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2014年5月 5日 (月)

〈新・午前十時の映画祭〉仁義なき戦い

〈新・午前十時の映画祭〉仁義なき戦い
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:深作欣二
脚本:笠原和夫
原作:飯干晃一「仁義なき戦い」
音楽:津島利章
出演:菅原文太、松方弘樹、渡瀬恒彦、伊吹吾郎、中村英子、木村俊恵、渚まゆみ、三上真一郎、曽根晴美、高宮敬二、小松方正、川地民夫、遠藤辰雄、名和宏、内田朝雄、金子信雄、梅宮辰夫 他


 《実録やくざ映画の傑作》


 戦後の広島で実際に起こった、“広島抗争”と呼ばれる暴力団同士の争いを題材に、実在した人物で本作の主人公である美能幸三が、獄中で書いた手記を引用して、飯干晃一が書いた小説を映画化。


 終戦直後の呉。復員後遊び人の群れに身を投じていた広能昌三(菅原文太)は、その度胸と気っ風の良さが山守組組長・山守義雄(金子信雄)の目にとまり、山守組の身内となった。当時の呉には土居組、上田組など四つの主要な組があったが、山守組はまだ微々たる勢力にしかすぎなかった。そこで山守は上田組と手を結ぶことに成功し、当面の敵、土居組との抗争に全力を注ぐ。その土居組では組長の土居清(名和宏)と若頭・若杉(梅宮辰夫)が仲が悪く、事あるごとに対立し、とうとう若杉は破門されてしまった。そして、若杉は以前からの知り合いである広能を通じて山守組へと接近していった。若杉の山守組加入で、土居殺害の計画は一気に運ばれた。広能は土居殺害を名乗り出た若杉を押し止め、自ら土居を襲撃し、暗殺に成功。ところがそれ以来、山守の広能に対する態度が一変し、組の邪魔者扱いにするようになり、広能は結局自首して出るのだった。その態度に怒った若杉が、山守の若い衆を殺害したことから、警察に追われ、激しい銃撃戦の後、殺された。その間にも、土居組の崩壊と反比例して、山守組は益々勢力を伸ばしていった。しかし、その組の中でも、主流派の坂井鉄也(松方弘樹)と、反主流派の有田俊雄(渡瀬恒彦)という2つの派閥が生まれ、山守を無視しての内戦が始まっていた。まず、市会議員・金丸(高野真二)と、土居組の残党を味方に引き入れ勢いづいた有田は、坂井の舎弟山方(高宮敬二)、兄弟分上田(伊吹吾郎)を殺害した。激怒した坂井は有田を破門するとともに、報復に出た。次々と射殺される有田一派、ついに血で血を流す凄惨な抗争事件に発展してしまった。そして、警察の出動により有田は逮捕、兄貴分の新開(三上真一郎)は殺された…。勝ち残った坂井は、広島の海渡組と手を組み、山守に替わって呉を支配するかのように振る舞うようになった。やがて今までの内戦を黙視していた山守の巻き返しが始まった。山守は、丁度その時仮釈放で出所した広能に坂井暗殺を促した。冷酷な山守の魂胆を見抜いている広能は、微妙な立場に立たされた。山守に従う気はないが、そうかといって坂井に手を貸す気もなかった。そんな時、矢野組組長・矢野修司(曽根晴美)が坂井と海渡組の手を切るべく画策中に殺された。山守の恐るべき執念が遂に実行されたのだ…。


 この映画がこの企画でかかることになったのは、ちょっと驚きではあるが、いや、何度観ても面白い映画なのは間違いない。


 同名タイトルの小説が基にはなっているが、この映画が成功したのはやはりこの抗争の事が詳しく書かれていた、小説の基になった元組員の獄中手記の存在と、関係者に直接取材して脚本を仕上げた笠原和夫によるリサーチではないだろうか。


 また、菅原文太をはじめ、役者たちの魅力もたっぷりで、主役級のみならず当時“ピラニア軍団”と呼ばれた東映の大部屋俳優を大挙出演させ、きっちり活躍させている。ちなみに、山守役は当初、三國連太郎が予定されていたようだが、東映の岡田社長の一声で金子信雄に決まったらしい。当時の三國さんは“スーさん”のイメージではなく、血気盛んなイメージだったと思うので、ヤクザ役でも遜色ないと思うのだが、もしそうなっていたら、この映画もどうなっていただろうか? また、この企画は当時、東映だけでなく東宝も権利を取ろうとしていたようで、もしこの権利が東宝にいっていたら、ここまでのヒットにはならなかったかもしれない。


 ちなみに今回のこの映画祭では、東映からはもう1本、東映東京製作の「飢餓海峡」が選ばれているが、東映といえば、時代劇やアニメのイメージが強い。来年もしまたやるのであれば、「柳生一族の陰謀」(1978年)とか、「銀河鉄道999」(1979年)なんか観たいなぁと思うのだが、どうであろうか。


私の評価…☆☆☆☆

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