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2014年4月

2014年4月30日 (水)

大人ドロップ

大人ドロップ
大人ドロップ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:飯塚健
原作:樋口直哉
音楽:海田庄吾
主題歌:黒猫チェルシー「サニー」
出演:池松壮亮、橋本愛、小林涼子、前野朋哉、渡辺大知 他


 《ちょっぴりビターな青春映画》


 芥川賞候補にもなった樋口直哉の同名小説を映画化。高校卒業を控えた男女が、少しずつ大人への階段を上っていくひと夏の物語。


 高校3年生の浅井由(池松壮亮)は、親友のハジメ(前野朋哉)に頼み込まれてクラスメートの入江杏(橋本愛)とのデートをセッティングしようとするが、これが元で彼女は怒る。仲直りできないまま夏休みに突入。杏は突然学校を辞め、遠くへ引っ越してしまった。杏のことがずっと心に引っ掛かっているが、それが恋なのか、ハジメへの対抗心のためか自分でもわからないでいた。また、女友達のハル(小林涼子)から年上の彼氏との恋愛相談をされ、大人になろうと急いでいる彼女の言葉にハッとさせられる。ハジメの言動も変わり始めていた。周囲の友人たちが子供から大人になろうとしていることに気付き、浅井は焦りを感じる。大人になるとはどういうことなのか悩んだ浅井は、思い切って杏に手紙を出す。数日後、彼の元に届いた返事には、杏がなぜ学校を辞めたのかが書かれていた。いても立ってもいられなくなった浅井は、ハジメとともに片道200キロの旅に出る…。


 自分が高校生くらいの時もそうだったが、好きな人に素直になれない気持ちは、高校生くらいの男の子なら、殆ど誰でも持っているのではないか。本作は現代が舞台ではあるが、そういう若者の気持ちを、時にノスタルジックに描く。


 高校生を演じる旬の俳優たちの演技がいい。みんな、もうとっくに高校を卒業している年齢なのだが(笑)、不思議と違和感がなく瑞々しい。中でもハル役の小林涼子は、僕が昼ドラで観た時のイメージが残っているのか、今までおとなしい役が多かったように思うのだが、今回はとびっきり明るい役で、新鮮な感じがした。


 こういう青春映画が好きな人や、学生時代に同学年で好きな相手がいた人にお薦め、と言いたいところだが、この映画、公開している所が少なく、僕が観てからも少し日にちが経ってしまったため、現在上映中の映画館は全国で2館のみである。この映画は東宝映像事業部の製作・配給で、つまりは、「劇場版 闇金ウシジマ君」と同じような興行(“ほぼ”TOHOシネマズ限定公開)をやっているのだが、映画通好みの作品が、シネコンではかかりにくくなっているのを実感した。そりゃまあ、テレビ局やテレビドラマの影響もあるから、大作に偏るのもわからなくはないし、収入面を考えればヒット作を拡大上映するのも仕方がないが、それを目当てに来ている客ばかりではない。やっぱりこの映画のように小品でも良作はあるのだから、1日の上映2〜3回で3週間で切るようなことはしてほしくないなと、正直思った。


私の評価…☆☆☆

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2014年4月29日 (火)

平成ライダー対昭和ライダー仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊

平成ライダー対昭和ライダー仮面ライダー大戦 feat.<br />
 スーパー戦隊
平成ライダー対昭和ライダー仮面ライダー大戦 feat.<br />
 スーパー戦隊
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:柴崎貴行
脚本:米村正二
原作:石ノ森章太郎、八手三郎
音楽:中川幸太郎、山下康介
主題歌:串田アキラ&KAMEN RIDER GIRLS「ドラゴン・ロード2014」
出演:門矢士…井上正大、乾 巧…半田健人、葛葉紘汰…佐野岳、左翔太郎…桐山漣、駆紋戒斗…小林豊、呉島光実…高杉真宙、高司舞…志田友美、呉島貴虎…久保田悠来、阪東清治郎…弓削智久、操真晴人…白石隼也、草加雅人…村上幸平、鳴滝…奥田達士、葵 柊…青木柚、マリ…三好杏依、葵 咲…雛形あきこ、葵 連…板尾創路

〈烈車戦隊トッキュウジャー〉ライト…志尊淳、トカッチ…平牧仁、ミオ…梨里杏、ヒカリ…横浜流星、カグラ…森高愛

〈獣電戦隊キョウリュウジャー〉桐生ダイゴ…竜星涼

〈仮面ライダー及びバダン帝国幹部の声〉鈴村健一、関智一、石川英郎、山口勝平、神谷浩史、稲田徹、関俊彦、壌晴彦、川野剛稔、河本邦弘

村雨良&暗闇大使…菅田俊、神敬介…速水亮、本郷猛…藤岡弘、 他


 《無理に無理を重ねた結果…》


 石ノ森章太郎原作の人気特撮ヒーローシリーズの劇場版。今回は15人の平成ライダーと15人の昭和ライダーがバトルを繰り広げる。


 ある日、葛葉紘汰の前に初代ライダー・本郷猛が現れる。やがて、平成ライダー(クウガ、アギト、龍騎、ファイズ、ブレイド、響鬼、カブト、電王、キバ、ディケイド、W、オーズ、フォーゼ、ウィザード、鎧武)VS 昭和ライダー(1号、2号、V3、ライダーマン、、X、アマゾン、ストロンガー、スーパー1、ZX、BLACK、BLACK RX、シン、ZO、J)30人の勇者たちによる掟破りの超ジェネレーション・バトルが勃発する。さらにスーパー戦隊までもが続々登場。なぜ彼らは戦わなければならないのか。そして、この禁断のライダー対決に決着はつくのか…。


 こういう映画も好きで結構観に行くのだが、今回はただでさえ無理がある展開を強いられるものに、ある“仕掛け”を設定したため、つまらない結末になってしまった。


 その“仕掛け”とは、映画の公開日より前に平成と昭和ライダーのどちらを勝たせたいか、映画館に来場した客に投票させ、票数の多い方を上映するというもの。


 つまりは、この投票という企画が立ち上がった段階で、両方のパターンが作られることになり、当然予算の都合上最初から違う内容になるものを2本作るワケにいかないので、恐らくラストのパターンだけを変えたものが作られたのだろうが、これが裏目に出てしまった。


 何でかというと、映像だけ観れば、昭和ライダーの方を勝たせたい… いや負けさせたくないという製作側の意図がミエミエだからだ。投票数は約277万票あって約760票という僅少さで平成ライダーに軍配があがったのだから、お客さんにも昭和ライダーを勝たせたいという人が結構いたことが分かるのだが、あのラストを観ていると、何だかどっちのバージョンも映像は変えずに、藤岡弘、のアフレコだけを変えて作っているのかな、とも思ってしまう。


 こういうオールスター・ヒーロー大集合ものは、普通に作っても、どこか無理が生じてくるもの。奇を衒ったことをすれば、尚更おかしくなってしまうので、ライダー同士の啀み合いは、正直描いてほしくはなかった。


私の評価…☆☆

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2014年4月22日 (火)

THE NEXT GENERATION パトレイバー 第1章

THE NEXT GENERATION パトレイバー 第1章
THE NEXT GENERATION パトレイバー 第1章
劇場:MOVIX京都
総監督:押井守
監督:押井守、田口清隆
脚本:押井守、山邑圭
原案:ヘッドギア(ゆうきまさみ、出渕裕、高田明美、伊藤和典、押井守による製作ユニット)
音楽:川井憲次
主題歌:真野恵里奈「Ambitious!」
出演:泉野明(いずみの・あきら)…真野恵里奈、後藤田隊長…筧利夫、塩原佑馬…福士誠治、カーシャ…太田莉菜、シバシゲオ…千葉繁、大田原勇…堀本能礼、山崎弘道…田尻茂一、御酒屋慎司…しおつかこうへい、渕山義勝…藤木義勝 他


 《まだほんの出だしの部分》


 作業用ロボット“レイバー”が普及した近未来の東京を舞台に、レイバー犯罪に立ち向かう警視庁警備部パトロールレイバー中隊の面々の日常を描いた漫画「機動警察パトレイバー」。過去にはTVアニメ化され、映画化もされた。今回はそのアニメをてがけた押井守自らが総監督を務めて実写TVドラマ化。アニメ版のその後の世代を描くもので、エピソード0+全12話が予定されている。今年4月より来年1月にかけて、その13話を7章にまとめ、映画館で特別料金(\1,200.- )による限定先行公開を行い、1章ごとの公開終了数日後にBSスターチャンネルで独占放送という形をとる(つまり、有料でしか見られない)。そして、来年には完全オリジナルの劇場用長編映画が予定されている。


 ロボットテクノロジーの発達によって登場した汎用人間型作業機械“レイバー”は急速に発展、普及し、軍事、民生を問わずあらゆる分野で使用されるようになった。特に、東京湾周辺には、国家的プロジェクト“バビロンプロジェクト”のために日本国内のレイバーの大半が集中。このプロジェクトは、地球温暖化による海面上昇に対する措置として東京湾の川崎―木更津間に大堤防を建設、さらに1995年の東京南沖大地震で発生した瓦礫の内側を埋め立てることで首都圏の土地不足を解消するという、一石三鳥を狙ったものだった。だがその結果、レイバーの事故は勿論、レイバーを使用した様々な犯罪行為が多発して社会問題化。この“レイバー犯罪”に対処するため、警視庁は警備部内の特機部隊にレイバーを導入し、その任に当たらせた。特科車両二課パトロールレイバー中隊、通称“パトレイバー”の誕生である。そして月日は流れ、“バビロンプロジェクト”も一段落した2013年の東京。長期的不況により、手間と費用のかかるレイバーはお払い箱になっていた。これにより、特車二課第一小隊は解散。第二小隊はレイバー運用経験の継続という名目のもと、辛うじて存続している状況だった。そんな時代に取り残されたように、特車二課配備のレイバー“98式イングラム”だけは栄光の初代、無個性の代目、無能の三代目と引き継がれていった。そして、特車二課存続問題すら浮上する今日、動かせば壊れる無用の長物“98式イングラム”と共に、“三代目”特車二課は“待機”という名の怠惰な日々を送っていた。そこへ飛び込んできた久しぶりの出動要請に色めき立つ隊員たち。工業用レイバー“クラタス”を相手に見事、華々しい成果を挙げることができるのか!?


 本作は最近よくはやりの(?)TVシリーズやOVAの販促企画である。なので、ここで感想を書くのもどうかと思ったのだが、今後観なくなるかもしれないので、一応書いておくことにする。


 今回の上映分は、放送予定回数からして1クールのほんの出だしに過ぎず、レイバーが本格始動する前に終わってしまう。このため、次の第2章くらいまでは観ないと、今後観るべきなのか判断がつきにくいが、押井監督は狙ったかのように、アニメ版と同じグダグダな演出をやってしまった。アニメ版ではこれが独特の雰囲気が出ていて良かったのだが、実写で同じことをやっても通用するとは限らない。似たようなギャグの三段落ちなんかやられても、スベりまくりで観るに堪えないのだ。アニメ版と同じ役を実写版でも千葉繁が演じているので、アニメファン向けに作っているのは丸分かりなのだが、もしこのままの状態が次回以降も続けば、アニメファンからも外方を向かれるのではないかと心配である(笑)。


 一応、自分はアニメ版もちょくちょく観ていたし、本シリーズも観られる時間等、可能な限り観てみようとは思うのだが、とりあえず今回は低めの評価にしておこうか。


私の評価…☆☆

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2014年4月19日 (土)

早熟のアイオワ

早熟のアイオワ
劇場:京都シネマ
監督:ロリ・ペティ
原案・脚本:ロリ・ペティ、デヴィッド・アラン・グリア
音楽:マイク・ポスト
出演:ジェニファー・ローレンス、ボキーム・ウッドバイン、ソフィア・ベアリー、クロエ・グレース・モレッツ、デヴィッド・アラン・グリア、セルマ・ブレア 他


 《10代の頃から演技派の片鱗を見せていたJ・ローレンス》


 「ハートブルー」や「プリティ・リーグ」などに出演した女優のロリ・ペティが、自らの少女時代を反映させた衝撃の人間ドラマ。約6年前の映画で、まだブレイク前で当時17歳のジェニファー・ローレンス(「世界にひとつのプレイブック」)と、同じく当時10歳のクロエ・グレース・モレッツ(「キック・アス」シリーズ)が姉妹役で出演している。


 1976年、14歳のアグネスは(ジェニファー・ローレンス)妹たち(次女=ソフィア・ベアリー、三女=クロエ・グレース・モレッツ)とともにアメリカ・アイオワ州の小さな町にある「ポーカー・ハウス」と呼ばれる不法居住者の家に住んでいた。そこでは夜な夜なポーカー賭博や売春が繰り広げられ、ドラッグディーラーたちが集まってきた。母親(セルマ・ブレア)から売春を強要されながら、死に物狂いで妹たちを守る日々。そんな過酷な境遇のアグネスに、さらに追い打ちをかけるような事件が起きる…。


 本作は6年前に製作されたものの、主演のジェニファー・ローレンスが当時まだ無名だった事と、恐らく内容が重すぎるという事で日本では公開が見送られたものであろう。その後、ジェニファー・ローレンスは「世界にひとつのプレイブック」でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、日本でも「X-MEN ファースト・ジェネレーション」や「ハンガーゲーム」などで名が知られるようになった。そして、この映画には主人公の妹役でクロエ・グレース・モレッツが出ていて、彼女もこの映画の後、「キック・アス」で人気が出る。今なら、小規模な公開でそこそこ客入るんじゃない? ってなノリで公開しているんだろうな、きっと。


 その2人は本当に初々しいのだが、子供がやったらトラウマになりそうな強烈な役を、実に無難にこなしているなという感じ。ジェニファー・ローレンス扮するアグネスはラスト近くでレイプされ、その後の風呂場での母親とアグネスのシーンはあまりに痛々しく切ない。暗くて些か商業ベースには乗らなさそうな映画だが、作者つまり監督自身の屈折した少女期の思いと、作者なりの家族愛が伝わってきた。


 どうしてもその2人ばかりに目がいきがちだが、しっかり者の次女役ソフィア・ベアリーも可愛く、演技も素晴らしい。彼女は本国でも映画よりTVドラマへの出演が多く(「クリミナル・マインド FBI行動分析課」等)、なかなか出演作を探しだす事ができないのだが、注目すべき女優である。


私の評価…☆☆☆

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2014年4月16日 (水)

LIFE! 生きている間に、生まれ変わろう。

LIFE! 生きている間に、生まれ変わろう。
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ベン・スティラー
原作:ジェームズ・サーバー「虹をつかむ男」
脚本:スティーブン・コンラッド
音楽:シオドア・シャピロ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ベン・スティラー(岡村隆史)、クリステン・ウィグ(三石琴乃)、ショーン・ペン(山路和弘)、アダム・スコット(花輪英司)、シャーリー・マクレーン(沢田敏子)、キャスリン・ハーン(鯨エマ)、パットン・オズワルト(吉見一豊) 他


 《世の流れに立ち向かう一歩を踏み出す勇気》


 ベン・スティラーが、「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(2008年)以来6年ぶりに監督した映画。1939年に発表されたジェームズ・サーバーの短編小説「虹をつかむ男」を原作とする1947年のダニー・ケイ主演映画「虹を掴む男」のリメイクである。


 ウォルター・ミティ(ベン・スティラー)の頭の中には、常に空想が渦巻いていた。毎日、ニューヨーク郊外から地下鉄に乗って雑誌「LIFE」のオフィスへ通勤、そこで地味な写真整理の仕事をしながら、何ひとつ変わりばえのない日々を繰り返しているウォルター。


 不器用な性格ゆえに人付き合いが下手で、密かに熱烈な想いを寄せている経理部の同僚、シェリル・メルホフ(クリステン・ウィグ)に話しかけることもままならない。しかし空想の世界の中では、勇ましいヒーローに変身して大活躍できるし、世界中のありとあらゆる場所で胸躍るアドベンチャーを繰り広げることもできる。それがウォルターにとって退屈な日常をやり過ごすための唯一の手段であった。


 そんなウォルターがふと我に返ると、やはり現実は厳しかった。時代が要請するデジタル化の波に抗えず「LIFE」は経営が悪化、新たなボス(アダム・スコット)はリストラの対象としてウォルターに目をつけていたのだ。しかも最悪なことに、「LIFE」最終号の表紙を飾る大切な写真のネガがないことに気付く。クビを恐れた彼は、冒険家でもある著名カメラマン、ショーン・オコンネル(ショーン・ペン)を捜し出し、直接ネガのありかを聞こうと決意する。


 こうしてウォルターははるばる北極圏のグリーンランドにやってくるが、あと一歩のところでショーンに追いつけず、ありえないほど波乱に満ちた旅の継続を余儀なくされてしまう。空想の中で最愛のシェリルの助けを借り、ありったけの勇気を古い起こしてアイスランドの火山地帯を訪れるウォルター。しかし、このとき彼はまだ気付いていなかった。突飛な空想をもはるかに超越したこの壮大なる現実の旅が、彼の人生を一変させていくのだった…。


 一応この映画はリメイクという事だが、原作が短編という事もあってか、オリジナル版と同じところは、妄想癖のある主人公という点のみで、内容は殆ど違うといっていいものになっている。


 そのオリジナル版は未見なので、比べる事はできないが、このリメイク版は、実際にあった「LIFE」誌の休刊騒動をフィクションに絡ませているのが面白い。街中の看板などコラージュされたオープニングタイトルも秀逸だ。


 前半部分がやや冗長なのが気になるが、後半で主人公が写真家を探す旅に出てからストーリー展開のテンポが良くなり、俄然面白くなる。


 世の中の移り変りは非常に早いもの。「LIFE」誌に限らず雑誌の類は、インターネットの普及によって休刊に追い込まれたものが多々あるし、時代の変化に飲み込まれて無くなっていくものは、今後も確実に増えていく。


 でも、そんな時にその変化を恐れずに一歩を踏み出す勇気、変化に立ち向かわなきゃ自分自身が良くならないよ、という事をこの映画は教えてくれる。ベン・スティラー監督作としてはかなり薄味だし、字幕版で観たのでナイナイ岡村の吹き替え版だとまた印象が違うかもしれないが、観れば確実に元気になる映画なのは間違いない。


私の評価…☆☆☆☆

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2014年4月12日 (土)

〈新・午前十時の映画祭〉さらば、わが愛/覇王別姫

〈新・午前十時の映画祭〉さらば、わが愛/覇王別姫
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:陳凱歌
原作・脚本:李碧華
音楽:趙季平
出演:張國榮、張豊毅、鞏俐、呂齊、葛優、黄斐、童弟、英達、智一桐、馬明威、尹治、費洋、趙海龍、楊永超、李丹、李春、雷漢、呉大維、蒋麗 他


 《時代に翻弄される京劇俳優たちの悲哀》


 四面楚歌で有名な項羽と虞美人を描いた京劇作品である「覇王別姫」を題材に、日中戦争や文化大革命などを背景として時代に翻弄される2人の京劇俳優の目を通し、近代中国の50年を描く。


 1925年、北京。娼婦の母親に連れられ、孤児や貧民の子供たちが集まる京劇の養成所に入った9歳の少年・小豆子。新入りの小豆子は他の子供たちから虐められたが、彼を弟のように庇ったのは小石頭だけだった。2人は成長し、女性的な小豆子は女役に、男性的な小石頭は男役に決められる。小豆子は「女になれ」と老師爺(黄斐=ファン・フェイ)に躾けられ数えきれないほど殴られた。彼らは演技に磨きをかけ、小石頭は段小樓(張豊毅=チャン・フォンイー)、小豆子は程蝶衣(張國榮=レスリー・チャン)と芸名を改め、京劇「覇王別姫」のコンビとして人気を博す。小樓はある日、しつこい客に絡まれていた娼婦の菊仙(鞏俐=コン・リー)を助けたことをきっかけに、彼女と結婚する。少年時代より小樓に仄かな恋情を覚えていた蝶衣は2度と共演はしないと捨て台詞を吐いて去る。その日北京は日本軍に占領された。ある日小樓は楽屋で騒動を起こし連行されてしまう。菊仙は日本側に取り入ってもらえるのだったら小樓と別れてもいいと蝶衣に告げるが、彼の協力で釈放された小樓は日本のイヌと彼を罵り菊仙を連れて去る。深く傷ついた蝶衣はアヘンに溺れる。そんなことがありながらも2人は和解へと進む。その後老師爺はこの世を去り、日本軍の敗退で抗日戦争は終わる。49年、共産党政権樹立。蝶衣と小樓は再び舞台に立つが、京劇は新しい革命思想に沿うよう変革を求められていた。変革に懐疑的な蝶衣は小四(雷漢=レイ・ハン)に批判され、そればかりか彼に「覇王別姫」の虞姫役を奪われてしまう。ショックを受けた蝶衣は芝居を辞めてしまう。66年、文化大革命。共産党の厳しい政治的圧力を受け、小樓は蝶衣の過去の罪を摘発せよと強制される。小樓はそれに屈するが、同時に彼も激しく批判され、娼婦だった菊仙など愛していないと言ってしまう。彼の言葉を聞いた菊仙は自殺してしまう。77年、蝶衣と小樓は無人の体育館に赴き、11年ぶりに2人だけで最後の「覇王別姫」を演じる。舞い終わった時、蝶衣は自らの命を断った…。


 この映画は何度かリバイバル上映されているので、あまり古さを感じないが、公開から20年が経った。実は、今年の初めにも京都シネマで上映されたのだが、1週間限定で真っ昼間に1回だけという、サラリーマンにはどうしようもない時間(笑)にやっていたため、なかなか観ることができず、今回仕事が休みの日にやっと観ることができた。やっぱりこういう映画の上映(ついでに言えば大阪での演劇の上演も)は、最低2週間はやってほしい。


 有名な京劇の演目が基になっているため、京劇の場面が所々にあるのだが、この舞台の美しさは圧巻だ。この映画の基になった「覇王別姫」は、秦の始皇帝が没した後の天下を狙う劉邦と項羽の戦いを題材にとり、劉邦軍に囲まれて決戦を前にした項羽と、彼の妾・虞姫(虞美人)の物語で、京劇の有名な女形・梅蘭芳(メイ・ランファン)のために書き下ろされた芝居である。監督の陳凱歌(=チェン・カイコー)は、後にこの俳優を主人公に据え、日中韓のスターが共演した「花の生涯 梅蘭芳」(2008年)という映画を撮るのだが、この監督の映像美は文句のつけようが無く素晴らしい。


 3時間近い大長編ではあるが、日中戦争や文化大革命といった中国の大動乱期を描いているため、見せ場もたくさんあって全く飽きさせないし、少しでもその時代の事を調べておけば、なお楽しめると思う。


 メインキャストの3人は、本作以降も華々しく活躍して行く。コン・リーは、「SAYURI」(2005年)でハリウッド・デビューも果たし、今やアジアだけでなく世界で活躍する女優である。チャン・フォンイーも、ジョン・ウー監督の大ヒット作「レッド・クリフ」(2008〜2009)で悪役の曹操を貫禄たっぷりに演じていたのは、記憶に新しいところだ。しかし何と言っても、この映画の最大の魅力は蝶衣を演じるレスリー・チャンにあるのではないか。当初、この役は京劇の経験があるジャッキー・チェンやジョン・ローンがオファーされていたが、出演する作品の毛色の違いなどを理由に断ったため、レスリーに廻ってきたものである。ただ、レスリーは京劇の経験が無かったため、舞いを踊る場面のみ本職の京劇俳優が吹き替えているのだが、それでも美しいのだ。あまり直接的な表現はされていないが、男を愛し嫉妬する果てに身をも滅ぼしていく蝶衣の哀しい姿は、同じく当時、バイ・セクシュアルや鬱病の噂があり、2003年に香港最高級ホテルから飛び
降り自殺したレスリー自身と、どうしても重なってしまう。


 ちなみに、この映画はその後、2008年に日本で舞台化された。この時の小樓役は遠藤憲一だったが、蝶衣を東山紀之、菊仙を木村佳乃が演じていた。この2人はこの共演が縁で後に結婚する… いやはや運命とは、凄いものだ。


私の評価…☆☆☆☆★

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2014年4月11日 (金)

ウォルト・ディズニーの約束

ウォルト・ディズニーの約束
ウォルト・ディズニーの約束
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ジョン・リー・ハンコック
脚本:ケリー・マーセル、スー・スミス
音楽:トーマス・ニューマン
出演:エマ・トンプソン、トム・ハンクス、ポール・ジアマッティ、コリン・ファレル、ジェイソン・シュワルツマン、ブラッドリー・ウィットソン、ルース・ウィルソン、B・J・ノヴァク、メラニー・パクソン、アニー・ローズ・バックリー、ヴィクトリア・サマー、クリストファー・カイアー、キャシー・ベイカー、レイチェル・グリフィス、デンドリー・テイラー 他


 《アカデミー賞受賞作の知られざる裏話》


 1964年(日本では翌年)に公開され、アカデミー賞5部門を受賞した不朽の名作「メリー・ポピンズ」。公開から50年経った今、明かされる誕生秘話。


 ウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)は娘の愛読書である「メリー・ポピンズ」の映画化を長年にわたって熱望していたが、英国に住む原作者、P.L.トラヴァース女史(エマ・トンプソン)は彼のオファーを断り続けてきた。それでも諦めないウォルトに業を煮やしたトラヴァースは決着をつけるためにハリウッドにやってくる。


 彼女は脚本家と音楽担当のシャーマン兄弟(B・J・ノヴァク、ジェイソン・シュワルツマン)が提案するアイデアにことごとく「NO!」を突きつけ、ついに映画製作は暗礁に乗り上げてしまうのだった…。


 なぜ彼女は頑なに「メリー・ポピンズ」を守ろうとするのか?


 その答えが、幼い頃の彼女と父親(コリン・ファレル)の関係にあると知ったウォルトは、映画製作続行への最後のチャンスをかけてトラヴァースに「ある約束」をするのだった…。


 「メリー・ポピンズ」はTVでも何度か放送されているし、昨年の「午前十時の映画祭」でも上映された人気作。ただ、他のディズニー映画とは明らかに作風が違い、テーマ曲もどこか悲しい雰囲気が漂う映画だったが、まさかこんな裏話があるとは知らなかった。


 映画製作は決まっても、脚本に文句を言い続けるトラヴァースと、それに振り回されるスタッフたちという、些かコメディーのような構図でストーリーは進んでいくが、時折彼女の少女時代のエピソードが挿入される。彼女は“パパっ子”であり、その大好きな父親が心身を追いつめられ、アルコールで身を滅ぼしていくさまが描かれる。「メリー・ポピンズ」で描かれる、ヒロインが行く家の子の父親バンクスには、トラヴァース自身の父親の姿が投影されており、その父親を悪いように描いてほしくなかったのである。


 実はウォルト・ディズニーも立場や境遇は違えど、似たような幼少時代を過ごしている。ある意味2人は似たもの同士なのだ。何度断られても諦めず説得をし続けるウォルトの頑固さは、トラヴァースと同じである。


 難産の末に出来上がった「メリー・ポピンズ」を観て、トラヴァースが涙するクライマックス。それは、互いが本音でぶつかり理解しあえた結果であり、観ているこちらも素直に感動できる。


 そしてエンドロールにも注目。映画の前半で、脚本に関する打ち合せの様子がオープンリールのテープに収録されるのが描かれるのだが、何とそのテープが現存しているのだ! ディズニーを演じたトム・ハンクスも良いのだが、このテープのトラヴァース本人の声を聴くと、エマ・トンプソンが役を完璧に演じきっているのがよく分かる。笑わせてちょっぴり泣かせる、ファンタジーやコメディーの王道のような映画だった。多分、次に「メリー・ポピンズ」を観る時は、恐らく以前とは違う印象になるだろう。


私の評価…☆☆☆☆★

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2014年4月 8日 (火)

ロボコップ(2014年版)

ロボコップ(2014<br />
 年版)
ロボコップ(2014<br />
 年版)
劇場:MOVIX京都
監督:ジョゼ・パジーリャ
脚本:ジョシュア・ゼトゥーマー
原作:1987年版脚本(エドワード・ニューマイヤー、マイケル・マイナー)
音楽:ペドロ・ブロンフマン
出演:ジョエル・キナマン、ゲイリー・オールドマン、マイケル・キートン、サミュエル・L・ジャクソン、アビー・コーニッシュ、ジャッキー・アール・ヘイリー、マイケル・ケネス・ウィリアムズ、ジェニファー・イーリー、ジェイ・バルチェル、エイミー・ガルシア、ジョン・ポール・ラッタン、ミゲル・フェラー、マリアンヌ・ジャン=バプティスト、ダグラス・アーバンスキー、ザック・グルニエ 他


 《オリジナル版より身体も話の内容もシャープになった》


 1987年に公開され大ヒットしたポール・バーホーベン監督の「ロボコップ」をリメイク且つリブートしたもの。映画としては通算4作目となる。


 2028年、世界各地の軍備はロボット化が進む一方、アメリカは法律によってロボットの配備は禁止されていた。それで市場独占を目論む巨大企業「オムニコープ」社はメディアジャーナリストによる扇動などあらゆる手段で法を覆す画策をしていた。


 一方、犯罪都市「デトロイト」で愛する妻(アビー・コーニッシュ)と息子(ジョン・ポール・ラッタン)とともに暮らす警官アレックス・マーフィ(ジョエル・キナマン)は犯罪組織を捜査中、不可解な爆発事故に遭い身体の大部分を失ってしまう。マーフィの身体の残った部分は脳、心臓、そして右手だけだった。


 「オムニコープ」のCEO、レイモンド・セラーズ(マイケル・キートン)は、ある計画を実行するため、最小限の肉体となったマーフィに、ノートン博士(ゲイリー・オールドマン)が手掛ける最先端ロボット技術を提供。全身チタン合金のロボットと融合した最強の警官「ロボコップ」を開発する。だが、ロボコップとなったマーフィは、その驚異的な捜査能力と引き換えに、人間としての記憶を消されてしまう。彼の存命を祈っていた妻と息子すら認識できなくなったロボコップは、オムニコープと警官のコントロールのもと、その圧倒的な解析能力、戦闘能力で次々と犯罪者を検挙し、デトロイトのヒーローとなっていく。しかし、ロボットの身体の中で生き残った脳が、消されたはずの記憶を徐々に甦らせていく。それは彼を作った人間たちにとって隠蔽したい不都合な真実の記憶であった。そしてついに彼の「正義」が暴走する…。


 本作は当初、ダーレン・アロノフスキー監督による3D映画として企画され、2010年に公開が予定されていたが、配給元のMGMの財政難によって一旦は頓挫。権利の一部がソニー・ピクチャーズに移り、2Dで製作再始動そして公開延期などの経緯を経て公開されたものである。


 一応、オリジナル版を“原作”としているなら、無理に変わった“味付け”をせず、そのまま描いた方がよかったのではないかとは思うが、ストーリー自体はオリジナルとほとんど変わらないものの、オムニコープ社の陰謀や、マーフィがロボコップになる過程が微妙に変わっており、結果としてオリジナル版を観ていない人には、今一つ分かりにくい物になっているのではないかと思う。


 また、ポール・バーホーベン監督の映画は「スターシップ・トゥルーパーズ」など、かなり過激な描写を含む物が多く、確か本作のオリジナル版でも薬品による人体溶解&破壊描写があったが、リメイク版は本国で何と「G指定」になったという事もあり、過激描写はほぼ皆無。唯一、マーフィが頭部と肺と右手だけになった姿がそのまま映し出されるシーンがキモチ悪い。子供がアレを見たらトラウマになるのではないか。


 リブートという形ならわざわざオリジナル版をなぞる必要もない。だがこの映画はいたるところで、オリジナル版の影が亡霊のようにちらつく。確かに原作はオリジナル版の脚本だが、オリジナル版の脚本家は本作に参加していない。音楽も違う人が担当しているのに、オリジナル版の物がアレンジされて使われている。全てがやや中途半端で、オリジナル版より評価は落ちる。


私の評価…☆☆

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2014年4月 4日 (金)

アナと雪の女王 3D ATMOS

アナと雪の女王 3D ATMOS
劇場:TOHOシネマズくずはモール
監督:クリス・バック、ジェニファー・リー
脚本:ジェニファー・リー、シェーン・モリス
原案:ハンス・クリスチャン・アンデルセン「雪の女王」
製作:ピーター・デルヴェッチョ、ジョン・ラセター
音楽:クリストフ・ベック
主題歌:英語版…イディナ・メンゼル(エンディング・テーマ版はデミ・ロヴァート)「Let It Go」 日本語版…松たか子(エンディング・テーマ版はMay J.)「Let It Go」
声の出演(カッコ内は日本語吹き替え版の声優):アナ…クリスティン・ベル(神田沙也加)、エルサ…イディナ・メンゼル(松たか子)、クリストフ・ブジョーグマン…ジョナサン・グロフ(原慎一郎)、オラフ…ジョシュ・ギャッド(ピエール瀧)、ハンス・サザンアイル…サンティノ・フォンタナ(津田英佑)、ウェーゼルトン公爵…アラン・テュディック(多田野曜平)、パビー…キーラン・ハインズ(安崎求)、オーケン…クリス・ウィリアムズ(北川勝博)、カイ…スティーブン・アンダーソン(飯島肇)、アレンデール国王…モーリス・ラマルシェ(根本泰彦)、バルダ…マイア・ウィルソン(杉村理加)、ゲルダ…エディ・マッククラーグ(増岡裕子)、アレンデール王妃…ジェニファー・リー(最所美咲)、幼年時代のアナ…〔台詞〕リビー・スタベンラッチ〔歌〕ケイティー・ロペス(稲葉菜月)、少女時代のアナ…アガサ・リー・モン(諸星すみれ)、幼年時代のエルサ…エヴァ・ベラ(佐々木りお)、10代のエルサ…スペンサー・レイシー・ガーナス(小林柚葉) 

〈同時上映〉短編映画「ミッキーのミニー救出大作戦」(3D作品)


 《2人のプリンセスの歌で元気が出る》


 通算53作目となるウォルトディズニーアニメーションスタジオ長編作品。2人のディズニープリンセスが主人公になったのは、ディズニーアニメ映画史上初めてのことである。


 姉のエルサと妹のアナは、王家の美しい姉妹。しかし、触れるものを凍らせる“禁断の力”を持つエルサは、自分の意志に反して真夏の王国を冬に変えてしまう。“雪の女王”となり、行方を絶った姉と王国を救うため、山男クリストフとその相棒のトナカイのスヴェン、“夏に憧れる雪だるま”のオラフと共に雪山の奥深くへ旅に出るアナ。彼女の想いは、姉の凍った心を溶かし、世界を救うことができるのか? 引き裂かれた姉妹の運命は? すべての鍵を握るのは“真実の愛”…。


 今年はウォルトディズニーカンパニーの創立90周年に当たり、ディズニー映画の期待作が日本でも次々と公開されるのだが、まずその第1弾がこの映画。既に全世界で約10億ドル以上の興行収入を得ており、「トイ・ストーリー3」が持つアニメ映画史上最高収益記録を抜いている。さらに、日本での大ヒットの影響によって、アニメ映画史上初となる、歴代全世界興行収入記録ベスト10入りも果たした。


 好記録をたたき出しているのは、予告編の作りの上手さにもあるが、やはりブロードウェイ・ミュージカルのスタッフが関わった躍動感あるミュージカルシーンの数々であろう。特に、予告編でも散々流れている、エルザが歌う「Let It Go」は、雪の女王となった彼女が自らを解放し、氷の城を築きながら高らかに歌い上げる、本作の一番の見せ所なのだが、本気で舞台化してほしいくらいに素晴らしい名曲だ。


 本来のアンデルセン作「雪の女王」は、女王に連れ去られた少年を救い出すため、冒険に出る優しくて勝気な少女の話なので、本作はそれをモチーフにほぼオリジナルで話を作ったという感じだが、心を閉ざした姉を決して見捨てず救おうとする妹といった“真実の愛と勇気”という、ディズニー映画の王道ともいうべき展開はしっかり骨太に描いている。ただ、いつものディズニー映画とは全く違うものも描いているのが本作の特徴でもある。本作のヒロインが2人のプリンセスというのももちろんこれまでのディズニー映画には無かったことだが、洗練されたヒロインに比べプリンスが些か情けない存在になっている。ここ最近のディズニー映画にもこの傾向はあったが、本作のプリンスはプリンセスを殺して国を乗っ取ろうとするワルであり、とてもじゃないが王子様のキスで真実の愛が取り戻せる雰囲気ではない。ディズニー映画でああいうクライマックスになるのは、多分初めてなのではないか。王子様のキスが愛ではないとすれば、この映画における“真実の愛”とはいったい何か?
 それは映画館で各自確かめてもらえたい。


 この映画、僕は樟葉にできたTOHOシネマズくずはモールで観たのだが、ここは西日本に初登場のTCXとドルビーATMOS方式を採用したスクリーンが1つあり、今回はそのスクリーンでの上映。従来のスクリーン対比で1.2倍の広さがあり、中央部分が凹型に湾曲しており、IMAXや昔のシネラマみたいな感じのもので、3Dの飛び出し方が通常のスクリーンと比べハンパない。ただ、音は通常の5.1chデジタルなので、天井にスピーカーが付け足されているからといって特に代り映えするものではなく、従来の方式よりは音の来る方向がはっきり分かるかなという程度のものだったが、やはり音楽を重要視するような映画にはピッタリだなとは思った。くずはモールは、自宅からはバスと電車でやはりそこそこの時間と値段がかかってしまうので(京阪電車は運賃が高い)、余程の事が無い限り行く事はないと思うが、こういうジャンルの映画がそのスクリーンでかかるなら、行くこともあるかもね。


 同時上映の短編も、3Dの新作なのに、どこかディズニー草創期を思わせるモノクロ映像(一部カラー)でかなり面白い映画になっている。しかも、ミッキーマウスの声はアーカイブから抽出したウォルト・ディズニー本人の肉声を使っているのだ。こんなの観られるのも貴重ですよ!


追伸:実は後になって判明したことだが、自分が鑑賞した回で、天井のスピーカーから音が出ていなかったらしい。どうりで普通のドルビー5.1chと音の感覚が変わらなかったワケだ。という事でシネマイレージ会員のみ(かな?)詫び状として、2,200円分のギフトカードが電子メール形式で送信されてきた。有効期間は1年間あるから、また時間あったら行ってみようっと!


私の評価…☆☆☆☆☆

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