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2014年10月17日 (金)

【封印映画】獣人雪男

【封印映画】獣人雪男
劇場:みなみ会館
監督:本多猪四郎
助監督:岡本喜八
脚本:村田武雄
原作:香山滋
特殊技術:円谷英二
音楽:佐藤勝
出演:宝田明、河内桃子、根岸明美、中村伸郎、堺左千夫、高堂國典、小杉義男、谷晃、笠原健司、大村千吉、鈴木孝次、山本廉、瀬良明、堤康久、岡部正、西條悦郎、坪野鎌之、山田彰、大西康雄、中山豊、千葉一郎、熊谷二良、草間璋夫、加藤茂雄、緒方燐作、吉頂寺晃、勝本圭一郎、佐藤功一、福田和郎、安芸津広、小沢経子 他

雪男…相良三四郎
雪男の子供…伊東隆


 《封印されてしまった幻の獣人》


 「ゴジラ」シリーズ2作、「透明人間」に続く1955年公開の東宝特撮映画。「ゴジラ」(1954年)とほぼ同じスタッフにより制作されている。


 K大山岳部員は、アルプス山峡へ雪男探険のためにやって来ていた。ある夜、疲れ果てた一同が微睡み始めた頃、不気味な半人半獣の影が見え、これを見つけた道子(河内桃子)の悲鳴に飛び起きた飯島(宝田明)は、威嚇の一発を放って遮二無二追いかけたが、何時の間にか方向を見失ってしまい、不運にも、雪男を生け捕って一儲けを企んだ大場(小杉義男)の一行に捕まり崖下に蹴落とされてしまった。飯島が我に返ったとき、十軒ばかりの粗末な集落の山小屋でチカ(根岸明美)という娘に介抱されていた。この集落は雪男を守り神とする里の人が謎の集落と呼んでいる原住民の集落であった。そして飯島は断崖に藤蔓で吊し下げられ、あわやという時、現れた雪男が彼を引き上げ捨て去っていった。命拾いした飯島は、どうにか探検隊の一行に救い出される。一方大場とその配下は、飯島に心惹かれるチカを利用して雪男の住む洞窟に案内させ、薬の力で昏倒させた雪男を生け捕ったが、その時大場の銃は雪男の子供を殺してしまった。怒りに燃えた雪男は大場もろともトラックを谷間
へ投げ飛ばす。今や人間に対する復讐の鬼と化した雪男は、K大探検隊のキャンプに突入し、道子を攫っていった。一行は噴火口の傍らまで雪男を追ったが、道子を抱えているので銃を打つこともできない。するとチカは山刀を抜いて雪男に近寄った。雪男は道子を放り出してチカに向かう。その瞬間、道子の兄・信介(笠原健司)の放った銃弾は雪男の胸を貫いた。凄まじい形相の雪男は、チカを抱き締めると、噴火口に飛び込んでいった…。


 ここ数年、1年に1本は、何らかの理由でテレビの地上波やDVDなど、メディアで観られなくなっている映画やテレビドラマを観ているのだが、この映画もその1つで、特に観たかった映画の1本でもある。


 スタッフとキャストの一部は「ゴジラ」と同じだが、特撮に関してはゴジラほど巨大なものを描くわけではないためか、ショボい感じは否めない。見方によっては雪男の大きさは殆ど人間と変わらない。


 近親者との“交わり”が進み廃れていく村と、悪い人間の手によって唯一の子供を殺された獣人。つまり、共に滅びる運命にあるものを描いていくのだが、「ゴジラ」ほどのメッセージ性が無く、河内桃子と根岸明美という2大ヒロインの美しさと、映画のポスターに描かれたものとは全く違うデザイン(ポスター等に載せられた獣人のデザインは別人が担当した初期のもの)の獣人の醜さがという、むしろビジュアル面の方が強く印象に残る。


 はて、この映画のどこにそんな封印される理由があるのか? 山の集落の描き方が問題とはいわれているが、見たところそんなに目クジラたててみる程でもないのではないかと思うのだが…。


 確かに香山滋が書いた検討用台本(今でいう準備稿)には、その設定として血族結婚のためか醜いせむし、目っかち、癩病などが蠢いて… といった差別用語混じりのものが書かれているようだが、あくまでセリフではなくト書である。映像表現としてはそれほど障害が目立ったような描かれ方はされていないし、セリフにも出ていない。今はこういう描写があるだけでも、ソフト化して流通させる事は不可能なのだ。ただ、こういう上映会などで上映される事はあるので、貴重な体験ではあった。比較的観られやすい時間に上映してくれたみなみ会館に感謝である。


 なお、この映画は海外では「HALF HUMAN」のタイトルでソフト化されていて、海外版DVDが観られる環境さえ整っていれば、視聴は可能だ。ただし、それは海外向けに追加撮影した上で、編集し直したもので、オリジナル版とは全く違うもの。そんな滅多に観られないものを観られただけでも大満足である。


私の評価…☆☆☆☆

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