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2014年7月

2014年7月31日 (木)

サード・パーソン

サード・パーソン
サード・パーソン
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本・製作:ポール・ハギス
製作:マイケル・ノジック、ポール・ブルールズ
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演:リーアム・ニーソン、ミラ・クニス、ジェームズ・フランコ、エイドリアン・ブロディ、オリヴィア・ワイルド、モラン・アティモス、マリア・ベロ、キム・ベイシンガー 他


 《一度観ただけではわからない、主人公である作家の空想話》


 監督デビュー作「クラッシュ」でいきなりアカデミー賞作品賞と脚本賞に輝いたポール・ハギスによる愛のドラマ。パリ、ローマ、ニューヨークの3つの都市で繰り広げられる3組の男女の物語が、やがて交差していく。


 フランス、パリのホテルで執筆中のピュリツァー賞作家マイケル(リーアム・ニーソン)。愛人のアンナ(オリヴィア・ワイルド)には他に恋人がいた。イタリア、ローマ。アメリカ人の会社員スコット(エイドリアン・ブロディ)は娘をさらわれたという美しい女に会う。アメリカ、ニューヨーク。元女優のジュリア(ミラ・クニス)は以前夫だったリック(ジェームズ・フランコ)と息子の親権を争い、裁判費用のためにメイドとして働く事にする…。


 群像劇形式のドラマや映画は、分かりやすいものもあるが、難解なものの方が多い気がする。この映画もどちらかと言えば難解な方で、冒頭部分に多くの伏線が仕込まれており、この部分をしっかり観ておかないと、後々の話が分かりにくくなってしまうのだ。


 3つのエピソードが巧みに絡み合うストーリー展開は見事だが、その中にも物語のヒントとなるアイテムやキーポイントが、さり気なく挿入される。予告編にも出てくる不気味な囁き声、プールなどの水のモチーフ、たびたび出てくる“白い物”、子供を失った親…。全ての謎が絡み合った時、驚愕のラストを迎えるという具合だ。


 ポール・ハギスは元々脚本家出身なので、こういう凝った作風になるのだろうが、やはり観る側からすると、それイコール難解という事にもなる。確かに、俳優たちは皆、個性が際立っていて、特に女優たちは魅力的だが、やっぱり2〜3回は観てみないと、この映画の面白さは見えてこないのではないかと思った。


私の評価…☆☆☆

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2014年7月30日 (水)

スイートプールサイド

スイートプールサイド
劇場:MOVIX京都
監督・脚本:松居大悟
原作:押見修造「スイートプールサイド」
音楽:HAKASE-SUN
主題歌:モーモールルギャバン「LoVe sHouT!」
出演:須賀健太、刈谷友衣子、松田翔太、谷村美月、木下隆行、利重剛、落合モトキ、荒井萌、太賀、井之脇海 他


 《一歩間違えたら変態映画》


 「惡の華」の人気漫画家・押見修造の同名作を映画化。高校生になっても毛が生えない男子と毛深い女子という、“毛”に関する悩みを抱えた2人の高校生の姿を、コミカルかつちょっぴりHなムードで描く。


 高校1年生になっても毛が生えない事に疑問を抱く太田年彦(須賀健太)は、同じ水泳部の毛深い女子、後藤綾子(刈谷友衣子)の事を、影で羨ましいと感じていた。ある日、綾子に毛深い事を相談されその悩みを真剣に聞いていた彼は、「私の毛を、剃ってくれない?」と思いも寄らぬお願いをされ仰天する。それ以来、2人だけの秘密の関係がスタートし…。


 思春期の誰もが通過する“毛”の悩み。それを切なくも甘酸っぱい青春(いや“性春”か)映画にしたのがこの映画。


 須賀健太演じる天然パイパン男の方はまだしも、あそこまで脇毛・腕毛・脛毛ボーボーな女子(勿論特殊メイク)はほぼいないと思うのだが。剃毛時の山登りか秘境探険のような妄想シーンは面白い。


 こういう映画は、一歩間違えればキワモノ扱いされるようなものである。それをなんとか踏み止まって、ちゃんと観られるものに仕上げられたのは、芝居とはいえこんな羞恥プレイを大真面目に上手く演じた須賀健太と刈谷友衣子の存在だ。刈谷のファム・ファタールっぷりはともかく、須賀のこれまでのイメージをぶち壊す変態演技は見物である。


私の評価…☆☆

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2014年7月29日 (火)

300〈スリーハンドレッド〉〜帝国の進撃〜 3D

300〈スリーハンドレッド〉〜帝国の進撃〜3D
劇場:MOVIX京都
監督:ノーム・ムーロ
脚本・製作:ザック・スナイダー
原作:フランク・ミラー「Xerxes」(未出版)
音楽:ジャンキーXL
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):サリバン・ステイプルトン(山路和弘)、エヴァ・グリーン(朴ろ美)、レナ・ヘディ(湯屋敦子)、ハンス・マシソン(成田剣)、カラン・マルヴェイ(井上和彦)、デビッド・ウェナム(山野井仁)、ロドリゴ・サントロ(咲野俊介)、ジャック・オコンネル(遠藤純平)、アンドリュー・ティアナン(佐々木睦)、イガル・ノール(勝部演之)、アンドリュー・プレヴィン(世古陽丸)、ピーター・メンサー、ベン・ターナー(鳥畑洋人)、アシュラフ・バルフム(伊丸岡篤)、ジェラルド・バトラー〈アーカイブ映像〉 他


 《主役を食った演技のエヴァ・グリーン》


 2007年に公開された「300〈スリーハンドレッド〉」の続編。前作で描かれたのはペルシャ戦争の激戦の1つである「テルモピレーの戦い」だが、今回はその約10年前のマラトンの戦いからテルモピレーの戦いと平行して行われたアルテミシオンの海戦、そしてギリシャ軍とペルシャ軍が雌雄を決したサラミスの海戦までを描く。


 100万もの兵を率いてギリシャ侵攻を図るペルシャ帝国を相手に、300人の精鋭と共に戦いを繰り広げた果てに命を落としたスパルタのレオニダス王。彼の意志を継ぐようにしてアテナイのテミストクレス将軍(サリバン・ステイプルトン)は、パン屋、陶工、詩人といった一般市民から成るギリシャ連合軍を率いてペルシャ帝国の海軍指揮官アルテミシア(エヴァ・グリーン)らと拮抗する中、遂に大海原を舞台にした最終決戦を迎えることに…。


 前作の主人公であるスパルタ王レオニダスは、壮絶に散ってしまったので、今回はアテナイの将軍テミストクレスが一応の主役。ただこの人物、前作のレオニダスが強烈なインパクトを残したせいもあって、いまひとつ線が弱い。


 その代わりこの映画で強烈なインパクトを残すのが、エヴァ・グリーンがノリノリで演じる悪の女戦士アルテミシア。本来の主役よりこちらの人物背景の方が事細かに描かれるので、全くどっちが主役なのだかとでも言いたくなるくらいである。


 ギリシャに生まれながらもギリシャ軍に家族を殺され、前のペルシャ王に拾われ暗殺者に育てあげられる。マラトンの戦いで前王が死ぬと、息子のクセルクセスを“神の王”に祭り上げ、ギリシャへの復讐へと王を唆す。なるほど、ペルシャ戦争の全ての悪は彼女なのか。この主役を食ったエヴァ・グリーンの演技を観ているだけでも楽しい映画だ。


 ただ、「ポンペイ」同様アクションシーンはふんだんにあるものの、ドラマ性が殆ど無いのは残念。アクションと人間ドラマがバランスよく入っていれば、もっと点数はよくなるのだが。アルテミシアとテミストクレスが密会し、戦いの主導権を争う場面は、何とも滑稽で面白いのだが、そこだってドラマで見せるのではなく、お互いが組ず解れつ“男女の営み”(笑)なのである。それが戦争のメタファーになっているのが笑えるのだが、さすがに勢いだけで見せるのも、程度ってものがあるよなぁ。


私の評価…☆☆☆

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2014年7月25日 (金)

ノア 約束の舟 ATMOS

ノア 約束の舟 ATMOS
ノア 約束の舟 ATMOS
劇場:TOHOシネマズくずはモール
監督・脚本・製作:ダーレン・アロノフスキー
音楽:クリント・マンセル
出演:ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、レイ・ウィンストン、エマ・ワトソン、ローガン・ラーマン、アンソニー・ホプキンス、ダグラス・ブース、レオ・マクヒュー・キャロル、フランク・ランジェラ、ダコタ・ゴヨ、マートン・チョーカシュ、マディソン・ダヴェンポート、ニック・ノルティ、マーク・マーゴリス、ケヴィン・デュランド、ノーラン・グロス、アダム・グリフィス、アリアン・ラインハート、ギャヴィン・カザレンニョ、スカイラー・バーク 他


 《役者としてのエマ・ワトソンの成長ぶりが楽しめる》


 旧約聖書に記され、実際に起きたかどうかについて審議される“ノアの方舟”伝説を、「ブラック・スワン」の監督が映画化。


 ある夜、ノア(ラッセル・クロウ)は眠りの中で、恐るべき光景を見る。それは、堕落した人間を滅ぼすために、全てを地上から消し去り、新たな世界を創るという神の宣告だった。大洪水が来ると知ったノアは、妻・ナーマ(ジェニファー・コネリー)と3人の息子、そして養女・イラ(エマ・ワトソン)と共に、罪のない動物たちを守る方舟を作り始める。やがてノアの父を殺した宿敵トバル・カイン(レイ・ウィンストン)がノアの計画を知り、舟を奪おうとする。壮絶な戦いのなか、遂に大洪水が始まる。空は暗転し激しい豪雨が大地に降り注ぎ、地上の水門が開き水柱が立ち上がる。濁流が地上を覆う中、ノアの家族と動物たちを乗せた方舟だけが流されていく。


 閉ざされた方舟の中で、ノアは神に託された驚くべき使命を打ち明ける。方舟に乗ったノアの家族の未来とは? 人類が犯した罪とは? そして世界を新たに創造するという途方も無い約束の結末とは…?


 以前「アナ雪」を、このTOHOシネマズくずはモールで鑑賞した時、DOLBY ATOMOSのライセンス切れによる動作不良で、通常の5.1chサラウンドでの鑑賞となってしまったため、今回が初のDOLBY ATOMOS体験となる。


 この“ノアの方舟”も前に書いた「ポンペイ」同様、これまで何度も映像化されているものだが、今回は監督による新解釈も含めて、旧約聖書がかなり脚色されており、この事がキリスト教圏の国などで賛否両論を巻き起こしている。


 もっとも、自分はキリスト教の信者ではなく、それほど詳しくもないため、普通にスペクタクル映画として楽しめたが、上記のような、この映画に対しての世界的な評価を見ると、やはり難解なドラマを分かりやすいように噛み砕いて作った結果、元々のものとは全く別の物ができてしまった、ということなのではないだろうか。元々の旧約聖書には断片的な事しか書かれていない部分が多いらしく、そこに製作側の思いが入ってしまうのだろう。宗教的な映画を作ることの難しさを感じさせる。


 キャスティングに関しては、こちらも紆余曲折あったようだが、申し分ないものとなっている。ノア役は当初クリスチャン・ベールやマイケル・ファスベンダーが想定されていたようだが、2人とも他の企画にオファーされていたため実現しなかった。この2人のどちらになっても、何か暗いイメージの物になっていたと思うので、それと比べたらラッセル・クロウで正解だったのではないか。で、ノアがそれなら妻役は、当初検討されていたジュリアン・ムーアよりも、「ビューティフル・マインド」の夫婦役コンビ復活でジェニファー・コネリーがベストであろう。イラ役も当初はダコタ・ファニングだったようだが、スケジュールの都合で降板した。そして、今回この映画の中で一番の名演を見せているのがその降板を受けてキャスティングされたエマ・ワトソンである。特に終盤、狂気のノアと対決する時の演技は圧巻で、「ハリーポッター」でハーマイオニーを演じていた最初の頃は、演技経験が全く無かった彼女だが、その成長ぶりが窺える。大人の役への脱皮を急ぐあまり、共演しているジェニファー・コネリーのように一時でも脱ぎっぷりのいい女優にはなってほしくないが、いつか、主役を演じる日もそう遠くはないだろう。


 ところで、この映画実は中国市場向けに作られた3D版が存在する事は、殆ど知られていない。せっかく大金をかけて3D変換し作ったのに、中国の法律による“外国映画上映本数規制”に引っ掛かり、外されてしまったため、中国では上映すらできない上、3D版は事実上の“封印”状態となっているのだが、こういう時こそ何で日本で上映できなかったのか? せっかくTCXやATMOSのスクリーンでやっているのだから、3Dだと大迫力の映像になった筈である。興行面で考えても収入はそこそこアップしただろうから、できれば3Dで観たかったなぁ〜!


私の評価…☆☆☆

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2014年7月23日 (水)

ポンペイ 3D

ポンペイ 3D
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ポール・W・S・アンダーソン
脚本:ジャネット・スコット・バチェラー、リー・バチェラー、マイケル・ロバート・ジョンソン
製作:ポール・W・S・アンダーソン 他
音楽:クリントン・ショーター
出演:キット・ハリントン、エミリー・ブラウニング、キーファー・サザーランド、ジャレッド・ハリス、ジェシカ・ルーカス、アドウェール・アキノエ=アグバエ、キャリー=アン・モス、パス・ベガ、ジョー・ピング 他


 《ヴェスヴィオ火山の噴火は大迫力だが、ドラマ部分がイマイチ》


 ヴェスヴィオ火山の噴火で一瞬にして灰に埋もれたイタリアの遺跡ポンペイを舞台にした歴史アクション。


 ローマ人に一族を虐殺されたケルト人騎馬族の生き残りマイロ(キット・ハリントン)は、奴隷となり無敵のグラディエーターへと成長していた。


 ある日、マイロはポンペイの有力者の娘・カッシア(エミリー・ブラウニング)の馬を助け、その瞬間二人は身分の差を超えて激しい恋に落ちる。しかし、彼女はポンペイの平和と引き換えに上院議員(キーファー・サザーランド)との婚姻を迫られていたが、その男こそマイロの復讐の相手だった。8月24日、ヴェスヴィオ火山がまさに噴火しようとしていた。果たしてマイロは降り注ぐ火山岩をくぐり抜け、熱雲が街を覆い尽くす前に、自由を手にし、愛する人を救い出すことができるのか…。


 火山の噴火によって、ポンペイの街が一夜にして滅びた史実は、これまで何度も映像化されているが、今回はそれが3Dの大迫力で描かれる。奴隷戦士の戦いに身分違いの恋を重ねたストーリーに目新しさはなく、キャラクター設定も殆ど活かされていないので、映画そのものの評価は低いのだが、この監督は「バイオハザード」シリーズを観ても分かるように、デジタル3Dの使い方に長けており、その技術を思う存分注ぎ込んだ火山の噴火シーンは、地割れや火砕流とそれに伴って引き起こされる大津波など、CGとは分かっていても見応え十分だ。


 実はこの映画を観た後に「300」を観ているのだが、アクションシーンなど何か似ているなと思ったら、スタンド・コーディネーターが同じ人だった。こういう映画は別に嫌いではないが、アクション一辺倒というのもなんだかねぇ… もうちょっと人間ドラマが描かれても、いいんでないの? と思った。


私の評価…☆☆☆

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2014年7月18日 (金)

ポリス・ストーリー/レジェンド

ポリス・ストーリー/レジェンド
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本・編集:丁晟
アクション指導:何鈞
製作:成龍 他
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):成龍(石丸博也)、劉イェ(堀内賢雄)、景甜(木下紗華)、古力娜扎(堀川千華)、柳海龍、周曉鮃(後藤光祐)、于榮光(塾一久) 他


 《ジャッキー流香港ノワール映画》


 一応原題も「警察故事2013」なので、「ポリス・ストーリー」シリーズには違いないのだが、過去のシリーズとは全く繋がりが無い。


 ベテラン刑事・ジョン(成龍=ジャッキー・チェン)は、一人娘のミャオ(景甜=ジン・ティエン)に会うため、約束の場所として指定された繁華街の中心にある全面をコンクリートに覆われた巨大なナイトクラブ「ウー・バー」にやってくる。仕事に追われ半年ぶりに娘と顔を合わせたジョンは、娘との慣れない時間を過ごしていたところ、突然何者かに背後から殴り倒されてしまう。気が付くとクラブの出入口は封鎖され、ジョン親子を含む十数人の客が閉じ込められ、無数の爆弾が仕掛けられた建物内にいたのだ…。


 建物を包囲した警察も全く手を出せない中、事件の首謀者であるクラブの経営者・ウー(劉イェ=リウ・イェ)は、警察にある取引を要求する。この籠城事件の裏には、ウーが長年にわたって綿密に仕組んだ、ジョンの刑事人生の過去にも関わる恐るべき復讐計画が隠されていたのだ…。


 確か前作でアクション映画の一線から退くという宣言をした筈のジャッキーだが、本作はれっきとしたアクション映画である。ただ、彼の持味だった“超絶アクション”ではなく、リアルファイトに近いものになっている。


 インタビュー映像で彼が語っていた話では、当初は本当にアクション無しの企画だったらしい。だが、「警察故事」シリーズなら多少のアクションは必要という事になり(本人曰く「騙された(笑)」とのこと)、最低限必要なアクションは取り入れられる事になったようだ。


 作品全体を観ても、今までのシリーズとは似ても似つかぬハードボイルド・タッチ。まるで、一昔前の香港ノワール映画(「男たちの挽歌」etc…)のような雰囲気だ。惜しいのは、主人公と娘のドラマがやや中途半端なので、どうしてもバランス的にアクション映画の線が濃くなってしまう事。となると、やはりファンはジャッキーのアクションに期待してしまうわけで、そうなると、さすがにジャッキーといえどもう還暦、体のキレは以前ほどではないにしても、まだまだ十分体が動いているので… なんて考えると、今回のアクションでは物足りない気もするのである。


 ちなみに、この映画は恐らく中国映画としては最初のドルビー・アトモス仕様の映画で、自分はアトモスの映画館では観ていないが、天井からの救出シーンなどはアトモスのスクリーンで観たら大迫力の音響だっただろう。中国や韓国は3D映画などでどんどん新しい技術を使った映画を作っているのに、日本は立ち後れているなぁという事を実感した。


 ところで、ジャッキーはそのインタビューの中でこうも言っている。アクション映画を引退したつもりではなく、危険で派手なものは体力的に無理なのでもうやらないだけ。本当に引退しなきゃと思うのは恋愛映画のオファーが来たときだよ(笑)、と。「エクスペンダブルズ」のジイさん連中みたいに、体力の続く限り観客を楽しませてほしい。


私の評価…☆☆☆★

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2014年7月16日 (水)

万能鑑定士Q - モナ・リザの瞳-

万能鑑定士Q -<br />
 モナ・リザの瞳-
劇場:MOVIX京都
監督:佐藤信介
原作:松岡圭祐「万能鑑定士Qの事件簿IX」
脚本:宇田学
音楽:羽深由理
出演:綾瀬はるか、松阪桃李、初音映莉子、ピエール・ドゥラドンシヤン、橋本じゅん、村杉蝉之介、児島一哉(アンジャッシュ)、角替和枝、村上弘明 他


 《ツッコミ処は多々あるが、エンターテイメントな推理劇として十分楽しめる》


 松岡圭祐の人気ライトノベルシリーズを映画化。第1巻ではなく、最も映画的な要素が多い第9巻のエピソードを基に映像化している。


 フランス・ルーヴル美術館が所蔵するレオナルド・ダ・ヴィンチの名画「モナ・リザ」が40年ぶりに日本へ来ることになる。「モナ・リザ」の警備強化を託されたルーヴル美術館アジア圏代理人の朝比奈(村上弘明)は、卓越した鑑定眼を持つ凛田莉子(綾瀬はるか)を学芸員候補として推挙する。莉子は彼女を取材する雑誌編集者・小笠原悠斗(松坂桃李)とともにパリへ向かい、採用テストに挑みこれに合格。もう1人の合格者・流泉寺美沙(初音映莉子)と一緒に研修を受けていたところ、次第に莉子に異変が起き、鑑定眼が狂っていく。原因を探ろうと奔走する小笠原は「モナ・リザ」の瞳の中に仕組まれたある事実を知る。一方その頃、「モナ・リザ」をめぐる巨大な陰謀が動き始めようとしていた…。


 この映画が公開される前に、たまたま僕は原作の1・2巻(この巻のみ1エピソードの前・後編となっている)を読んでいて、もしこれが映像化されるなら、たぶん凛田莉子役は綾瀬はるかしかいないだろうなと思っていたら、本当にそうなった。


 今回は、TVドラマからの続きではなく初映像化で、TVシリーズの予定は現時点で立てられていない。このため原作の1巻に書かれている莉子と悠斗の出会いや、学生時代の莉子はアホだったというエピソードなどが挿入され、恐らくだが原作の第9巻とは微妙に異なる展開となる。


 絵画を守るためとはいえ臨時の学芸員などルーヴルが雇うのかとか、どう考えてもおかしい警察の動き、フランス語の一夜漬け完璧習得(笑)など、ツッコミどころあり過ぎで、やや詰め込み過ぎな感はあるが、それらが全て伏線となり、後半見事に回収されていくので、作品全体としてはかなり面白い映画となった。


 今回は映画単体での企画らしいが、原作エピソードのストックは、姉妹編も含めてかなりあるので、同じキャストでTVドラマ化しても面白い、というか原作のキャッチフレーズが“面白くて知恵がつく、人が死なないミステリー”という、どちらかというと表現規制の厳しいTVドラマ向けという気もするので、是非やってほしいところだが、製作したTV局のTBSはどうするのかな?


私の評価…☆☆☆☆★

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2014年7月 9日 (水)

ヴィオレッタ

ヴィオレッタ
劇場:京都シネマ
監督・脚本:エヴァ・イオネスコ
音楽:ベルトラン・ブルガラ
出演:イザベル・ユペール、アナマリア・ヴァルトロメイ、ジョルゲッタ・レアウ、ドニ・ラヴァン、パスカル・ボンガール、ジェトロ・キャーヴ、ルイ=ド・ドゥ・ランクザン 他


 《監督の実体験を基にした問題作》


 母である写真家イリナの被写体として幼い頃から時にはヌードをも辞さないモデルとなっていた女優・エヴァ・イオネスコ。この映画は彼女がその経験を基に、母と娘の葛藤を自ら監督し描いたものである。彼女にとって初の長編映画監督作品にもなっている。


 写真家のアンナ(イザベル・ユペール)を母に持つヴィオレッタ(アナマリア・ヴァルトロメイ)は、母が多忙のため、祖母と一緒にいる機会が多かった。ある日、母にモデルになるよう誘われたヴィオレッタ。母に気に入られたいヴィオレッタは要求に応え、カメラに向かい大胆なポーズを取るように。そして、衣裳とメイクで大人の色香を纏い…。


 「カンヌで議論を呼んだ」とか、芸術かポルノかなんていう、センセーショナルな宣伝で、はて、どんな映画なんだろうと思って観たのだが、いたって平凡な映画だった(笑)。


 まず、“監督の実体験”が基になっているとはいえ、この監督の場合映画の設定よりも幼い時分からヌードモデルをやらされていたようで、それをそのまま描いてしまうと本当に児童ポルノになってしまい、作品自体が封印されかねないため、映画では10代の数年間に的を絞っている。内容はそれでも十分衝撃的なのだが、いかんせんストーリーに起伏がなく、淡々と描いているため、どこをどう観客に訴えたいのか、いまひとつ分かりにくい。怪優ドニ・ラヴァンがいつになくフツーに演技しているのは、ある意味意外だったが、だからなおさら平凡に見えたのかもしれない。


 ヒロイン役は撮影当時はまだ10歳だった新星アナマリア・ヴァルトロメイ。メイクのせいもあってか、随分と大人びた表情が印象的だったが、当時彼女はまだこういったショービジネスの経験がない新人だったため、撮影には細心の注意が払われ、それ故にこの映画にはヌードシーンが一切無い。


 このことからしても、児童ポルノではない事は一目瞭然で、日本よりレーティングが厳しい海外では特に規制することもなく普通に公開されているのだが、日本の映倫は当初、“規格区分外”にしようとした。つまり審査する事も拒否したわけで、その後配給会社が再審査を申請した結果、幸いにもノーカットの上R-15指定での公開が決まったのだが、“臭い物には蓋をしろ”と言わんばかりの映倫の態度は、かなり問題があると思った。たぶん、この映画を観た人の殆どは、そんなポルノまがいの映画とは思わないのではないか。映倫の審査って何かいいかげんなものだなと思っているのは、僕だけではないだろう。


私の評価…☆☆★

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2014年7月 4日 (金)

X−MEN:フューチャー&パスト

X−MEN:フューチャー&パスト
X−MEN:フューチャー&パスト
劇場:MOVIX京都
監督:ブライアン・シンガー
脚本・原案:サイモン・キンバーグ
製作総指揮:スタン・リー 他
音楽:ジョン・オットマン
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ヒュー・ジャックマン(山路和弘)、ジェームズ・マカヴォイ(内田夕夜)、パトリック・スチュワート(大木民夫)、マイケル・ファスベンダー(三木眞一郎)、イアン・マッケラン(家弓家正)、ジェニファー・ローレンス(剛力彩芽)、ハル・ベリー(本田貴子)、ニコラス・ホルト(浅沼晋太郎)、ケルシー・グラマー、アンナ・パキン、エレン・ペイジ(立花かおる)、ピーター・ディンクレイジ(佐々木睦)、ショーン・アシュモア(私市淳)、オマール・シー(楠大典)、ダニエル・クドモア(加藤亮夫)エヴァン・ピータース(吉野裕行)、ファン・ビンビン(たなか久美)、エイダン・カント(下妻由幸)、ブーブー・スチュワート(三宅貴大)、ジョシュ・ヘルマン(高橋広樹)、ブライアン・コックス(稲垣隆史)、ルーカス・ティル(鶴岡聡)、エヴァン・ジョニクカイト(烏丸祐一) 他

〔カメオ出演〕ファムケ・ヤンセン(日野由利加)、ジェームズ・マースデン(倉富亮) 他


 《タイムトラベルにおける禁忌事項もミュータントにゃ関係なし?》


 1981年に執筆された「デイズ・オブ・フューチャーパスト」を基に映画化された、「X−MEN」シリーズ通算7作目。ブライアン・シンガー監督が「X−MEN2」(2003年)以来11年ぶりにシリーズ復帰した。


 1973年、トラスク・インダストリーズがバイオメカニカル・ロボットとして開発した「センチネル」。ミュータントの殲滅が存在目的で、改良を重ねてミスティークの変身能力など彼らの能力も吸収し進化を続けた…。


 そして2023年。「センチネル」は遂に量産され、ミュータント殲滅のみならず、無関係な人類にも危害を加え、地球の脅威と化していた。


 この危機にプロフェッサーX(パトリック・スチュワート)は宿敵マグニートー(イアン・マッケラン)と手を組み、根源から危機を絶つため、1973年にウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)の「魂」を送り込む。50年前の自分の肉体に宿り「センチネル・プログラム」の開発を阻止しようとするウルヴァリン。しかしその間も、2023年では暴走するセンチネルの過酷な攻撃で、地球滅亡へのカウントダウンが進んでいた。2023年と1973年。タイムリミットを控え、2つの時代で同時進行する激しいバトルは想像を絶する結末へと向かうのだった…。


 「X−MEN」の本シリーズと、若き日を描いた「ファースト・ジェネレーション」に出るキャストの豪華共演で描いた本作は、実質内容的には「ファースト・ジェネレーション」の続編という形をとっているが、キャラクターが多いわりには、ストーリーが単純明快で分かりやすく、シリーズ初見の人でも楽しめる。一応「ファースト・ジェネレーション」とリンクしている部分がいたるところにあるので、予習復習しておけば、なお良いかもしれない。


 本作は一種のタイムトラベルものではあるが、従来のタイムトラベルものとは違う、少し変わった趣向を取り入れている。センチネルの襲撃を食い止めるには、50年前のミスティーク(=レイヴン)の行動が密接に関わってくるため、50年前のミスティークに会って、その行動を変えさせるべく、ウルヴァリンが向かうのだが、彼自身が時間旅行するのではなく、シャドウキャットの能力で精神だけを50年前の自分に宿す。つまり2023年のX−MENたちはウルヴァリンの肉体と、彼を過去に留めるために動けないシャドウキャットを守りぬかなければならないという、非常にサスペンスフルな展開となるのだ。そして、タイムトラベルものでは本来絶対に起こしてはならない“タイムパラドックス”が、本作では起こってしまい、最終的にウルヴァリンは「X−MEN3」までとは違う、別のパラレルワールドに飛ばされてしまう。実はこうすることによって、今までにいなくなってしまったキャラクターが再登場しやすくなっており、既に決まっている「X-MEN:Apocalypse」これは「ファースト・ジェネレーション」からの3部作完結編となるのだが、どんな展開になるのか、弥が上にも楽しみになってくる。その“さわり”ともいうべき、ジーン・グレイとサイクロップスのカメオ出演は、ファンには嬉しいサービスではないだろうか。ラストにはアンナ・パキン扮するローグもチラリと登場するが、実は彼女の出演シーンはストーリーの都合上大幅にカットされていて、その多くはDVDで復活するらしいので、ファンは心待ちにするように。


 ところで、とある映画情報のサイトに、ファン・ビンビンが「X−MEN」シリーズ5本分の契約を済ませたと書いてあったが、本当なのか!? 勿論スピンオフ等も含めてのものだろうと思うが、「007」みたいなロング・シリーズになっていくのかな? 面白けりゃ、見続けたいけど。


私の評価…☆☆☆☆

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