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2014年9月17日 (水)

思い出のマーニー

思い出のマーニー
思い出のマーニー
劇場:TOHOシネマズ二条

監督:米林宏昌
脚本:丹羽圭子、安藤雅司、米林宏昌
原作:ジョーン・G・ロビンソン「思い出のマーニー」
音楽:村松崇継
主題歌:プリシラ・アーン「Fine On The Outside」
声の出演:佐々木杏奈…高月彩良、マーニー…有村架純、佐々木頼子…松嶋菜々子、大岩清正…寺島進、大岩セツ…根岸季衣、老婦人…森山良子、ばあや…吉行和子、久子…黒木瞳、彩香…杉咲花、山下医師…大泉洋、十一…安田顕、美術教師…森崎博之、マーニーの父…戸次重幸、町内会役員…音尾琢真 他


 《心と体に傷を負った少女が出会う、ひと夏の“奇跡”》


 イギリスの児童文学作家ジョーン・G・ロビンソンの古典的名作を、舞台を北海道に変えて映画化。スタジオジブリが脱・宮崎路線をはかったファンタジー。


 北海道の、とある町。12歳の杏奈は、一見ごく普通の中学生だが、実は大きな苦しみを抱えながら生きていた。

 「この世には目に見えない魔法の輪がある。輪には内側と外側があって、私は外側の人間。でもそんなのはどうでもいいの。私は、私が嫌い。」

杏奈は幼い頃に両親を亡くし、養父母とともに暮らしている。あることがきっかけで周りに心を閉ざしてしまった杏奈は、悪化する喘息の療養のため、養母・頼子の親戚・大岩夫妻が暮らす海辺の村へ旅立つことになった。それが、杏奈が経験したひと夏の不思議な出会いの始まりだった。


 療養先の海辺の村で、杏奈は入江に面して建つ古い屋敷を目にする。

 「何だろう、あのお屋敷… 知っている気がする」

村の人たちが湿っ地屋敷と呼ぶその屋敷には、長い間、人が住んでいない。初めて見るはずの湿っ地屋敷に、杏奈はなぜか心惹かれる。屋敷は夢の中まで出てくるようになった。奇妙なことに、その夢には決まって青い窓に閉じ込められた謎の金髪の少女の姿があったのだ。


 ある晩、村のお祭りで地元の中学生と揉め事を起こした杏奈は、その場から逃げるように立ち去り、気が付くと湿っ地屋敷の見える海辺に立っていた。

 「私は私のとおり。不機嫌で、不愉快で。私は、私が嫌い… 」

苦しみと悲しみのあまり、その場に泣き崩れる杏奈。その時、杏奈の前に現れたのは、夢の中に出てきた謎の金髪の少女だった。


 「私達の事は秘密よ、永久に― 」

少女の名はマーニー。美しく華やかなマーニーに杏奈は憧れ、マーニーとの日々を過ごすようになる。杏奈にとってマーニーは心を打ち明けられる唯一の存在となり、同時に杏奈はマーニーの中にある深い悲しみを知る。

 「私、マーニーを助けたい!」

大雨が降り、雷鳴が轟く中、2人はマーニーの怖れを克服すべく、崖の上のサイロへと向かった。しかし、その時、マーニーが忽然と姿を消してしまったのだ…。


 マーニーとはいったい誰なのか。湿っ地屋敷に隠されたもうひとつの物語とは…?


 この映画、当初はその予告編の作りから、“ジブリ初の「百合もの」か?”という噂がネットなどで立っていて、自分もそう思っていたのだが、いざ見てみるとそうではなく、重くなりがちなテーマを努めて明るく描いた、実に気持ちのいい映画であった。


 これまでの宮崎駿や高畑勲の色を払拭させるためなのか、2人が常に掲げていた自然破壊や反戦といった壮大なものはあえて描かず、心に傷を抱えた主人公の気持ちなどといった、割合小さい事をテーマとして描いているし、画的な事でいえば、美術監督を岩井俊二監督作品でお馴染みの種田陽平が担当している事もあってか、海辺の町の風景やマーニーの住む家の周りなどの背景が、とても美しい。


 ライバル会社と比較するわけではないが、ディズニーアニメは「アナと雪の女王」で、従来のディズニーの作風からの脱却をはかり成功をおさめた。ジブリも本作で従来の宮崎駿や高畑勲の作風からの脱却をはかっている。長年のイメージからの脱却というのは容易なことではないが、両御大が一線を退いた以上は、次の者がリーダーシップをとらなければいけないわけで、暫らくは本作の米林監督と、10月からNHKで放送されるアニメの監督を務める宮崎吾朗監督がその役目を担う事になるのだろう。現時点で来年製作・公開される作品はない(当面は他社作品の製作協力や配給のみ)ようだが、この先ジブリ作品がどう変わっていくのか、非常に気になるところである。


私の評価…☆☆☆☆

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