブ・ウォールストリート
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:マーティン・スコセッシ
原作:ジョーダン・ベルフォート「ウォール街狂乱日記 ―「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生」
製作:レオナルド・ディカプリオ 他
製作総指揮:アーウィン・ウィンクラー 他
音楽:ハワード・ショア
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー、マシュー・マコノヒー、バリー・ロスバート、カイル・チャンドラー、ロブ・ライナー、クリスティーナ・キャス、ジョン・ファヴロー、ジャン・デュジャルダン、クリスティン・ミリオティ、P・J・バーン、ケネス・チョイ、ブライアン・サッカ、ジョアンナ・ラムレイ、スパイク・ジョーンズ、シェー・ウィガム、イーサン・サプリー、マーティン・クレバ、マディソン・マッキンリー 他


 《酒とクスリとお金と女》


 実在の元株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回顧録を基に、スコセッシとディカプリオの5度目のタッグで描く伝記コメディ。この映画で描かれている詐欺事件の舞台となった、ベルフォートが創業した会社ストラットン・オークモントは、2000年に公開(日本では2001年4月公開)された映画「マネー・ゲーム」(ベン・ヤンガー監督・脚本、ジョバンニ・リビシ、ベン・アフレック出演)に影響を与えている。


 経済誌「フォーブス」の特集で、金持ちから金を取り上げる「歪んだロビンフッド」と称されたジョーダン(レオナルド・ナオミディカプリオ)。彼は大胆にも、顧客を国民の1%であるリッチ・ピープルに限定。富裕層の貪欲さに巧みにつけ込み、巨額の取引を繰り返すことで、マネーゲームに勝ち続ける。


 欲望と野心を隠すことなく、またそれらを実現させるスキルもあり。一流のスーツに身を包み、自信に満ち溢れた態度で周囲を魅了する。

 「金持ちになれ、金はいい人間をつくる」

と突き抜けてポジティブなスピーチに社員は熱狂、業績はうなぎのぼり。そのカリスマ性を武器に、一気に頂点へと駆け上がる。


 電話の相手に考える時間も「NO」という隙も与えず、とにかくイケイケの姿勢で株を売りまくり市場を支配。僅か社員12人で始めた会社を、瞬く間に700人を抱える大企業へと押し上げたのだ。


 社員のモチベーションを上げるため一晩260万円の接待費は当たり前。オフィスでパーティを開いては下着姿の楽団やおむつを履いたチンパンジーを登場させるクレイジーぶり。彼の辞書に「常識」という言葉はない。


 富も名声も手に入れたジョーダンにとって手に入らないものなどない。苦労時代を支えてくれた妻(クリスティン・ミリオティ)を捨て、ゴージャスな美女・ナオミ(マーゴット・ロビー)と再婚。アルコールやドラッグ、エッチは仕事の肥やしとばかりにその場のノリでやりたい放題だった。全てを手に入れ、「ウォール街のウルフ」と呼ばれるようになった彼の行く末には、成功以上にセンセーショナルな破滅が待っていた…。


 スコセッシの映画は長時間のものが多いが、この映画も2時間59分とかなり長いもの。ただし、やっぱりこの人は職人監督であり話のテンポが良く、タイミングのいいところでちゃんと見せ場を作っている。今回はコメディということで肩の力も抜けており、殆どドンチャン騒ぎの賑やかさで長さを全く感じさせず、主人公のトンでもなく豪快でイキ過ぎた半生を、面白可笑しく綴っている。


 その監督の演出に応えているディカプリオもいい。彼は、フランク・W・アバクネイル・Jr(「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」)やギャツビー(「華麗なるギャツビー」)など、ある種の陽性キャラを演じれば、ピタリとハマるのだが、今回のこの役はその最たるものといっていい。さすがに今度こそアカデミー賞を取らせてあげたい気もするが、「ダラス・バイヤーズ・クラブ」でHIV感染者役を演じ、主演男優賞にノミネートされているマシュー・マコノヒーが、この映画でもチョイ役ながらかなり印象に残る演技をしているため、アカデミー会員による投票の行方が気になるところである。


 お金にまつわる話でも、ウォール街が絡むものは特にトンでもない話が多いようだが、特にこの人の話は、映画で多少デフォルメされているとしても、常軌を逸している。一般人からすると滑稽にしか見えないから、コメディとして描いたのは正解だろうが、乱交シーンがあったりセリフに「F●CK」が500回以上(!)入っていたりと、とてもTVじゃ放映できないな、と思う映画であった。


私の評価…☆☆☆☆★

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2014年2月21日 (金)

ラッシュ/プライドと友情

ラッシュ/プライドと友情
ラッシュ/プライドと友情
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ロン・ハワード
脚本:ピーター・モーガン
音楽:ハンス・ジマー
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):クリス・ヘムズワース(堂本光一)、ダニエル・ブリュール(堂本剛)、オリヴィア・ワイルド(東條加那子)、アレクサンドラ・マリア・ララ(小松由佳)、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ(乃村健次)、デヴィッド・コールダー(稲垣隆史)、ナタリー・ドーマー(佐古真弓)、スティーヴン・マンガン(咲野俊介)、クリスチャン・マッケイ(かぬか光明)、アリスター・ペトリ(てらそままさき)、ジュリアン・リンド=タット(伊丸岡篤)、コリン・スティントン(広瀬彰勇)、ジェイミー・デ・コーシー、アウグスト・ダラーラ、イラリオ・カルボ、ジェームス・ノートン、ジェフリー・ストリートフェイル、ザック・ニイザト、小家山晃、マーティン・J・スミス、ロブ・オースティン、トム・ヴラシア 他


 《映画は傑作。だが邦題に難あり》


 1976年のF1世界選手権での、ジェームス・ハントとニキ・ラウダのライバル関係を描く伝記アクション映画。


 1970年、F1参戦を目指す男たちがしのぎを削るF3のレースで、ジェームス・ハント(クリス・ヘムズワース)とニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)は衝撃的な出会いを果たす。人気レーサーのハントが攻撃的なアタックを仕掛け、新人のラウダがクラッシュ。表彰台ではしゃぐハントにラウダは中指を立てるのだった…。


 オーストラリアの資産家の息子として生まれたラウダは、類い稀な交渉力を武器に自らの生命保険を担保にして銀行の融資を取り付け、F1チームに加入。理論派の彼はすぐさま車体改良に着手し、オーナーやメカニックたちの信頼を勝ち得る。


 一方、イギリス出身のハントは、奔放で陽気な性格のプレイボーイ。そのアグレッシブなドライビングテクニックに魅了されたF3時代からのスポンサー、ヘスケス卿(クリスチャン・マッケイ)が自腹でチームを設立したことで、ラウダを追ってF1参戦を果たす。


 75年、名門フェラーリに移籍したラウダはワールドチャンピオンへと上り詰める。そして、76年のシーズンも中盤までの9戦で5勝を挙げて独走状態となる。対するハントは、ヘスケス卿が資金難でF1から撤退した事でマクラーレンへと移籍するが、1位でゴールしたスペインGPで失格処分を受けたり、妻と離婚したりと公私ともに波乱続き。ところがフランスGPで優勝し、ラウダを追い上げていく。シーズン途中で結婚したラウダは「幸せは僕を弱くする」と不安を口にし始める。そんな中、「墓場」と呼ばれる世界一危険なサーキット、ニュルンブルクリンクで事故は起こった。ラウダが中止を訴えるほどの悪天候だったが、ハントらの意見が通り、レースは決行。ラウダはクラッシュし、全身火傷で生死を彷徨う…。


 しかし、そのニュルンブルクリンクの悪夢から僅か42日後、ラウダは不死鳥の如くサーキットに戻ってくるのだ。ラウダの無事を祈り、復帰を一番喜んだのは、他でもないハントだった。


 最終決戦の地は豪雨に霞む富士スピードウェイ。ラウダのポイントは68。ハントは65とその差は僅か3点。8万人のずぶ濡れの観衆がが見守る中、2人はいつもどおり視線を交わし、轟音と共にスタートを切るのだった…。


 監督のロン・ハワードは、「コクーン」(1985年)やアカデミー賞受賞作「ビューティフル・マインド」(2001年)を観ても分かるように、人間ドラマを描かせるとものすごく良い映画に仕上げる人なのだが、この作品でもそれはいかんなく発揮されている。


 そう、この映画はカーレースの映画ではあるが、レースそのものを描くのではない。正反対な性格の主人公2人が、レースを通して出会い、ライバルという関係を超えた絆が出来上がっていくさまを描いていく。


 残念ながら、ジェームス・ハントは既に他界しており、常にニキ・ラウダ目線のため、物語の一側面しか描かれないが、この手の分野では久々の快作といっていいだろう。自分はこの舞台となった年はまだ幼稚園にも行っていない時分なので、記憶すら無いが、クライマックスの富士スピードウェイの情景も、当時を彷彿とさせるほどディティールに拘っているらしく、F1愛好者が観たらたまらないものがあると思う。


 残念ながら今、F1の日本でのTV中継は地上波では殆どやっていないが、またこういうライバル対決みたいなものを観たいものだ。


 ところで邦題の副題は別にいらなかったのではなかろうか。日本語タイトルをつける人のセンスにもよるが、友情はともかくプライドを感じる場面は無かったように思えるのだが。


私の評価…☆☆☆☆★

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2014年2月18日 (火)

スノーピアサー

スノーピアサー
スノーピアサー
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本・原案:ポン・ジュノ
原作:ジャック・ロブ、バンジャマン・ルグラン、ジャン=マルク・ロシェット「Le Transperceneige」
製作:パク・チャヌク
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:クリス・エヴァンス、ソン・ガンホ、コ・アソン、ジェイミー・ベル、ジョン・ハート、ティルダ・スウィントン、オクタヴィア・スペンサー、エド・ハリス、ユエン・ブレムナー、ルーク・パスカリーノ、スティーブ・パク、アリソン・ピル、ヴラド・イワノフ、アドナン・ハスコヴィ、クラーク・ミドルトン、ケニー・ドーティー、トーマス・レマルキス 他


 《矛盾点あり過ぎてツッコミどころ満載》


 フランスのグラフィックノベルを基に、韓国のポン・ジュノが脚色し、自ら監督して映画化。ポン監督にとっては初の英語作品である。


 2014年7月1日、地球温暖化を食い止めるために散布された人工冷却物質は、その結果、地球を雪と氷で閉ざしてしまった。新たな氷河期に突入した世界で、永久機関を持つ列車「スノーピアサー」に乗り込んだ者たちだけが生き残り、それ以外の生物は絶滅する。


 それから17年後の2031年。最後の人類を乗せて地球を1年で一周する「走る方舟」スノーピアサーは、富裕層と貧困層を前方車両と後方車両に隔離し、過酷な階級社会を生み出していた。富裕層による圧政を受け、虐げられる貧困層の人々。しかし、最後尾の車両に乗り込むカーティス(クリス・エヴァンス)は、平等な社会を取り戻すため、虎視眈眈と革命の日を狙っていた。そして、遂にその日はやってくる。前方車両への扉が開かれた瞬間、カーティス率いる集団は兵士たちを蹴散らし、エンジンを奪うため一気呵成に先頭車両へ向かった…。


 マンガ原作ということもあってか、実際には到底考えられないような矛盾点やツッコミどころが多すぎる。まぁ、この原作は日本では出版されていないらしく、原作の方ではどういうふうに描かれているのかは、知る由も無いのだが、ディストピアな世界観のダークファンタジーと捉えればいいのかもしれない。


 矛盾点は挙げればきりがないのだが、まず17年も休まず機関車のエンジンが動き続けている事。まぁ、それ以前にそれだけ長い間、外は生物が死滅するほど過酷な状況という事は線路の整備もできない筈なのに、脱線事故が起きていないという矛盾もあるのだが(笑)、何の燃料もいらない状態でエンジンが動き続けているという事は、そこに“永久機関”が存在しているという、現在の純粋力学でも熱力学でも有り得ない事が描かれているのだ。これはスゴい事である(笑)。


 さらに、後方車両に乗っている者に、食事として与えられるプロテインブロックの原料は、映画ではゴキブリのような虫が使われていたが、ゴキブリは寒冷地には生息しない。テラフォーマーズ化でもしたのかな(笑)。それにしても、どうやって集めたのだろうか?


 他にもたくさんあるのだが(ラストもさっさと逃げなきゃ喰われるぞシロクマに)、考えるだけ野暮って事なのかな? でも、こんな矛盾だらけでメチャクチャな設定が、実は近未来に実現してしまうのではないか、と思わせるのが、この映画の肝であり怖いところなのである。


私の評価…☆☆☆★

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2014年2月15日 (土)

僕は友達が少ない

僕は友達が少ない
劇場:T・ジョイ京都
監督・脚本:及川拓郎
原案:平沢読「僕は友達が少ない」
主題歌:ケラケラ「ひとつだけ」
出演:瀬戸康史、北乃きい、大谷澪、高月彩良、神定まお、久保田紗友、山田萌々香、石原良純、栗原類、渡辺大 他


 《面白いけど、無駄にエロ描写が多い》


 “はがない”の愛称で知られる平沢読の人気ライトノベルを、コミック化、TVアニメ化に続き実写映画化。個性が強すぎるが故に友達がいない7人が、友達を創るために創った部活「隣人部」に集い、そこから生まれる、ありえない筈なのにどこかリアルな放課後のひとときを、原作とは違うオリジナルストーリーで描く。


 「聖クロニカ学園」。父は日本人、母はイギリス人の金髪ハーフ、しかも目つきが悪いことから、虐められる事もある高校2年生、羽瀬川小鷹〈こだか〉(瀬戸康史)は友達ができずひとりで過ごしていた。


 ある日、忘れたケータイを取りにクラスに戻ると、エア友達と会話している風変わりな美少女、三日月夜空〈よぞら〉(北乃きい)とばったり出くわす。とことんジコチューだが、「手っ取り早く友達をつくりたい」と吐露する夜空を前に、小鷹も「いつか本当の友達に巡り会いたいと思っている」と本音を口にする。


 間もなく夜空は、「隣人部」なる友達作りをする部活を発足。小鷹は無理矢理、入部させられる。やがて、学力、スタイルともに完璧なお嬢様の柏崎星奈〈せな〉(大谷澪)、いじめられっ子の美少年・楠幸村〈ゆきむら〉(高月彩良)、天才発明少女の志熊理科〈りか〉(神定まお)、小鷹の妹でゴスロリファッションの小鳩〈こばと〉(久保田紗友)、10歳のシスター高山マリア(山田萌々香)といった、自分の世界を持つが故に孤立している面々が加わり、「隣人部」は活気づいていく。ただ集まり、思い思いに過ごしつつ、リレー小説を書いたり、ときにはみんなでカラオケに出かけたりと、人並みの想い出も育むことになる部員たち。


 ところが夏休み直前、かねてより小鷹たちをよく思っていなかった生徒会長・西園寺(栗原類)の横暴によって、「隣人部」は廃部に追い込まれる。さらに困ったことに、理科が発明した、バーチャル世界でギャルゲーをリアルに体験するゲーム機に星奈がハマってしまい、仮想ワールドでリア充する「ひきこもり」になってしまう。


 星奈を助けるために、ゲームの世界に飛び込む小鷹たちだったが…。


 こんなブッ飛んだ展開の映画を観たのは久々だ(笑)。最近はラノベ(=ライトノベル)原作のTVアニメやドラマが多いが、それらは大抵“大人向けの”描写があったりするため深夜放送となったり、単館系での上映になったりするものだ。この作品もアニメ版は深夜放送だったが、まさか実写映画化するとは思ってなかったし、しかもインディペンデント系ではなく東映配給(笑)である。


 元々東映は、他のメジャー2社とは違って、割合何でもアリな作風のものが多いのだが、それにしても最近は些か節操がない気がする。過去にはエログロ路線なんてのもあったが、この映画は何か無意味なエッチ描写が多い。舞台となるのは殆どが高校の校舎の中なのだが、さすがにヌードは無いものの女子生徒がやたらと胸をはだけていたり、極端なローアングルで撮っている部分があるためパンチラシーンが多かったりと、まるでどこかの風俗店と見紛うような学校になっている。


 原作やアニメ版を観たことがなくても、例えば他の深夜アニメで似たような類のものを観ていた人なら、雰囲気にはついてこられると思うし、映画はオリジナルであっても、中盤からは原作・アニメと共通のアイテムも出てくるので、雰囲気は壊されていないと思うので、あとはキャスティングだが、主人公の瀬戸康史はどう見てもハーフっぽくないし目つきも悪くない(笑)。アニメ版に似せようとしたのかもしれないが、もう少し設定通りのキャスティングはできなかったものか。エロ描写ありの映画なので、高校生をキャスティングしにくいのは仕方ないとは思うが。


 その点、ヒロインの1人である北乃きいだけは、さすがにエロ描写がない(笑)かわりに、もう高校を卒業してだいぶ経つのに、まだこういう役が通用する。個人的には「武士道シックスティーン」の続編(原作にはある)が見たいのだが、それはもう無理なのか…。


 ちなみに、似たようなものの実写映画化といえば、今度は角川映画で「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」を、元ジュニアアイドルの橋本甜歌主演で実写映画化するのだとか。そちらはラノベではなくコミック原作なのだが、5月公開予定なのに、まだ東京と福岡しか上映が決定していない。果たしてこういう路線は、成功するのかね?


私の評価…☆☆☆

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2014年2月12日 (水)

マイティ・ソー ダーク・ワールド 3D

マイティ・ソー ダーク・ワールド 3D
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:アラン・テイラー
原作:スタン・リー、ラリー・リーバー、ジャック・カービー「ソー」
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):クリス・ヘムズワース(三宅健太)、ナタリー・ポートマン(坂本真綾)、トム・ヒドルストン(平川大輔)、アンソニー・ホプキンス(浦山迅)、ステラン・スカルスガルド(金子由之)、イドリス・エルバ(斉藤次郎)、クリストファー・エクルストン(相沢まさき)、アドウェール・アキノエ=アグバエ、カット・デニングス(田村睦心)、レイ・スティーヴンソン(咲野俊介)、ザッカリー・リーヴァイ(遠藤大智)、浅野忠信(同)、ジェイミー・アレクサンダー(北西純子)、レネ・ルッソ(滝沢久美子)、クライヴ・ラッセル(佐々木敏)、ベニチオ・デル・トロ(石住昭彦)、オフィリア・ラヴィボンド、アリス・クリーグ(寺内よりえ)、ジョナサン・ハワード(佐藤せつじ)、トニー・カラン(石田圭祐)、リチャード・ブレイク、クリス・オダウド(山岸治雄)、クリス・エヴァンス(中村悠一)〔カメオ出演〕、スタン・リー(広瀬正志)〔カメオ出演〕 他


 《人気悪役ロキの存在感が増大》


 人気アメコミを実写映画化した「マイティ・ソー」の続編。ストーリー自体は「アベンジャーズ」から1年後を描いており、「アベンジャーズ2」に繋げようとするシナリオになっている。


 「アベンジャーズ」の戦いから1年。世界は新たな危機を迎えようとしていた。その発端は英国・ロンドン。原因不明の重力異常が発生した。これを調査していたソーの恋人であり天文物理学者のジェーン(ナタリー・ポートマン)は、原因をつきとめるべくロンドンへと向かう。だが、この怪異は、宇宙が誕生する以前から存在していた闇の力を復活させ、地球侵略を足掛かりにして全宇宙をダーク・ワールドに変えることを企むダーク・エルフの仕業だった。天文物理学の視点で調査を進めるジェーンがその謎に迫った時、彼女は宇宙滅亡を導く鍵となる〈ダーク・エルフの力〉を自らの身体に宿してしまう。その異変に気付いたソー(クリス・ヘムズワース)は、ジェーンを救うべく、故郷アスガルドへ彼女を連れていく。だが、この行動が、アスガルドのみならず全宇宙を危険に晒す事態を招くことに…。


 そして、ソーの前に、ダーク・エルフを率いるマレキス(クリストファー・エクルストン)が姿を現した。ジェーンの身体に宿ったエネルギーを狙い、アスガルドに攻めてきたのだ。マレキスは、嘗てアスガルドに敗れ、強い恨みを持つ邪悪にして危険な存在だった。


 マレキスの残虐で巧みな攻撃によってアスガルドが危機的状況に追い込まれた時、ソーは、最後の手段として、血のつながらない弟にして宿敵の邪神ロキ(トム・ヒドルストン)に協力を求める。ロキもまた、唯一愛する存在が窮地にあることを知り、憎み続けているソーとの共闘を受け入れた。再びロンドンへと舞台を移した戦いは、壮絶さを増していく…。


 果たしてソーは、マレキスを倒し、この世界を救うことができるのだろうか。そして、ロキの真の目的は…?


 まだまだ続く“アベンジャーズ・プロジェクト”。この映画は、これから製作される予定の「アベンジャーズ2」に向けての前振りなのだが、まだ包み隠されている部分が多いにしても、外せない1本であることには違いない。


 監督が前作のケネス・ブラナーから交代したことで、内容とともに作風が少し明るくなったような気がする。「アベンジャーズ」のあるメンバーが面白い形でカメオ出演しているのも笑えるし、主演のクリス・ヘムズワースも役に古慣れてきた感じがしていい。ただ前作にはあったソーの毒気が薄くなってしまったのは仕方がないか。


 その代わり、邪神ロキの存在感が増した。ある意味ソーよりも人気が高く、でも自分は絶対に好きにはなれない悪役キャラなのだが、何をしでかすのかわからない危うさが、映画的な魅力でもあり、通算3作目であるトム・ヒドルストンのロキは、最早完全に主役のソーを食っている。大体こういう人気悪役はどんな事をやっても最悪殺さない方向に持っていくのが筋なのだが、その意味では最後までハラハラする展開があり、飽きさせない。


 ちなみにこの映画、わざわざ冒頭にエンドロール後のオマケ映像の告知がある。「アベンジャーズ2」と、先頃製作が決定した「マイティ・ソー3」に直接繋がるのかどうかは不明だが、かなり重要と思われる場面が流れるので、最後まで絶対に席を立たないように。


私の評価…☆☆☆☆

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2014年2月 9日 (日)

アメリカン・ハッスル

アメリカン・ハッスル
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:デヴィッド・O・ラッセル
音楽:ダニー・エルフマン
出演:クリスチャン・ベール、ブラッドレイ・クーパー、エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、ジェニファー・ローレンス、ルイス・C・K、マイケル・ペーニャ、ジャック・ヒューストン、エリザベス・ローム、エリカ・マクダーモット、メリッサ・マクミーキン、コリーン・キャンプ、アレッサンドロ・ニヴォラ、ドーン・オリヴェリ、トーマス・マシューズ、ボー・クリアリー、ジャック・ジョーンズ 他


 《ジェニファー・ローレンスの演技が素晴らしい!》


 1979年にアメリカで実際に起こった収賄事件「アブスキャム事件」を基に描くドラマ。“アブスキャム(ABSCAM)”とは、ARABSCAM(=アラブの悪業)の略で、この頃からよく使われはじめた囮捜査で、秘密捜査官が大富豪のアラブ王族に扮して捜査を行ったことから名付けられた。


 完全犯罪を続けてきた天才詐欺師、アーヴィン・ローゼンフェルド(クリスチャン・ベール)と、そのビジネス・パートナーにして愛人のシドニー・プロッサー(エイミー・アダムス)。遂に逮捕された2人は、イカれたFBI捜査官のリッチー・ディマーソ(ブラッドレイ・クーパー)に、自由の身と引き換えに捜査協力を強いられる。それは偽のアラブの大富豪を使って、アトランティック・シティのカジノの利権に群がる政治家とマフィアを罠にハメるという危険な作戦だった。


 ターゲットはカーマイン市長(ジェレミー・レナー)。しかし、アーヴィンの妻・ロザリン(ジェニファー・ローレンス)が、アーヴィンとシドニーへの嫉妬から捜査をブチ壊す動きを見せるが…。


 「世界にひとつのプレイブック」の監督が描いているだけあって、ストーリーの構成やテンポが良く、役者たちの演技も素晴らしい。「世界にひとつの〜」の時とは違って実話ベースなので、コメディ調の割には笑える場面は少ないが、前作同様演技が達者な役者が集まっため、FBI捜査官が企てた計画が成功するか、そして、それと引き換えに詐欺師と市長がそれぞれ失ってしまうものとは何か? 最後までハラハラする。


 「世界にひとつの〜」は、アカデミー賞の演技部門賞全てでノミネートされるという快挙があったが、本作も今年度のアカデミー賞で演技部門賞全てでノミネートされている。まぁ、さすがにジェニファー・ローレンスの最優秀助演女優賞2年連続受賞はないと思うのだが、彼女はこの映画でも、かなりいい味を出している。


 彼女は今回、詐欺師の妻を演じているが、これがかなりダメダメな女。何せ料理はできないわ、周りの空気は読めないわ、電子レンジにアルミホイルを入れて爆発させてしまうわというトンでもな女なのだが、これが物語の中盤から出てきて、それまで予定調和気味だった話を、あらぬ方向へと導いていくのだ。映画の前半は頭がハゲて変にブヨブヨな体になった、現代の“カメレオン俳優”クリスチャン・ベールの姿にビックリしっ放しだったが、後半はこのジェニファー・ローレンスが話を面白くさせてくれる。せっかく成功しかかった作戦に、思わぬ横槍が入ることによって緊迫感が増し、全てが実話というわけではないだろうが、映画としては面白くなった。胸元を常に曝け出してセクシー満開の、エイミー・アダムスとの火花バチバチ対決も見所の1つだが、完全に食っている感じがした。


 ちなみに、クリスチャン・ベールが役柄に合わせて体形まで変えてしまう現代の“カメレオン俳優”とするならば、その元祖ともいえるベテラン俳優がマフィアのドンという、この人らしい役でカメオ出演している。ベール同様髪の毛を抜いて薄くさせているのだが(この人、前にもそんなことして出演した映画あったなぁ)、観に行く人は探してね。


私の評価…☆☆☆☆

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2014年2月 7日 (金)

エンダーのゲーム

エンダーのゲーム
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ギャヴィン・フッド
原作:オースン・スコット・カード「エンダーのゲーム」
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):エイサ・バターフィールド(逢坂良太)、ハリソン・フォード(磯辺勉)、ヘイリー・スタインフェルド(佐藤聡美)、アビゲイル・ブレスリン(白石涼子)、ベン・キングズレー(麦人)、ヴィオラ・デイヴィス(斎藤貴美子)、アラミス・ナイト(沢城みゆき)、スラージ・パーサ(桑島法子)、モイセス・アリアス(内山昂輝)、カイリン・ランボ(木村昴)、ジミー・ピンカク(阪口周平)、ノンソー・アノジー(乃村健次)、コナー・キャロル(田谷隼)、カレブ・J・タガード、スティーヴィー・レイ・ダリモア(志村知幸)、アンドレア・パウエル(田中敦子)、ブランドン・スー・フー(朝比奈拓見)、トニー・マーカンダニ(大友龍三郎)、オースン・スコット・カード〔カメオ出演〕 他


 《娯楽作として観ていいのか少し複雑な気分》


 1985年に発表された、オースン・スコット・カードによる小説「エンダー」シリーズ第1作を実写映画化。


 2XXX年、謎の生命体「フォーミック」の侵攻から、辛くも絶滅を免れた人類は、迫り来る第二次侵攻こそ、人類存亡を賭けた最終決戦と覚悟を決め、地球の運命を託す新世代(ニューカインド)の戦士の育成を急いでいた。


 そんな中、エンダー(エイサ・バターフィールド)は禁断の「サード(第3子)」として生まれたために、友達もいない孤独な少年時代を過ごす。エンダーは優秀な兄姉の存在によって、その頂点に立つ〈戦争を終わらせる者〉と期待され、妬みといじめの対象になっていたのだ。


 敵は、独自に進化し圧倒的な軍事力を誇る昆虫型異星生命体「フォーミック」。その第二次侵攻に備え、世界中から選抜された少年戦士たちは、地球防衛組織である国際艦隊「インターナショナル・フリート(IF)」のハイラム・グラッフ大佐(ハリソン・フォード)によって地球を離れ、究極のエリートのみが選ばれる戦闘訓練基地(バトル・スクール)へと送られる。その中にエンダーの姿もあった。


 たとえ敵であろうと、多くの生命を奪う戦争は許されるのか? エンダーは強い疑問を抱え苦悩しながらも、驚くべき速さで戦士として頭角を現す。実戦さながらの無重力バトル訓練で連戦連勝、若干10歳にして自分の隊を率い、指揮官となるべく24時間あらゆるプレッシャーに晒されるエンダー。彼の才能を妬む者からは、卑劣な手段で攻撃され、命のやりとりさえも、訓練の一環だった。だが、地球に残された時間は、あと僅か… グラッフ大佐は遂に、エンダーに最後の試練を課す。それは失敗の許されない艦隊シミュレーション演習。だが、それはエンダーの心を徹底的に破壊しかねない、衝撃の事実が隠されていた…。


 「エヴァンゲリオン」や「ガンダム」など、日本のサブカルチャーに影響を与え、実写映像化不可能といわれた名作SF小説を実写映画化。原作は未読だが結構な長編のようで、映画はさしづめダイジェスト版といったところか。「エヴァ」等に影響を与えたという事から考えると、主人公の家庭環境が複雑だったり、戦うことの意味や葛藤が原作には描かれているのだろうが、映画では深く掘り下げられておらず、やや物足りない。


 そのかわり、やはり娯楽ということを前面に押し出そうとしたのか、戦闘シミュレーション等の場面は、ビジュアルがかなり凝っており、見応えがある。ただ、この原作が刊行されたのは1985年。つまり、まだ“ゲーム感覚の戦争”と揶揄された湾岸戦争が起きる前(勃発したのは1991年)である。時代を先見していたといえば、聞こえがいいが、これを子供がやっている… いや、やらされているというのを見ると、当時ならともかく今はかなり問題があるのではないかと思うのだが、果たして娯楽として見ていいのだろうか? そのあたりは本国でも賛否両論らしいのだが。


私の評価…☆☆☆★

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2014年2月 4日 (火)

【スクリーン・ビューティーズ】ヒッチコックとブロンド・ビューティー「泥棒成金」

【スクリーン・ビューティーズ】ヒッチコックとブロンド・ビューティー「泥棒成金」
【スクリーン・ビューティーズ】ヒッチコックとブロンド・ビューティー「泥棒成金」
劇場:MOVIX京都
製作・監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:デイヴィッド・ドッヂ「泥棒成金」
出演:ケーリー・グラント、グレース・ケリー、シャルル・ヴァネル、ジェシー・ロイス・ランディス、ジョン・ウィリアムズ、ブリジット・オーベール 他


 《サスペンスというよりも、グレース・ケリーのファッションを楽しむ映画》


 1955年に公開された、ヒッチコックにとっては初のワイドスクリーン作品で、当時パラマウントが新しく開発していたビスタビジョンで撮影された。ヒッチコックは自作の映画に1シーン必ず“出演”するのだが、本作ではバスの中でケーリー・グラントの隣に座る乗客がそれだ。


 パリの大警視ルピックが南仏リヴィエラにやってきたのは、戦前「猫」と異名をとった、稀代の宝石泥棒のジョン・ロビー(ケーリー・グラント)がまたまた活躍をはじめたという情報が入ったからであった。しかし当のロビーは、戦後は堅気になり、リヴィエラに別荘を買い込んで呑気な暮らしをしていたので、急に警官に追われる身となり、驚いてしまった。彼は旧友のベルタニ(チャールズ・ヴァネル)の経営する料理店に相談にいった。ベルタニとロビーは、第二次大戦中、ドイツの飛行機により爆撃されたフランスの刑務所から脱走した仲間同士であった。ベルタニの指示でロビーはニースに行き、そこで保険会社の調査員ヒュースンに会った。ヒュースンはロビーに宝石キチガイの母親と一緒に来ているアメリカ娘、フランセス・スティーヴンス(グレース・ケリー)を紹介した。ロビーは木材商バーンズという仮名を使っていた。彼はフランセスに一目で参ってしまった。ロビーはヒュースンの会社の保険契約の名簿から南仏の金持ちの名前を調べあげた。「猫」が彼等の持つ宝石
に目をつけて行動をはじめれば、その正体を暴くことができると考えたのである。ロビーをドライブに連れ出した彼女は、自動車の上で彼の正体を暴いた。彼女は彼の本名を知っていたのだ…。


 グレース・ケリーといえば、ヒッチコックのお気に入り女優の1人で、「裏窓」や「ダイヤルMを廻せ!」等に出演しているが、それに比べるとこの「泥棒成金」は、やや地味な映画だ。


 ミステリーとしては筋が破綻しているし、ストーリーも面白味に欠ける、はっきり言ってヒッチコックらしくない映画だが、とにかくグレース・ケリーだけは目茶苦茶奇麗に撮っていて、これはもう、監督がよほどグレースの事を気に入っていたというのがよく分かる映画だ。


 ところで、今回の上映はデジタル・リマスターという事だが、字幕のフォントが従来のものとは違っていた。もしかして、今後Blu-rayで発売されるのかな?


私の評価…☆☆☆★

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